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研削 盤3
生産設備に関する記事

研削盤とは?種類や旋盤・研磨機との違い、研削加工を徹底解説

研削盤とは、さまざまなモノづくりの工程で重要となる加工機の一種で、特に「研削加工」を行うための設備のことを指します。
本記事では研削盤の種類や構造、旋盤・研磨機との違い、研削加工等の知識を解説します。

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1.研削盤とは

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グラインダー」と呼ばれることもある「研削盤」は、「研削」という機械加工を行う工作機械の総称です。
最近では、一台の機械で複数の研削加工を行うことができる「複合研削盤」なども開発されていますが、加工内容に合わせて細かく種類が分けられおり、平面研削盤や内面研削盤、円筒研削盤など多くの分類があります。
一般的な使い方としては、製作対象物をしっかりと固定(チャック)したうえで、高速で回転する砥石と接触させることで、加工物の表面をゆっくりと精確に削り取っていきます

作業場に設置されているような製作対象物を固定して操作を行う比較的大型の「機械研削盤」と、持ち運びもできるハンディタイプの「自由研削盤」に分類でき、製作対象物のサイズや求められる加工内容によって、使い分けを行う必要があります。

研削盤については以下の動画も参考にして下さい。

関連動画】

引用:砥石を1万1千回転まできっちり回せ!平面研削の精度?勝つね・・・どこの加工屋だろうが 目じゃねぇよ・・・・削り最速伝説!削る! 削ってくれ俺の加工機!実践プロの平面研磨加工 – YouTube

引用:平面研削、平面研削盤の説明

2.研削盤に欠かせない道具

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研削盤はそれ単独では加工を行うことはできず、合わせて必要になる道具があります。ここでは、特に重要な役割を果たすものについて紹介します。

(1)切削水(研削水)

研削加工では「水」が重要な役割をはたしています。
研削を行う上で問題となるもののひとつに発熱があります。高速回転する砥石と金属などの製作対象物が激しく擦れ合うことで、摩擦や火花によって熱が発生します。

材料に熱が伝わると熱膨張や焦げ付きなどによって正確に製作できなくなるだけでなく、工作機械である研削盤自体の精度を狂わせる原因にもなりえます。そのため、研削加工では切削水(研削水)を常に吹きかけることで熱を除去する必要があります。

切削水(研削水)を吹き付けることによって、発熱除去のほかにも、摩擦を軽減する目的や切りくずを素早く除去する洗浄の効果があります。

研削 盤8研削 盤4研削 盤5 

 

 

(2)砥石

研削加工において、製作対象物を削るのが「砥石」です。
砥石は砥(と)粒と呼ばれる硬く小さな粒を、結合剤で固めて作られています。

砥粒は、金属やさらに削るのが難しいステンレス鋼やチタンなどの難削材を削るため、アルミナ(酸化アルミニウム)やダイヤモンドなど、様々な硬い物質が使われています。結合剤は主にセラミックス、樹脂、金属の三種類があり、用途によって使い分けられます。

この「砥粒」「結合剤」そして砥粒と結合剤のスキマにできる小さな穴である「気孔」は砥石の三要素と呼ばれ、砥石の性質を決める上で重要な役割を担い、これによって適切な砥石を選定することができます。

研削 盤1

3.研削加工とは?研削盤と旋盤の違いや研磨加工との違い

研削 盤10

機械加工による加工工程には、研削盤を用いる研削加工のほかに、「切削加工」や「研磨加工」などがあります。
ここでは、これらの加工方法や設備について紹介し、研削加工および研削盤との違いについて解説します。

(1)研削加工とは?

研削加工は、機械工作の最後の仕上げを担う加工法で、研削盤を使用して表面の凹凸を少しずつ削り、製品の形状をより精確に作り出します。

精密研削では0.1ミクロンの精度で金属の表面を仕上げることも可能です。製品によって厳しい寸法精度や表面の綺麗さを求められる場合には、非常に重要な加工工程となります。

(2)切削加工とは?研削盤と旋盤の違い

切削加工は、ドリルやリーマ、エンドミルなどの切削工具を使用して、材料の表面を削り取るほか、穴をあけて加工します。材料を切削することで、製品の形状に近づけます。
切削加工の分類には、切削工具を回転させて材料を加工する「転削」や、材料を回転させて切削工具に押し当てて加工する「旋削」もあります。

研削 盤12

旋削で用いられる代表的な加工機に旋盤があります
旋盤が製作対象物の形状を大きく変化させるのに対して、研削加工で使用する研削盤は、表面の凹凸を少しずつ削り、厳しい寸法精度が求められる製品に対応します。

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(3)研磨加工とは?研削加工との違い

研磨加工は、製品の表面を綺麗にするための工程で行われる加工法です。
砥石を使用して製作対象物の表面を細かく削り取り、滑らかにします。

研磨加工には製品の寸法やサイズを調整する目的はありません。表面を磨くことが目的であり、圧力を利用することから「圧力転写加工」と呼ばれています。

研削 盤2

金属の表面を鏡のようにピカピカの状態に加工する「鏡面仕上げ」は、研磨加工の代表的加工のひとつである「バフ研磨」に該当します。布等の柔らかい素材の「バフ」に研磨剤を付け、回転させながら製作対象物を磨く研磨方法で、医薬品工場や食品工場では大型のステンレス設備などに施されています。

研磨機が表面を滑らかに磨き上げるのに対して、研削盤は表面を精密に削り取りながら厳しい寸法精度と表面の綺麗さの両立を実現します。

4.研削盤の分類と構造

研削盤は以下の3種類に大別されます。

平面研削盤
内面研削盤
円筒研削盤

ここではそれらの構造の違いを説明し、さらにほかに分類される研削盤についても紹介します。

(1)平面研削盤

最も一般的な研削盤に、平らな面の研削に特化した「平面研削盤」があります。電磁チャックによるマグネット吸着や、真空チャックによってしっかりとテーブルに固定された製作対象物をテーブルごと前後左右に動かしながら、絶妙な高さに調整された回転する砥石に接触させて研削します。

厳密な平行度が求められる精密機械部品の製作などで使用されるほか、溝掘り加工にも対応することができます。

研削 盤11

(2)内面研削盤

内面研削盤とは、筒状の製作対象物の内面を加工する研削盤です。製作対象物を固定した状態で回転させ、その穴に砥石を徐々に押し当てながら削ります。高い精度で加工することができるため、ベアリングなどの精密な寸法での製作が要求される機械部品の内径仕上げに用いられます。

大きな部品など、製作物を回転させることができない場合は、「プラネタリー方式」という、砥石を筒状の内面に沿って回転させる方法で研削を行います。

(3)円筒研削盤

筒状の製作対象物の外面を加工するのが「円筒研削盤」です。製作対象物と砥石の両方を逆方向に回転させながら、円筒外側をゆっくりと削っていきます。

円筒研削には、長い素材を加工する「トラバース研削」や小さな素材の加工に適した「プランジ研削」があります。

トラバース研削 薄い砥石を使用して製作対象物を左右に動かしながら研削
プランジ研削 幅の広い砥石を用いて効率よく研削

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(4)工具研削盤

工具研削盤は、使い古して摩耗してしまった工具を再び使用できる状態に研削するための研削盤です。
工具研削を行う代表的な工具としてフライスカッターやドリルがあり、それぞれの研削に特化した「フライス研削盤」や「ドリル研削盤」があります。
工具研削盤では、既存工具の再研削だけでなく、工具の新規製作も可能です。

(5)芯なし研削盤

芯なし研削盤は円筒や円柱状の製作対象物を研削する研削盤で、対象物の固定にセンタを使わないため「センタレス(センターレス)研削盤」とも呼ばれます。

芯なし研削盤には以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット ●センタが無いことから段取りが簡便
●自動化や連続加工によって生産性が高い
デメリット 円筒研削盤のように製作対象物の中心をチャックなどで固定することなく円筒外面を研削加工するため、研削精度は円筒研削盤よりも少し劣る

芯なし研削盤は、自動車部品などの量産加工で多く使用されています。

.CNC研削盤で使用される周辺機器

汎用的に使用される研削盤には、数値制御を取り入れたNC研削盤やコンピュータ制御を取り入れたCNC研削盤があります。

NC研削盤 数値制御(NC)を取り入れた研削盤
CNC研削盤 コンピュータ制御を取り入れた研削盤

研削盤を数値制御およびコンピュータ制御することで、精度向上や自動化を実現することができます。
ここでは、CNC研削盤で活用されている周辺機器について紹介します。

(1)自動ドレス装置

研削砥石は砂粒が突き出た構造ではなく平面的な研削部であるため、何度も研削を行うことで徐々に丸みを帯びてしまいます。そうなると、切れ味が悪くなるほか、研削精度も落ちてしまい完成物の平面粗度に影響を与えてしまいます。

そのため、研削加工では砥石の研削面を綺麗に整える「ドレッシング」という作業がこまめに必要になります。手動で使用する汎用的な研削盤では、ドレッシングツールを別途準備し、テーブル上に取り付け、砥石を手作業で動かしてドレッシングを行います。

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自動ドレス装置では、円錐形の工具や、ロータリー形のドレッサを取り付け、装置内で砥石の表面を整えることができます。自動的にドレッシングが行われるため、生産性を向上させることが可能です。

(2)ハンドリングロボット

手動の研削盤では、製作対象物を研削盤へ取り付ける作業や取り外して運搬する作業は手作業で行っています。これらの作業を、一般的な機械製造工程で使用されるハンドリングロボットを応用することで、製作対象物を把握し、適切に研削盤へ設置・固定させることで、AWC(Auto Work Changer)と呼ばれる自動交換システムを構築することができます。

さらに、自動搬送ラインと組み合わせることで、他の工作機械との工程と合わせて自動で機械工作を行う製造ラインを実現することも可能です。

(3)砥石自動交換装置

研削盤では、工程や研削する材料ごとに異なる砥石を使用することがあります。
切削加工に使用される工作機械である「マシニングセンタ」でも導入されているATC「Auto Tool Changer(工具自動交換装置)」と呼ばれる機器を応用することで、研削盤の砥石も自動で交換することができます。

これにより、異なる材質や複数工程を人が介入することなく一貫して連続加工することができるようになるため、効率の向上と適した砥石を使用できることによる精度向上が見込まれます。

(4)センサー

CNC研削盤の活用に必要不可欠になるのが、様々な状態を計測するためのセンサーです。
ここでは代表的な例としてタッチプローブと超音波センサについて紹介します。

①タッチプローブ

タッチプローブは、製作対象物の寸法を計測するセンサで、直接加工物に接触させることで正確な寸法を割り出します。
円筒研削盤では製作対象物の外径を計測し加工原点出しを行うほか、平面研削盤では加工後の寸法計測に活用されます。

さらに、計測した寸法データをCNC研削盤にフィードバックし、自動制御を行うことで、加工不良を未然に防ぎ、高い加工精度を実現します。

また、従来であれば熟練者によって行われてきた加工前の「位置決め(原点出し)」をデジタルデータで再現でき、段取りの時間短縮だけでなく、製作工程の自動化に貢献しています。

②超音波センサ

超音波センサはAEセンサとも呼ばれており、砥石と製作対象物の接触を検知するために使用されています。データをCNC研削盤にフィードバックし、瞬時に加工に反映することができます。従来は作業者の目や耳で接触による火花や接触音を感知し絶妙な加工を行っていましたが、熟練者でも相当の集中力や体力が必要であった工程を自動化できることによって、加工効率の大幅な上昇が見込まれます。

NC(数値制御)は、研削盤に限らず多くの工作機械に共通する機能です。研削盤以外のNC工作機械については、以下の記事も参考にしてください。

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.研削盤の今後のトレンド

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研削盤を用いた研削加工は、加工方法や加工する対象物によって手順や設備が異なるため、標準化が難しく、ベテランの技術者に依存することの多い加工です。しかし、急激に進行する少子高齢化によって現役の熟練者が減少しているだけでなく、電気自動車や半導体製造装置の製造需要が高まるにつれて、それらで使用する精密部品や半導体製造装置向けのガラスやセラミックなどの硬脆材料の研削加工がさらに必要となります。

研削盤の需要は大きくなる一方で、職人不足という大きな課題に直面している中、熟練者のノウハウに頼ることの多い「段取り」「ツルーイング」「ドレス」などの工程をいかに自動化もしくは省人化していくかが今後のトレンドとなります。

センサ技術やコンピュータ制御による自動化技術の発展によって、若手技術者が少ない人数で扱うことができ、製作精度も高い研削盤の開発も進むことでしょう。研削加工技術専門の展示会などで、実際に目で見て技術に触れ、最新情報をキャッチアップすることも重要です。

7.研削盤関するご相談は株式会社FAプロダクツ

FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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