FMEA(故障モード影響度解析)とは?FTAとの違いや実施手順を解説
FMEAとは、製品や各種システムを構成するパーツなどの主要な要素の故障モードを抽出し、その影響度を算出したうえで対策を施すことで、トラブルを未然に防ぐための解析手法です。
製造メーカにおいては、自社製品や工程の信頼性を確保するために行われるもので、故障モード影響解析と呼ばれています。
この記事では、FMEAの仕組みや実施する目的、リスクの評価方法や実施手順、同じ信頼性確認に使われる手法であるFTAとの違いなどについて解説します。また、装置の保守・メンテナンスを行っているメーカについても紹介します。
もし、FMEA実施についてのコンサルティングを受けて、
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- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
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目次
1.FMEA(故障モード影響度解析)とは
FMEAとは、「Failure Mode and Effects Analysis」の略で、故障モード影響解析という意味です。1940年にアメリカ軍で考案された解析方法で、1985年に国際電気標準会議(IEC)で標準化され、日本ではJIS規格の一部として2011年から国内標準化されています。
(1)FMEAの目的
FEMAは、製品はもちろん製造工程の信頼性を高め、不良品の発生や工程の不具合による生産トラブルを未然に防ぐために用いられる解析手法で、ボトムアップ的な進め方をします。
①そもそも「故障モード」とは?
「故障モード(failure mode)」とは、機械や装置が機能不全(故障)に陥ってしまうリスクを各構成要素に絞り込んで洗い出したもので、配線の断線や短絡、部品の摩耗・劣化、ソフトウェアの破損など、さまざまなものがあります。故障することによって、機械が設計通りに動かなくなるのはもちろん、動作を停止できなくなるなどのトラブルが発生します。
②不良モードとは
不良モードとは、製品の品質ではなく製造工程における作業や管理といったプロセス要素で発生するトラブルのことを指し、工程を安定的に稼働させるための「工程FMEA(PFMEA)」で抽出されるモードのことです。
(2)FTA(故障の木解析)との違い
FTAとは「Fault Tree Analysis」の略で、故障の木解析と呼ばれるものです。
FTAは、作業者の安全性確保や信頼性確保のために、発生することが望ましくない故障などの事象をピックアップし、その発生原因を事前に評価・検証して発生を防ぐための解析手法です。未知のトラブル発生に対応するのではなく、事前に想定できるものや実際に発生したトラブルの再発防止などを目的として対応するために用いられます。
2.FMEAの評価方法や手順
FMEAの目的は故障リスクの予防であり、機械や装置自体はもちろん、使用者の操作ミスなどで発生する故障も含まれます。故障モードには潜在的な故障もあり、関連した相対リスクを抽出することが求められます。
(1)故障の相対リスク評価
FMEAにおいて、各故障モードの相対リスクやその影響は、以下の3つの要素で評価されます。
影響度:故障が発生した際に製品や工程に及ぼす影響の度合い
発生頻度:故障が発生する頻度や確率
検出難易度:トラブルが発生して製品や生産工程に影響を与える前に故障が発見できる確率
リストアップした故障モードごとに、それぞれの要素を5段階や10段階で点数づけをした後、以下の計算式で「危険優先度:RPN(Risk Priority Number)」を算出してリスクを評価し、対策の優先度を決めます。
危険優先度(RPN)=影響度×発生頻度×検出難易度 |
(2)FMEAの実施手順
FMEAは以下の手順で実施します。
- FMEAの実施準備(データ収集や信頼性ブロック図などによる整理)
- FMEAの対象部位を選定する
- FMEA表に製品や機械に備わっている機能を記述する
- 故障モードを記述する
- 故障モードごとに「影響度」「発生頻度」「検出難易度」の評価を記入する
- RPNを算出して事前対策を行う故障モードを選定する
- 故障モードへの対策事項と実施計画を記載する
- 対策の効果を検証してフィードバックする
例えば、以下のようなFMEA表のケースでは、RPNが高い「作業者が抜く」という故障原因への対策を優先させ「設置の際にカバーで隠す」といった対策を行います。
品目 | 機能 | 故障モード | 影響 | 故障
原因 |
影響度 | 発生
頻度 |
検出
難易度 |
RPN | 対策 |
コード | 電気を
伝達する |
断線 | 装置が動かない | 経年
劣化 |
10 | 1 | 10 | 100 | 定期点検 |
作業者が抜く | 10 | 3 | 10 | 200 | カバーで隠す |
4.FMEAを行ううえでの注意点
FMEAを用いて、品質トラブルや生産工程の歩留まり低下などのトラブルを防ぐにはどういった点に注意すればいいのでしょうか。ここではとくに注意すべきポイントを3つ、ご紹介します。
(1)品質の不具合や故障要因は網羅的に洗い出す
FMEAを一人で行ってしまうと、品質の不具合や故障要因などを漏れなく抽出することが難しくなります。漏れがあれば、それだけ想定外のトラブルが発生した際に対策が遅れてしまう事態に陥ります。FMEAを実施する際には、FMEAチームを作り複数人の視点から故障モードなどを抽出することを意識しましょう。
もちろん、FMEAチームにはリーダーを据えて、最終的な取りまとめを責任を持って行わなければいけません。
(2)リスク評価には客観的な視点も入れる
リスク評価についても、客観的な視点を入れて判断することが重要です。
FMEAでは、RPN(危険優先度)を算出して対策の優先順位を決めます。そのため、「影響度」「発生頻度」「検出難易度」の数値評価が重要です。過去のFMEAを参考にしたり、FMEAチームメンバーの経験なども参考にしながら、客観的な数値評価をしましょう。
(3)FMEAは検討で終わらせずに実施まで落とし込む
せっかくFMEAを行って網羅的に故障モードを抽出して対策を練っても、実施しなければ意味がありません。
実施対策の中にはそれなりの時間を要するものもあるため、RPNで優先順位を決めた対策については、対策スケジュールを作成したうえでプロジェクト形式で進捗管理を行いましょう。
対策を行ったことで、RPNがどれほど低下するか試算したうえで、実際の運用結果をレビューすることも大切です。
4.装置保守におすすめのメーカ
次に、装置の保守・メンテナンスサービスを提供しているメーカを、3社ご紹介します。
(1)株式会社FAプロダクツ
【特徴】
・年間200台ものロボット導入実績がある関東最大級のロボットSIer
・工場FA化のためにロボットだけでなく画像処理技術などの知見も豊富
・予知保全や定期メンテナンスはもちろん、メーカーメンテナンスの請負も可能
【所在地】
〒300-0847 茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
(2)株式会社デンソーエムテック
【特徴】
・2000年にデンソーの計測と設備の点検や改造、更新を支える会社として分離独立
・デンソーで培った経験を活用し、専用機の設計や製作、設備・ラインの省エネにも対応
・生産用汎用機器のオーバーホールや修理も請け負い
【所在地】
〒470-2298 愛知県知多郡阿久比町大字草木字芳池1 株式会社デンソー阿久比製作所内
TEL. 0569-49-1631
FAX. 0569-49-1648
https://www.denso-mtec.co.jp/
(3)高松機械工業株式会社
【特徴】
・1948年創業の工作機械の製造・販売、サービス・メンテナンスメーカ
・CNC旋盤や周辺機器を主軸に、IT関連製造装置などさまざまな工作機械に対応
・国内の生産は4拠点で行い、海外拠点も欧米をはじめアジア圏まで幅広く展開
【所在地】
〒924-8558 石川県白山市旭丘1丁目8番地
TEL. 076-207-6155
FAX. 076-274-1418
https://www.takamaz.co.jp/
5.FMEAの実施に関するご相談はFAプロダクツへ
FMEAは、自社製品の品質・信頼性保証や、生産工程で発生する恐れのあるさまざまなトラブルを防ぐために重要な解析手法です。
FMEAでは、故障モードを網羅的に抽出し、適正なリスク評価を行うことで対策内容はもちろん、その優先度を決めることができます。
FAプロダクツでは、これまでの実績をもとに、FA化による生産性の向上や工程はもちろん使用している機械・装置のFMEAを支援し、それぞれの工場にとって最適なアドバイスを行っております。お悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
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茨城県土浦市卸町2丁目13-3
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【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)