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画像処理に関する記事

検査装置を構成するカメラや画像処理とは?照明装置もあわせて紹介!

1.はじめに

外観検査を初めとした検査装置の発達により、従来、人が行っていた目視検査を検査装置に託することができるようになり、ラインの製造効率が向上しています。この検査装置の欠かせないものが、カメラを主体とした画像処理です。

人の目に代わるカメラ、人の頭脳に代わる画像処理ソフトウェア、この2つがカメラシステムの重要な位置づけを占めます。
本コラムでは、カメラを初めとした検出器と画像処理について紹介します。

また、検査装置にカメラを導入して、

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 生産性アップして売上を上げたい
  • 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
  • どのメーカーのカメラを使えば効率的かわからない

という場合は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合わせください。
カメラを活用した検査装置の導入が得意な技術者が、最適なご提案をさせていただきます。

また、画像処理に関するお問合せには、ルール型画像処理からAIによる画像処理まで幅広く対応する画処ラボもご活用頂けます。

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2.基本事項「画素とは」

 

初めに、カメラシステムの基本事項として、「画素とは」について紹介します。
画素に関しての基本事項を、図1で紹介します。

図1 画素とは

検査装置に使われるカメラは解像度160万画素、というように仕様に加えられます。160万画素とは、1080ピクセル×1440ピクセルの画素の集まりです。
解像度160万画素CCDカメラは、160万個のCCD撮像子からできていて、1ピクセルごとに対応した検査対象の画像を送信します。
白黒カメラでは、1個のCCDは、0~255の2576階調のデータを持っています。0~255のデータは、0が黒、255が白として中間がグレーというように色対応し、全体画像のイメージを表したものが、図1の白黒画像です。

なお、コラムでは詳細は紹介しませんが、カラーカメラは、RGB(レッド・グリーン・ブルー)のフィルターを、CCDごとにかぶせて撮像し、それぞれの色を、256×256×256の階調で表します。

 

3.カメラ装置の構成とは

 

(1) カメラの構成

 

カメラ装置の構成を図2で紹介します。

図2 カメラの構成図

カメラの主要な部品は、CCD撮像子とレンズから構成されています。レンズは、レンズ・絞り・ピント調整で構成され、ピントが合ってコントラストが取れた画像を、撮像します。

(2) 照明装置

 

検査対象物の検査位置を明確にするものが、照明装置です。照明の当てかたによって、検出対象のキズやゆがみなどの欠陥を明らかにします。
検査対象の特徴を浮き出す照明の要素は、照明の当て方、照明の形状です。それぞれの特徴を表1、表2で紹介します。
他には、検査物の背景に合わせて照射する、照明の色も要素の一つです。

表1 照明の当て方

種類 方法
反射照明 検査対象に対して光を斜めから照射し、検査物からの反射光をCCDでとらえます。
同軸落射照明 検査物に対して照明の光軸とカメラの光軸を合わせて光を照射します。光軸を同じにするために使われるものがハーフミラーです。
透過照明 検査対象の背面から光を当て、透過光によって検査物の外形などを写します。

 

 

 

 

 

 

 

表2 照明の形状

形状 方式 特徴
リング照明(ローアングル照明) リング状にLEDを配置しています。 エッジ部などを白く際立たすことができます。
バー照明 直線状にLEDを配置しています。 長尺エリアに均一な照射ができます。
フラット照明 LEDを平面上に配置しています。 バックライト照明としてハレーションが起きやすい検査物全体に間接光を当てます。
同軸落射照明 同軸落射照明用に配置されたLED照明です。 検査面を均一に照らすことができます。
ドーム照明 ドーム型にLEDを配置し、色々な方向から間接光を当て、検査物全体を均一の拡散光で反射します。 不定形な検査物に対し、全体的に光を照射でき、表面を均一な状態とし、コントラストを明確にします。

 

4.画像処理とは

 

CCDカメラから取り込んだ画像は、白黒またはカラーの階調データとして、図2で紹介した画像処理装置に伝送されます。

画像処理装置では、次の検査を行います。
・部品の欠陥の発見
・文字の読み取り
・寸法測定
・位置決め
・異種混入物発見
・部品の形状や欠損の発見
・色落ちや汚れの発見
・ラベル上の賞味期限や製造番号などの印字欠陥の発見

取り込んだ画像から、キズやゆがみなどの欠陥を検査するには、そのままの画像では欠陥が抽出できないため、取り込んだ画像を加工し、欠陥を浮き上がらせるなどの処理をする必要があります。それが、前処理フィルターです。

◆ 前処理フィルター

前処理フィルターの例を表3で紹介します。

表3 前処理フィルター例

フィルター名称 処理方法 効果
膨張 画像を3ピクセル×3ピクセルごとに分け、中心を9つの濃度のうち最大濃度に置き換えます。 黒いノイズを除きます。
収縮 中心の濃度を最小濃度で置き換えます。 黒い画素を強調します。
平滑化 中心の濃度を9つの濃度の平均に置き換えます。 ノイズ成分の影響を減らします。
メディアン 中心の濃度を9つの濃度のうち5番目に濃い濃度で置き換えます。 ノイズ成分を除きます。
エッジ抽出 ソーベルとプレヴィット処理結果を合成します。 画像全体のエッジが抽出できます。
色抽出 画像の特定の色を個別に抽出します。

 

◆ 画像処理

画像の前処理を行った後に、検査対象の欠陥などを検出するものが、画像処理です。
画像処理の例を表4で紹介します。
なお、前処理や画像処理は、検査装置メーカーやカメラメーカーによって区分が異なりますので、CCDから送信された画像を処理することで、理解すればよいでしょう。

表4 画像処理方法例

名称 処理内容
二値化処理(カラー) 画像を構成する256×256×256階調のカラー情報から、特定の色範囲だけを抽出する処理です。例えば、赤、青、黄色、緑の5本の線から、黄色の線だけを抽出するという使い方ができます。
濃淡処理 カラー情報を、指定する明るさをもとに、256階調の黒・グレー・白情報に変換する処理です。単な白黒処理よりはっきりとしたグレー画像ができます。
パターンサーチ 基準となる画像をもととして、類似する画像を見つけ、その位置や一致するかどうかを判定する処理です。
エッジ検出 画像の明るい所と暗い所の境界を検出する処理です。これによって、エッジの位置やエッジの幅などが計測できます。

 

5.カメラと画像処理による検査装置とは

 

(1) 検査装置

 

カメラと画像処理装置で構成された検査装置を使い、検査するイメージを図3で紹介します。

図3 差分画像による検査

 

図3のイメージは、検査対象の位置が傾いて移動しているため、検査する欠陥文字がずれてしまっているときの検査です。
検査対象がズレていることを検出したのちに、位置補正処理を行って正常な状態にします。

それから、登録した正常な文字パターンと検査画像から差分画像を抽出し、不具合のような点を抽出します。

この不具合のような点が、欠陥かどうかを判定処理で検出し、NGであれば、この検査対象はNGラインへ流す出力処置を行います。多くの判定処理で使われるものが、しきい値です。

 

(2) 3D画像検査

レーザーを使って3D画像として検査するイメージを図4で紹介します。従来は2D検査が主体でしたが、検査対象の高さの情報を加えることで、欠陥検出の幅が広がっています。

図4 3D画像検査イメージ

 

 

6.画像処理システムのカメラ選定は画処ラボ

このコラムでは、検査装置の中核を担う、カメラシステムと画像処理について紹介してきました。ここで紹介したカメラの基本事項は、CCDと画像処理の構成などですが、そのほかにも、レンズの基本事項、照明の基本事項など多くの技術で成り立っています。それは、画像処理についても同様です。

カメラや画像処理についての技術については、メーカー各社が公開していますので、担当する部門に役立つ情報もたくさんあることでしょう。情報が公開されていなくとも、メーカーに問い合わせることで、必要なことが提示される可能性が高いでしょう。

カメラなどのセンサや画像処理方式は、半導体の高効率化によって年々進化しています。昨年問い合わせてダメだったことも、今年は解決できているかもしれません。いつも新しい情報に接することで、製造ラインのより良い効率化が望めるのではないでしょうか。

検査装置のカメラ選定を含めた画像処理システムの導入をご検討の際は、お気軽に画処ラボまでお問合せください。

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