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ディープラーニングによる画像認識とは?検査装置への応用事例も紹介
画像処理に関する記事

ディープラーニングによる外観検査 画像認識の仕組みと事例

現代では、写真や画像を使うアプリやサービスが、私たちの生活に広く・深く浸透しています。

そこでは、大量の写真や画像を、効率よく・適切に・自動的に分類し、必要に応じて再利用するための技術が求められています。

このような時代背景にあわせて、ディープラーニングによる画像認識の技術が飛躍的に発展しています。

本コラムでは、ディープラーニングによる画像認識技術の概要や生産活動における外観検査の合理化や自動化への活用方法について、ご紹介します。

もし、ディープラーニングを用いた画像処理システム導入について

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 検査レベルを高めて品質価値を高めたい

というご希望がございましたら、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。
ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。

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「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

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目次

1.ディープラーニングとは

ディープラーニングとは

まずは「ディープラーニング」と呼ばれる技術の概要について解説します。

(1)ディープラーニングの仕組み

①基本的な概念

あらゆるシステムは前提として、

「何らかの入力に対し、何らかの出力を返す」

ものであると定義されます。

「システム」はある入力に対し出力を返すものと定義されます

ディープラーニングが対象とするシステムも同じように、入力に対して適切な出力を返すことを意図して設計されています。

ディープラーニングを活用することで、出力の精度を、従来の手法に比べて容易に飛躍的に向上させることができる可能性があります。

②ニューラルネットワークとディープラーニング

ディープラーニングの前提となるのは、ニューラルネットワークと呼ばれる仕組みです。

ニューラルネットワークは、以下画像のように、入力を行う層(入力層)と出力を行う層(出力層)の間に、隠れ層と呼ばれる処理を挟んだ3層構造を持つシステムのことを言います。

ニューラルネットワークは、以下画像のように、入力を行う層(入力層)と出力を行う層(出力層)の間に、隠れ層と呼ばれる処理を挟んだ3層構造を持つシステムのことを言います。

隠れ層内部で行われる各処理の結果に対して適切な重みづけを行い、それに従って複数の結果を合成した結果を出力とすることで、極めて多様な入出力関係をシンプルかつ柔軟に表現できるメリットがあります。

ディープラーニングは、このニューラルネットワークの隠れ層の数を増やし、多層にわたって設定する手法です。

これにより、画像などのデータ量の大きな入力に対しても、精度の高い出力を得られると期待されているのです。

(2)画像処理による検査で用いられるディープラーニングの具体例

一般的な画像認識の場合を例にとって説明します。画像認識の場合、画像のデータを入力とし、それに対して目的に応じた出力を設定することになります。

その代表的なものが、物体認識ラベル付けです。

①ディープラーニングによる物体認識

物体認識とは、入力画像のデータから、その画像の「どこに」「何が」含まれているかというを情報を出力として得る仕組みです。

例えば、以下の画像ですと、表示されている「画像それ自体」という入力に対し、「緑の枠の位置に」「Guitar」が含まれているという情報を出力していることになります。

三本のギターの位置と、それが「ギター」であるという名称が表示された画像

※上記データはGoogle Cloud AutoML Visionを使用して取得しています。

②ディープラーニングによるラベル付け

ラベル付けとは、入力画像がどのようなカテゴリに一致するか判定し、一致したカテゴリの情報を、一覧として出力する仕組みです。

例えば、以下の画像ですと、右側に表示されている「Guitar, String Instrument, Musical Instrument, …」の箇所が、画像認識処理の結果、一致すると判定されたカテゴリとなります。この一覧が出力情報です。

先ほどと同じ画像に対し、画像に含まれているカテゴリの一覧が表示されている

上記データはGoogle Cloud AutoML Visionを使用して取得しています。

2.通常の画像処理による検査とディープラーニングを使った検査の違い

通常の画像処理による検査とディープラーニングによる検査の違い

(1)従来の画像認識・画像処理の持つ課題

①判定ロジックを手動で構築するのが困難

従来の画像認識の手法では、物体認識やラベル付けを行うにあたり、「このようなデータならこのように判断する」というロジックを、自ら考察し、システム構築し、検証する必要があります。

そのためには、極めて高い技術力とセンスを兼ね備えた人的リソースが必要となり、非常に困難です。

具体的には、以下のように、技術者が試行錯誤と調整を繰り返しながら、認識ロジックを実装する必要があります。

  • どのデータに着目するか?
    • 位置:画像の中の座標(X, Y) = (100, 100)の周囲
    • 形:正方形
    • 大きさ:1辺の長さが10±0.1
    • 色:黒色
    • 他にも様々
  • それらデータのどの項目にどれくらいの重点をおいて判断するか?
    • 位置:一番重要なため五割
    • 形:二番目に重要なため三割
    • 大きさ:三番目に重要なため二割
    • 色:四番目に重要なため一割
    • 他にも様々…
  • その結果、認識精度はどれくらいか?
    • 目標:95%
    • 検証結果:70%
  • 目標に到達するまで、着目すべき項目や閾値や、それら項目間の重みづけを試行錯誤する必要あり

この手法で実用に耐えうるレベルの仕組みに到達するには、非常に高い技術力・センス・リソースが必要となります

②判定ロジックの継続的な精度向上が困難

仮説の構築、検証が一定レベルに達したとしても、継続的な精度向上や追加機能のニーズが後で発生する場合がほとんどです。

その需要に答えるためには再び判定ロジックをはじめから見直さねばならず、非常に大きな修正や、システムの再構築が必要となる可能性が高くなります。

(2)ディープラーニングを用いた画像認識・画像処理の強み

①学習データさえあればシステムを構築できる

ディープラーニングを用いた画像認識では、適切な学習データの準備があれば、半自動的に仕組みを構築することができます。

学習用データを入力として与え、出力の精度を評価し、結果に応じてニューラルネットワークの隠れ層のパラメータを自動的に調整するというプロセスを機械的に繰り返すことで、あらゆるシチュエーションに対応が可能です。

準備すべきリソースは学習用の画像データのみであり、適切にラベル付けされた画像データを準備することのみに注力すればよい、というシンプルさが強みです。

3.ディープラーニングによって解決できる画像処理・検査の課題

ディープラーニングによって解決できる画像処理・検査の課題

(1)認識ロジックの実装が困難な事例

①学習用データに基づいて半自動的に仕組みを構築可能

ディープラーニングを用いた画像認識では、たとえば、物体「A」の画像として複数の画像を学習用データとして準備しておくことで、半自動的に、画像を入力として、物体「A」であるか否かを判定する仕組みを構築することができます。このシンプルさがディープラーニングを用いた画像認識の強みです。

②継続的なデータの精度維持

ディープラーニングを用いた画像認識では、学習用データさえあれば、半自動的に仕組みを構築したり、精度の向上を進めることができます。つまり、継続的なデータの取得が可能な体制を作っておきさえすれば、継続的な精度向上・維持が容易に行えます。

(2)システム構築に膨大なリソースが必要な事例

①従来手法では各事例毎に個別の実装が必要

従来の方法では、認識ロジックを、認識したいものの特徴にあわせて適切に実装する必要があり、認識したいものひとつひとつに対し、個別に大きなリソースが必要です。

②ディープラーニングでは各事例で同様の手法が展開可能

ディープラーニングを用いた画像認識では、学習データは各事例毎に適切なものを用意する必要がありますが、学習データさえ用意されていれば、各事例で同様の手法を横展開することが容易に可能です。

(3)低コストで高精度な画像認識・検査システムの構築

①低コストで高精度な画像処理が幅広く実現可能に

上記特徴をうまくいかすことで、結果的に、低コストで高精度な画像認識処理を様々な対象物に応用して利用することが可能となります。

4.ディープラーニングによる画像検査の導入事例と効果

ディープラーニングによる画像検査の導入事例と効果

(1)画像認識による自動的な良否判別での導入事例

①稲坂油圧機器株式会社

画像認識による自動的な良否判別での導入事例

画像出典:ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018

②従来手法の課題

  • 欠陥画像の分類、定義のコスト大
  • 画像専門SIerにお任せとなり、柔軟な対応が困難

③導入による効果

  • 良品画像を多数集めた学習用データを用いることで技術的に困難な良否判別の自動化を実現
  • 低コストで自動的な良否判別を実現
  • 学習用データがさえあれば、他の型式にも横展開可能な汎用性を獲得

(2)画像認識による自動的な製品判別、ハンドリングの導入事例

堂本食品株式会社

画像認識による自動的な製品判別、ハンドリングの導入事例

画像出典:ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018

課題

  • 多品種生産において製品の適切な判別が困難
  • 作業者自身で重量のある製品を直接パレットへ運搬、整列

導入による効果

  • 画像による製品の適切な判別が実現
  • 重量のある製品のパレットへの運搬、整列をロボット化
  • 自動化によるコストダウン
  • 重量物運搬の作業からの解放による労働衛生環境改善

4.画像認識におすすめのメーカー・ロボットシステムインテグレータ3選

画処ラボ(ガショラボ)

【所在地】
神奈川県相模原市緑区西橋本5-4-30 SIC2-2314
TEL:050-3733-3774
WEB問合せ:https://gasho-labo.jp/#contact
https://gasho-labo.jp/

【特徴】
検査の自動化に伴って画像処理装置の導入する際には、複数のセンサーメーカーと複数の画像処理機器メーカーを選択し、それぞれ検査対象によって個別対応する必要があります。

画処ラボは、メーカー横断での機器選定から判断プログラムの選定及び装置の設置構想までを⼀括で提案し、設置からサポートまで⼀元管理。

さまざまなメーカーから、照明は50種類、カメラ・レンズは30種類をとりそろえており、機器や画像処理プログラムの選定だけでなく、装置の構想・設置、サポートまで、ワンストップで相談が可能です。

業界最大級の画像処理検証施設を開設!

「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

株式会社日立ソリューションズ

株式会社日立ソリューションズ

【特徴】

日立ソリューションズの「ディープラーニング目視検査代替サービス」は、撮影画像の解析とAIによる機械学習・ディープラーニングにより、生産現場での部品の判別作業や良否判定作業の合理化に役立ちます。画像のラベル付け、画像からの物体認識、異常監視などに強みがあります。

【所在地】

東京都品川区東品川4ー12ー7(日立ソリューションズタワーA)
TEL:03-5780-2111 (代表)

株式会社ブレインパッド(BrainPad)

株式会社ブレインパッド(BrainPad)

【特徴】

ブレインパッドは、ビジネスにおけるデータの有効活用に取り組んできた、データ活用に強みのある会社です。

ディープラーニングによる画像認識の領域では、製造ラインを流れる食品の画像から、コンピュータが自動的に良品・不良品を判別する仕組みによって、検査の省人化、品質向上を実現した事例があります。

【所在地】

白金台本社 東京都港区白金台3-2-10 白金台ビル

5.ディープラーニングを用いた画像処理システムのご相談は画処ラボ

このように、生産現場においても、ディープラーニングによる画像認識を活用することで、外観検査や製品の判別・ハンドリング等を自動化・合理化することができます。その結果、品質向上・コストダウン・労働衛生環境の改善を実現することが可能となります。

そのためには、ディープラーニングによる画像認識技術に精通し、自社の課題に一体となって共にチャレンジしてくれる心強いパートナーを選ぶことが大切です。

従来技術のソリューションに限界を感じている場合、このような新しい技術をベースにしたソリューションにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

関東最大級のロボットシステムインテグレーター 画像処理の検証から装置化ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317