外観検査ロボットとは?仕組みや事例、おすすめメーカー3社を紹介
検査工程の省人化を進め、作業効率を向上させてくれる外観検査ロボットをご存じでしょうか?
技術の進歩により自動化が難しかった作業も自動化が進んでいます。
「外観検査ロボットは従来のロボットと何が違うの?」
「具体的な事例にはどのようなものがあるの?」
本記事ではそんな疑問をお持ちの方に向け、外観検査ロボットの仕組みやおすすめのメーカー・SIerをご紹介します。
実際の導入事例なども合わせてご紹介していますので、導入の検討にお役立てください。
もし、検査工程の自動化について、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
といったお悩みをお持ちの方は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をいたします。
また、外観検査などの自動化をご検討の際は、ルール型の画像処理からAIによる画像処理までワンストップで対応する「画処ラボ」もご活用ください。
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目次
1.外観検査ロボットとはどのようなものか
ここでは外観検査ロボットとはそもそもどのような機械なのかをご紹介します。
(1)外観検査ロボットは人の代わりに外観を検査するロボット
外観検査ロボットとは、その名の通り製品の外観を検査してくれるロボットのことです。
外観検査は異物の混入や傷の確認など判別が難しいものが多く、なかなかロボットの参入ができませんでした。
人の感覚や視覚に頼った検査がほとんどで、熟練者などの一部の技術者が担っていたためです。
しかし技術の革新によってロボットの外観検査の精度が向上したことで、人に代わる作業をでき、省人化および労働生産性の改善に貢献しています。
下記の動画は、安川電機の外観検査ロボットです。
6種類、合計30か所の検査を6秒程度で漏れなく検査していることが確認できます。
さまざまな角度から検査ができ、人の目視検査に匹敵することが見てとれます。
2.外観検査ロボットの仕組み・特徴
ここでは外観検査ロボットの仕組み・特徴をご紹介します。
(1)画像検査装置とロボットを組み合わせている
外観検査ロボットは、画像検査装置とロボットを組み合わせた機械です。
製品の外観を確認し異物や傷がないかを確認する画像検査装置と、製品を動かすのではなく自らが動くことで画像検査をしやすくするロボット部分で構成されています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①画像検査装置
画像検査装置とは画像を認識し、OK・NG 品を判別する装置です。
画像検査装置はカメラや照明、レンズ、画像処理ソフトなどで構成されています。製品を正しく撮影できるようにカメラ、照明、レンズを調整しなければいけません。
どの製品の、どの部分を、どういう風に撮影するかによって撮影できる画像は異なり、その画像を撮影するための部品も異なってきます。
画像処理によって撮影した画像をOK・NG判定をしています。
②ロボット
ロボット部分には、主に多関節ロボットが使われるケースが一般的です。
人間の腕と同じような複雑な動きも行い、多方向からの撮影ができます。
これにより、省スペースで多くの撮像が可能となり、また定点撮像だけでは対処できない複雑な製品にも対応可能です。
ロボットがあることで、画像検査装置の力を最大限に発揮し、外観を検査できます。
3.外観検査ロボットのメリット
ここでは、外観検査ロボットのメリットを4つご紹介します。
- さまざまなサイズ・角度に対応する
- 製品の品質が均一化する
- 作業の効率化
- 省スペースで検査が可能
詳しくみていきましょう。
(1)さまざまなサイズ・角度に対応できる
外観検査ロボットのメリット一つ目は、さまざまなサイズ・角度に対応することです。
外観検査ロボットは、外観検査装置に多関節ロボットを組み合わせることで、従来の外観検査装置では検査できなかった、さまざまなサイズ・角度に一度に対応できます。
検査対象の製品を動かさずとも、ロボットが小回りを利かせ検査の方向を調整してくれるのです。
ロボットが自動で調整してくれるので、人間が製品のサイズや角度を調整する必要がなく、作業の効率化にも一役買っています。
(2)製品の品質を均一化できる
外観検査ロボットのメリット二つ目は、製品の品質が均一化することです。
外観検査ロボットは、人が作業するようなヒューマンエラーを生じさせません。
人が作業をするとどうしても見落としなどが生じ、不良品を製品として出荷する恐れがあります。
また熟練者でないと製品の良し悪しが選別できないことが多く、熟練具合により品質に偏りがありました。
近年の外観検査ロボットには、人工知能を用いた画像処理アルゴリズムが組み込まれており、検査を重ねるごとに精度の向上をはかることが可能です。
(3)作業の効率化
外観検査ロボットのメリット三つ目は、作業の効率化です。
外観検査ロボットを導入することで、従来人がしていた作業をロボットが代わりにしてくれるためです。
また外観検査ロボットは疲れずに同じ作業を続けます。
作業にかかっていた人数や時間、さらには生産量を向上させ作業の効率化に貢献します。
(4)省スペースで検査が可能
外観検査ロボットのメリット四つ目は、省スペースで検査が可能なことです。
ロボットと聞くと大型の機械を想像するかと思いますが、外観検査ロボットは場所を取りません。
多くの関節を自在に操ることで、さまざまな動きを生み出し、少ないスペースで多くの外観検査を可能としています。
これにより、大きなスペースが確保できない現場にも導入が可能となります。
4.外観検査ロボットが使われる事例3選
ここでは外観検査ロボットが使われている事例を3つご紹介します。
- 精密な金属加工品の検査工程にロボットを導入
- 外観検査の自動化で生産性が4割向上
- エンジン外観検査工程を34%自動化
それぞれ見ていきましょう。
(1)精密な金属加工品の検査工程にロボットを導入
参照:経済産業省『ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2016』
導入事例一つ目は、モリマシナリー株式会社が精密な金属加工品の検査工程にロボットを導入した事例です。導入ロボットのメーカーは三菱電機(株)です。
外観検査ロボット導入前後での効果は以下の通りです。
改善前 | 改善後 | |
労働生産性 | 1倍 | 1.2倍 |
人数 | 5人 | 4人 |
労働時間 | 10時間 | 10時間 |
生産量 | 150個 | 150個 |
その他の効果 | 生産の柔軟性向上、品質の向上 |
モリマシナリー株式会社は、医薬品や健康食品などの錠剤製造用部品の検査梱包をしています。
精密な金属加工品の検査で熟練作業者への負担、およびハンドリング作業ミスが生じていました。
外観検査ロボット導入後は、外観検査およびIDの刻印、製品のパレタイジングまでを1台のロボットで作業し、労働生産性が1.2倍に向上しました。
(2)外観検査の自動化で生産性が4割向上
参照:経済産業省『ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2016』
導入事例二つ目は、グローリープロダクツ株式会社が画像照合技術により外観検査の自動化を実現した事例です。導入ロボットのメーカーはカワダロボティクス(株)です。
外観検査ロボット導入前後での効果は以下の通りです。
改善前 | 改善後 | |
労働生産性 | 1倍 | 1.4倍 |
人数 | 2人 | 2人 |
労働時間 | 8時間 | 8時間 |
生産量 | 18.4個 | 26.4個 |
その他の効果 | 生産の柔軟性向上、品質の向上 |
グローリープロダクツ株式会社は、通貨機器などの組み立て検査をしています。
組み立ては多品種・少量・変量という特徴があり、人手による作業で自動化をできておらず、品質のバラつきに多くの工数を割いていることが課題でした。
外観検査ロボットの導入により検査工程の自動化を実現し、生産性を4割向上させることに成功しました。
(3)エンジン外観検査工程を34%自動化
参照:経済産業省『ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2016』
導入事例三つ目は、三菱重工航空エンジン株式会社が航空用ターボファンエンジンの外観検査工程にロボットを導入した事例です。導入ロボットのメーカーは(株)安川電機です。
外観検査ロボット導入前後での効果は以下の通りです。
改善前 | 改善後 | |
労働生産性 | 1倍 | 1.67倍 |
人数 | 4人 | 3人 |
労働時間 | 2.5時間 | 2時間 |
生産量 | 1台 | 1台 |
その他の効果 | トレサビリティ確保、安全面の向上 |
三菱重工航空エンジン株式会社は、民間向けの航空用ターボファンエンジン組立品のエンジン外観検査およびトレサビリティの記録をしていました。
複数の検査作業者が長時間の作業を強いられており、品質面でのリスクがありロボットの導入を検討しました。
ロボット導入後は、外観検査及びトレサビリティの記録を自動化し、労働生産性を1.67倍向上させています。
4.代表的な外観検査ロボットの製品・メーカーおよびSIer3選
ここでは、代表的な外観検査ロボットの製品・メーカーおよびSIerを3つご紹介します。
- 株式会社FAプロダクツ
- 株式会社デクシス
- 株式会社AIハヤブサ
それぞれ詳しくみていきます。
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
株式会社FAプロダクツは、関東で最大級のロボットシステムインテグレーターです。
株式会社FAプロダクツの特徴は、一貫体制による効率的な生産。加工から出荷までの流れを一貫して担うことで無駄なく効率的な生産を実現しています。
高品質かつ低コストのサービス・製品の提供により、これまでに400社以上の取引実績があります。外観検査装置の導入を検討されている方は、ぜひご相談ください。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②株式会社デクシス
【特徴】
株式会社デクシスは外観検査装置や表面検査装置、またそれに必要になる高度な画像処理技術を取り扱っているメーカーです。
人間の目に置き換わるような技術開発を積極的にしています。
業界初となる人型外観検査システムを搭載した「外観けんた君」を販売しており、検査員と同じ目視検査作業を実現しました。
【所在地】
千葉県船橋市本町2-1-34 船橋スカイビル
TEL:047-420-0811(代)
FAX:047-420-0813
http://www.decsys.co.jp/index.html
【営業品目】
- 医療資材向け検査システム
- 療資材向け検査システム
- 医薬向け検査システム
③株式会社AIハヤブサ
【特徴】
株式会社AIハヤブサは、人工知能技術を活用した設備の開発・販売をするメーカーです。
人工知能検査システムである「AIハヤブサ」を搭載した外観検査ロボットが特徴的です。
曲面や鏡面など通常の外観検査ロボットだと判定が難しい面での画像解析をこなします。
平成29年に経済産業省より北海道の地域未来牽引企業として選定されており、人工知能技術による地域経済の貢献が期待されています。
【所在地】
北海道函館市桔梗町379番地32(函館テクノパーク内)
TEL:0138-76-4659
https://aihayabusa.co.jp/
【営業品目】
- 人工知能(AI)技術を活用した各種ソフトウェア及び設備等の開発・販売
5.外観検査ロボット導入のご相談はFAプロダクツへ
製品の品質を守るために必要不可欠な製品の検査工程。
製品品質の均一化や作業効率の改善のため、製造業を中心に外観検査ロボットの導入が進んでいます。
外観検査ロボットの導入をご検討の方は、ぜひ株式会社FAプロダクツにご相談ください。
画像処理を用いた自動化に関しては、画処ラボもご活用頂けます。
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