寸法検査装置とは?導入メリットやポイント+おすすめメーカー4選
製品や部品が仕様通りの寸法に仕上がっているかを確認する寸法検査は、ものづくりにおいて重要なプロセスです。従来は人間の目視による検査が主流でしたが、手間と時間がかかり、検査ミスも発生していました。現在では寸法検査装置による自動化が進んでおり、効率よくミスのない寸法検査を実現できるようになってきています。
このコラムでは、寸法検査装置による寸法検査の仕組みやメリット、寸法検査装置を導入するに当たってのポイントを紹介します。
もし、寸法検査装置導入に際して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの寸法検査装置を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
また、画像処理を用いての寸法検査自動化をご検討の際は、ルール型の画像処理からAIによる画像処理までワンストップで対応する「画処ラボ」もご活用頂けます。
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目次
1.寸法検査とは?
まず最初に、寸法検査を行う目的と方法を確認しておきましょう。
(1)寸法検査を行う目的
①仕様通りにつくられているか確認する
製造者は、製造した製品や部品の品質が仕様通りにつくられていることを保証する義務があります。そのために、寸法検査を実施し、図面や仕様書通りに製品や部品が仕上がっていることを確認しています。また、寸法検査を行った結果で不良品と判断された場合、その不良品を良品から除外することで品質を保証しています。
②製品の品質を維持向上させる
製造者は、自社で製造する製品や部品の品質を維持する努力をしなければなりません。寸法検査を継続的に行いチェックすることで品質を維持することができます。また、寸法検査によって発見された不良品を分析して発生原因を特定し、製造現場で改善を行うというサイクルを回すことで、品質を継続的に向上させることが重要です。
(2)寸法検査を行う方法
寸法検査を行う方法は、大きく分けると次の3パターンに分かれます。
①測定工具
ノギスやマイクロメーター、ダイヤルゲージといった測定工具を用いて人の手で寸法検査を行う方法です。人の手による測定のため効率が悪く、測定者の技量によって測定結果にばらつきが生じてしまうことが欠点です。
②測定機器
人の手で操作する測定機器を用いた寸法検査の方法です。投影機や画像寸法測定器などの測定機器を用いることで、測定工具での寸法検査よりもより高精度に寸法検査を行うことができます。ただし、人が測定物をセットして操作する必要があるため、効率が高いとは言えず、大量・高速で製造するものを測定する方法としては適していません。
③寸法検査装置
自動で稼働する寸法検査装置を導入して無人で寸法検査を行う方法です。搬送装置と画像処理システムを組み合わせることで自動寸法検査の仕組みを構築します。他の方法と比べると導入時のコストは高額になりますが、高速かつ正確に寸法検査を実施することができます。
2.寸法検査装置の仕組み
寸法検査装置では、画像処理による寸法検査を行うことが一般的です。画像処理による寸法検査がどのように行われるのか、仕組みを簡単にご紹介します。
①エッジ検出
画像処理による寸法検査では、まずエッジ検出を行います。エッジというのは、画像内で色の濃淡が大きく変化している境目部分のことを指します。
次の画像を見てください。
このように、色の濃淡が大きく変化している場所を検出することで、測定対象物の形状を鮮明にするのがエッジ検出となります。ただし、実際の測定物は形状がはっきりしていなかったり、画像がぼやけていて上手く境界線を検出できないことがあるため、画像に対して前処理を行って境界線を強調させる必要があります。
エッジ検出については、こちらの記事で詳しく説明していますので、興味のある方はご覧ください。
②エッジを基準とした各種測定
エッジ検出で検出したエッジを使って各種寸法測定を行います。
エッジからエッジまでの距離の測定、角度の測定、エッジ間の交点座標を計算して測定するなど、エッジを基にして様々な寸法の測定を瞬時に行い、寸法公差内におさまっているかどうかを判定します。
このように、エッジ検出⇒各種測定を瞬時に行い寸法測定の自動化と高速化を実現するのが、寸法検査装置による寸法検査です。
3.寸法検査装置の用途
寸法検査装置がどのような用途で使われているのか、ご紹介します。
(1)出来栄え確認
製造した製品や部品が図面や仕様書通りの寸法で出来上がっているかを測定します。製造途中で寸法検査を行う中間検査と、製造後に寸法検査を行う完成品検査の2種類あります。寸法検査の結果、規格から外れていると判断された不良品は製造ラインから排除され、寸法検査に合格した良品だけが次工程や出荷工程に回されます。
(2)位置決め
製造工程内での位置決めにも寸法検査装置は活用されています。部品やフィルム、ラベルなどのワークの位置を寸法検査によって特定し、位置情報をロボット等に送信することで組み立て作業を正確に行うことができます。
4.寸法検査装置を導入するメリット
寸法検査装置を導入するメリットは、次の3点あります。
(1)検査時間の短縮
寸法検査装置の導入により、画像センサによって瞬時に寸法検査を行うことができます。そのため、人の手で検査を実施した場合と比較して大幅に検査時間を短縮することが可能です。検査を人の手で行っていると検査工程がボトルネックとなってしまう場合がありますが、寸法検査装置を導入することで、他の工程の生産スピードに合わせて寸法検査を実施できます。
(2)ヒューマンエラーの排除
人の手による寸法検査を行っている場合、検査担当者の技量差によるバラつきが少なからず発生します。また、長時間連続して作業をしていたり体調が悪いと集中力が切れて検査ミスをしてしまい、その結果不良品が流出する可能性があります。しかし、寸法検査装置を導入すれば、あらかじめ設定した合否基準を元に寸法検査を行うため、安定した品質を担保することが可能です。。また、機械が動作するため疲れることなく正確に寸法検査をし続けることができます。
(3)人件費の削減
寸法検査装置を導入すれば、人が行う作業は装置の操作とメンテナンスのみとなり、検査人員を削減することができます。大勢の検査人員を雇用するよりも、汎用的に活用できる寸法検査装置を導入する方が経営リスクも少なくなります。
5.寸法検査装置を導入する上でのポイント
ここからは、寸法検査装置を導入する上で注意すべきポイントを紹介します。
(1)最適なカメラの選定
寸法検査装置を構築する上で欠かせないものがカメラです。カメラが見たものを画像処理して寸法を測定するため、カメラの性能によって測定できるものや精度が変わってきます。次の4つの選定ポイントを元にカメラを選定するようにしましょう。
検査装置のカメラについて詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
①画素数
画素数は寸法測定の精度に関わります。測定物のサイズと寸法公差を考慮して最適な画素数のカメラを選定しましょう。
②カラーカメラor白黒カメラ
測定対象物の境界線で明暗の変化が出にくい場合はエッジ検出がしづらくなるため、カラーカメラを利用した方が良い場合があります。測定対象物や条件を考慮した上で、カラーか白黒どちらのカメラを利用するか決定しましょう。
③転送速度
画像処理で用いるカメラには、転送速度が高速なものがあります。製造ラインの速度が高速な場合には転送速度にも注意してカメラを選定しましょう。
④サイズ
カメラは、同じ性能でもサイズが異なる場合があります。カメラを設置するスペースが限られている場合は、より小型のカメラを選定した方が良いです。
(2)最適な照明の選定
寸法検査を行うにあたってはカメラが注目されがちですが、正しい形状を検出するためにはワークを映し出す照明の選定も重要です。照明を選定する際は次の3つのポイントを考慮するようにしましょう。
画像検査での照明の選び方についてより詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてください。
①照射方法
照明の照射方法には、正反射タイプ、拡散反射タイプ、透過タイプの3つの方法があります。
正反射タイプは金属表面などの照明が反射しやすいワークの凹凸部でも明確に検出できるという特徴があります。
拡散反射タイプは、正反射タイプでは、透明テープ等が張られているなど、照明が映りこんでしまうようなワークでも問題なく検出ができます。
透過タイプはカメラと反対面から透過光を照射することで正面からの反射では分からないワークでも検出できます。
この3つのタイプのどれを使うか、ワークの形状や検査用途から判断する必要があります。
②照明の色
検査対象のワークの色や背景に合わせて照明の色を選定します。カラーカメラを選定した場合は照明の色は基本的に白色となりますが、白黒カメラの場合は、ワークに照明を当てたときにワークの境界線がくっきりと検出できる色の照明を使用します。
③照明の型式
照明にはリング型、ドーム型、バー型、バックライト型、同軸落射型といった型式があります。寸法検査ではバックライト型が使われる場合は多いですが、それぞれに適した用途がありますので、用途に合わせた型式を選定する必要があります。
6.寸法検査装置を導入する際におススメのメーカー・ロボットシステムインテグレータ4選
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
寸法検査装置のような画像処理装置を導入する上では、画像処理メーカー複数と装置メーカー複数を選択し、それぞれ個別対応するケースがほとんどです。FAプロダクツ社は、画像処理メーカーの選定から装置導入まで一貫した対応が可能です。現場の課題や予算感に合わせた選定と導入を支援してくれます。
また、関東最大級のロボットシステムインテグレーターとして、寸法検査装置だけでなく製造ラインの様々な工程の自動化も一括で提案することができます。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【検査装置の事例】
仕分け装置の製造事例:検査+OK/NGの仕分け+OK品をベルトコンベアに排出
【所在地】
茨城県稲敷郡阿見町阿見字阿見原4666-1777
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②株式会社アクティブ
【特徴】
画像処理ソフトの技術を強みとしており、自動検査装置の開発・製作、カメラ画像を応用した寸法計測プログラムの開発などの事業を行っています。自動検査装置の導入実績が多くあり、顧客の製品に合わせたカスタマイズ対応をしてくれます。
【検査装置の事例】
【所在地】
兵庫県明石市大明石町1-7-35 新明ビル8F
TEL:078-919-5070(代表)
FAX:078-917-8048(代表)
https://www.active-ltd.co.jp/
③ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社
【特徴】
ヴィスコ・テクノロジーズは、筐体型画像処理検査装置を開発、製造及び販売している会社です。筐体型画像処理検査装置は、筐体、カメラ、レンズ、照明等で構成されており、顧客の検査ニーズに応じた最適なシステムの提案とアドバイスを行っています。
【検査装置の事例】
【所在地】
東京都港区海岸1-11-1 ニューピア竹芝ノースタワー20階
TEL:03-6402-4500(代表)
FAX:03-6402-4508(代表)
https://www.visco-tech.com/
④常盤産業株式会社
【特徴】
自動車業界で培った設備開発力を強みとし、生産ライン・手作業の自動化や外観検査・目視検査の自動化を提案しています。特に車載部品、工作機械関係の自動化が得意で、さまざまなワーク形状に適した自動機の提案が可能です。
【検査装置の事例】
【所在地】
名古屋市中区富士見町15-31(常盤ビル)
TEL:052-331-3191(代表)
FAX:052-331-4029(代表)
https://www.tokiwa-group.co.jp/index.php
5.寸法検査装置導入のご相談はFAプロダクツへ
寸法検査の目的は、図面や仕様書通りに製品や部品の寸法が仕上がっているか出来栄えを確認することです。そして、人の手で寸法検査を行うのではなく寸法検査を自動で行える寸法検査装置を導入することで、1.検査時間の短縮、2.ヒューマンエラーの排除、3.人件費の削減という3つのメリットを得ることができます。
しかし、寸法検査装置を導入するには考慮すべきポイントがいくつかあり、それらを自社だけで検討するのは困難です。
寸法検査装置の導入を得意とするメーカーに相談して導入のコンサルティングを受けることで、3つのメリットを最大限に得ることができるでしょう。
装置の導入ご検討の際は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお気軽にお問合せください。
画像処理を用いた自動化に関しては、画処ラボもご活用頂けます。
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