非破壊検査装置とは?目的や手法ごとの特徴、取扱い企業4社を紹介
非破壊検査とは文字通り、検査対象となるものを破壊せずに内部を調査する検査手法のことを指します。
その手法には様々なものがあり、それぞれ得意・不得意な部分は異なるため、検査を行うにあたっては、製造物の材質などに応じて適切な手法を組み合わせねばなりません。
本記事では、非破壊検査の目的や手法の違いなどについて、基礎的な部分を解説いたします。
もし、生産ラインの検査工程に関して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの設備を使えば効率的かわからない
といったことにお悩みの際は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合せください。関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.非破壊検査とは
非破壊検査とは、検査の対象物の形状や機能を損なうことなく、その内部や表面にある欠陥の有無や劣化などを検出する検査のことを指します。
この非破壊検査で検出される欠陥には「きず」と「傷」の2つがあり、
それぞれ意味が異なります。
- 「きず」:意図としない不連続部を意味します。(有害ではない)
- 「傷」:その存在自体が直ちに有害となる部分を意味します。
非破壊検査が検出するのは「きず」です。
検出された「きず」を確認し、有害な「傷」であるかどうかを判定していくことになります。
2.非破壊検査の目的
(1)信頼性の確保
「信頼性」とは、ある条件下で一定期間その製品を稼働させたとき、要求される性能を満たす性質のことを指します。
この数値は信頼度と呼ばれ、故障率などをベースに評価されます。
たとえば、1年間の信頼度が100%の製品は、1年間はまず故障しないと考えられます。
一方、1年間の信頼度が80%の場合、1年のうち80%の確率で故障するリスクがあるということです。
非破壊検査は、この信頼度を長期間にわたって高く保つために行われます。
(2)コスト低減
製造業の工場設備は、経年により劣化が進みます。
特に高温・高圧下で稼働する設備は日々、大きな負荷がかかっています。
設備の劣化は不良品の増加にもつながり、また各設備が故障すれば、その間は生産がストップしてしまいます。
事故が発生すれば、人的・物的被害もかさんでしまうでしょう。
こうしたコスト増の原因となる要素を見つけ出すために、
非破壊検査を用いた点検が活用されています。
(3)製造技術の改良
非破壊検査によって、製品のきず・割れを検査によって見つけ出すことで、不良率を下げることができます。
加えて、こうした不具合の原因を調査し、製造工程にフィードバックすることで、より質の高い製品の製造にも繋がるのです。
3.非破壊検査の種類
次に、非破壊検査の種類をみていきましょう。
(1)放射線透過試験
対象物に放射線を照射し、フィルムに現像することで内部の調査を行う手法です。
溶接の溶け込み不足やブローホールなどの空洞部分は放射線が透過しやすくなるため、フィルムにその輪郭が現像されるという仕組みです。
ちょうどレントゲン写真のようなものとイメージするとよいでしょう。
一方、材料の表面のきずを検出するのは不得手であるため、
後述する磁気探傷検査などの表面きずの検出を目的とする検査と併用するのが望ましいでしょう。
またメジャーな検査方法として、以下のようなものがあります。
- X線コンピュータ断層撮影
- ガンマ線
- ミュオグラフィ
(2)超音波深傷試験
材料内部に面形状を持つ割れといった内部きずに対して高い検出精度を持つ検査手法です。一方で、欠陥形状になった判定(特に球状の欠陥)はやや困難です。
近年はフェーズアレイ探傷法やTOFD法などの開発により、送信や受信波形を制御して得られた超音波受信信号から画像化や数値解析を行うことによって、きずの寸法や形状を推定できるようになってきました。
またその他の注意点として、鋳鉄やオーステナイト鋼には適しません。
(3)電磁誘導深傷試験
電磁誘導によって起きる電流(渦電流)を利用した試験法です。渦電流試験、渦電流探傷試験などとも呼ばれます。
その性質上、電気を流す材質の検査にのみ用いられます。
交流電流を流したコイルをに近づけると、その内部に渦のように変化する電流が発生します。
表面に傷があると、この渦の形も変化するため、事前に良品の電流の位相を記録しておき、それと比較することで、良・不良を判定します。
そのほか、導電率の違いにより渦電流の流れやすさが変化することを利用して、金属の種類・成分の変化、寸法、塗膜、腐食状況の測定といった幅広い目的に用いられます。
ただしその性質上、不導体や内部傷の検査には適用できないことに注意が必要です。また、形状が複雑なものの検査にも適しません。
(4)磁気探傷試験
磁性金属の磁気の変化から、表面割れ等のきずの検査を行う手法です。表面開口きず・および浅い内部きずの検査が可能です。
表面欠陥の検出方法としては感度が良く、また肉眼による直接観察が可能なため、最も有力な方法として古くから広く使われています。ただしその性質上、オーステナイト系ステンレス鋼のような非磁性料には適しません。
(5)アコースティックエミッション
材料のひずみ等で発生する音から、割れ発生の初期兆候の検出などを行う検査です。運転中の割れ発生、あるいは割れ進行状態の監視用としても使用されるほか、圧力容器の耐圧試験時のモニタなどの分野で実用化が最も進んでいます。
他の試験法よりも検出時期の早い事が特徴ですが、デメリットとして、すでに存在している欠陥は検出できません。
(6)浸透探傷試験
材料表面を浸透液で濡らしてふき取り、きずに浸透した浸透液を粉末などによって吸い出すことによって、表面きずを肉眼で観察できる形にする検出手法です。
その性質上、材料の表面の粗さが検査精度に影響するため、表面の粗い素材の検査には向きません。また同様の理由から、発泡剤などの多孔質な素材の検査には適用できません。
3.非破壊検査装置に関する企業4選
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を致します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②ユニテクノロジー株式会社
【所在地】
愛知県名古屋市熱田区新尾頭1-4-18
http://unitechnology.biz/
【事業内容】
自動車業界、医薬、食品業界、電気電子業界に生産・管理システムや部品の製造・加工・組立ライン、テクノロジーを提供。
【特徴】
ニッチなテクノロジーから大規模なラインまで生産現場からのニーズに革新的なアイデアの提案で応える企業です。
②栄進化学株式会社
【所在地】
東京都港区東新橋1-2-13
https://www.eishinkagaku.co.jp/
【事業内容】
染色浸透透過探傷剤・蛍光浸透探傷剤と探傷装置、磁粉探傷剤と探傷装置、紫外線探傷訪灯、漏洩検査剤、超音波探傷器、超音波剥離検査器、超音波厚さ計、超音波探触子、過流探傷器等非破壊検査機材の総合メーカー及び各種輸入機販売元
【特徴】
非破壊検査機器のメーカーとして60年以上の歴史を持つ会社です。高い技術力はもちろん、企業向けの各種講習の実施などの手厚いサポートも魅力です。
③電子磁気工業株式会社
【所在地】
東京都北区浮間5-6-20
https://www.emic-jp.com/
【事業内容】
非破壊検査装置、着磁・脱磁分野、計測評価装置分野
【特徴】
創業以来、「磁気」を「ツール」に様々な商品を開発。時代に合わせた幅広いニーズに対応し、各方面から高い評価を得ているメーカーです。
4.検査工程の自動化はFAプロダクツへ!
非破壊検査の導入にあたっては、検査対象物の性質と機器との適合などを踏まえ、メーカーや業者へ問い合わせをする必要があります。
また、最近ではレンタルを行っている業者もあるため、購入がいいのかレンタルがいいのかは、使用頻度やその他の特性からよく検討する必要があるでしょう。
検査工程への機器導入・自動化にお悩みの際は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合せください。
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