マテハンの自動化とは?ポイントと導入事例+おすすめメーカー4選
工場での生産業務において、原材料・仕掛品・製品などを作業場所まで持っていく作業を全て人の手で行うことは非効率です。モノを移動させる業務である「マテハン(マテリアル・ハンドリング)」を効率化させることは、現在の製造業で生産性を向上させるために欠かせないポイントになっています。
マテハンの効率化においては、自動化をすると生産性向上の効果が高くなりますが、
「自動化といってもどんな方法があるのか?」
「自動化するにはどんな機器・ロボットを導入すればよいのか?」
「どのメーカーに相談すればよいのか?」
と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、そのような疑問に答えるべく、マテハンの自動化について解説します。
もし、マテハンの自動化についてコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.マテハン(マテリアル・ハンドリング)とは
(1)マテハンとは
マテハンとは、マテリアル・ハンドリングの略称です。「生産拠点や物流拠点内の原材料・仕掛品・完成品の全ての移動に関わる取り扱い」のことを指す言葉で、略称のマテハンと呼ぶことが一般的となっています。
作業としては、モノの積み込み、搬送、保管、仕分け、取出しなどがあり、従来はフォークリフトや台車、パレットといった機器を用いて人の手で行われていました。
しかし、マテハンを全て人の手で行うことは非効率であり、自動化によって省人化・省力化をすることが、製造現場での生産性向上において重要なポイントとなっています。そのため、マテハン機器を活用した自動化が進められているのです。
<マテハン機器の例>
- 搬送用ロボット(スライダー、スカラロボット、AGVなど)
- ソーター(仕分け機械)
- 自動倉庫(無人倉庫)
- ピッキングシステム
(2)マテハンを自動化するメリット
マテハンを自動化することにより、多くのメリットを得ることができます。詳しく見ていきましょう。
①生産性の向上
人間が24時間働き続けることは不可能であり、作業している間に徐々に質やスピードも落ちていきます。しかし、ロボットや自動化設備などのマテハン機器であれば、24時間365日稼働し続けることができます。また、人よりも速いスピードでかつ安定した品質で作業ができるので、生産性が格段に向上します。
②ミスの削減
人による作業だと、作業者の熟練度や体調といった人的要員によってミスが発生してしまいます。また、重い荷物を扱うことによって怪我をしたり、モノが破損するといった事故が発生するリスクもあり注意が必要です。その点、マテハン機器であればミスなく作業を行ってくれて、事故が発生する確率も抑えることができます。
③人件費の削減
マテハンを自動化することにより、マテハン業務に関わっていた作業者の人件費を大幅に減らすことができます。製造業においては、マテハンは付帯業務であって価値を産む業務ではないので、なるべくコストを抑えていくことが重要です。削減した人件費を他の業務に回したり、開発コストに回したりすることで、工場全体でより価値を産むことができるようになります。
(3)マテハンを自動化するデメリット
マテハンを自動化することによるメリットは大きいものですが、デメリットもあります。デメリットについても理解しておきましょう。
①導入コストがかかる
マテハンの自動化においては、導入する機器や工場の規模にもよりますが、数百万円〜数千万円の導入コストがかかります。それだけでなく、操作する技術者の教育や雇用、工場全体の運用フローの見直しといったコストもかかるため、自動化にあたって必要なコストをすべて試算した上で、費用対効果が見込める場合に自動化を実施すべきです。
②トラブル発生時の対応が大変
何らかの原因でマテハン機器が停止した場合には、製造や出荷ができなくなってしまいます。復旧に時間がかかるとそれだけ損害も大きくなるため、トラブルを未然に防ぐために定期メンテナンスを実施したり、復旧手順を学んで練習しておく必要があります。また、トラブル発生時にはバックアップとして、人の手でも作業が出来るように考慮しておくことも重要です。
③対象となるモノの制限
マテハン機器はどんなモノにも対応できるという訳ではないので、工場で取り扱うモノが大きく変わった場合、機器を変更したりシステムを見直さないと使えなくなる場合があります。あらゆるモノに対応できるように自動化すると導入コストも運用コストもかかってしまうため、どんなモノを対象とするのかを定めて、そのモノに合わせたマテハン機器を導入するようにしましょう。
2.マテハンを自動化するには
マテハンを自動化するためには、作業内容やモノに合わせたマテハン機器を選定する必要があります。作業内容別に、どのようなマテハン機器が用いられているのかを見ていきましょう。
(1)積み込み
モノの積み込みでは、一般的にはフォークリフトを使った作業をイメージしますが、近頃はパレットの上に荷物などを自動積載するパレタイザという装置があります。その中でも、産業用ロボットが荷物を掴んで動かし、積み上げていくものをパレタイジングロボットと言います。
(2)搬送
モノの搬送では、搬送ロボットが活用されています。棚ごと搬送するタイプや、必要なものをピッキングするタイプなど、様々なタイプが存在します。特に近年、無人搬送車(AGV)にAIを搭載することで、従来のように磁気テープによるルート指定なしに搬送を行えるタイプのものが登場しています。
(3)保管
モノの保管では、自動倉庫が活用されています。自動倉庫は、モノを棚に収納し、モノの入庫から保管、取り出しまでをコンピュータで管理するシステムです。パレット単位で収納するタイプ、小型のバケット単位で収納するタイプ、コンテナやトレイなど形状やサイズにとらわれず収納できるタイプなど、様々な自動倉庫システムがあります。自動倉庫だけでなく、搬送ロボットなどと組み合わせて使うとより効率化ができます。
(4)仕分け
モノの仕分けでは、ソーターが活用されています。ソーターは、モノを品種や納品先ごとの目的に応じて自動で仕分けをする機械です。ベルトコンベアなどで搬送したモノを自動で分岐させ、目的の場所へ届ける仕組みとなっています。
(5)取り出し
モノの取り出しでは、ピッキングシステムが活用されています。ピッキングとは、必要なものを必要な数量だけ選び出すことです。ピッキングシステムは、従来は人がピッキングする商品のリストを見ながらピッキングを行っていたのを効率化する仕組みで、音声で補助してくれるタイプ、棚にとりつけたデジタル表示器が光って指示を出すタイプ、自動でピッキングをしてくれるタイプなどがあります。
3.マテハンの自動化事例4選
ここでは、マテハンの自動化を実施した事例を4つ紹介します。
(1)レトルト食品工場での積み込み業務における自動化
参照:経済産業省「ロボットの導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」
1つ目は、株式会社釜谷がパレタイズロボットを導入して積み込み業務の自動化を実現した事例です。
レトルト食品の製造工場で、出荷する商品の入った6〜12kgの箱をパレットに積み込む重労働を小柄女性作業員が行っており、かなりの負担になっていました。顧客からの引き合いが増加するに伴って生産量や生産品目も増えており、業務改善が必要でした。
パレタイズロボットの導入によって作業員の負担を軽減し、作業者の人数を10人から8人まで減らすことができました。
(2)医療機器工場での仕分け・積み込み業務における自動化
参照:経済産業省「ロボットの導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」
2つ目は、株式会社タカゾノがロボットを導入して仕分けと積み込み業務の自動化を実現した事例です。
医療機器の製造工場で、複数の設備からランダムに流れてくる重さ12kgの製品を、2名の作業者が仕分け後に積み込みをしていましたが、生産量の増加に伴って作業環境が悪化し、業務改善が必要になりました。
仕分けと積み込みを自動化するロボットを導入することで、省人化に成功し作業者の人数を6人から4人まで減らすことができました。また、生産量も6,000個/日から6,200個/日まで増加させることに成功しました。
(3)物流業でのピッキング・搬送業務における自動化
参照:経済産業省「ロボットの導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」
3つ目は、シーオス株式会社がロボットを導入してピッキングと搬送業務の自動化を実現した事例です。
物流倉庫のピッキングと搬送業務にロボットを導入し、省人化を図りました。ガイドが不要な自走式のロボットを使うことでピッキング作業の完全自動化を目指し、作業者の人数を18人から11人まで大幅に削減することができました。
(4)物流業での搬送・積み込み業務における自動化
参照:経済産業省「ロボットの導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」
4つ目は、トランスシティロジスティクス株式会社がロボットを導入して搬送と積み込み業務の自動化を実現した事例です。
物流倉庫で、従来は人が1つずつ製品を持ち上げてカートに積み込んだ後に搬送をしており、過酷な作業で負担が大きく、改善が必要でした。
そこで、搬送業務に無人搬送車(AGV)、積み込み業務にパレタイズロボットを導入することによって省人化を図りました。導入の結果、作業者の人数を10人から5人まで大幅に削減することができ、労働時間も半分まで短縮されました。
4.マテハンの自動化におすすめのメーカー・ロボットシステムインテグレータ4選
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
製造工程内での自動化から出荷工程での自動化まで一貫して対応が可能で、工場全体が最適となるように自動化の提案を行っています。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②ダイフク
【特徴】
物流システムに関するコンサルティングとエンジニアリング、設計、製造、据付、サービスを行っています。マテハンシステムにおいて世界トップシェアクラスの企業です。
- 搬送システム
- 保管システム
- 仕分け、ピッキングシステム
- 制御システム
- 物流機器
といったマテハンの自動化に関わる一通りのシステムを取り扱っています。
【所在地】
大阪府大阪市西淀川区御幣島3ー2ー11
TEL:06-6472-1261(代表)
FAX:06-6476-2561(代表)
③村田機械
【特徴】
ロジスティックスシステム・FAシステム・工作機械などを製造販売する会社です。
ロジスティックスシステム部門においてマテハン機器/システムを提供しており、
- 自動倉庫システム
- 仕分けシステム
- 搬送システム
- ピッキングシステム
- ソーティングシステム
といったマテハンの自動化に関わる一通りのシステムを取り扱っています。
【所在地】
京都府京都市伏見区竹田向代町136
TEL:075-672-8111(代表)
FAX:075-672-8691(代表)
④日本メンブレン
【特徴】
FAソリューションを提供している会社です。マテハンの自動化提案も行っており、搬送するモノをバーコード認識しロボットハンドで仕分けするシステムやパレタイズシステムを提供しています。
【所在地】
東京都大田区大森南4-6-15 テクノFRONT森ケ崎408号
TEL:03-5735-1975(代表)
FAX:03-5735-1976(代表)
5.マテハンの自動化に関するご相談はFAプロダクツへ
今回は、マテハンの自動化についてのメリット/デメリットや、自動化するためのマテハン機器、導入事例、おすすめメーカーをご紹介しました。マテハンの自動化を実現することで、工場全体の生産性は大きく向上します。
マテハンの自動化をご検討の際は、お気軽にFAプロダクツへご相談ください。
関東最大級のロボットシステムインテグレーター ロボットシステムの設計から製造ならお任せください
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