自動搬送ラインの基本解説!メリットから投資金額回収の計算方法まで
ものづくりにおいて、複数工程で完結することがほとんどです。そんな時、工程間を繋ぐのに必要なのが搬送ラインになります。
人手不足が叫ばれているこの時代に、自動搬送ラインを導入することで従業員確保の問題を解決できます。
今回は、自動搬送ラインの概要やメリット、導入時のポイントを解説します。
もし、自動搬送ラインのコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.自動搬送ラインとは?用途と導入事例
自動搬送ラインは主に、工程と工程を繋ぐ役割で用いられます。その中でも搬送中に別の工程を取り入れる機器も数多く存在します。
まずは自動搬送ラインについて、どのようなものなのか用途別に確認していきましょう。
(1)工程切り替え
まずは一般的な、工程と工程を繋ぐ役割の搬送を紹介します。
動画ではロボットを用いて加工部品の搬送を行っています。マシニング加工工程が終わってバリ取り・洗浄工程へ移るときに、間に搬送工程が存在します。
(2)3軸ロボットの1要素
次はリニアコンベアを用いた例です。
リニアコンベアは名前の通り前後の1軸移動のみが可能な機器です。リニアコンベアの1軸+2軸ロボットを組み合わせることで、3軸ロボットを導入するより安価に3軸動作を実現できます。
(3)反転整列
今度は食品分野で良く用いられる反転整列の例です。
搬送ラインにねじりのラインを設けることで反転動作が行われています。反転整列とは関係ありませんが、動画中ではパラレルリンクロボットが別のコンベアへ箱を移動させているところも注目してみてください。
2.自動搬送ライン導入のメリット
自動搬送ラインがどのようなものかイメージできたところで、すでに利用できそうな箇所が想像できたかもしれません。まずは、2つ以上の工程を経る作業に関して考えてみるのが良いでしょう。
考え付いた工程を自動で繋ぎ合わせると、どのような効果が得られるのでしょうか。
ここでは自動搬送ライン導入によるメリットについて解説します。自動搬送ラインのみならず、自動機械一般に当てはまるのでぜひ参考にしてください。
(1)人件費削減
工程間の移動のために、同じ動作を人手で作業させていてはもったいないです。
単純作業を機械に任せることで人件費の削減ができます。さらに、より高度な業務へ人材を活用できるようになります。
自動機械の導入は単純な人件費の削減だけではなく、次世代技術を生み出す人材を増やすことができるのです。
(2)安全性の向上
特に重量物を扱う場合には、補助装置を用いていても危険が伴います。
機械に作業させることで不慮の事故を防ぎ、安全性を高めることができます。また、疲労の蓄積による腰痛を初めとした怪我も防ぐことができます。
(3)量産対応
受注数が増えてきて生産速度を上げなければならないとき、人間では限界があります。中には作業の早い職人さんもいると思いますが、1日休まず最大速度を維持するのは不可能です。
自動機械の導入により、作業者に依存しない高速作業や長時間作業が可能になります。
(4)作業精度の向上
搬送を伴う作業は、工程間でワークの位置が変わることを意味します。
前後左右・高さ・角度など人が作業するとどうしてもズレが発生してしまいます。ズレに伴う不良品の発生は歩留まり低下につながるため、防ぐ必要があります。
自動機械は精度に応じた機器設定が行えるため、目的とする精度を維持しつつ生産効率を高めることができます。
ただし、闇雲に精度を求めすぎると高価になってしまうので注意が必要です。
3.導入のポイント
自動搬送ライン導入のメリットが明らかになれば、投資金額が回収できるか考えなければなりません。
ここでは、ロボットを導入することによってかかる費用や投資金額回収の考え方について解説します。
(1)ロボット導入にかかる費用
ロボットを導入すると、かかるのは本体代金だけではありません。特に見落としがちなのが、システムインテグレーション費用です。システムインテグレーションとは、システム設計やロボットへの動作教示(ティーチング)などの作業を差します。
参考としてそれぞれにかかる費用の目安を紹介しますので、見積もり前に投資費用を試算してみるのをおすすめします。
①ロボット本体
垂直多関節ロボットやパラレルリンクロボットなど種類やサイズによって様々です。数百万円の金額がかかると想定されます。
自動搬送ラインの場合、ロボットではなく直動機器などで構成できると費用を大きく下げることができます。
②ロボット関連装置
物をつかむためのロボットハンドやロボット架台が該当します。また、映像データをもとにハンドリングを行う場合にはカメラも必要になります。機器点数にもよりますが、100万円~200万円程度かかると想定されます。
③ロボット周辺設備
ロボット周辺の安全柵やコンベアが該当します。安全柵のみでは数十万円程度で済みますが、コンベアも使用するとなると数百万円はかかると想定されます。
④システムインテグレーション関連
概要設計、機械設計、電気設計、組み立て、設置調整、安全講習など多岐に渡ります。ロボット本体よりもシステムインテグレーション費用が高い場合も多くあります。
金額が上がる一例として、画像処理など高度な技術を用いた場合が挙げられます。
通常は数百万円、高度な技術やシステム規模が大きい場合には1千万円を越えることが想定されます。
(2)投資金額回収の考え方
金額の概算、もしくは見積もり取得が済めば、投資金額の回収を試算する必要があります。自動搬送ラインを導入すると想定して金額回収の考え方を解説します。
①減価償却期間
機械や建物のような、購入した年度だけでなく長い期間使い続けるものには減価償却期間が設定されています。 会計処理をするときには、この減価償却期間に応じて毎年減価償却が行われます。
この期間を投資金額回収の期間として設定することが一般的です。同様の設備でも業種や用途によって減価償却期間が変わりますので、都度確認するのをおすすめします。自動搬送ラインだと5~10年に設定されていることが多いです。
②便益額
便益額は投資に対する効果の合計額を表します。
例えば省人化や生産数増などが挙げられます。その他に安全性の向上といった金額や数値で表せられない効果(無形の効果)も該当します。無形の効果に関しても相対的に金額で表すことができれば、具体的な便益額が算出することができます。
自動搬送ライン導入に伴い重量物を運ぶ作業が自動化されたとします(安全性の向上)。重労働により退職する人が減少して新規採用コストが結果として抑えられたかもしれません。新規採用コストに着目することで、安全性の向上を数値として表すことができるようになります。
③費用額
便益額とは反対に、投資に対する費用の合計額を表します。
機器導入時の費用はもちろんですが、導入後のランニングコストも見落としてはいけません。保守メンテナンス費用や電気代の増加が代表的なものです。
④実際に計算してみましょう
以下の条件で設備投資を実施したとします。
- 2000万円の自動搬送ライン(減価償却期間8年)を導入
- 1名の人件費削減
- 1日8時間勤務、年間240日同様の作業実施
- 作業者の時給は2500円
- 年間の維持費は100万円
まず年間の効果を算出します。
(時給2500円 / 時)×(勤務時間8時間 / 日)×(稼働日数240日 / 年)= 480万円
次に年間の費用を算出します。
(機器導入費2000万円)÷ (減価償却期間8年)+(維持費100万円)= 350万円
最後に実際の効果金額を算出します。
(効果480万円)-(費用350万円)= 130万円
年間の効果額は130万円となり投資効果ありと判断します。
実際に導入するとなると、設置スペースや工事中の稼働停止期間なども考慮に入れて最終的に実施の可否を判断することとなります。
4.自動搬送ラインにおすすめのメーカー・ロボットシステムインテグレータ4選
①株式会社FAプロダクツ
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FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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【営業品目】
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- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
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【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②鍛治島工業株式会社
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窯業・セラミック産業への機械に強く、その技術力を生かして自動車やフラットパネルディスプレイなどへも展開しています。 ホームページには工場設備・レイアウト・主要設備までもが掲載されており、依頼する際のイメージがしやすいです。
【所在地】
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愛知県常滑市中大流7丁目1
③株式会社新興技術研究所
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各社オリジナルのロボットシステムを提供することが売りで、書籍を出版するまでになっています。ホームページに記載されている自動化実績の数が多く、求めている自動機械の制作実績があるかもしれません。
【所在地】
〒157-0073
東京都世田谷区砧6-6-18
④日研プラント株式会社
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各社オリジナルな設備を制御・計装システム含めて一貫制作することができます。納品後のサポートにも力を入れており、オリジナル機器でも安心して使用することができます。
【所在地】
〒 939-2202
富山県富山市小黒197
5.自動搬送ライン導入に関するご相談はFAプロダクツへ
自動搬送ラインは他の機器に比べて注目されることは少ないかもしれませんが、製造時間を短縮するためには工程間をいかにロスなく切り替えられるかが重要です。
「複雑な搬送でも実現できるのか」「どれくらいのコストで導入できるのか」といったお悩みがある方は、FAプロダクツまでお気軽にお問い合わせください。
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