シーケンス制御の基礎を解説!ラダーやPLCとの関係とは
シーケンス制御という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
こちらは、現在、家庭や工場など問わずに非常に幅広く用いられている制御の一種です。特にPLCを初めて扱う際には聞くようになるでしょう。
今回はシーケンス制御について、技術的な難しい部分を極力減らしたうえでイメージができるように解説していきます。また、PLCで用いられるラダー図との関係についても解説しているので、用語の整理をしたいときの参考としてください。
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目次
1.シーケンス制御とは
(1)シーケンスという言葉の意味
シーケンス(sequence)とは「連続」「順序」「配列」などを意味する英単語です。
また、それに関連するシーケンス制御とは、事前に決められた順序に従い制御を行う制御方法です。日本産業規格(JIS)のJIS Z 8116:1994では、シーケンス制御を『あらかじめ定められた順序又は手続に従って制御の各段階を逐次進めていく制御方式』と定義されています。
※2019年7月1日の法改正によりJISは日本工業規格から日本産業規格へ改称されました。
(2)シーケンス制御とは?PLCやラダーとの関係
PLCを扱うとシーケンスやラダーなどの言葉も現れます。それぞれの意味をまず整理します。
シーケンス制御は制御の方式を表します。その他の制御にはプログラム制御やデジタル制御などがあります。
PLCは、センサー等の入力に対してモーター電源等へ出力します。
ラダーはPLCのプログラムを作成するための表現方法です。
上記をまとめると、「PLCを用いてシーケンス制御を行うためにラダーを使ってプログラムを作成する」と表現できるでしょう。
2.シーケンス制御内容をラダー図で表す
実際にシーケンスがどのようにラダーで表現されるのか確認しましょう。
以下の例を確認すると、ラダー図を見ただけでどのようなシーケンス制御になるのかイメージしやすいです。
これがラダー図でシーケンス制御を表現するメリットです。
(1)ランプの点灯
スイッチを押して運転ランプを点灯させる場合を考えます。まずPLCの入力端子X001にスイッチを繋ぎ、出力端子Y001に運転ランプを繋ぎます。
この場合のラダー図は以下の通りとなります。
(2)時間差でランプの点灯
今度はスイッチを押してすぐ運転ランプ1が点灯し、5秒後に運転ランプ2を点灯させる場合を考えます。まずPLCの入力端子X001にスイッチを繋ぎ、出力端子Y001に運転ランプ1を、Y002に運転ランプ2を繋ぎます。
この場合のラダー図は以下の通りとなります。
3.シーケンス制御の用途や事例
(1)洗濯機
制御の例としてよく挙げられるのが洗濯機です。スタートを押すと「給水」→「洗濯」→「すすぎ」→「脱水」などと工程が自動で行われていきます。
洗濯機の蓋を閉め忘れたときに、アラームが鳴ったことはないでしょうか?
それは「給水」工程が終わったタイミングで「洗濯」工程へ移行する際に蓋が閉まっていることが条件として含まれることを意味します。
また「脱水」工程は始まったと同時にタイマーを起動させる設定になっているかもしれません。その際は決まった時間が経過すると「脱水」工程が終わって停止・終了アラームとなるようにシーケンス制御がなされています。
このようにしてある条件が揃えば次工程、揃わなければ停止やアラームなどの処理を行います。
(2)製造タンク
化学や食品、医薬品などは製造タンクで原料をかき混ぜて製造することが多いです。製造を開始すると「原料張り込み」→「撹拌」→「加熱」→「冷却」といったようにあらかじめ決められた工程を進みます。
「原料張り込み」工程の中にも複数の原料を仕込む場合にはその順番が設定されます。「原料1張り込み」→「原料2張り込み」→「原料3張り込み」といった形です。
こういった更に細分化された工程がある場合、「原料張り込み」や「撹拌」といった工程は大工程と呼ぶことがあります。
例えば「原料張り込み」工程において、自動張り込みの後に手動張り込みがあるとします。その際は自動張り込みが完了したタイミングでプログラムが待機状態になります。
その後手動張り込みを行い、完了後にボタンを押すなどして工程進捗用の指示を送ります。間に待機時間を設けることで自動の中に手動工程を組み込むことができます。
(3)自動組立機械
自動制御といえば代表的なのが自動機械です。
ただし、PLCでは産業ロボットのような複雑な動きをさせるにはモーションコントローラーという機器が必要になりますので、今回は単純な組立機器を説明します。
例えば以下のような機器が分かりやすいです。
コンベアに乗って部品が搬送されています。近くには近接スイッチがあり、部品がある地点に到着するとスイッチが入るようになっています。これがランプ点灯の例で示したX001のような役割を示しています。
スイッチが入るとシリンダーが動くようになっています。これがランプ点灯の例で示したY001のような役割を示しています。
このようにして一見複雑そうに見える機械でも要素ごとに取り出せば、入力と出力の関係が見出せます。
4.おすすめのPLC取り扱いメーカー4選
①三菱電機株式会社
【特徴】
日本最大手の総合電機メーカーの1つです。国内では三菱電機製のPLCのみで機器を設計して欲しいと仕様に盛り込む企業もあります。三菱電機が提供するタッチパネルGOTと組み合わせて使用することが多いです。
またGOT Mobileも組み合わせることでタブレットや遠隔地での監視・操作ができるようにもなります。
【所在地】
〒100-8310
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
②オムロン株式会社
【特徴】
三菱電機には劣りますが国内では多くのシェアを誇ります。比較的、回路編集が行いやすいことで有名です。設計段階の回路を作り込んでいく時に快適さを実感できます。
ただしオムロン製PLCは、動作中にプログラムの書き込み操作が出来ないところが不便な部分です。
【所在地】
〒600-8530
京都市下京区塩小路通堀川東入
③横河電機株式会社
【特徴】
制御関係で特に一歩先を行くメーカーです。AIアプリケーションに良く用いられるPythonへ対応した機器を既に発売しています。
また横河電機ではDCSも取り扱っており、横河電機製PLCの上位システムとしても利用することがあります。
【所在地】
〒180-8750
東京都武蔵野市中町2-9-32
④株式会社キーエンス
【特徴】
営業利益率が50%を越えており、技術力が非常に高くそれが売上に反映されています。国内での利用頻度が高い三菱電機製とのリンクができるところが利点です。また、他社PLCとの圧倒的な処理速度の速さが特徴として挙げられます。
【所在地】
〒533-8555
大阪市東淀川区東中島1-3-14
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