画像センサの用途は業界ごとに違う?活用するポイントやメーカを紹介
画像センサは、どんな製造業の現場でも導入が検討できる機器の一つです。人間の目の代用をすることが可能なため、汎用性が極めて高いからです。
ただ画像センサは、広い視野で見てみると、業界ごとに用途が異なることがわかります。本記事では、画像センサが各業界でどのように利用されているのかを見ながら、活用するポイント解説しています。画像センサを扱うときの、基本的な術としていただければ幸いです。
もし、画像センサを画像処理に導入して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 検査レベルを高めて品質価値を高めたい
という場合は、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。
ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。
目次
1.画像センサの用途と導入事例からわかる活用のポイント
画像センサとは、カメラで捉えた画像情報を処理して、その判定結果を出力するセンサのことです。
仕組みは単純ですが、応用範囲が非常に広いので、いろいろな場所に適用できます。そのため、使われている業界によって、用途や注意するポイントなども異なるため、業界ごとに解説していきます。
(1)自動車メーカの場合
①主な用途と導入事例
日本の製造業の根幹ともいえる自動車メーカの工場では、画像センサが無数に使用されています。
自動車は小さな不具合が、人の生死に関わるほどの重大な事故につながることが多いため、製造業の中でも、特に強い品質管理を求められています。さらに、自動車の内部部品は30,000点を超える部品点数を有しており、効率的に組み立てと検査を行なわなければ、利益を出すことは難しいです。
求められる分野は特に検査での分野です。
高い検査水準を満たす高機能な画像センサと、大量の部品点数を正確に検査でき、データを管理できるような一貫した「画像センサシステム」が要求される業界です。
以下の動画では、複雑な形状の車載部品をロボットによって様々な角度から撮像し、検査判定を行なっている事例です。
自動車業界では、このように他システムと組み合わせた導入事例が多いです。
②活用するためのポイント
部品点数が多く、種類も形も様々なので、あらゆるワークを検査できるハイエンドの画像センサを導入する検討が必要です。ハイエンド品は効果ですが、複雑な検査や組み立てにかけている人員はそれ以上なので、購入代金はペイできるはずです。
また、3D画像センサを導入して、立体形状を判別する必要も場合によってはあります。
(2)製造メーカ(電子部品、精密機械など)の場合
①主な用途と導入事例
一般的な「工場」というと、電子部品や精密機械のメーカと思います。
産業用の電子部品や精密部品は細かい部品が多いので、検査や組み立て作業が、人間による手作業では困難なことも多く、実施するにしても長い期間熟練した作業者でないと、正確な作業が出来ないこともしばしばあります。
検査工程や組み立て工程に画像センサを導入することで、人手作業を効率化することが可能です。
完全な自動化と行かなくとも、疑わしい場所をピックアップするなど人手作業を補助する役割でも、近年は多く導入されています。
以下の動画では、細かい電子部品の検査を高速で行なっている事例です。ここで扱われているQFP(リードが4辺から出ているリード部品)のリードピッチは1mmを下回るものもあります。
画像センサで代用することのメリットがお分かりかと思います。
②活用するためのポイント
細かく大量の部品を処理する必要のある、電磁部品や精密機械の業界で重視されるのは、スピードと画像の精密さ(画素数)です。
パソコンやスマホなどの電子機器に入っているプリント板などは1mm以下の部品が数千点実装されていることも珍しくはありません。部品1点1点に時間をかけて処理していたら、莫大な時間がかかってしまうし、かといって正確性も犠牲にできないでしょう。
そのため、要求仕様を満たす画像センサの導入が必要です。
(3)製薬&食品業界の場合
①主な用途と導入事例
製薬アンド食品業界も、画像センサによる生産効率化が行われています。
特に、検査分野で活躍しています。
食品は製品の形や色などの状態が一定でないことが多く、良品と不良品との区別が難しいです。そのため、色などが判別可能なカラーカメラや、3D情報を取り込める立体画像センサなどを導入して、製品の形や色を判別する目的で、導入されます。
また、製薬工場では、コンベアに散らばった薬を画像センサで認識して、産業用ロボットで集めて瓶に詰めるなど、梱包での利用も促進されています。
以下の動画では、色彩判別により、異物を認識して判別する事例が紹介されています。
②活用するためのポイント
これらの業界は、ある程度スタンダードな画像センサでも対応できます。
同じものを大量に作る性質から、その製品に特化した安価な画像センサの導入で十分効果は見込めるからです。ただし、柔らかい不定形の製品(饅頭など)の検査する際は、3D画像センサを検討も必要でしょう。
製品の種類は多いので、導入するセンサの台数は多くなると考えられます。画像をサーバで一括管理するなどの用途に合わせて、サーバの容量やデータのやり取りへの留意が必要です。
2.画像センサのメーカ紹介
画像センサはその汎用性ゆえに市場も大きく、様々なメーカが販売を行なっています。代表的なメーカをいくつか紹介します。
(1)オムロン株式会社
FA分野の老舗であるオムロン株式会社は、体重計や体温計などで一般家電でも知られる会社です。
画像センサのラインナップが非常に多く、制御装置一体のスマートカメラシリーズや、カメラ別のPC VISIONシステムなど、用途にあったセンサの検討ができます。
AOI(自動光学検査装置)の分野でもトップシェアを持っているので、特に電子部品や精密機械の検査に強いと思われます。そういった業界での画像センサ導入なら是非とも検討すべきです。
(2)株式会社キーエンス
株式会社キーエンスは、FA分野の会社で、画像センサの機器販売も行っています。
他社にないような技術を利用した画像センサが多く、立体形状を判別したり、光沢のある製品の判別をしたり、従来の画像センサが苦手としていた、分野に対して積極的にアプローチしています。
ワークの形状や色が複雑で不定形な食品工場などで特に活躍が期待できると思われるため、その業界での使用予定があるならば、検討をおすすめします。
(3)キヤノンITソリューションズ株式会社
キヤノンITソリューションズ株式会社はキャノンの子会社で、画像センサの販売を行なっています。
商品レパートリは少ないですが、MatroxIrisGTRという画素数が500万ピクセルでカスタマイズ可能な画像センサを販売しています。また、CPUがデュアルコアとなっていて、高速処理を行うことができるため、ワークの点数が多い業界への適用が期待できます。
3. 画像センサにおすすめのロボットシステムインテグレータ
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
4. 画像センサに関するご相談はFAプロダクツへ
今回は画像センサについて説明してきました。
画像センサは生産効率化を目指すために強力な武器になりますが、製品によって、必要とされる画像センサは違いますので、入念な選定と検討が必要です。
また、性能を十分に活かすためには、事前に画像センサの種類や仕組みの理解が求められます。また導入後のシミュレーションをするのも、失敗しないポイントとなるでしょう。FAプロダクツでは、そうした装置導入のアドバイスを行っていますので、よければお気軽にご相談ください。
関東最大級のロボットシステムインテグレーター 画像処理の検証から装置化ならお任せください
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