イメージセンサの種類まとめ│知っておきたい特徴もあわせて簡単解説
イメージセンサは、デジタル写真を扱うのに必須のセンサです。
近年の製造業では、大量の製品写真をサーバに保存したりと、カメラとイメージセンサを利用しての生産効率化が目覚ましくなっています。
本記事では、そんなイメージセンサの特徴や種類について、まとめました。基本的なところを知りたいけど、今さら周りには聞けない……そのように考えていたら、ぜひご参考いただければと思います。
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目次
1.イメージセンサについて
イメージセンサとは、対象物から発した光を受光し、光の明暗を電気情報に変換するデバイスのことです。アナログカメラにおけるフィルムのようなもので、撮像した瞬間の映像をデジタルデータとして保存できるようにするための変換器として捉えられます。
ほとんどの場合、カメラと一体になっているため、センサそのものにフォーカスが当たることは少ないですが、「CCDカメラ」「CMOSカメラ」などと、イメージセンサの名前を先頭につけた名称で区別されることが一般的です。
2.CCDセンサとCMOSセンサ
イメージセンサには大別すると、CCDセンサとCMOSセンサの2種類があります。
それそれの特徴や、メリット・デメリットについて解説していきます。
(1)CCDセンサとCMOSセンサの特徴
CCD(Charge Coupled Device)とCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)はどちらも光を電気信号に変換する素子であることは変わりないのですが、その変換方式に違いがあります。
それぞれの原理を説明していきます。
①CCDセンサ
CCDセンサは、隣同士の素子が電荷を受け渡すことのできる構造になっています。
フォトダイオードにより各素子から電荷を蓄積し、バケツリレーのように移動させて最終的に電荷を電圧に変換します。
電荷を集めてから、アンプで電圧に変換する構造になっており、この点が後述するCMOSと決定的に違うところです。
CCDセンサはその電荷の送り方によって、いくつかの種類に分けられます。主な種類をご紹介しましょう。
種類 | 概要 |
FT(Frame Transfer/フレーム転送)型 | CCDイメージセンサの中で、最も古式な方式です。主にビデオカメラなどに使用されています。 |
IT(Interline Transfer/インターライン転送)型 | フォトダイオードやMOSを使って、電荷の蓄積を行い、垂直CCDで電荷転送を行う方式です。 電荷の蓄積までがのタイミングがFT型とやや異なりますが、その後の動作はFT型とほとんど一緒です。 構造的にカメラで使いやすいため、デジタルカメラや、ムービーカメラなど多くのカメラで使用されています。 |
FIT(Frame Interline Transfer/フレームインターライン転送)型 | 基本構造はIT型と一緒ですが、IT型の欠点であるスミア(白いノイズ)を除去するために考案された方式です。 スミアを許さない高性能な画質が要求されるカメラなどに使用されています。 |
②CMOSセンサ
CMOSセンサは、素子ごとに画素単位でフォトダイオードとトランジスタが用意されており、それぞれで電荷信号を増幅します。
CDセンサと違い、電荷を受け渡さず、その場で増幅します。必要な電圧だけを取り出すためにスイッチで取捨選択します。
CMOSセンサは電荷切り替えのトランジスタの個数によって、主に以下のような種類があります。
種類 | 概要 |
3トランジスタ型イメージセンサ | 3トランジスタ型は、検出、リセット、選択の3つのトランジスタで構成されています。最低限必要なトランジスタの個数を備えており、フォトダイオードの構造が簡単に済むため、CMOSセンサが登場した初期はこの方式が主流でした。 初期のデジタルビデオカメラなどに使われています。 |
4トランジスタ型イメージセンサ | 4トランジスタ型は、検出、リセット、選択に加え、検出部にトランジスタが追加されており、やや複雑な構造をしています。 3トランジスタ型に比べてノイズや感度が格段に改善されており、近年のデジタル一眼レフカメラなどに採用が進んでいます。 |
(2)CCDセンサとCMOSのメリットとデメリット
その変換形式によって、メリットとデメリットがそれぞれのセンサには存在します。
代表的な項目で、それぞれ比較すると、以下のようになります。
CCD | CMOS | |
消費電力 | 大きい | とても少ない |
処理速度 | 遅い | 早い |
画質 | 良い | 普通 |
価格 | 高価 | 安価 |
CCDセンサに比べ、CMOSセンサの方が全体的にシンプルな作りになっているため、消費電力や価格などは有利です。
また、画質に関しても、CMOSセンサが開発された当初は、CMOSセンサの構造が増幅機構がそれぞれ搭載されていることなどから、ノイズが多く乗ってしまいCCDカメラとの差が大きくありましたが、その差も現在では縮まっています。
(3)CCDセンサとCMOSセンサの代表的なメーカ
簡単にですが、各センサの発売メーカを挙げていきます。
CCDセンサは、現在はCMOSセンサの画質が工場してきたことから、優位性が薄れ、以前に比べてあまり使われなくなってきており、メーカも減少傾向です。CMOSセンサの方に開発の主流は移ってきていると言えます。
①シャープ
独自の技術で高速撮影を実現したCCDイメージセンサを開発しています。反応性や画質の高さを生かして、携帯電話のカメラや高性能の監視カメラに用いています。
一方、CCDイメージセンサに用いられていたその技術を生かして、CMOSイメージセンサの方にも開発リソースを割いており、高感度の4トランジスタ型のCMOSセンサを開発しています。こちらは、4K対応のデジタルカメラなどにしばしば採用されています。
②浜松ホトニクス
裏面入射型と言われる高画質低ノイズのCCDイメージセンサを開発しています。その性能の高さを生かして、計測器などの高要求機器で使用されています。
③ソニー
市場のトップシェアを握る会社です。特に、スマートフォン用の市場では、シェア率が50%を超えています。積層型と呼ばれているCMOSイメージセンサは、スマートフォンの他に車載カメラなどで使用されています。
④パナソニックインダストリアルソリューションズ
「SmartFSI®」という独自技術によって、高感度・低ノイズ・高い色再現性を実現したCMOSイメージセンサを開発しています。逆光撮影・動体ブレ抑制・近赤外光撮影にも対応しているため、デジタルカメラをはじめとして、医療用や産業用のカメラにも採用が進んでいます。
3.製造業でおすすめのカメラメーカ紹介
ここまで、イメージセンサについて説明してきましたが、実際の現場ではカメラを接続して使用することになります。そこで、イメージセンサを使用したCCDカメラとCMOSカメラについて、おすすめのメーカを紹介します。
(1)ソニー株式会社
ソニーは日本の技術力の象徴とされることもある、モノづくりのノウハウでは日本トップクラスの会社です。
かつてCCDセンサが全盛だった頃は、トップシェアを握っていました。現在はCMOSセンサに開発の主軸を移しており、センサを内臓したカメラを販売しており、技術力は保証できます。
産業用ロボットなどとも連携が行うことができるため、工業分野での使用も問題なしです。
(2)パナソニック株式会社
白物家電やテレビで有名なパナソニック株式会社も、カメラの販売を行っています。
ソニーと同じく、CCDセンサの時代から、センサからカメラまで移管して製造を行ってきたため、蓄積しているノウハウは製品に生かされています。一眼レフのような、一般コンシューマ向けのカメラの他に、工業分野で使用されるCMOSカメラの製造も行っています。
特に、カメラの種類が非常に多く、用途に合わせて適切なカメラを選択することが可能です。
(3)CIS株式会社
CIS株式会社は、カメラとその他イメージングシステムの設計、開発を一貫して行う産業用カメラの会社です。
カメラの使用実績が、工場、セキュリティ、医療分野、放送など多岐にわたっており、様々な用途で使えるバリエーションの多さが魅力です。また、カメラ周りのソフトウェアの開発も行なっており、カメラを使用した検査システムやなどを一貫して購入するのに最適です。
4. イメージセンサにおすすめのロボットシステムインテグレータ
①株式会社FAプロダクツ
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【営業品目】
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- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
5.イメージセンサに関するご相談はFAプロダクツへ
今回はイメージセンサについて説明してきました。
イメージセンサはそれ単体では機能せず、カメラと合わせることで、威力を発揮します。
しかし、より正確なカメラの選定を行うためには、事前にイメージセンサの種類や仕組みの理解が求められます。また導入後のシミュレーションをするのも、失敗しないポイントとなるでしょう。FAプロダクツでは、そうした装置導入のアドバイスを行っていますので、よければお気軽にご相談ください。
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