【業界別】スマート工場が解決する課題と事例+おすすめSler4選
スマート工場(スマートファクトリー)という言葉が使われるようになって久しいですが、未だに本格的に取り組めていない企業は多いように思います。
その理由は、スマート工場の概念があいまいであり、実際にどんな課題を解決できるのかが明確になっていないからではないでしょうか。
この記事では、スマート工場が解決する課題と事例を業界別に紹介します。今回取り上げた業界は3つですが、その以外の業界にも共通する課題があるので、参考にしていただければと思います。
もし、スマート工場の実現に向けたコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
もし、工場に画像処理を導入して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 検査レベルを高めて品質価値を高めたい
というご希望がございましたら、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。
ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。
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目次
1.スマート工場とは?
スマート工場は、ドイツが提唱するインダストリー4.0から生まれた新しい工場の概念です。IoT・AI・ビッグデータなどのIT技術を活用し、ロボットや自動化機器をはじめとする工場内のあらゆる機器や生産設備をネットワークに接続して、見える化・分析・自動化や最適化を行うことを指します。
また、近年では工場での生産業務だけでなく、製造業における受注から納品までのサプライチェーン全体の最適化を目指すものにもなっており、スマート化の対象はどんどん広がりを見せています。
スマート工場については、別の記事で詳しく解説しているので、そちらも参考にしてください。
2.スマート工場が解決する各業界の課題
ここからは、3つの業界での課題について深堀りし、それをスマート工場がどのように解決できるのかについて紹介していきます。ここで出てくる課題は他の業界にも共通する課題でもあるので、参考にしてください。
(1)食品製造業の課題
①人の手に頼った生産ライン
食品製造業では、生産する製品数が非常に多いために多種少量生産の傾向が強くなっています。また、形状や品質が不揃いのものを扱うことが多いため、ロボットなどによる自動化が進まず、人の手による作業や目視検査を行うといった労働集約型の生産ラインが非常に多いです。
その結果、なかなか生産性が上がらず、多くの人件費をかけて非効率な生産を継続しているというのが現状であり、食品製造業各社が抱える課題となっていました。
課題解決のためには、ロボットと画像処理機器の導入による作業工程や検査工程の自動化が必要だと考えられます。現在では人の作業を代わりに行えるような高性能な機器が登場しており、今まで自動化できなかった工程の自動化が実現できるようになってきています。
自動化においては、生産ライン全体をいきなり変えるのはリスクが高く、設備投資のコストも負担になります。そのため、特に効率が悪いボトルネック工程から、スモールスタートで自動化していくのがコツです。
②食品ロスの防止
日本における食品ロスは2019年度の推計値で約600トンと多く、近年では食品ロスに対する意識が厳しくなっています。食品ロスの原因としては、賞味期限切れや仕入れ過ぎなど様々な要因がありますが、食品製造業の努力によって改善できることも多いため、食品ロスの削減に取り組む必要があります。
しかし、単に生産量を落としてしまっては、品切れによる機会損失を引き起こす可能性があり、食品製造業の成長を阻害してしまうことになります。
そこで、スマート工場を実現して在庫状況や需要予測を見える化し、生産計画を最適化させることが重要になってきます。需要の変化に応じて生産量を柔軟に調整し、適切なタイミングで出荷できれば、食品ロスを削減することができるでしょう。
さらに、自動化設備による生産ラインを構築できていれば、生産能力の予測がつきやすく、稼働時間を変えることで調整もしやすいため、より効率的な生産が可能となります。
(2)生産用機械器具製造業の課題
①マスカスタマイゼーションへの対応
生産設備や工作機械などの製造業においては、顧客からの多種多様なカスタマイズ要望に対応する必要があり、数千点から数万点にも及ぶ部品を組み立てて製造しています。
また、現在はそのような超多品種少量生産であっても、大量生産並みの生産性が求められるマスカスタマイゼーションの時代であり、より生産性を高めていかなければ競争力を維持できないという課題を持っています。
課題解決のためには、スマート工場の実現によって作業者・設備・部品の情報をリアルタイムで収集・活用して生産効率を高める必要があるでしょう。多種多様な製品を効率よく生産するためには、無駄な作業や設備の空きを極力なくさなければなりません。
また部品にはRFIDタグを取り付け、無線によってリアルタイムに数量や所在地を把握するといった取り組みも効果的です。在庫管理も最適化しなければ、部品点数の多い生産用機械器具製造業においては大きな無駄が生まれてしまいます。
②サプライチェーンの最適化
生産用機械器具製造業では、部品を内製することも多いですが、全てを人の手で行っていては生産性を高めることはできません。部品の加工における機器の制御や部品の取り付け・取り出し、搬送といった業務もロボットによる自動化をすることが重要です。
また、組み立て工程は部品が揃っていなければ作業が進められないため、部品の納入待ちが発生しないように部品加工部門と組み立て部門が連携する必要があります。部品の加工状況をリアルタイムで取得するなどしてサプライチェーン全体の効率化を進める必要があります。
(3)部品加工業の課題
①要求レベルの向上
金属部品や樹脂部品といった部品加工業においては、顧客からの要求がどんどん厳しくなっています。部品形状の複雑化や要求品質の向上、リードタイムの短縮といった顧客要望に応えるためには、人の手で加工することには限界があります。
加工自体はもちろん、検査工程の自動化によって品質を高めたり、段取りや物流業務も自動化することによって工場全体の生産効率を向上させるように工夫をしなければなりません。
②人手不足と技能継承
部品加工業は中小企業の割合が多く、人手不足が深刻化している傾向にあります。また、熟練の作業者が高齢化する一方で、若手人材を確保できていないことも多く、技能継承ができずに高度な技術が失われてしまう懸念があります。
人手不足と技能継承の課題を解決するうえでは、IoTの導入によるノウハウの見える化とそのデータを活かした自動化設備の制御が効果的です。明文化しにくい熟練の技術者の経験とカンをIoTによって見える化し、そのデータを元にしてロボットや工作機械などの設備を制御することができれば、両方の課題を解決できるでしょう。
3.スマート工場による課題解決事例
(1)食品製造業の解決事例
株式会社コスモジャパンは、食品量販店を中心とした惣菜の半製品を製造する食品製造業です。焼き鳥の串刺し工程において、従来は目視による瞬時の判断で機械へ投入する必要があり機械化は困難だとされていました。
しかし、ロボットと画像処理機器の導入によって目視と同等の精度を実現し、作業者の人数を3名から1名に削減することができました。このように、ロボットと画像処理技術の向上によって自動化できる工程は広がっており、スマート工場化を推進できるようになっています。
※経済産業省 「ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」 より抜粋
(2)生産用機械器具製造業の解決事例
オークマ株式会社では、NC工作機械やNC装置を製造しています。日本でものづくりをして世界で売るためには生産性を極限まで高めた工場が必要だと考え、24時間365日稼働する工場を目指しました。
部品加工における素材の投入と取り出しをロボットが行い、設備のメンテナンスも自動化。設備の稼働状況の稼働状況を収集してフロアマップに表示することにより、工場全体の状況を見える化しました。エラーが起こった時の改善要員という形で作業者は必要ですが、このようなスマート工場の実現により、生産効率は大きく向上します。
※経済産業省 「スマートファクトリーロードマップ」〜第4次産業革命に対応したものづくりの実現に向けて〜」 より抜粋
(3)部品加工業の解決事例
ギフハイテック株式会社は自動車向けに樹脂加工部品を製造しています。新商品の組み立て検査工程で、従来工法であれば1シフト5名の人員が必要であったところを、組み立て作業と搬送作業をロボット化することにより、1シフト1名での稼働を実現しました。
設備投資は必要だったものの、人件費削減による効果の方が大きくなりました。また、組み立て作業をロボット化することにより人のミスを削減することができ、品質向上にも貢献しています。
※経済産業省 「ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」 より抜粋
4.スマート工場化におすすめのメーカー・システムインテグレータ4選
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②株式会社ティーネットジャパン
【特徴】
物流・製造拠点の生産性向上を支援すべく、「スマファクナビ」というスマートファクトリーへの移行サービスを提供しています。工場の自動化や設備の見える化、作業進捗の見える化などのお悩み別ソリューションを展開し、工場の課題を把握するための無料診断サービスも実施しています。
【所在地】
香川県高松市成合町930-10
TEL.087-886-8118(代表)
FAX.087-886-8137(代表)
③株式会社日立ソリューションズ
【特徴】
日立グループの豊富な製造現場や産業機器の実績を活かして、スマートファクトリーに不可欠となる制御システムと情報システムの両方を一元的に提供しています。「スマートファクトリー」「グローバルサプライチェーンマネジメント」「サービタイゼーション」「経営マネジメント」の4つのカテゴリーで総合的にスマート工場化を支援しています。
【所在地】
東京都品川区東品川4ー12ー7(日立ソリューションズタワーA)
TEL.03-5780-2111(代表)
FAX.03-5780-6439(代表)
④株式会社シーイーシー
【特徴】
製造業のお客様を対象にした業務の効率化や品質向上、魅力ある製品づくりを支えるデジタルインダストリー事業を展開しています。「生産」「設計・開発」「販売・サービス」の三分野を軸とした製造業のバリューチェーン全体に渡るスマート化を支援しています。
【所在地】
東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル
TEL.03-5789-2441(代表)
FAX.03-5789-2581(代表)
5.スマート工場の実現に関するご相談はFAプロダクツへ
今回は、スマート工場によって解決できる業界別の課題と、解決事例を紹介しました。スマート工場の実現に向けて取り組んでいる製造業各社は、長年抱えていた課題を解決しつつあります。まだ取り組みを進めていない場合は、今後の成長への原動力とするために、スマート工場の実現に向けて動きだしてみてはいかがでしょうか。
FAプロダクツでは、ロボットシステムや画像処理技術による自動化によってスマート工場を目指す製造業を支援しております。お気軽にご相談ください。
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