ロボット技術の動向│歴史や最新技術に見る産業の発展と未来
ロボット技術は、娯楽用に使用されていたカラクリ人形から、電力や電子制御などによって複雑な作業を行う産業ロボットへと発展し、工場の自動化などに貢献しています。ロボットの技術動向を把握すれば、市場の変化や革新すべき製造技術の方向性を見極めることもできます。
今回は、ロボット技術の歴史や、2000年以降のロボット産業の状況、将来的に必要となるロボット技術の動向について解説します。また、ロボット技術の普及拡大のために日本で行われている、「国際ロボット展」や「ロボット大賞」などのイベントについても紹介します。
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目次
1.ロボット技術の歴史
(1)ロボット技術の歴史と市場や環境への与えた影響
ロボットの起源は、オートマタやからくり人形のような歯車を動力とした単純な機構でした。現在のロボットは、電力源を用いて電動モータやギアを動かし、制御には電子回路が用いられ、複雑さを増しています。ロボットの要素技術向上により、工場で使用される産業用ロボットなど、人の作業を代替する存在となって工業分野での市場拡大が進みました。
2000年以降は、人とのコミュニケーションができるサービスロボットなどが開発され、掃除や受付などを支援するロボットが普及され始め、サービス業界の市場が拡大しています。AI技術の進展もあり、ロボットが自己学習をしながら人の生活全般を支援するような試みも進められています。
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(2)政府や関係機関の公的支援プロジェクト
日本では、ロボット技術の開発・普及を促進するために、1970年代から公的な支援プロジェクトが複数立ち上げられました。ここでは、代表的なロボット技術支援プロジェクトについて紹介します。
(引用元:NEDO『TSC Foresight Vol.7』 P.3)
①経済産業省の支援プロジェクト
経済産業省は、2019年までに22のロボット技術開発の国家プロジェクトを立ち上げており、省庁の中で最多となっています。1971年の「パターン情報処理システムの研究開発」が最初の支援プロジェクトであり、2015年には「次世代ロボット中核技術開発」や「ロボット活用型市場化適用技術開発」の2つの支援プロジェクトを開始しました。
ロボットの実用化はもちろん、東日本大震災などの災害時に活用できるロボットの開発支援なども積極的に行ってきました。
②内閣府の支援プロジェクト
内閣府では、2009年の「最先端研究開発支援プログラム(FIRST)」を皮切りに、基礎研究だけでなく実用化も視野に入れた最先端技術を生み出すために、3つのプロジェクトが立ち上げられています。
③文部科学省の支援プロジェクト
文部科学省では、5つのプロジェクトが実施されています。2012年からの「大学発新産業創出拠点プロジェクト(START)」や、2015年からの「ロボティクス・スタートアップ挑戦人材応援プロジェクト」など、2020年時点でも進行している公的支援プロジェクトが3つあります。
④NEDOの支援プロジェクト
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2019年までで17のロボット技術開発プロジェクトが実施されており、主に産業や生活支援向けのロボット開発を行っています。プロジェクトでは、建設機器などの実用化はもちろん、ヒューマノイドの開発なども果たしています。
「令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」には、一般社団法人日本惣菜協会が選出されています。
ロボットにとって盛り付けしやすい盛り付け方法や、掴みやすい包装容器の在り方等、ロボットにやさしい環境(ロボフレな環境)構築のため、構想設計を実施しています。将来的には廉価な盛付アームロボットやトップシール機の開発を進めることを想定しています。弊社・株式会社FAプロダクツも、当事業の協力企業として選定されています。
参考:一般社団法人日本惣菜協会「【プレスリリース】令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業 ロボットフレンドリーな環境構築支援事業に採択」
(3)SIerはロボット技術発展にどんな寄与をしてきたか
製造現場における産業用ロボット導入における工程自動化には、工場の目的に合わせてシステムを構築するシステムインテグレータ(SIer)が必要となります。
産業用ロボットは半完結製品とも呼ばれており、単体で製品を完成させるような産業用機械ではないため、システムインテグレーション(SI)が不可欠なのです。製造業では、各社によって造るモノも違えば、許容コストも違うため、SIerはユーザーの要望を汲み取りながら、最低限のコストでも安定稼働できるような自動生産システムの構築を目標としています。産業用ロボットの製造・供給メーカと、使用するエンドユーザの間に立つSIerは、工場の生産工程の効率化に大きく寄与してきたのです。
⇒ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)とは?導入事例・補助金も紹介
2.2000年以降に実用化されたロボットの事例
2000年以降のロボット技術の進展は目覚ましく、2000年には二足歩行型ロボットの「ASIMO」が本田技研工業で開発され注目を浴びました。その後も、産業総合研究所が開発したセラピーロボットの「パロ」や、災害現地調査を行うフィールドロボット「Quince」など、徐々にロボットの実生活への普及が進んでいきました。
2012年には、SHARPが製品化した「ココロボ」などの掃除用ロボットが現れ、汚れ検知センサによる自動掃除機能だけでなく、音声認識機構を活かしたコミュニケーション機能を備えていました。
2013年には、パナソニックが病院内において自律搬送を行うロボット「HOSPI」を開発しています。
2015年には、ソフトバンクが感情表現機能を有した接客用サービスロボット「Pepper」を発表し、自社での接客はもちろん「はま寿司」などの飲食店での導入も進みました。
3.ロボット技術のこれから
ロボット技術に関しては、4大技術要素である「人工知能(AI)」「センシング」「制御」「駆動」の発達が重要であり、今後はロボットの各分野で以下のような将来性が期待されています。
(1)産業用ロボット
生産現場などによる労働力と期待される産業ロボットに関しては、動作の高速化がまず求められます。また、AI技術を駆使した自動学習機能の充実によって、今まで人が行ってきた動作・技能をロボットが把握して自律稼働することも期待されるでしょう。
⇒【動画付き】産業用ロボットとは?4種類の形状と5つの用途を解説
(2)フィールドロボット
フィールドロボットの活躍の舞台は、人が立ち入れないような危険地帯です。噴火や地震・台風などの災害時に、人間の代わりに遠隔操作で現地に向かうのはもちろん、現場での生存者や心配停止者などの発見力を高めるためには、センシング技術の向上も必要不可欠です。
(3)サービスロボット
サービスロボットは、人の生活を支援するために利用され、高齢者や要介護者の支援などでの活躍が期待されます。既に、装着型のウェアラブルロボットも普及し始めていますが、介護できる人材も不足しています。AIやセンシング技術の発達によって、要介護者の要望や体調などに対応して、自律的な介護支援を行えるロボットの開発も今後必要となるでしょう。
4.ロボット技術動向が分かるイベント
ロボット技術に対する期待度は大きく、今後もさまざまな技術が開発されていくことでしょう。現在は、そうしたトレンドがわかるイベントが定期的に開催されています。以下、代表的なものとして、国際ロボット展とロボット大賞についてご紹介します。
(1)国際ロボット展
日本で2年に一度開催されている「国際ロボット展」は、「ロボットがつなぐ人に優しい社会」をテーマに2019年で23回目を迎えています。国際ロボット展を通して、ロボット技術の動向やトレンドが見て取れます。
2019年の展示会では、協働型の産業用ロボットの機能向上による工場での人手不足の改善はもちろん、ロボットとシステム連携強化による「スマートファクリー」実現といった、生産能力向上の各社の方向性が示されました。また、次世代技術として「ヒューマノイド」関連の紹介もあり、川崎重工業のブースでは、災害現場を想定した人命救助のデモも行われました。
各メーカが産業用ロボットへのAI技術導入を進めており、AI学習の効率化によって中小企業などの製造現場への導入が容易にできるような取り組みを行っています。
(2)ロボット大賞
(引用:ロボット大賞)
2006年から開催されている「ロボット大賞」は、産業用ロボットやシステムの研究開発はもちろん、人材育成に関する取り組みを表彰するものです。2021年の第9回ロボット大賞でも、各省庁の大臣賞が設けられており、以下のような企業が受賞しています。
①経済産業大臣賞:ファナック株式会社「協働ロボットCRX」
少子高齢化に伴う労働力不足が加速し、手作業の生産現場で、安全柵なしで自動化できる協働ロボットの需要が急増していても十分に普及していない最大の要因は、ロボットに不慣れな現場でも簡単に使える使いやすさと、安全で壊れない信頼性を、両立していなかったことにあります。協働ロボットCRXは「安全性、使いやすさ、高信頼性」を追求した新しい協働ロボットです。労働力不足に加え、コロナ禍において、人が密集する作業の一部を置き換えれば、人同士の間隔を確保して3密対策ができると好評です。
②中小・ベンチャー企業賞(中小企業庁長官賞):株式会社Doog「協働運搬ロボット『サウザー』シリーズ」
従来AGVと同様のライン走行に加え、自動追従機能とメモリトレース走行機能を備えているのが特徴です。障害物を回避しながら、どこでも作業者に追従ができ、柔軟に運搬量を拡大できます。一般的なSLAM型ガイドレスAGVは地図の構築や変更に専門技術者が必要で、時間とコストを要しますが、経路変更が柔軟で手軽にでき、毎週や毎日異なる環境、異なるルートでの運用も可能です。アプリケーションの追加やネットワークによる外部機器連携などの拡張性も持っています。
導入が実現している現場では、サウザーの「簡単導入・簡単操作・運用の柔軟性」が評価されています。
③日本機械工業連合会会長賞:株式会社ミスミグループ本社「meviy」
製造業における加工部品の調達を効率化するECサービスで、設計データをアップロードするだけで、AIが形状を認識し、即時に見積もり、そのまま部品を加工して最短即日に出荷するというプラットフォームです。利用対象は生産設備、装置、治具等に利用される機械部品の調達領域で金型部品、試作品、板金・切削部品とあらゆる顧客ニーズに対応しています。上記の効果により部品調達プロセスが劇的に効率化されるだけでなく、従来よりも安く早く部品を調達することが可能です。
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業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②ファナック株式会社
【特徴】
- ロボット制作からIoTプラットフォームまで幅広くフォロー
- 工場の自働化システム推進までトータル設計
- 国内外の工場へのロボット導入実績多数
- 自社でも自働化された工場で製品を生産
【所在地】
山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580
https://www.fanuc.co.jp/
③株式会社安川電機
【特徴】
- モータ開発力を基盤にした産業用ロボットの開発・生産力
- 「メカトロニクス」の概念を世界に先駆けて提唱
- 食品業界への産業用ロボットの導入も推進
- 産業自動化革命の実現を目指しICTとロボット技術の融合を図る
【所在地】
北九州市八幡西区黒崎城石2番1号
TEL:0120-502-495
https://www.yaskawa.co.jp/
5.産業用ロボットの導入に関するご相談はFAプロダクツへ
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