ロボットメンテナンスの基本解説!担当者に求められるスキル
産業用ロボットを導入した後には、定期的なメンテナンスを行わなければ、その機能を十分に発揮できません。また、場合によっては稼働停止トラブルなどで生産中断に陥る、作業者に危険が及ぶなどのケースもあります。
この記事では、ロボットのメンテナンスの目的や、日常点検や定期点検などのメンテナンスの詳細、自社でメンテナンスを行う場合に、担当者が習得すべき知識やスキルについて解説します。最後には、メンテナンスの相談先についてもご紹介します。
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目次
1.メンテナンスの意義
冒頭でも簡単に触れましたが、まずはメンテナンスの意義をあらためて確認しましょう。
(1)仕様期限まで安定稼働させる
産業用ロボットは、さまざまなパーツや潤滑油などの駆動用オイルなどが使用されており、機械である以上は経年劣化や故障を起こすことがあります。そのため、保証期限までロボットが正常稼働できるように、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
ロボットの主要部品は、駆動源や駆動伝達部品があり、制御機器やそれをロボットにつなぐ配線などもあります。この中でも、駆動部は特に故障しやすいため、重点的なメンテナンスが必要です。
(2)故障要因を分析する
ロボットのメンテナンスを行う際には、故障要因の分析も必要です。部品の寿命もありますが、部品の劣化が想定よりも早い場合には、外部要因による影響も考えられます。
ロボットの稼働寿命が近くなれば当然故障の発生率が高まりますが、周辺装置との干渉があったり稼働負荷が高ければ、寿命よりも前に故障する可能性もあります。メンテナンスでは、外部要因による故障要因などを見つけ出すことも重要なのです。
(3)作業者の安全を守る
機械設備を使用する以上は、工場で働く作業員の安全の確保も重要です。労働安全衛生法では、従業員の危険防止のための技術上の指針が記されています。産業用ロボットを使用する際にも、同様に作業員の安全を確保するためのメンテナンスが必要なことが示されています。
2.メンテナンスのフロー
産業用ロボットは、マニュピレーション機能や移動機能などを有しています。稼働中に点検・メンテナンスすることは難しいため、稼働前後での定期チェックが重要となります。ロボットのメンテナンスには、以下のようなことを実施する必要があります。
(1)日常点検
ロボットの生産稼働前後に、チェック項目に沿って日常的に行う点検です。連続稼働するロボットもあるため、チェックのタイミングや点検場所は、各社によってさまざまです。
(2)定期点検
時期や時間を決めて、定期的に、該当の産業ロボットはもちろん工場の稼働全停止などを行って実施する点検です。点検項目としては、以下のようなものがあります。
(引用:『ロボットシステムインテグレータのスキル読本』P:12 表.1)
点検時には、ロボット安定稼働維持のために、清掃やグリスアップや、以下のような自社でのパーツ交換等の対応を行います。
①予防的部品交換
定期点検時に、摩耗や劣化が見られるパーツは、交換が可能であれば故障予防のために部品交換を行います。「予防保全」には必須の対応であり、部品の在庫確保や生産活動への影響を考慮した交換タイミングの適正化が重要です。
②オーバーホール
定期点検などでロボットの部品の摩耗や劣化が発見されれば、オーバーホール推奨期間に構成されるメインパーツも含めてまとめて交換します。オーバーホール期間を適切に設定することで、故障を未然に防ぐことができます。
(引用:『ロボットシステムインテグレータのスキル読本』P:12 図.2)
(3)故障対応
ロボットに故障が発見された際に、故障原因を究明するだけでなく、復旧稼働させるために部品交換や修繕を行う行為です。故障の程度によっては、ロボットの導入メーカに修理連絡をする「オンコール修理」や、代替機を使用して故障機器をメーカで修理してもらう「メーカ持ち込み修理」を行うこともあります。
(4)リニューアル
メーカの仕様期限を過ぎた産業用ロボットは、故障の可能性も高まるため、新しいロボットへの変更を検討します。この際に、稼働履歴やメンテナンス履歴などを参考にして、さらに安定稼働が期待できるロボットを選定したり、IoT化などの新しい機能拡張を行います。
3.メンテナンスにかかる費用
産業用ロボットのメンテナンスには、以下のようなコストが掛かります。産業用ロボットの製造メーカはもちろん、ロボットSIerメーカによっても費用は異なるため、ランニングコストに注意した上で、メンテナンス頻度などについてはメーカと相談しましょう。
自社でメンテナンスを行う場合であっても、人件費などが発生することを認識しておきましょう。
①定期点検の基本料
異常箇所の点検や故障箇所の調査などに対して支払う「労務費」です。社外に依頼する場合には、出張費用などが必要になることもあります。
②標準交換部品代
定期点検やオーバーホールなどで交換する産業用ロボットの部品代といった、「購入品費」です。
③部品交換調整料
故障時などに部品交換を行う際の「工賃」として支払うコストです。
4.メンテナンスの担当者に求められる知識や技能
(1)安全面で必要な知識
産業用ロボットのメンテナンスに関わるためには、「労働安全衛生規則第39条」に定められているように、安全衛生特別教育をまず受けなければいけません。これは、ロボットを使用した生産システムを導入するメーカも必須です。したがって、装置に対する知識はもちろんですが、安全衛生に関する知識も身につけなければいけません。
(2)技術面で必要な知識とスキル
①ロボットの基礎知識
産業用ロボットのメンテナンスを行うためには、取り扱うロボットの仕様や構造を理解しておく必要があります。特に、産業用ロボットに使用される、以下の主要部品についての特徴や寿命などの理解は必須です。
- 減速機
- モータ・エンコーダ
- ベルト
- ベアリング
- 配線
- 制御基板
②部品交換作業の要領
定期点検などで部品を交換するための手順や実施準備の段取り、部品取扱い時の注意点などについての理解が必要です。
③部品交換・修理後の評価方法
部品の定期交換や修理を行った後に、正常なレベルで稼働しているか否かを評価するための技能です。
④機械・設備安全に関する知識
産業用ロボットに起因した労働災害を起こさないためにも、設備導入時はもちろん点検時の危険予知といった、リスクアセスメントスキルの醸成が必要です。
⑤ロボット周辺機器の知識
産業用ロボットは、本体を構成するメインパーツ以外にも、動作機能の拡張のために、空圧機器や各種センサなどが使用されています。メンテナンスを行うためには、それら周辺機器の知識も必要です。
5.ロボットのメンテナンス相談におすすめのメーカー・ロボットシステムインテグレータ6選
①株式会社FAプロダクツ
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FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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【所在地】
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https://jss1.jp/
【営業品目】
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- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②三菱電機システムサービス株式会社
【特徴】
- 環境・省エネ、産業システムなど幅広い提案が可能
- 総合力を活かしたワンストップソリューションを実践
- 映像・情報通信関係のシステム導入実績も多数
【所在地】
東京都世田谷区太子堂4-1-1キャロットタワー20F
電話:03-5431-7750
https://www.melsc.co.jp/
③株式会社日立産機システム
【特徴】
- クラウド監視サービス「LCMサービス」を展開
- 単一製品だけでなくライン全体、工場設備・ビル全体まで一括したトータルサービス
- 定期点検や部品供給に限らず、設備に合わせた省エネやリニューアルまで対応
【所在地】
東京都千代田区神田練塀町3番地
電話 :03-4345-6000(大代表)
https://www.melsc.co.jp/
④THKインテックス株式会社
【特徴】
- 超精密高精度技術・検査測定技術・電動化技術のコア技術に強み
- THK、BELDEX、大東製機の技術力が融合したメーカ
- 位置決め要素部品で世界シェア・ナンバーワンのTHKが中核会社
【所在地】
東京都港区芝浦2丁目12番10号
TEL:03-5730-3811
FAX:03-5730-381
https://www.thkintechs.co.jp/
⑤株式会社スリーエス
【特徴】
- 工場・機械設備の保全整備やメンテナンスに対応
- 自動車関連のメンテナンスに強みを発揮
【所在地】
愛知県刈谷市一里山町伐払280-1
TEL 0566-45-5110
FAX 0566-61-8010
https://three-es.co.jp/
⑥プラント・メンテナンス株式会社
【特徴】
- 三井物産のプラント部門から独立
- 石油関係・製鉄・発電などのプラントのメンテナンスに強みを発揮
- メンテナンス要員の教育から予防診断、コンサルティングまで対応
【所在地】
東京都千代田区神田錦町三丁目17番地 廣瀬ビル8階
TEL 03-5259-1611
https://www.pmchq.co.jp/
6.産業用ロボットの導入に関するご相談はFAプロダクツへ
産業用ロボットの導入には、ロボットの選定から最適化のためのシステムインテグレーションが不可欠です。
FAプロダクツでは、関東最大級のロボットSIer企業として、お客様の希望に合わせた最適な設備導入を支援いたします。
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