油圧駆動型ロボットをイチから解説!メリット・デメリットや活用事例
最近、電動化が進む中で影を潜めている油圧製品。しかし、その特徴である耐久性や推力の高さから製造業では重宝されています。
本記事では、油圧アクチュエータを中心とした概要の説明をした上で、それを用いたロボット(油圧駆動型ロボット)のメリット・デメリット、活用事例などを紹介していきます。
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目次
1.油圧とは?
油圧・空気圧という言葉は、JIS B0142によると「加圧した流体(油及び空気)を媒体として信号及びエネルギーを伝達,制御又は分配可能とする技術」と定義されています。
つまり、油圧とは、油を動力伝達の媒体として用いる技術またはその圧力のことを指すと言えます。 一般的には前者で使用されますが、技術者が設計を行う際には後者の意味で用いられます。
2.油圧アクチュエータとは?
油圧アクチュエータは、油圧の力を機械的な力に変換する機器の総称です。油圧アクチュエータは、油圧ポンプにより加圧された油を利用して力に変換するもので、直線運動、回転運動、往復運動など、その力の方向により下表のような種類に分類されます。
種類 | 運動方向 |
油圧シリンダ | 直線往復運動 |
油圧モータ | 回転運動 |
揺動アクチュエータ | 回転往復運動 |
油圧アクチュエータで変換する力は推力と呼ばれ、次のような式で算出できます。
推力:F = 断面積:A × 油圧:P
この式から分かるように、空気のアクチュエータと同様に圧力を力に変換するものです。
3.油圧アクチュエータを用いたロボットの特徴、種類、メリット・デメリット
(1)油圧アクチュエータを用いたロボットの特徴
油圧アクチュエータを用いたロボットの特徴は、サイズに対して大きな推力を得ることができることに加えて、推力や速度の制御がしやすい点が挙げられます。このような特徴を活かし、製造業ではプレス機や工作機械、建設機械等の用途に採用されています。
(2)油圧アクチュエータを用いたロボットの種類
ここでは、油圧アクチュエータを用いたロボットの代表的な種類を二つ紹介しましょう。
①旋盤加工機
油圧アクチュエータが用いられるロボットの代表的なものとして、ワークを固定し回転させながら切削加工を行う旋盤が挙げられます。ワークを固定する際に三つ爪で3点支持を行いますが、この固定に必要な力を得るために油圧アクチュエータが用いられています。
②プレス機
旋盤加工機に次いで代表的なロボットはプレス機といって過言ではありません。プレス機は、スライド部を駆動させて金属成形を行いますが、この駆動・成形を行うための推力は油圧アクチュエータを用いて発生させています。
(3)油圧アクチュエータを用いたロボットのメリット・デメリット
油圧アクチュエータを用いたロボットのメリット・デメリットを各々解説していきます。
①メリット
油圧アクチュエータを用いたロボットのメリットは、次のようなものが挙げられます。
- 発生する力や仕事に対してコンパクト
- 力の調整が容易で応答性も良い
- エネルギーを蓄積できる
- 無段階変速が簡単であり作動が容易である
- 振動が少ない
- 高温に強く、耐久性も高い
制御性の高さから電動アクチュエータで駆動するロボットを使用するケースが増えていますが、高温環境や強い衝撃などがかかりやすい環境においては油圧アクチュエータで駆動するロボットを使用されます。
②デメリット
油圧アクチュエータを用いたロボットのデメリットは、次のようなものが挙げられます。
- 油圧配管の取り扱いが必要
- 油漏れ対策が必要
- 火災の懸念がある
- エネルギーロスが大きい
- 温度影響を大きく受ける
耐久性の高さや衝撃への強さがある一方で、油漏れや火災などのリスクランクの高いデメリットがあることは大きなデメリットであると言えます。
油圧アクチュエータのロボットを導入する場合には、事前に想定される故障モードとその対策を専門メーカとよく協議した上で、適切な使用条件の設定を行っていく必要があります。
4.油圧アクチュエータを用いたロボットの活用事例(製造業を中心に)やトレンド
近年では、油圧アクチュエータは取扱いのし易い電動アクチュエータへの置き換えが進んでいるのが現状です。とは言いつつも、サイズに対して大きな推力を発生させることができるメリットを活かしてロボットアームなどへの活用が期待されています。
さらには、軍用4足歩行ロボット「Bigdog」で有名なボストンダイナミクスで開発している「Atlas」にも、油圧アクチュエータが採用されており、耐衝撃性を活かした使われ方にも期待が高まってきています。
このように、油圧アクチュエータは工作機やプレス機などの従来の使われ方以外への活路が期待されており、再注目されている技術であると言えます。
5.油圧アクチュエータを用いたロボットを導入する上でのおすすめの相談先3選
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FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
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【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②株式会社嶋田
【特徴】
株式会社嶋田は、油圧を中心とした製品を取り扱う専門商社です。油空圧の機器や油空圧アクチュエータ、油圧プレスなど、油圧アクチュエータ設備の導入を検討している際にはおススメの会社です。
【営業品目】
- 油空圧機器
- 油空圧アクチュエーター
- 油圧プレス
- 各種軸受
- 伝動マテハン機器及びソリューション機器
- 各種産業装置
【所在地】
大阪府東大阪市本庄西2丁目5-22番地(機械団地)
TEL 06-6747-6551 (代)
FAX 06-6747-6557
http://shimada-ive.co.jp/
③油研工業株式会社
【特徴】
油研工業株式会社は、産業用油圧機器、車両用油圧機器、油圧システム等の開発設計・製造・販売を行っている会社です。油圧設備のユニットでカタログ販売も行っており、特注を検討する前に一度チェックしておくとおすすめのメーカです。
【営業品目】
- 油圧ポンプ・モータ
- 回転数制御ポンプ(ASRポンプ)
- 産業機械用各種油圧システム
- 船舶各種油圧システム、
- 産業用大型特殊油圧ユニット
- 各種標準パワーパック
【所在地】
神奈川県綾瀬市上土棚中4-4-34
TEL 0467-77-2111
FAX 0467-77-3330
https://www.yuken.co.jp/
5.油圧アクチュエータを用いたロボット導入に関するご相談はFAプロダクツへ
本記事では、油圧アクチュエータの概要からロボットのメリット・デメリットや活用事例、トレンドを紹介しました。耐環境性や耐衝撃性の観点で油圧は再注目されてきており、今後は全てを電動化するといった流れから、用途に合わせて油圧を使い分ける流れになっていくでしょう。
製造現場において、設備を導入する上で油圧、空圧、電動の選択はなかなか判断が難しいかと思います。もしこのような観点でお困りの場合には、実績のあるメーカーへ相談することをおすすめします。
数あるメーカーの中でも設備の設計からメンテナンスまで一貫して行うFAプロダクツは、他社の設備でもリプレースのご相談が可能です。お困りの際はぜひ、お気軽にご連絡ください。
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