研磨ロボットとは?研磨の基本から研磨ロボットの仕組みや特徴を解説
製品の研磨が求められるシーンの中で、手作業で対応せざるを得ない工程に悩んでいる会社が多く見られます。特に形状が複雑で手作業での研磨が求められているものの、表面の研磨ムラが多く、何度も後戻りを行った結果、ネック工程になってしまっているというケースは少なくありません。
そのような場合、研磨ロボットの導入がネック工程の改善につながる可能性があります。そこで、本記事で、研磨の基本を解説しつつ、研磨ロボットの仕組みや特徴を中心にご紹介します。
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目次
1.研磨とは、研磨の意義とは
研磨とは加工方法の一つです。研磨加工には「研削加工」「琢磨作用」の二つの意味を持ち合わせています。
- 研削加工:砥石等により寸法出しやバリカエリの除去加工を行うこと
- 琢磨作用:加工面の仕上げや表面のつや出しを行うこと
基本的な寸法出しは、旋盤やエンドミルなどで除去加工を行い、研削により数〜数十ミクロンオーダーの寸法出しを行います。厳しい面粗度や外観品質の要求がある場合には、研磨剤などを使うことでつや出しなどを行います。
このように、通常の除去加工に対する仕上げ加工として用いられるのが「研磨」となります。このことから、研磨の意義は以下のように言えるでしょう。
- 高い精度が求められる加工が可能であること
- 一定以上の外観品質を確保可能であること
これらが求められるシーンは機械加工では頻繁にあり、製造業においては必要不可欠な加工方法なのです。
2.高まる研磨ロボットの需要
研磨は、製品の質に大きく関わるものです。製造業としては、特に配慮すべき作業工程と言えるでしょう。
しかし、対応に悩んでいる現場は多く見られます。
研磨工程でよくある悩みとして代表的なものは、立体的な形状に対応することが難しいという点です。研削加工を想定した場合には、砥石を回転させながら製品を削るため、複雑な形状への対応ができないケースがあります。
また、表面のつや出しを3次元的な形状に対し行う場合には、手作業での対応が必要となることで、押し付け圧が一定にならず研磨ムラが発生してしまう、といったことはよくある悩みです。
そのため、現在、解決策として研磨ロボットの需要が高まってきています。上記のような課題を抱えているのであれば、導入を検討して損はないでしょう。
ここからは、研磨ロボットを活用するために知っておきたい基本的な情報をご紹介していきます。まずは、研磨ロボットの仕組みからです。
3.研磨ロボットの仕組み
研磨ロボットは、ロボットアームと研磨機を組み合わせた設備構成となることが一般的です。具体的には、以下に示す2つのように、ワークの固定箇所により構成が変化します。
- ロボットアームでワークを固定・移動し、研磨機で加工する
- ロボットアームに研磨機を装着し、固定されたワークを加工する
1は、単腕ロボットアームのエンドエフェクタ(チャッキング部分)でワークをチャックし、研磨機に当てながら加工するものです。ロボットと研磨機をリアルタイムで連動し、加工量の調整などをしながら研磨を行なっていきます。
2は、単腕ロボットアームのエンドエフェクタを研磨機に変更し、ワークは別で固定した状態にしながら研磨を行います。表面のムラが出ないように、ワーク姿勢やアームの押し付け圧力を一定にするなど、事前にロボット側のティーチングを行うのが特徴です。
4.各社が開発する研磨ロボットの特徴
研磨ロボットの仕組みを理解したところで、各社からリリースされている研磨ロボットについて紹介していきます。
(1)ヤマハファインテック株式会社
ヤマハファインテックの研磨ロボットは、ロボットアームと研磨機がユニットになったボックス型の設備となっており、設備を導入すればそのまま利用することができるものとなっています。ヤマハファインテックのラインナップは次のようなシステムがあります。
- 小型金属部品用バリ取り・面取りシステム
- ドアレバーバリ取り・研磨システム
- アルミホイール用面取りシステム
- 大型金属部品用研削/研磨システム
(参考ホームページ)https://www.yamahafinetech.co.jp/fa_products/robots/
(2)株式会社安川電機
安川電機の研磨ロボットは、基本的にはロボットアーム単体での製品ラインナップとなっているものの、小型鋳造品や加工品のバリ取りの用途を想定した水滴や粉塵に強い設計となっており、安心して導入できるロボットであることが特徴です。
(参考ホームページ)https://www.e-mechatronics.com/product/robot/deburring/
(3)川崎重工株式会社
川崎重工の研磨ロボットは、安川電機同様にロボットアーム単体での製品ラインナップとなっています。研磨・バリ取りを想定した設計になっていることに加えて、ラインナップには単腕だけでなく双腕スカラロボットも取り揃えており、幅広い用途への導入が可能な点が特徴です。
(参考ホームページ)https://robotics.kawasaki.com/ja1/applications/robotic-material-removal/
5.研磨ロボットを導入するときのポイント
研磨ロボットを導入する時には、ロボットアームとセットでの導入となることから、次の3つのポイントを検討しておく必要があります。
- ノウハウを事前に見える化しておく
- 投資額が大きいため費用対効果を検討する
- システム担当を育成する
基本的には、ロボットアームを導入する際のポイントと同様です。イニシャルコストが高いことから投資額に対して何年で回収できるのかといった点を検討し、実際に人の作業をロボットに置き換えるためのノウハウの見える化、そして、運用していく中でのシステム担当の確保育成を行っていくといった点に注力して検討していくと良いでしょう。
しかし、研磨ロボットの導入経験がない場合、これらの検討はなかなか難しいものです。
最後に、研磨ロボットの導入にオススメなSIerを3社ご紹介します。
6.研磨ロボットを導入したいときに相談したいロボットSIer3選
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②三明機工株式会社
【特徴】
三明機工株式会社は、鋳造プラントの自動化や工場FAに強みを持つロボットSIerです。
研磨ロボットとしては、原子力発電設備用の巨大なバルブの形状を3Dレーザーセンサとグラインダにより表面加工を行うといった、複雑な研磨ロボットシステムの導入経験があります。
【営業品目】
- ロボットシステム&FAシステム
- ダイキャストマシン周辺自動化システム
- 鋳造プラント
- フラットパネルディスプレイ製造ライン自動化システム
- 産業用省力化自動装置
- 切断積載自動化装置
【所在地】
静岡県静岡市清水区袖師町940
TEL 054-366-0088(代)
FAX 054-366-0158
https://www.sanmei-kikou.co.jp/
③日本省力機械株式会社
【特徴】
日本省力機械株式会社は、樹脂成型ラインの無人化やバリ取り無人化に強みを持つロボットSIerです。ロボットアームを用いたバリ取り作業や樹脂のサンディング加工の自動化の実績があり、樹脂製品の研磨ロボットで自動化を検討している方にはオススメな会社です。
【営業品目】
- バリ取り機
- サンディング加工
- トリム機
- 無人化装置
【所在地】
群馬県伊勢崎市福島町173番地
TEL 0270-40-3111(代)
FAX 0270-40-3112
http://www.n-s-k.co.jp/
7.研磨ロボットの導入に関するご相談はFAプロダクツへ
本記事では、研磨ロボットに関する仕組みや特徴、代表的な研磨ロボットメーカなどを紹介しました。手作業を研磨ロボットに置き換えることにより、ネック工程が改善されるだけでなく、品質の安定・向上にもつながります。
しかし、自社の工程に必要な研磨ロボットを選定することは容易ではありません。こういった悩みがある場合には、設備の導入に強いロボットSIerへ相談することで方向性を決める上でのアドバイスをもらうと良いでしょう。
数あるメーカーの中でも設備の設計からメンテナンスまで一貫して行うFAプロダクツは、他社の設備でもリプレースのご相談が可能です。お困りの際はぜひ、お気軽にご連絡ください。
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