【図解】RGBを検知するセンサの原理│おすすめメーカ5選も紹介
目次
1.はじめに
毎日飲んでいるペットボトルの飲料水の色、例えば薄緑色が、ある日少し濃い色、よく見ると薄い茶色が混じっているように感じたとしたら、飲料水に不信感を持つでしょう。
もし、一人だけではなく数人からのクレームとして報告され、――かつ飲料水メーカが直ちに回答できないときは――速やかに全ロット回収し、調査することになるでしょう。
一方で、生産時に原因が分かっていて問題ないとすれば、クレームに対しては直ちに問題ないことを回答でき、回収作業は不要となります。
以上の例からわかるように、商品の色が規定の色通りか調べ、もし異なるときは原因を探して問題ないことを調べることは、生産管理上の必須項目です。
このコラムでは、色を調べるのに不可欠なカラーセンサの原理を、RGBの観点からご紹介します。
また、カラーセンサを画像処理を導入して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 検査レベルを高めて品質価値を高めたい
というご希望がございましたら、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。
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2.RGBとは?
最初に、RGBとは何を示しているのかから見ていきましょう。
(1) 光とは?
図1では、太陽からの光の分解しているところを紹介します。
光は電磁波です。波長の短い方から、X線・紫外線・可視光線・赤外線・・・長波に分けられます。
私たちが見ることができる電磁波が、380nm~780nmの範囲にある可視光線です。可視光線は、短い波長の紫色から波長の長い赤まであります。いわゆる7色の虹ですが、7色に限定されているわけではなく、波長ごとに色が異なり連続した色ということが正解です。
この可視光線の色を全部足し合わせると、白色、すなわち白色光になります。また、可視光線のある波長の色(電磁波)と別の波長の色(電磁波)を合成すると、2つの色とは異なる色になります。
(2) RGBとは?
RGBとは、光の三原色と言われ、赤(R)・緑(G)・青(B)で構成される色です。
この3色の合成によって、私たちの周りの色が作られます。
図2では、R・G・Bの合成によって、どのように代表的な色が変化するかを様子を紹介します。
R+G=Y(黄色)
R+B=M(マゼンタ色、赤紫色)
G+B=S(シアン色、水色)
R+G+B=W(白色)
R:G:B=0:0:0=B(黒色)、すなわち光が全く当たらないと黒になります。
これらの色はR・G・Bが100%としての合成色ですが、R:Gが1:2の割合で合成すると、Y(黄色)にはなりません。黄色に近い色とでも言いましょうか。
このように、物体に光を当てたとき、RGBの構成する割合は当たる物体によって異なることが多く、必ずしも1:1:1ではないということになります。
3.色とは?
私たちが物の色を見る時、何を見てその色と認識するのでしょうか。
(1) 色が赤に見えるワケ
図3は、物体が赤に見える様子を紹介します。
物体に、R・G・Bが同程度に含まれる可視光線が当たったとき、物体の状態によって、Rの光は全部反射し、GとBは全て吸収されるとします。
物体を見ている目には、反射するRの光だけが当たるため、赤に見えます。
(2) 色が紫に見えるワケ
図4は、物体が紫色に見える様子を紹介します。
物体は構成物質によって、光のある波長は吸収し、ある波長は反射する、光に対する性質を持っています。
そのため、図4では、Gは吸収し、RとBは反射するため、目には反射したRとBが合成した光の色、紫色を見ることになります。
なお、図4で物体はRとBは反射しますが、Rは100%反射し、Bは50%吸収して50%反射するということがあります。
その場合、目には、RとBが100%:50%の割合で合成された光が目に写ります。
なお、ここでR:B=100%:50%ということは、R,G,Bともに0~255の値をとるため、R=256、B=128という値になります。(色を一般的に8ビットで表した場合で、もっと精密な色が必要なときは16ビット、32ビットなどと高精度になります。)
R:B=100%:50%=2:1ですが、例えば、R=2:1=60%:30%とすると、合成した色は全く異なる色になります。
4.フォトダイオードとは?
図5では、フォトダイオードのイメージ図をご紹介します。
フォトダイオードは、光半導体のP,N接合部に光が当たると、電解の移動が起こり、電流を発生し、カソードからアノードに向かって流れます。
この電流の大きさによって、光の強度が分かり、フォトダイオードは、光検出器と呼ばれます。
フォトダイオードは、速い応答速度、良好な直線性、温度変化からの影響がない、という優れた特性を持っています。
5.カラーセンサとは?
図6にカラーセンサの構造のイメージを紹介します。
カラーセンサは、R,G,Bのフォトダイオードから構成され、当てられた光のR,G,Bの構成強度を検出し、合成された色を検出・出力します。
例えば、図6の出力で示したように、R:G:Bが3:3:1の割合で検出されると、この割合で合成された黄色に近い色を出力します。
カラーセンサには、R,G,Bを単独で検出する単体型のカラーセンサもあります。
6.カラーセンサの導入を検討しているときに相談したいメーカ紹介
この章では、会社が有するカラーセンサの製品や技術を紹介します。Webページを合わせて紹介していますので、詳細はそのページで確認してください。
①株式会社FAプロダクツ
【所在地】
茨城県土浦市卸町2-13-3
TEL:050-1743-0310(代表)
https://jss1.jp/
【特徴】
https://jss1.jp/service/Image_processing/
https://gasho-labo.jp/
画像処理装置の導入する際には、複数の画像処理メーカーと複数の画像処理機器メーカーを選択し、それぞれ検査対象によって個別対応するのが、通常のシステム構築方式です。FAプロダクツ社は、画像処理メーカーの選定から装置導入まで一貫対応することで、多数の画像処理メーカーとの選定から導入・運用・メンテまで一元管理しています。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
加えて、FAプロダクツ社は、画処ラボ(ガショラボ)を運営しています。
ガショラボは、メーカー横断での機器選定から判断プログラムの選定及び装置の設置構想までを⼀括で提案し、設置からサポートまで⼀元管理する仕組みです。
その特徴には、カメラ機器をマルチメーカーから選定できること、検討から設置までトータルインテグレーションができること、ルール型画像処理からAIによる画像処理まで幅広く対応が可能ということがあります。
FAプロダクツ社によるサポート体制は、遠隔サポートの導入により、トラブル時の迅速な初期対応が可能です。
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②浜松ホトニクス株式会社
【所在地】
静岡県浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル
TEL:(053)452-2141
https://www.hamamatsu.com/jp/ja/index.html
【営業品目】
光電子増倍管、イメージ機器、光源、光半導体素子、画像処理・計測装置
【カラーセンサ適用例】
フォトダイオード、APD、フォトIC、MPPC(SiPM)、光電子増倍管 (PMT)、光電管イメージセンサ、分光器・分光センサ、赤外線センサ、紫外線・炎センサ、X線センサ、放射線センサ、電子・イオンセンサ、距離・位置センサ、特定用途向けセンサ
などの光センサを、浜松ホトニクス株式会社は製造しています。
図は、同社のカラーセンサのラインアップです。
(画像引用:浜松ホトニクス株式会社・カラーセンサ ※各センサ名は付記)
③ローム株式会社
【所在地】
京都市右京区西院溝崎町21
TEL:(075)311-2121
https://www.rohm.co.jp/
【業種】
IC、個別半導体、パワーデバイス、オプトデバイス、パッシブデバイス、モジュール、ファウンドリなどの製造・販売
【カラーセンサ適用例】
物体にRGB成分をもつ光を照射すると、物体の色によって、反射する光の色成分が変わります。これがカラーセンサの原理です。物体が赤色だと反射光成分は赤、黄色の物体では赤と緑、赤,緑,青の全てだと白色というようになります。
図は、カラーセンサICの構造図です。
(引用:ローム株式会社・カラーセンサ)
④竹中電子工業株式会社
【所在地】
京都市山科区東野北井ノ上町5-22
TEL:075-581-7111
https://www.takex-elec.co.jp/ja/
【業種】
光電子センサの製造、販売
センサシステムの製造、販売
センサおよび関連機器の仕入れ販売
【カラーセンサ適用例】
受光部にファイバユニットを使用したパッシブ式カラーセンサは、発光するLEDの色ムラや光量のバラツキを、精度高く色判別するファイバ式カラーセンサです。非常にコンパクトで、省スペースで利用できるなどの特特徴もあります。
図は、同社のパッシブ式カラーセンサCS-R80シリーズです。
(引用:竹中電子工業株式会社・LEDの色判別用途に最適なカラーセンサ)
⑤株式会社キーエンス
【所在地】
大阪市東淀川区東中島1-3-14
TEL:06-6379-1111
https://www.keyence.co.jp/
【業種】
- センサ、測定器
- 画像処理機器
- 制御・計測機器
- 研究・開発用 解析機器
- ビジネス情報機器
【カラーセンサ適用例】
同社のデジタルカラー判別センサは、他の光電センサでは安定しない有無検出も安定して検出できる、最大8種類のワークを登録して色判別ができるなどが特徴です。高精度ながら、ボタン操作で簡単に設定でき、操作性に優れているのも魅力としてあげられるでしょう。
図は、同社のカラーセンサが距離に影響されず、安定して検出する様子です。
(引用・株式会社キーエンス・デジタルカラー判別センサ CZ-V20 シリーズ)
7.おわりに
このコラムでは色についての紹介と、その色を検出するカラーセンサについて紹介しました。
カラーセンサはいろいろな種類と精度を持っています。また、設置方法によっても色が検出できたりできなかったりします。あるいは別の色になってしまうという問題もあるでしょう。
カラーセンサは設置すれば管理する色が常に分かるということはなく、設置方法一つとっても、方式などのノウハウがあります。
そのため、これから色を管理しようとしている管理部門は、いかにノウハウを集めて正しい設置方法を知っておく必要があると言えます。メーカやすでに実績のある工場と連絡をとり、情報を集めた方が、自身の部門だけで調査・解析・実験するだけよりも、さらに効果がある方式が得られるはずです。
FAプロダクツでは、いろいろな製造現場で、製造品の色管理の技術に対して経験があります。
カラーセンサのメーカの選定から設備の導入することでは、実績が多数あり、そのようなシステムの導入・運用・メンテまで一元管理し、製造業を支援しております。お気軽にFAプロダクツへご相談ください。
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