【RPAと製造業】導入のメリットや流れ、注意点、活用事例を解説
RPAは、日本が進めるAI・ビッグデータ活用を目的とした「Society5.0」においても、業務の省力化のための活用が推奨されています。RPAは、民間企業だけでなく、公的な機関におけるルーチン業務等の自動化への導入も進められているのです。
今回は、RPAの基本や市場規模、RPAを製造業で使用するメリットや導入の流れ、導入時に事前に注意すべき点について解説します。また、最後にはRPAの製造業での導入事例についても紹介します。
もし、RPAの導入による業務効率化のコンサルティングを受けて、
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目次
1.RPAとは?基本と市場規模
(1)RPAとは
「PRA:Robotic Process Automation」とは、事前に作成したルールエンジンによってロボットの動きを定義することで、これまで人間が行ってきた作業などを、ソフトウェアロボットに自動で代替行動させる技術です。
RPAを導入することで単純なルーチン業務による負荷を減らし、人間しかできないような付加価値が高くクリエイティブな業務に集中する時間を増やして、労働者の労働生産性を向上させるという目的があります。
(2)RPAの国内や海外の市場動向
『令和元年度年次経済財政報告(内閣府)』での2019年度企業意識調査によると、業務省力化の投資先としてRPAを活用している業界の順位は、1位が金融・保険業、2位がサービス業、3位が製造業となっています。
(引用:「内閣府 令和元年度年次経済財政報告」のデータを利用してグラフを作成)
また、従業員数が500人を超える大企業では、37.7%がRPAへの投資を進めています。労働生産性向上への寄与に関しても、WEB・IT関連ソフトに比べてRPAの方が労働生産性の効果が高いとされています。
「IDC」によると、2018年の日本国内のRPAツールの市場規模は155億600万円とされており、2017年比で113.5%の成長率となっています。国内シェア上位のソフトウェアメーカである、NTTデータとUiPath、富士通の3社で実に75%を占めているという状況です。
また、アメリカの「GVR」のデータによると、2019年のRPAの世界市場規模は14億米ドルとされており、2020年から2027年までの年平均成長率は40.6%と予測されています。
2.RPAを使用するメリットや導入の流れ
(1)RPA導入のメリット
RPAを製造業で導入することで、事務職や人事職だけでなく技術職などのルーチン業務においても、「QCD」の向上を図ることができます。
①業務コスト低減
RPA化によって、これまで人が行ってきた作業をソフトウェアロボットに代行させることで、人件費などの「Cost:コスト」を削減できます。
②作業の高速化と品質の維持
人間が作業を行う場合、体調や疲労などによって作業ミスが発生したり、業務効率が落ちるといった問題があります。また、労働時間が限定されているため、アウトプットにも限界があります。
しかし、RPAは設定された動作を同じペースで、24時間365日自動的に実施し続けるため、人為的なミスが発生せず「Quality:品質」を維持しながら、「Delivery:納期」を守ることができます。
③社員の労働生産性の向上
求められるアウトプットが人の能力によらないような単純業務を自動化できれば、生産性の高い思考分野の業務に集中できるため、労働生産性を高めることができます。
また、研究開発などに使用するデータの処理をRPA化することによって、研究助手としても活用できるでしょう。
(2)RPA導入の流れ
①RPAの導入先の決定とツール選定
RPAの導入検討においてまず実施すべきことは、自動化する作業の選定です。特に、自動化による費用対効果の事前計算は必須です。この段階で、RPA導入に使用するツールの選定も行います。
②事前検証
RPA導入によって、どれほどコスト低減や生産性向上といった効果が達成できるか、事前検証を行います。
③PoC(概念実証)
「PoC:Proof of Concept」とは、RPAの導入による効果検証を目的としており、実証実験を行って技術上の課題などを確認します。効果検証を行った上でリスクを抽出して修正を行い、最終的な導入判断を行います。
④RPAの導入・構築
PoCで導入が決定すれば、RPAシステムを構築して導入を行い、実使用上の課題などを抽出しつながら改善を行います。
(3)RPA導入の注意点
①ロボットの自動動作の定義が必要
RPAは、AIのように機械学習やディープラーニングはできないため、自らデータを元に学習することができません。そのため、RPAによって自動化したい作業を分析して、行動ルールを人間側が決めて指示しなければいけません。作業にちょっとした変更がある場合でも、都度新しいルールを設定する必要があるのです。
まずは、簡単な作業からRPAを導入して動作確認や効果検証をした上で、徐々に複雑な業務をRPA化することが望ましいでしょう。
②RPA動作中は端末が占有される
RPAは人間の代わりに作業を行うため、RPAが端末で作業をしている間は、基本的にはその端末を人間が使うことはできません。
RPA化する作業は、極力RPAのみで完結するような仕組みとしなければ、結果的に人の手を煩わせてしまって業務効率化に繋がらないという結果になりかねません。
③運用管理者の設定
RPAを稼働させるために使用するソフトウェアの運用管理については、社内のITセキュリティ部門が管理すべきです。ただ、RPAが実際に人の代わりとして機能しているか否かについては、RPAを活用している現場が管理しなければいけません。
3.RPAの製造業での導入事例
製造業でのRPAの導入先は、製造現場のみが目標というわけではありません。経理や人事、営業などのバックオフィス業務のRPA化や、技術開発スタッフのルーチン業務などのRPA化によって、全体としての生産効率化が可能となります。
ここでは、製造メーカでのRPA導入事例について紹介します。
(1)株式会社リコー
事務機器や光学製品の知見を活かしたソリューションビジネスを展開する株式会社リコーでは、日本で60工程にRPAが適用され、年間16,000時間の工数削減効果が出ていると試算されています。RPAプロジェクトのために「CoEチーム」を結成して、各事業部から人員を集めて教育を実施し、更なる改善に取り組んでいます。
(2)曙ブレーキ工業
自動車用ブレーキなどの自動車用部品製造メーカの曙ブレーキでは、2018年1月からRPAの導入を開始し、2019年に1300時間ほどの工数削減を達成しています。RPAは、開発部署での数値データや発注集計などの業務に活用しており、2020年からは人事業務などへの導入を検討しています。
(3)昭和電機
電動送風機や乾燥機などの製造メーカである昭和電機では、2018年からRPAの導入を開始し、2020年に40業務で月間350時間ほどの業務時間削減を果たしました。勤怠管理のRPA化から開始し、現在では営業部や生産管理部まで適用範囲を広げています。
(4)ダイキン
空調機器メーカのダイキンでは、2017年からRPAの導入を行っており、60種類のPC作業を自動化して約1万時間の削減効果を得ています。RPAの導入に際しては、RPAソフトロボットを社内のIT推進部で内製することで、外部委託コスト削減と同時に費用対効果を高めることもできました。
(5)東京エレクトロン
半導体やFPDなどの製造装置メーカである東京エレクトロンでは、人事部署への導入を優先し、RPAによる業務効率化の効果が高い41業務に絞り込んで導入をスタートしました。今までシステム化できなかった業務や、単純ながらも個人の能力に左右される業務も残されているため、RPA導入による業務平準化による労働生産性向上も期待されています。
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https://jss1.jp/
【営業品目】
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- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
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【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②NTTデータ
【特徴】
- 2018年の日本国内RPAソフトウェア市場シェア1位
- RPAツールとして「WinActor」を提案
【所在地】
東京都江東区豊洲3-3-3豊洲センタービル
TEL.03-5546-8202(代表)
https://www.nttdata.com/
③UiPath
【特徴】
- 2018年の日本国内RPAソフトウェア市場シェア2位
- RPAツール「StudioX」など、シーンに合わせたさまざまなツールを提案
【所在地】
東京都千代田区大手町一丁目6番1号大手町ビルディング1階 SPACES
TEL.03-6841-3856
https://www.uipath.com/
④富士通
【特徴】
- 2018年の日本国内RPAソフトウェア市場シェア3位
- RPAツールとして「Axelute」を提案
【所在地】
東京都港区東新橋1-5-2汐留シティセンター
TEL.03-6252-2220
https://www.fujitsu.com/
5.RPAの導入に関するご相談はFAプロダクツへ
RPAを製造業で導入する際には、導入の対象業務の抽出から範囲の設定だけでなく、RPA導入による業務効率化の効果事前検証などが不可欠です。
RPAの導入をご検討中の方は、SIerとして機械とシステム設計の両面からサポートができるFAプロダクツに、お気軽にお問い合わせください。
関東最大級のロボットシステムインテグレーター ロボットシステムの設計から製造ならお任せください
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