超音波を使った溶着の特徴とは?安全かつスピーディーでメリット大
超音波を利用した溶着技術は熱を使わないため安全性が高く、食品や衛生・金属から樹脂加工まで幅広く応用されています。
しかし、溶着にはいくつかの要素があり、原理も知らなければ思ったような効果が得られない場合もあります。
本コラムでは超音波溶着にスポットを当て、特徴や安全性・導入事例についてまとめました。
もし、超音波溶着のコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの超音波溶着機を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.超音波溶着のメカニズムとは?シンプルかつ火を使わない安全な溶着原理
超音波溶着はシンプルなメカニズムで、火も使わないため非常に安全性が高い溶着メカニズムです。また接合強度も高く、接合にかかる時間もほぼ一瞬で済みます。
(1)超音波溶着のメカニズムについて
超音波溶着は非常に微細な振動(40kHzであれば毎秒4万回ほど)を与え、接合面に熱をもたせて溶着させるシンプルな仕組みです。
たとえば2枚の板を合わせ、上から超音波溶着機を押し当てて超音波振動を与えます。振動は素材に伝わり、合わさったもう1枚の素材にも振動が発生します。振動によって2枚の素材間に摩擦熱が生じ、それによって素材間が溶けて混ざり合うことで、くっつきます。
(2)超音波溶着は幅広い素材に対応可能
超音波溶着は熱で変形する素材であれば、幅広い種類に対応できます。例えばプラスチックや金属、布製品などです。溶着時に留め具や接着剤といった異物の混入がないため、食品パックにも広く使われています。
不織布のマスクにも、実は超音波溶着されています。ぜひ下記の動画も参考にしてみてください。
かなり頑丈に溶着できて安全性が高いため、幅広い用途で使われています。
2.超音波溶着の特徴や欠点とは?実際に溶着を行う上での注意点
超音波溶着機はシンプルかつ安全な仕組みのため、応用範囲が広いです。メリットが多い反面、もちろんデメリットも存在します。特徴を押さえておくことで、より効果的な導入が可能です。
(1)超音波溶着のメリット
超音波溶着のメリットはいくつかあり、下記のような項目が該当します。
- 熱で変形する素材なら幅広く対応する
- 連続での溶着が可能
- 溶着点を増やし、同時に溶着することもできる
- 溶着時間が短いため、スピーディーな作業が実現
- 消耗する部品や素材がなく経済的
- 装置は比較的小型で面積を取らない
- 異物の混入がなく表面が汚れていても溶着可能
上記のようにメリットがとても多く、安全性が高いので導入事例は増えています。また溶着時間も早く、導入すると生産性が改善しやすいのも強みです。
上記の動画を見ていただければわかるように、溶着時間の速さと溶着面の綺麗さは超音波溶着ならではです。
(2)超音波溶着のデメリットや課題
超音波溶着機はメリットが多く、あまり欠点が無いように見えるでしょう。しかし少なからずデメリットがあり、具体的には下記の3点が該当します。
- 大きい部品の溶着が難しい
- 複雑な形状や不規則な形をしているものは苦手
- 立体的な形状の溶着は困難
超音波溶着では、対象の素材が大きい場合、振動を大きく(周波数を低く)する必要があります。しかし、振動を大きくしすぎると、今度は部品自体に与える衝撃も大きくなってしまいます。部品に傷がつくおそれがあるため、素材が大きい場合は注意が必要です。
また、素材間で摩擦熱が発生しにくい複雑な形状をしているものは不向きです。立体的な形状も、一定の圧力を加えられない箇所が出てくるため、別な手段を考えたほうがいいでしょう。
(3)実際に使う上での注意点
超音波溶着は大きな熱を使わずにできますが、加圧力と温度によっては十分な接合力を持たない場合があります。
- 溶着時間(振動を与える時間)
- 振動数(何kHzか)
- 圧力(どれくらいの圧力で素材を押さえるか)
上記3つの組み合わせで溶着強度が変わるため、管理する上で適切な値にしなければなりません。先程ご説明したように、周波数が低いと素材に振動を与えすぎてしまいます。圧力が高すぎると素材そのものが変形してしまう可能性もあるからです。
3.超音波溶着を実際に活用して改善した導入事例を3つご紹介!
超音波溶着を実際に活用し、改善した状況を知るには導入事例を見てみると良いでしょう。今回導入した事例を3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
(1)自動車部品の溶着に導入して生産効率UP
自動車部品は多くの場合、樹脂を多く組み合わせて作られています。そのため、溶着品質はかなり水準が高いものでなくてはなりません。
例えば気密性が重要な部品もあれば、正確な寸法レベルで加工が必要とされる部品もあります。強度が必要な部位もあれば、綺麗な加工を要する外装・照明部品もあります。
これらの加工に時間が取られてしまうと生産量は頭打ちとなってしまいますが、超音波溶着はすべての問題を解決することが可能です。実際に、超音波溶着を活用したことで、生産量が飛躍的に伸びたケースは少なくありません。
(2)食品保存における気密性と安全性の両立
食品の加工や保存における包装は、非常にデリケートな問題です。
風味や賞味期限の観点から気密性が不可欠な一方で、安全性も求められます。ですが、接着剤は異物混入がおそれがあるため使用できません。こうした場合にも超音波溶着は活躍します。
特によく用いられているのは、ティーバッグやカプセルタイプの調味料や食品の包装です。パウチ容器やジッパータイプも安全に封入ができるため、紙パックやカップの包装にもしばしば使われています。
(3)不織布の加工にも最適
不織布はマスクだけではなく、おむつや女性用品・介護用品を製造する上で用いる一般的な素材です。
そのため不織布の加工では、多くの場合、衛生的であることが求められます。加えて、人が動くたびに擦れたり、引っ張られたりする製品が多いので、強度が保たれる加工方法を用いる必要があります。
超音波溶着であれば、どちらの要件も満たすことが可能です。導入する装置によりますが、場合によっては、エンボス加工やカットも同時にできます。
ある工場では、導入によって、より高い水準の品質と生産性の効率向上が見られました。
4.超音波溶着機導入におすすめのメーカー・ロボットシステムインテグレータ3選
超音波溶着を行うには、超音波溶着機と呼ばれる装置を導入するのが一般的です。
最後に、導入のサポートをしてくれるロボットシステムインテグレータや、おすすめの開発メーカをご紹介します。
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
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FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②日本エマソン株式会社(ブランソン事業本部)
【特徴】
ブランソンは超音波の応用技術において業界を牽引する存在です。1986年に日本エマソン株式会社の事業部門となり、経営体制も強固なものとなっています。
下記の動画はブランソンの超音波溶着機、2000Xシリーズです。
【所在地】
神奈川県厚木市岡田 4-3-14
TEL:046-228-2881
FAX:046-228-8992
https://www.branson-jp.com/
③精電舎電子工業株式会社
【特徴】
精電舎電子工業株式会社は溶着だけではなく、溶断技術や樹脂加工機器における国内トップメーカーです。サポートも一貫して行い、充実した機器導入が行えます。樹脂加工のほか、金属溶着も得意です。
下記の動画は同社の超音波金属接合機で、金属の超音波溶着も非常に精度が高く技術力の高さが伺えます。
【所在地】
東京都荒川区西日暮里2丁目2番17号
TEL:03-3802-5101
FAX:03-3807-6259
https://www.sedeco.co.jp/
5.超音波溶着機の導入に関するご相談はFAプロダクツへ
超音波溶着機は安全かつ安定した溶着が可能で、比較的場所を取らない設備導入が行えます。さらに消費する電力も小さく、接合の瞬間のみエネルギーを大きく消費するので省エネです。
しかし溶着させるにはいくつかの要素が大切となり、値を間違えると溶着できなかったりワークの損傷を招く恐れがあります。効率の良い生産性をスムーズに実現させるためには、導入に際して一定の知見を持つ専門家へ相談してみると良いでしょう。
FAプロダクツでは、お客様の要望に合わせたスムーズな超音波溶着機の導入を一貫してサポートさせていただきます。お困りの際やまだ導入を検討中の段階でも、一度お気軽にお声がけください。
関東最大級のロボットシステムインテグレーター 生産設備の設計から製造ならお任せください
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