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SIerが解説!工場最適化にはミクロ・マクロ両視点が重要

今回は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取組深化の観点から工場の「最適化」についてマクロ視点・ミクロ視点の両方から解説いたします。
工場の最適化、段階的なスマートファクトリー構築に関する情報をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

1.製造業に求められる最適生産に対応するライン構築とは

現在、不確実性の高まった世の中では製品需要も大きく変化し、製造業ではそれに対応できる企業として変革の必要性が叫ばれています。つまり大量生産の時代から少量多品種(変種変量)生産への切り替え、マスカスタマイズに対応したフレキシブルな生産ライン構築が求められているのです。
また、経済産業省が発行している『2021年版ものづくり白書』では、『「製造業のニューノーマル」は、レジリエンス・グリーン・デジタルを主軸に展開される』とあるように、サプライチェーンの強靭化、カーボンニュートラルへの対応、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取組深化が重要度を増しています。


(出展:経済産業省『2021年版ものづくり白書』

2.段階的にスマートファクトリー構築を実現するための方法

(1)既存装置の改造、IoT対応

既存の生産ラインを活用し、ビーコンやセンサー取付による稼働状況の監視を行う方法です。
スマートファクトリー構築においては、生産設備や製品、作業者等の各種データを収集、分析、フィードバックによる制御が重要となります。既存装置に稼働監視ソリューションを合わせることで、現在の生産状況データを取得し、生産計画・製造・保守に活用できるようになります。

※ 老朽化設備のオーバーホールやリプレースについて
株式会社FAプロダクツでは、老朽化設備の一部オーバーホールやリプレースに対応しています。
使用するモーターの交換や、設備の稼働状況を確認する産業用PCのシステム入れ替え等、生産設備そのものから周辺設備まで一貫しての入れ替え対応が可能です。
また、既存装置の保守業務において、部品の最適な交換時期を把握する「予知保全」を叶える稼働監視装置の取り扱いも行っております。

現段階では事後保全・予防保全が主流ですが、作業者の負担や工数を減らす、本来必要な時期よりもはやく交換することで維持コストが増大する等の課題に応える予知保全の取り組みを進めることで工場の最適化を図ることが可能です。

経済産業省の『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』では、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システム(レガシーシステム)が残存した場合に想定される日本の国際競争への遅れや経済の停滞を示唆しています。


(出典:経済産業省『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』

国際競争力を維持するためには、既存システムの保守保全等の「守りの投資」だけではなく、新しいシステムを導入する、DX化を進める等の「攻めの投資」を行う必要があります。
投資先を決定するにあたって、全体を俯瞰しての戦略策定、複数年を見越した通年での取り組みが必要とされています。

(2) 全体最適視点を持った個別工程の自動化

変種変量生産では、製品に合わせて1つのラインを組み替えて対応する場合もあるかと存じます。
品種切り替え時の段取り替え作業にかかる時間を考えると、単機能・1つの工程を自動化したセル生産設備間をAGVが搬送することでフレキシブルな生産を可能にすることが可能です。
産業用ロボットを使用した単機能セルとAGVが組み合わさったソリューションを、弊社も幹事企業として参画するコンソーシアムTeam Cross FA運営の「スマラボ東京」にて展示中です。

次世代DXコンセプトライン「DX型ロボットジョブショップ」

⇒スマラボ東京の詳細はこちら

上記のように生産ラインすべてを自動化することも考えられますが、細かい作業に対して臨機応変に対応できる人間(作業者)と一定の品質で作業が行えるロボット(自動機)の協働が現段階では多く見られます。

これからの自動化、装置開発では段階的に作業者を産業用ロボット等に変更できるような柔軟性のある生産設備を設計、導入する必要が出てくるのではないでしょうか。

3.開発時に立ち上げ時期を逃さない、余計なコストをかけないために

(1) 事前検証(PoC)を行い、装置の実現性を確認する

お客様の中には、製品需要に合わせて2-3年で設備投資の回収を設定される方も多くいらっしゃいます。
しかしながら、実機を製作した後で条件が合わない等の問題が発生し、せっかく製作した装置が使用されず遊休設備化する、または修正対応のため追加で期間、費用が発生することも少なからずございます。
2017年に経済産業省と日本ロボット工業会によって出された『ロボットシステム インテグレーション 導入プロセス標準』では、V字モデルを使用して手戻りコストを減らすために前工程で装置の要件定義等を行う、検証を行う等のフロントローディング活動が重要とされています。

後工程で都度仕様変更を行うのではなく、検証により開発する装置の実現性を確認してから実機製作を行うことがトータルコストの抑制、立ち上げ時期の遅延防止に効果的です。

株式会社FAプロダクツがご提供できるサービス

①自社設備である産業用ロボットを使用した実機検証

株式会社FAプロダクツでは、複数メーカーの産業用ロボットを保有し検証に必要な環境を揃えています。検証時に製作したロボットハンド等を本番環境に流用することでトータルコストを抑えた形での装置開発が可能です。

⇒株式会社FAプロダクツが保有する設備一覧

②複数メーカーの機器を使用した実機での画像処理検証

2020年、神奈川県相模原市に開所した複数の照明、レンズ、AI処理ソフトメーカー製品から最適な組み合わせを検証する画像処理検証施設「画処ラボ」にて、実機検証から装置製作まで一貫対応が可能です。

⇒検証施設「画処ラボ」協業メーカー一覧

③ソフトウェアを用いたプラントシミュレーション、プロセスシミュレータ

工場全体のスループットを最適化するには、シミュレーションソフトウェアを用いた検証でボトルネック工程の割り出し、必要な処理数の算出を行うことが効果的です。

(2)既存装置、遊休設備の組み込みを検討する

現在、工場内に使用されていないラインや設備が置かれている場合も多くあるのではないでしょうか。
既存装置を一部改造する、装置スペックを現在の生産体制に合ったものに変更する等の取り組みで有効活用が可能です。
株式会社FAプロダクツでは、既存装置の改造や2号機の製作も承っております。「付き合いのあった装置ベンダー様が廃業してしまった」というお客様からお声掛けいただき、ご提案から製作、保守業務までお任せいただいた実績がございます。

遊休設備や余剰部品の処理

工場内を最適化された状態にする上で、現状で使用されていない遊休設備や余剰部品の有効活用を図る、または処分をする必要が出てくるかと思います。
遊休設備を保有していることは、ケースにもよりますが保管・管理にかかるコストを考慮すると必ずしも正しいとは言えません。
遊休設備を処分することで、使用していない間にもかかる修繕費の削減、そして工場内の有効スペース確保に繋がります。
株式会社FAプロダクツでは、工場の全体最適化・最適在庫化のため、古物商許可証を取得しての代理販売を行っております。貴社で遊休設備の売却や改造のご希望がございましたら、株式会社FAプロダクツまでご連絡下さい。

⇒株式会社FAプロダクツでは、中古FA機器の買取・販売を実施中です!

(3)全体最適化されたスマートファクトリーを体感する

装置や工場の構想をCAD図等で確認する以外にも、スマートファクトリーソリューションを実際に確認できる場があることをご存知でしょうか。

2021年6月28日、コンソーシアム「Team Cross FA」の幹事企業であるロボコム・アンド・エフエイコム株式会社の南相馬工場が開所しました。弊社・株式会社FAプロダクツも、Team Cross FAの幹事企業としてリアルファクトリー構築に携わっています。

南相馬工場では、変種変量生産に対応するだけでなく「ものづくり白書2021」にあるようなカーボンニュートラルを実現するエネルギーマネジメント、販売から生産設備まで連動した生産システム、生産を停止させない工場のネットワークセキュリティを実現しています。

 


参考:南相馬のロボット技術を世界に届けるロボコム・アンド・エフエイコムが次世代デジタルファクトリー「ロボコム・アンド・エフエイコム南相馬工場」を福島県南相馬市に開所~「ロボットのまち 南相馬」からモノづくり大国・日本の復権を推進~

また、併設のスマートファクトリーソリューション展示施設「スマラボ南相馬」では、パッケージ化されたロボット設備が確認できます。工場見学と併せて検討されてはいかがでしょうか?

⇒スマラボ南相馬の詳細はこちら


個別工程を自動化する際にも、全体最適視点を持った構成を取り入れることで段階的なスマートファクトリー構築の実現が可能です。自動化についてお困り事がございましたら、ぜひ株式会社FAプロダクツにお問い合わせください。

関東最大級のロボットシステムインテグレーター ロボットシステムの設計から製造ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317