箱詰機のおすすめメーカ3選と製品比較 機械の選び方や注意点も解説
箱詰作業は単調かつ手間がかかる作業で、人が行うと負担の大きい工程です。しかし箱詰作業が止まれば出荷は行えず、ラインを停止させることはできません。生産性を上げたくても、稼働時間を伸ばせば人件費や作業員の負担が大きくなってしまうでしょう。
そんなときに箱詰工程の自動化が注目を浴びており、多くの企業で箱詰機の導入が増えています。箱詰機は商品を自動で箱に詰める機械です。用途や商品の形状によって必要な機能が異なるため、必ず箱詰機の仕様を確認してから導入してください。
本コラムでは、そんな箱詰機の導入メリットやおすすめメーカ、具体的な製品についてまとめました。実際に導入をお考えの場合でも、問い合わせ先がわかるように記述しています。ぜひ最後までお読みください。
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目次
1.箱詰機の選び方について!用途やメーカから選ぶ際の基準をご紹介
箱詰機は商品の形状や用途によって選び方が異なります。メーカによって得意な業種が違うため、メーカ選びも重要です。ここでは箱詰機を選ぶ際の基準や、導入前の注意点をご紹介します。
(1)箱詰機を用途から選ぶ場合
箱詰機は入れるもののサイズや形状によって、必要になる機能が異なります。導入を検討する際は使用する箱の種類や、詰め方で分類すると分かりやすいです。
使用する箱のサイズで分類した場合は、以下の3種類に分けられます。
- 小物を詰める内箱用(小箱向き)
- 内箱を入れる外箱用(化粧箱向き)
- 化粧箱を詰め込む段ボール用(搬送向き)
箱詰め方法は、以下の3タイプが一般的です。
- 拾い上げて箱詰めするピッキングタイプ
- 一気に集めて詰め込む集積タイプ
- 商品を並べながら箱に入れる整列タイプ
箱詰機にまかせられる作業の範囲は、マシンによって大きく異なります。作業範囲は既存ラインとの組み合わせや、初期費用と人件費のバランスを考慮して検討してください。
(2)箱詰機をメーカから選ぶ場合
工場の自動化にともない、箱詰機を販売するメーカが増えています。ゆえに新規から老舗まであるメーカから、漠然と1社に絞るのは難しいでしょう。
既製の箱詰機を探す場合は、実績の多い老舗メーカがおすすめです。包装関連の装置を販売する、老舗メーカの3社と、それぞれの特徴をあげましたのでご覧ください。
- 日本自働精機…取り扱う箱詰機の種類が豊富で、条件に合う既製のマシンを見つけやすい
- ワイエル工業…化粧品やプラスチック製品の箱詰めに特化した
- 三橋製作所…パウチ(小袋)関連の装置が多く、袋の箱詰めが得意
なお、各メーカの主要な箱詰機については、下記で紹介しています。
(3)箱詰機を選ぶ際の注意点
箱詰機は少ない人員で確実に商品を箱詰めできる機械です。そのためラインのミスを減らしたい場合や、人手が不足している工場は導入を前向きに検討しているでしょう。しかし箱詰機の導入には初期費用がかかるため、購入するには慎重に検討する必要があります。
箱詰機を検討する際の参考になるよう、導入する前に確認しておくポイントをまとめました。
- 自動化する範囲
- 既存ラインとの組み合わせ
- 設置スペース
- 電源
まずは初期費用と人件費のバランスを考慮して、自動化する範囲を決めましょう。ラインが途切れないように、既存ラインとの組み合わせも考慮してください。
導入する箱詰機の条件が決まったら、設置スペースと電源を確認します。設置スペースと電気の容量は、余裕を持って確保しておきましょう。
2.箱詰機におすすめのメーカ3選
次に箱詰機におすすめのメーカ3社の詳しい特徴と主力製品をご紹介します。
(1)日本自働精機株式会社
【特徴】
1958年に創業した日本自働精機は、数々の機器を国内外に送り出し続けている伝統あるメーカです。1964年に小箱詰機を開発し、1970年には乾電池用のチューブ挿入機を開発しています。乾電池用の機器開発が認められ、1999年には科学技術庁長官賞を受賞しました。
現在では箱詰機やチューブ挿入機だけではなく、キャップシールやラベル挿入用の機器も製造しています。機器を納入している業種は食品や製薬、電気や文具と非常に幅が広いです。そのため日本自働精機なら、条件に合う箱詰機を見つけやすいでしょう。
・日本自働精機のおすすめ箱詰機①CTC-1000
(引用:日本自働精機CTC-1000)
CTC-1000はPTP包装シート(薬の錠剤やカプセル剤をプラスチックとアルミで挟んだ包装)を集積し、小箱に入れる医薬品用の箱詰機です。100錠包装から1000錠包装までのPTP包装シートを1台で箱詰めできます。
CTC-1000の特徴は、以下のとおりです。
- 間欠運転なので少量で多品種の箱詰めに最適
- カートンストック用のコンベアがスライドするため、メンテナンスがかんたん
またCTC-1000はGMP(医薬品の製造管理と品質に関する規則)の基本要件を満たす構造設計です。そのため薬品の汚染や品質低下を防止し、高い品質を保証する仕組みになっています。
・日本自働精機のおすすめ箱詰機②CRF-2000
(引用:日本自働精機CRF-2000)
CRF-2000は小箱に商品を素早く入れる箱詰機です。GMPに対応しているため、医薬品の箱詰めに適しています。
CRF-2000の特徴を、下記にまとめました。
- 連続運転なので大量生産した商品の箱詰めに最適
- 商品を安定して箱に詰められるガイドバケットを採用
- 型換え部品の中間バケットがワンタッチ式なため、型替え時間が少ない
- バケット操作の反対側に挿入装置があるので、メンテナンスが容易
またCRF-2000は箱を強制的に起こしながら動作させる仕組みです。この仕組みにより一連の動作が素早くなる上、省スペースで箱を起こせるようになっています。
【所在地】
本社所在地:神奈川県横浜市戸塚区上矢部町915番地
本社TEL:045-814-7852
本社FAX:045-812-1701
URL:https://www.nafm.co.jp/
(2)ワイエル工業株式会社
(引用:ワイエル工業株式会社)
【特徴】
1965年に創業したワイエル工業は、産業用の自動機械を製造し続けている老舗メーカです。オーダーメイドで作った自動機械を標準化し、低価格での販売を実現しています。機械設計や制御盤の製作だけではなく、組み立てや設置まで対応可能です。
ワイエル工業の自動機械は、化粧品やプラスチック製品に特化しています。そのため化粧品やサニタリー容器、プラスッチク成型品の箱詰めにはワイエル工業がおすすめです。化粧品やプラスチック製品の理解が深いワイエル工業なら、業種に合ったオーダーメイドやカスタムにも対応できるでしょう。
・ワイエル工業のおすすめ箱詰機①CRT-60
(引用:ワイエル工業 組立装置)
CRT-60は内箱に化粧品や薬品を入れる箱詰機です。箱の組み立てから封函までを、以下の流れで行います。
- 内箱を成形する
- 商品を内箱に入れる
- 能書を内箱に挿入する
- 商品の投入口を折り曲げて、内箱を閉じる
- 内箱を排出する
上記の流れで、1分間に40~60個の商品を箱詰めできます。内箱と能書はストッカーへの補充が必要です。
またCRT-60はカスタムにも対応しています。条件が少しだけ合わない場合は、カスタムがおすすめです。カスタムする場所が少なければ、一から作り上げるオーダーメイドよりも価格を抑えて購入できます。
・ワイエル工業のおすすめ箱詰機②BFM-15
(引用:ワイエル工業 組立装置)
BFM-15はプラスチックのケースに食器を入れる箱詰機です。上下に分かれたコンベアを使い、以下の流れで箱詰めを行います。
- 下段のコンベアから、積み重ねたプラスチックのケースが流れてくる
- プラスチックのケースを1段ずつ分離させる
- 食器が上段のコンベアから供給される
- 5~10枚の食器を、プラスチックのケース入れる
上記の流れで、1つのケースに4~5秒で食器を箱詰めできます。BFM-15は非常に珍しい食器用の箱詰機です。そのため近い条件の箱詰機を探している場合は、カスタムでの導入をおすすめします。
【所在地】
本社所在地:千葉県印西市船尾381番地
本社TEL:0476-47-3322
本社FAX:0476-46-0213
URL:http://www.waiel.co.jp/index.html
(3)株式会社三橋製作所
【特徴】
1944年に創業した三橋製作所は、国内外に包装関連の装置を送り出し続けている歴史あるメーカです。パウチ(小袋)関連の装置を始め、紙やフィルムを加工するパーツを販売しています。
最も得意としているのはパウチ関連の自動装置なので、小袋の箱詰めには三橋製作所がおすすめです。
三橋グループは企画や設計を行う三橋製作所と、加工や組立を行う三橋サンブリッジに分かれています。自動化に関する相談は三橋製作所が受け付けているので、電話やURLのフォームで問い合わせてください。
・三橋製作所のおすすめ箱詰機①CSシリーズ
(引用:三橋製作所CS-150W)
CSシリーズはパウチを並べながら箱に入れる箱詰機です。一袋から複数単位の連包状に切断された袋を、以下の流れで箱に入れます。
- 下段のコンベアに箱を供給する
- 上段のコンベアにパウチを搬送する
- パウチが水平に落下して箱に入る
- 落下ごとに箱が移動して、パウチを整列させる
- 規定の個数を詰めたら、自動で次の箱を供給する
上記の流れで、1分間に240袋のパウチを箱詰めできます。現在販売しているCSシリーズは、CS-150WとCS-300の2種類です。CS-300はタッチパネルを搭載しているため、CS-150Wよりもかんたんに操作できます。
(CS-150Wの動画)
・三橋製作所のおすすめ箱詰機②KEシリーズ
(引用:三橋製作所KEX-1010X)
KEシリーズは連包パウチを、一定の袋数で折りたたみながら箱に入れる箱詰機です。箱を前後左右に移動させながら、連包パウチを確実に箱詰めします。三方または四方シール充填包装機と接続して、連包パウチを供給してください。
KEシリーズは種類によって能力が異なります。
- シンプルな機能のKE-354(1分間に12m)
- カラーのタッチパネルを搭載したKE-1010X(1分間に40m)
- X線検査装置が付いているKEX-1010X(1分間に50m)
検査しながら箱詰めできるKEX-1010Xを使えば、良品だけを箱詰めできます。
(KE-1010Xの動画)
【所在地】
本社所在地:京都府京都市右京区山ノ内赤山町1番地
本社営業部TEL:075-316-3300
本社営業部FAX:075-313-7595
URL:https://www.mitsuhashi-corp.co.jp/
3.箱詰機のメリット・デメリットについて
商品の製造ラインが自動でも、梱包や箱詰め作業が手作業だとラインは途切れてしまいます。そのため近年では箱詰機を導入して、ラインを改修する企業が増えました。ここでは箱詰機を使うメリットやデメリット、導入する際のポイントをお伝えします。
(1)箱詰機導入のメリット
箱詰めは商品を淡々と詰め込む単調な作業です。単調な作業は集中力の維持が難しく、慣れるほどミスが増える可能性は高くなります。安定したラインを構築するなら、箱詰機の導入がおすすめです。
箱詰機の導入には、以下のメリットがあります。
- 従業員を単調な作業から解放できる
- 人為的なミスがなくなる
- 素早く一定の速度で箱詰めできる
- 箱詰めの作業者を減らせるため、人手不足を解消できる
- 従業員を箱詰め以外の作業に移し、生産性を上げられる
- 既存の自動ラインと繋げば、さらに生産性が向上する
(2)箱詰機導入のデメリット
反対に箱詰機導入のデメリットは、以下の2点があります。
- 使用したい場所に、箱詰機を設置するスペースが必要
- 導入には初期費用がかかる
工場によってはラインを全て自動化するよりも、1部のみ自動化した方が良いケースもあります。そのため事前に手作業と自動の費用を比較し、費用に対する効果を確認してから購入すると良いでしょう。
4.箱詰機を導入して生産性を高めるポイント
箱詰機を導入する際は、以下のポイントを必ず確認してください。
- 初期費用を回収できるか
- 現場環境や労働状況の課題を解消できるか
- 経営状況を改善できるか
- 既存の生産設備とマッチするか
工場の自動化には初期費用がかかるため、箱詰機も慎重に検討してから導入する必要があります。
ラインを自動化する際は、改修する範囲を見極めることが大事です。適切な場所を自動化すれば、生産性の向上を期待できます。全体の情報を整理し、効果の高い場所を改修しましょう。
また既存ラインとの組み合わせも重要なポイントです。ラインが途切れないマシンを選び、連携がスムーズな自動化システムを構築してください。
箱詰機を販売する企業の中には、自動化の相談を受け付けているメーカもあります。自動化や箱詰機について疑問があるなら、メーカに相談してみましょう。
5.箱詰機導入に関するご相談はFAプロダクツへ
本コラムでは、箱詰機導入のメリットやおすすめメーカ、検討方法について解説してきました。
いくつかポイントがあるため、実際の現場ではどのように導入するのか分かりづらい面も数多くあるはずです。また、既製品だと自社の工場に合わない……というケースもあるでしょう。
そうした場合は、経験豊富なコンサルタントに依頼することをおすすめします。FAプロダクツでもい、箱詰機のお客様に合わせた箱詰機の開発・導入サポートを行っていますので、ぜひお声掛けください。
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