フィルム剥離装置のおすすめメーカ4選 選定や活用のポイントも解説
フィルム剥離装置とは、生産ラインで従来は手動や半自動で行っていた、各種セパレータや保護フィルムを剥がす工程の自動化を目的に導入されている装置です。
製品加工時に使用するラベルやシールの貼付前はもちろん、パネル基板への配線加工前に保護フィルムを剥離するなど、さまざまな製造ラインで使用されています。
今回は、フィルム剥離装置の選び方や、導入によるメリットやデメリット、フィルム剥離装置導入によって生産性を上げる場合の注意点について解説します。また、フィルム剥離装置を取り扱うメーカについても紹介します。
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目次
1.フィルム剥離装置の選び方
製品完成までに複数の工程を経る場合、部材の保護や汚染防止などを目的としたフィルムなどが貼合される場合があります。下流の加工メーカで、上流工程で貼合された保護フィルムやセパレータなどを加工前に剥離する装置が「フィルム剥離装置」です。
フィルム剥離装置は、現在、多くのメーカが開発・販売を行っています。まずは自社に適した装置を導入するためのポイントとして、フィルム剥離装置の選び方をご紹介します。
(1)自社工程の目的に合わせて選ぶ
フィルム剥離装置は、加工工程に合わせて大きく2種類の剥離方法があります。
- ロール状部材に貼合された表面フィルムやセパレータをロールトゥロールで剥離する
- シートやガラス上に貼合された枚葉フィルムを1枚ずつ剥離する
自社の工程がどちらに該当するかで、選択すべきフィルム剥離装置も変わってきます。
(2)自社の加工速度に追従できるものを選ぶ
フィルム剥離工程の剥離速度が加工速度よりも遅ければ、当然歩留まりが悪化します。
また、既存製品のライン速度はもちろん、歩留まり向上のためのライン速度増速の目標値にフィルム剥離装置の対応速度が追従できなければいけません。
(3)機能の拡張性を確認する
例えば、高いクリーン度を求められるパネル加工などを行う際に、フィルム剥離を行った後に汚れや剥離帯電で表面に付着したゴミを落とす洗浄装置が必要になる場合があります。
自社での製品加工時に、フィルム剥離工程を起因とする欠陥が懸念される場合は、その対策機構の機能拡張が可能か否かも重要なポイントです。
2.フィルム剥離装置のおすすめメーカと取扱い製品
次に、フィルム剥離装置のおすすめメーカと、それぞれの取扱い製品の特徴をご紹介します。
(1)株式会社サンテック
【特徴】
・1976年にラベリングシステムの製造販売からスタート
・『貼る』技術にこだわり続け、ラベルやフィルム類などさまざまなラミと剥離に対応
・機械の受注・設計・製造・納入まで一貫メーカとして日本だけでなく世界で導入実績あり
【フィルム剥離装置】
「ドラム剥離装置」「セパレータ剥離装置」など、主にガラス基板やパネルに貼合されたフィルムを剥離する機械を取り扱っています。
①ドラム剥離装置(F4-1_Y911)
画像引用:株式会社サンテック・ドラム剥離装置
フレキシブル基板やガラス基板に貼合されている保護フィルムなどを剥離する装置。自動供給や自動排出が可能で、クリーンルームへの対応や静電気除去機構の取り付けなどのカスタム対応もできます。
②セパレータ剥離装置(F4-2_YY04)
OLEDやLCD製造用途や電子部品製造など、高速かつクリーン度も求められる製造工程への導入実績が豊富です。自動供給・排出、貼合機との連動が可能で、除電ユニットの取付や導入予定の工場のクリーン度に合わせた提案もできます。
【所在地】
〒661-0981
兵庫県尼崎市猪名寺2丁目8番30号
TEL.06-6494-3260
https://sun-tec.net/index.html
(2)長野オートメーション株式会社
【特徴】
・1982年設立の産業機械の設計・製作メーカ
・専用生産・加工機械、電池製造設備、フィルム貼合装置、検査装置などに対応
・経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定されSDGsにも率先して取組む
【フィルム剥離装置】
フィルム剥離装置を組み込んだ、以下のような自動貼り合わせ装置を取り扱っています。
・シートtoロール光学フィルム貼り合わせ装置
・シート状フィルムの貼り合わせ装置
ロールフィルムやシートの自動搬送はもちろん、貼り合せに使用するセパレータや保護フィルムの自動剥離装置を設置しており、クリーンルーム対応や静電気対策など、ラミ工程における欠陥対策機構も設置可能です。
代表的なものをご紹介します。
①シートtoロール光学フィルム貼り合わせ装置
画像引用:長野オートメーション株式会社・シートtoロール光学フィルム貼り合わせ装置
1メートル以上巾のロール状フィルムに、1メートル角以上のシート状フィルムを、隙間0.5ミリ以内のズレ精度でラミ可能な装置。保護フィルムやセパレータの剥離にはさまざまなプロファイルを適用でき、フィルムへのダメージを低減できます。
②シート状(枚葉式)フィルムの貼り合わせ装置,フイルム貼り付け装置
画像引用:長野オートメーション株式会社・シート状(枚葉式)フィルムの貼り合わせ装置,フイルム貼り付け装置
保護フィルムやセパレートフィルムなどの二種類のフィルム部材を剥離し、ロールラミネートするまでの工程を自動で行える装置。剥離を人手で行って、ラミを自動で行う半自動工程が多い中、完全自動で工程が組めるためクリーン度も高められます。
【所在地】
〒386-0406
長野県上田市下丸子401
TEL.0268-42-6835
https://www.nagano-automation.co.jp/
(3)株式会社SCREENラミナテック
【特徴】
・2017年に株式会社FUKの全事業譲渡により設立
・エネルギーやディスプレイ、電子デバイス関連の製造装置の設計・製作を行う
・フィルム剥離だけでなくフィルム貼付やガラス貼合まで対応可能
【フィルム剥離装置】
枚葉フィルムのラミネートの自動化装置内にセパレータ剥離装置を取り扱っており、「リールテープ剥離」や「ピックアップ剥離」を使用するフィルムの特性や幅に合わせて対応可能です。
次のような装置があります。
①フィルム貼付け装置:FRシリーズ
画像引用:株式会社SCREENラミナテック・フィルム貼付け装置FRS
シート状のフィルムからセパレータなどを剥離した上で、被着体に対してローラー貼りをする装置。「FRE」「FRS」「FRF」の3種類があり、対応ワークサイズや求める機能によって選択可能です。
②フィルム貼付け装置:RSシリーズ
画像引用:株式会社SCREENラミナテック・フィルム貼付け装置RS
ロール状の部材を打ち抜き工程でシート状にした後、保護フィルムやセパレータを剥離した上で、ロール状の被着体に貼合させた上で、製品サイズまでカットできる装置。インラインで打ち抜きやラミ、カットまで実施できるため、歩留まり向上とコスト削減が可能です。
【所在地】
〒522-0292
滋賀県彦根市高宮町480番地1
TEL.0749-24-8440
https://www.screen-lamina.co.jp/
(4)ICM株式会社
【特徴】
・1957年に洗浄機製造メーカとして設立
・基板洗浄装置やクリーンオーブンの製造によりディスプレイ製造分野に導入
・2014年から各種ハンドリングや搬送システム事業をスタート
【フィルム剥離装置】
フィルム剥離装置には、下記のような製品があります。
①保護フィルム剥離付洗浄装置
ディスプレイパネル製造工程における保護フィルム剥離装置に洗浄機を一体設置した装置。これまで手動で行っていたフィルム剥離工程の完全自動化により、作業効率を向上しコスト削減が可能です。洗浄ツールは、特殊ブラシや高圧シャワーなど用途に合わせた組み合わせられます。
【所在地】
〒344-0063
埼玉県春日部市緑町4-9-28
TEL.048-733-2501
http://www.icm-worldwide.co.jp/index.html
3.フィルム剥離装置の導入メリット・デメリット
フィルム剥離装置を導入するうえでは、導入したときにどんなメリットが得られるのか、どんなところに注意しなければならないのか、事前に把握することが大切です。
メリット・デメリットを以下にまとめましたのでご参考ください。
(1)フィルム剥離装置導入のメリット
①工程の自動化ができる
フィルム剥離装置がなければ、手動でフィルムを剥離したり剥がした後のフィルム処理を行ったりしなければいけません。しかし、フィルム剥離装置を導入すれば、剥離はもちろん部材の供給の自動化なども行えます。
②ライン増速などで歩留まりが向上する
フィルム剥離装置を導入することで、部材の切り替えロス削減はもちろん、ライン速度増速による歩留まり改善などの取り組みもできます。
また、部材の両面に保護フィルムが貼合されていることもあるため、表裏同時剥離装置などを導入することで工数の削減もできます。
③品質向上が期待できる
フィルム剥離装置を導入して自動化することで人の立ち入りを減らすことができ、クリーン度の向上が期待できます。また、洗浄装置の組み込みなどにより、付着物の混入抑止なども可能です。
(2)フィルム剥離装置導入のデメリット
①導入・運転コストがかかる
フィルム剥離装置導入には、もちろん設備導入コストがかかります。また、導入後の運転コストはもちろん、工程安定までに時間的なコストもかかります。
②工程が増えるため管理に負担がかかる
新規設備の導入になるため、製造現場での機械条件管理や保守管理などの工数が増えるため、作業員の負担が増えます。
③フィルム剥離装置起因の欠陥が出る可能性がある
フィルム剥離装置を導入することによって、剥離帯電の悪化や装置起因の汚染などで品質が悪化する可能性もあります。
4.フィルム剥離装置を用いて生産性を上げるポイント
最後に、上記のメリット・デメリットを踏まえて、フィルム剥離装置を用いて生産性を上げるポイントをご説明します。
(1)ピッチタイムロスの事前分析を行う
これまでフィルム剥離工程を、手動および半自動でを行って最適化をしていた場合、フィルム剥離装置による工程自動化によって、逆にピッチタイムが長くなってしまう可能性もあります。
自社の生産ラインの速度とフィルム剥離装置の対応速度を一致させるのはもちろんですが、手動での作業の方が効率的な工程ならば、無理に完全自動化を図るのではなく、剥離工程の一部の作業を自動化できないか検討することも重要です。
(2)目標品質とコストのバランスを考慮する
フィルム剥離装置は、洗浄装置や静電気対策機構との一体化などにより製品品質を高めることもできます。
しかし、使用する製品の品質レベルによっては、過剰な付属設備導入によって、品質がオーバースペックになる可能性もあります。運用コストによって、利益率を圧迫していては効率化の意味がないため、自社製品の目標品質と導入・運用コストのバランスについては、中長期目線で考慮しなければいけません。
(3)SIerに生産設備最適化や自動化について相談する
フィルムやパネルを取り扱う製造メーカにおいて、フィルム剥離装置を単体で導入するだけでは、生産工程の効率化はもちろん工場の自動化は困難です。自社ラインの最適化については、FA化や製造ライン設備導入実績の豊富なSIerに相談して、アドバイスを得ることも重要です。
5.フィルム剥離装置導入に関するご相談はFAプロダクツへ
フィルム剥離装置は、エネルギー分野やディスプレイ分野など、高機能・高品質製品の製造はもちろん、ラベルやシールの剥離などの一般品製造でも利用される装置です。
フィルム剥離装置単体の導入だけでは、必ずしも生産効率化や歩留まり向上などの効果は得られず、他の設備との連動性が非常に重要です。また、自社の工程にとって必要な機能や、対応できるフィルム特性について対応できる設備メーカを選定するのは困難なため、SIerなどの活用も検討しましょう。
FAプロダクツでは、これまでの実績をもとに、フィルム剥離装置の導入や、FA化による生産性の向上に関して、それぞれの工場にとって最適なアドバイスを行っております。お悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
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