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生産設備に関する記事

レーザマーカとは?仕組みや利点・注意点と主要メーカ4選

レーザマーカとは、レーザを照射して印字や加工を行う装置です。主に、ロット番号や製造年月日、使用期限などの情報を製品に表示する用途で活用されています。

製品に印字する方法はほかにもたくさんあるので、「レーザマーカにはどのようなメリットがあるのか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。また、「レーザマーカの選び方が分からない」という方も多いかもしれません。

本記事では、レーザマーカの仕組みやメリット、選定ポイントに加えて主要メーカもご紹介します。ぜひ、レーザマーカを導入する時の参考にしてください。

もし、レーザマーカ導入のコンサルティングを受けて、

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 生産性アップして売上を上げたい
  • 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
  • どのメーカの自動化設備を使えば効率的かわからない

という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。

1.レーザマーカとは

一言にレーザマーカといっても、印字や加工を行う方法は一つではありません。ここでは、レーザマーカの仕組みや種類をご紹介します。

 (1) レーザマーカの原理と加工

➀ レーザマーカ機の構造

はじめに、レーザーマーカの原理について、イメージ図(図1)で解説します。


図1は、レーザマーカ機がワークにレーザ加工するイメージです。
レーザマーカは、コンピュータ内蔵のコントローラで各種の設定がなされ、レーザマーカ機に指示を与えます。
レーザマーカ機中は、レーザの発振器からレーザーの増幅器を通してレーザを強くします。

強くしたレーザはミラーに反射し、ワークに至ります。ミラーは2つあります。
ワークに削りを入れるとき、あるいは文字を書くときには、レーザは2次元で動かないと、正しく文字を書くことはできません。

2次元で正しく文字を書くためには、x 軸方向と、y 軸方向に正しく動いて、レーザを射出しないといけません。
レーザーが思い通りに動くために、ミラーの角度と位置を変えることで、目指すワークの場所にレーザが到達します。
このミラーの調整を担うのが操作制御器です。

また丸棒のような立体に対してレーザ光で文字を書く場合には、X 軸と y 軸に加えて z 軸用のミラーを加えることで3次元での加工が可能になります。

② レーザーマーカ機の加工

図2には、レーザマーカ機でワークにマークをつけるときの方式を3つ紹介しています。

◆ 【図2左:剥がす】ワークの表面に薄くシートが張っている時のマーク方法は、シートをマークの形に剥がすことです。対象物の表面に施されたコーティングにレーザを照射して剥離させ、対象物のもともとの色を出します。塗装やメッキ面、印刷物に対して行われます。
◆ 【図2中央:削る】金属板に文字を書く場合には、金属板を削ることになります。対象物の表面をレーザで削り取って文字などを掘り込みます。対象物に直接レーザを照射することになります。
◆ 【図2右:変色】ワークの表面色を付けた文字を書く場合は、レーザ光によって表面の色が変わる樹脂を使います。対象物の表面にレーザを当てることで、化学変化を起こします。部分的に表面を焦がしたり、変色させたりすることで、人が文字などを認識できるようにします。

③ レーザ光とは

レーザ光について詳しく述べると原子の理論と電子が持つエネルギーの遷移から話すことになり、かなり難しい理論であるためここでは簡単に解説します。

レーザは光ですが、私たちが太陽を浴びるときの光とは異なります。
波長と周波数を持った波という点ではどちらも光と言えますが、太陽光ではいろいろな周波数(色)を持った光に対して、レーザ光はただ一つの周波数に応じた光です。
その光は、ただ一つの周波数に応じた光という特性から、誘導放出という力で強力な光となり、レーザ光として利用できるようになります。
誘導放出を繰り返すと光の束が大きくなるというイメージで、強力なレーザ光となります。図1の増幅器という構成部品が、その役目を負っています。

アルミパネルへの高速レーザーマーキング

引用:アルミパネルへの高速レーザーマーキング – タカチ電機工業 

ステンレス製品へのレーザーマーキング

引用:
ステンレス製品へのレーザーマーキング|日東金属工業株式会社

産業向け金属レーザーマーキング

引用:産業向け金属レーザーマーキング | トロテック・レーザー・ジャパン株式会社

(2)レーザマーカの仕組み

レーザマーカでは、レーザ発信器によって光を増幅して発生したレーザを対象物に照射し、印字や加工を行います。レーザは高パワーで拡散しにくいため、1点に集中させることで金属を切断できるほどのエネルギーを生み出せます。レーザマーカはそのエネルギーを印字や加工に応用した装置です。

レーザマーカには大きく2つの方式があります。

①マスク方式

レーザをマスクに対して面で照射し、マスクを通過した部分のみが印字される方式です。高速で印字できますが、印字内容に合わせてマスクを都度用意しなければなりません。

②スキャン方式

1点のレーザを照射して、一筆書きのように印字する方式です。マスクが不要で自由に印字ができます。

(3)レーザの種類

レーザマーカは、どのレーザを使用するかでも分けることができます。

①YAGレーザ

YAGとはイットリウム・アルミニウム・ガーネットのことで、これらを用いた固体レーザがYAGレーザです。対象物への熱影響が少ないのが特徴で、金属やプラスチック、セラミックなどに印字できます。

②CO2レーザ

CO2レーザはCO2を媒質にした気体レーザであり、熱エネルギーによって対象物に印字をします。紙やプラスチック、木材、ガラスなどのさまざまな対象物に印字できますが、金属への印字は困難です。

③ファイバレーザ

ファイバレーザは光ファイバを用いた固体レーザの一種です。ほかのレーザに比べるとピンポイントかつ高出力に照射できるため、金属への深彫り印字などでよく用いられています。

2.レーザマーカのメリット

ラベル貼り付けやインクジェット印刷、刻印など、対象物に印字する方法はほかにもあります。ここでは、ほかの印字方法と比較した場合のレーザマーカのメリットについてご紹介します。

(1)印字が消えない

レーザマーカは対象物そのものに印字を行うため、半永久的に消えることがありません。ラベルを貼り付けたりインクで印字をしたりすると、剥がれて消えてしまう可能性があります。しかし、レーザマーカにはそのような心配がないので、製品や部品のトレーサビリティに効果的です。

金属、プラスチック、セラミック、ガラス、木材など、幅広い対象物に適用できることもメリットといえるでしょう。

(2)高精度な印字ができる

レーザをピンポイントに照射するため、非常に高精度に印字ができます。細かい文字でも容易に識別できるほか、QRコードのような複雑な図であっても印字が可能です。スキャン方式であればプログラムを変えるだけで印字内容の変更を簡単に行えます。

さらに、高精度なだけでなく印字のスピード自体も高速なので、生産ライン内に印字工程を入れても生産性を下げずに済みます。

(3)ランニングコストを抑えられる

レーザマーカは、ほかの印字方法で必要になるラベルやインク、刻印用のヘッドなどの消耗品が基本的には必要ありません。電気代だけで稼働できるので、ランニングコストを抑えられます。

(4)自由度が高い

レーザマーカでは、ほかの印字方法では難しい立体物への印字ができます。また、レーザの出力を変えることで、印字だけでなく穴あけや切断といった加工にも応用できる機種もあります。

3.レーザマーカを用いるときの注意点

一方で、レーザマーカを実際に導入し、利用するときは、次の点に注意する必要があります。

(1)印字したものを消せない

印字が消えないというレーザマーカのメリットは、場合によってはデメリットになる可能性があります。間違った内容で印字をしても消すことができないので、最悪の場合は不良品として処分しなければなりません。

印字不良が発生しないように事前の条件出しを綿密に行う、レーザマーカを取り扱う従業員を教育してスキルを高める、といった対策が必須になることを覚えておきましょう。

(2)イニシャルコストが高額になりやすい

レーザマーカはラベルやインクなどの消耗員が不要であり、ランニングコストを抑えられます。しかし、一方でレーザマーカ自体のイニシャルコストは高額になりやすく、高性能な機種になればなるほど、その傾向は顕著です。

産業用の高性能レーザマーカであれば、数百万円から数千万円のイニシャルコストがかかると考えておくとよいでしょう。

(3)十分な安全対策が必要になる

レーザマーカは非常に高パワーなレーザを使用しているので、高いレベルの安全対策が求められます。レーザマーカを使用する際は、レーザ安全基準に沿った安全対策が必須になるので注意しましょう。

具体的には、保護着衣や保護メガネの着用、囲いの設置といった安全対策を行って従業員のケガや火災を防止しなければなりません。

4.レーザマーカの選定ポイント

レーザマーカにはさまざまな種類があり、どの方式やどの機種を導入すれば良いか悩ましいところです。ここでは、レーザマーカの選び方をご紹介します。

(1)目的や用途に応じて選定する

レーザマーカを導入する際は、自社で印字する目的や用途に応じて機種を選定する必要があります。具体的には、印字対象物の材質や印字サイズ、印字内容、印字速度、仕上がりの品質といった求める機能を精査した上で、比較検討するようにしましょう。

たとえば、印字対象物に金属が多いのであれば、YAGレーザかファイバレーザが選択肢になります。その上で、金属以外のさまざまな材質に印字する可能性があるのならYAGレーザを、金属以外への印字が少ないのであればファイバレーザを選定するとよいでしょう。

(2)汎用性の高い機種を選定する

特定の製品だけに使用できる機種ではなく、ある程度の汎用性のある機種を選定した方が、レーザマーカを効率よく使いこなすことができます。

たとえば、印字内容に合わせて都度マスクを用意しなければならないマスク方式よりも、自由に印字内容を変更できるスキャン方式の方が応用が効きます。以前はスキャン方式の印字速度が課題でしたが、現在では高速かつ高精度に印字できる機種が増えています。

また、印字だけでなく穴あけや切断といった加工にも応用できる機種を選定しておけば、さまざまな使い方ができてレーザマーカの導入効果を最大限に得られます。

5.レーザマーカの主要メーカ4選

ここでは、レーザマーカの主要メーカと製品の特徴を簡単にご紹介します。

(1)株式会社キーエンス

【特徴】
株式会社キーエンスは、センサや測定器、画像処理機器、制御・計測機器といったFA機器全般を扱っているメーカです。さまざまな方式のレーザマーカを扱っており、使い方や事例といった情報提供も充実しています。同社の「ハイブリッドレーザマーカ MD-Xシリーズ」は測距センサを搭載しており、レーザの焦点ズレを防いで印字不良を削減する機能があります。また、金属、プラスチック、セラミックなどのさまざまな材料への印字に対応しています。

引用:レーザマーキング | 3-Axis ハイブリッド レーザマーカ | キーエンス MD-Xシリーズ | キーエンス KEYENCE CORPORATION

【所在地】
大阪市東淀川区東中島1-3-14
TEL.06-6379-1111(代表)
FAX.06-6379-2222(代表)

(2)オムロン株式会社

【特徴】
オムロン株式会社は、工場の自動化を中心とした制御機器や電子部品を提供しているメーカです。同社のレーザマーカである「MX-Z2000H-V1シリーズ」はファイバレーザを使用しており、金属への深掘りや浅掘りをはじめ、プラスチックやフィルムへの印字や微細な加工にも対応しています。独自の制御方法によって、熱影響を抑えた印字・加工といった微調整が可能です。

引用:Omron MX-Z2000H V1 Series Laser Marker | Intech Chennai

【所在地】
京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL.075-344-7000(代表)
FAX.075-344-7001(代表)

(3)パナソニック株式会社

【特徴】
パナソニック株式会社は、家電製品や住宅設備、車載部品などを総合的に扱っている電機メーカです。同社の制御機器部門では、ファイバーレーザやCO2レーザなどのさまざまなレーザマーカを製造・販売しています。主力製品である「FAYbレーザーマーカー LP-RV」は、ショートパルス化によって熱影響の少なさや加工タクトの短縮を実現しています。

引用:LP-RV – 20W short pulse laser marking system | Panasonic Industry Europe

【所在地】
大阪府門真市大字門真1006番地
TEL.06-6908-1121(代表)

(4)ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社

【特徴】
ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社は、大手プリンターメーカであるブラザー工業の子会社であり、ブラザー工業製のレーザマーカの販売とアフターサービスを行っています。YAGレーザ、CO2レーザ、ファイバーレーザを一通り取り扱っており、豊富な製品ラインナップから選定することができます。

引用:簡単操作で誰でも使える! ブラザー製レーザーマーカー | ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社

【所在地】
東京都大田区西蒲田8-20-8アゼル3号館
TEL.03-3736-2733(代表)
FAX.03-3736-2740(代表)

6.レーザマーカ導入に関するご相談はFAプロダクツ

本記事では、レーザマーカの仕組みから始まり、メリットや選定ポイント、主要メーカについてご紹介しました。

レーザマーカは自動車や電機、食品といったさまざまな業界で活用できます。製品の品質管理やトレーサビリティの要求が厳しくなっている昨今では、レーザマーカを使った印字の需要が高まっています。自社にもレーザマーカの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

FAプロダクツでは、関東最大級のロボットシステムインテグレーターとして工場の自動化や生産設備導入のコンサルティングを行っています。レーザマーカに関しても豊富な知見がありますので、導入を検討している方はお気軽にお問い合せください。

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【営業品目】

  • 産業用ロボット
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  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】

NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

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つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317