産業用3Dカメラのおすすめメーカ4選!選定や活用のポイントを解説
3Dカメラは今や日常生活に欠かせない装置のひとつとなっています。例えばスマートフォンの顔認証システム、自動車の予防安全システム、防犯カメラなど分野を問わず活躍している装置です。
もちろん産業用3Dカメラもあり、さまざまなメーカ・製品があります。この記事では、産業用3Dカメラの選び方から販売メーカと製品についてまとめました。また導入のメリット・デメリット、3Dカメラを用いて生産性をあげるポイントも解説します。
もし、産業用3Dカメラのコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
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目次
1.産業用3Dカメラの選び方
産業用で使用する3Dカメラは3種類あり、その選び方は「奥行精度」「リアルタイム性」「設置スペース」の3つで絞ると選びやすくなります。それらを表にまとめましたのでご覧ください。
奥行精度 | リアルタイム性 | 設置スペース | |
ステレオ式 | 1mm~100mm | 有 | コンパクトなスペースで設置が可能 |
ToF式 | 10mm~100mm | 有 | コンパクトなスペースで設置が可能 |
構造化照明 | 0.1mm~1mm | 無 | コンパクトなスペースで設置が不可 |
以下より詳しく解説します。
(1)奥行精度
撮影する被写体の奥行精度がどの程度必要かで、3Dカメラを選べます。ステレオ式とToF式は1mm以上の誤差があるのに対して、構造化照明は1mm以下の奥行精度で撮影が可能です。高精度の撮影が必要な場合、構造化照明の3Dカメラが必要です。
(2)リアルタイム性
リアルタイムでの撮影が必要な場合、選べるカメラが限られます。ステレオ式とToF式はリアルタイムでの撮影ですが、構造化照明はリアルタイム撮影ができません。
(3)設置スペース
設置するスペースに限りがある場合、選べるカメラが限られます。ステレオ式とToF式はカメラと照明が一体でコンパクトです。しかし構造化照明は、カメラとプロジェクタがセットとなっているため、広い設置スペースが必要です。
2.産業用3Dカメラの主要メーカと製品
産業用3Dカメラのおすすめメーカをいくつかご紹介します。紹介するメーカは3Dカメラ以外にも様々なカメラを取り扱っています。
(1)キヤノンマーケティングジャパン株式会社
【特徴】
一眼レフやインクジェットプリンタで有名な企業です。さまざまなマシンビジョンも扱っており、高品質な製品が魅力のメーカです。
【所在地】
東京都港区港南2-16-6
産業機器事業部 企画部 Iotビジョン営業課
TEL:03-3740-3433
https://cweb.canon.jp/machinevision/lineup/rv/index.html
【製品】
キヤノン社の3Dビジョンカメラは、構造化照明方式のRVシリーズのみです。ピックアンドプレスの用途で特に性能を発揮するカメラです。
①RVシリーズ(RV1100・RV500・RV300)
(引用:RVシリーズ/キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
キヤノン社の構造化照明方式カメラには、3つの特徴があります。
- 簡単な装置立ち上げ
- 保有可能なデータが多い
- 高精度
部品3Dデータと部品の撮影を5回するだけで認識データの登録ができ、簡単な作業で装置立ち上げが可能です。登録できるデータは200種までとなっており、1台で多品種に対応。0.1mm~の繰り返し精度をもっており、ばらばらに積まれた部品も難なく認識できるのも特徴です。
(2)アイ・ディー・エス株式会社
【特徴】
本社がドイツにある産業用カメラメーカです。ドイツですべてのカメラを開発し、世界中に安定供給できる品質と技術を持っています。日本法人もあるため、サポート体制が整ったメーカです。
【所在地】
東京都 港区 三田1丁目3-33 三田ネクサスビル 3階
TEL:03-4500-8864
https://jp.ids-imaging.com/ensenso-stereo-3d-camera.html
【製品】
ステレオ方式のカメラで、以下2機種を紹介します。
- Ensenso N シリーズ
- Ensenso XR シリーズ
以下より詳しく解説します。
①Ensenso N シリーズ(ステレオ方式)
(引用:Ensenso N シリーズ/アイ・ディー・エス株式会社)
Ensenso N シリーズには以下3つの特徴があります。
- 過酷な環境下でも使用可能
- 遠くからでも安定検出
- 協同ロボットにも使用できる
IP65/67保護を準拠しており、ほこりや水滴などにも悪影響を受けない強固なカメラです。また動作距離が最大3mあるため、遠くに設置しても安定検出ができます。外装を樹脂製にしている「N40/45」では、ふちに丸みを持たせて、協同ロボットにも使用できる人にやさしい安全設計の機種です。
②Ensenso XR シリーズ
(引用:Ensenso XR シリーズ/アイ・ディー・エス株式会社)
Ensenso XR シリーズには以下3つの特徴があります。
- カメラ側で画像データを処理
- 無線接続Wi-Fiに対応
- 動作距離が最大5m
カメラ側が画像データを計算するため、産業用の高精度PCは必要ありません。XRシリーズの処理能力は、Core i7のデスクトップ CPUクラスに匹敵ししているからです。
無線接続が可能なため、配線コストを抑えることが可能。動作距離が5mと長いため、大きな荷物などの体積が大きいものでも安定検出ができます。
(3)株式会社レスターコミュニケーションズ(LUCID Vision Labs/HMS販売店)
【特徴】
映像や音響に関する事業を手がける企業です。画像検査の事業にも注力しており、3Dカメラではルシード社とHMS社の正規代理店となっている企業です。
【所在地】
東京都品川区北品川5丁目9番11号 大崎MTビル
TEL:03-3445-2088
https://www.restarcc.com/solution/fa_security/mv.html
【製品】
今回はルシード社の「Helios2」(ToF方式)と、HMS社の「SINGRY Rシリーズ」(ToF方式)の2種を紹介します。
①LUCID Vision Labs「Helios2」(ToF方式)
(引用:Helios2/LUCID Vision Labs)
Helios2には、以下3つの特徴があります。
- 高い防水性と防塵性
- 繰り返し精度が高い
- 長距離でも安定検出
Helios2はIP67保護を準拠しており、野外などの過酷な環境でも使用が可能です。1mm以下の繰り返し精度と4mmの絶対精度と高精度で、誤差が出やすいToF方式の中ではトップクラスの精度をもった機種です。また、動作距離は0.3m~8.3mもあり、大型の製品も安定検出できます。
②HMS「SINGRY Rシリーズ」(ToF方式)
SINGRY Rシリーズには、以下2つの特徴があります。
- グローバルシャッタ搭載
- 人工知能:AI搭載
グローバルシャッタを備えているため、移動中の製品を撮影しても画像が歪むことなく撮影可能です。SINGRYの3Dカメラは、調整済の人工知能を搭載しています。専門知識が無くても、ユーザに合ったAI学習を短時間で実現できます。
(3)株式会社キーエンス
【特徴】
センサなどさまざまな自社製FA機器を取り扱っているメーカです。世界中に拠点があり、購入後のサポート体制も充実していて安心できる企業です。
【所在地】
大阪市東淀川区東中島1-3-14
TEL:06-6379-1111
https://www.keyence.co.jp/
【製品】
構造化照明方式で以下2機種を紹介します。
- XG-Xシリーズ
- CV-X480D
以下より詳しく解説します。
①XG-Xシリーズ
XG-Xシリーズには、以下3つの特徴があります。
- テレセントリックレンズを搭載
- 照明技術で光沢のある製品にも強い
- 繰り返し精度0.001mm
テレセントリックレンズを搭載しているため、撮像した画像は歪みが無く、実寸で測定可能です。また、独自の照明技術で光沢による多重反射を抑えて撮像も可能。繰り返し精度は0.001mmと高精度で検査装置として、3Dカメラを使用することもできます。
①CV-X480D
CV-X480Dには、以下3つの特徴があります。
- 最適解までの時間が短い
- ロボット動作を自動算出
- PCでシミュレーションできる
産業用ロボットと組み合わせての使用を想定した3Dカメラで、撮像してから最適解まで0.5secと短い時間で結果を出します。また周辺の設備干渉や、ロボット姿勢を考慮して自動算出してくれます。ロボットの動作を事前にPCでシミュレーションできるので、動作チェックも可能です。
3.産業用3Dカメラのメリット・デメリット
ここでは、産業用3Dカメラを導入するとどのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。
(1)メリット
①部品を整列させる必要がない
産業用ロボットと組み合わせて使用すると、部品を整列しないでもピッキング作業が可能です。3Dカメラで部品の姿勢などを検知し、座標をロボットに伝えます。ばら積みされた部品を人が箱内から取り出し、部品を整列させる必要がありません。
②寸法や体積の測定が可能
3Dカメラは距離計測が可能なため、寸法測定はもちろん体積測定も得意です。大きさなどの仕分け作業も人が介入することなく、計測が可能です。
(2)デメリット
①計測不可の製品がある
ステレオ方式は透明体の検出が不可です。またToF方式は赤外光を利用するため、光の反射があるものや光を吸収する製品の検出ができません。
構造化照明方式は、太陽光の影響を受けやすくて屋外での使用はできません。
②導入コストがかかる
産業用3Dカメラは、距離計測するために高精度の処理能力をもった周辺機器が必要な場合があります。またカメラ本体も高性能なため、従来の2Dカメラより導入コストが上昇する傾向にあります。
4.産業用3Dカメラを用いて生産性を上げるポイント
産業用3Dカメラを最大限生かして、生産性を上げるためのポイントを3つ紹介します。
- 産業用ロボットと併用する
- 安全対策として使用する
- 三次元計測のインライン化
詳しく解説していきます。
(1)産業用ロボットと併用する
産業用ロボットと併用すれば、3Dカメラが得意とするピッキング作業ができます。また協働ロボットなら人と並んで作業も可能です。ヒューマンエラーも無く、効率的に生産性を上げることが可能です。
(2)安全対策として使用する
産業用3Dカメラを安全対策として活用し、生産性を上げることも可能です。
3Dカメラを使用すれば「衝突監視」「距離監視」「領域監視」など安全性の向上に貢献します。強固な防護柵を設ける必要性が無くなり、メンテナンスなどで機械へアクセスしやすくなります。またライン変更にも柔軟に対応できるため、生産性を上げることも可能です。
(3)三次元計測のインライン化
三次元計測をインライン化することで、生産性が上がります。従来の三次元計測器は、オフラインで計測室まで製品を運ぶ必要があります。また測定作業にかかる時間などの無駄を省くことが可能で、生産性向上に繋がります。
5.産業用3Dカメラ導入に関するご相談はFAプロダクツへ
産業用カメラを導入すれば、生産性の向上などのメリットがあります。
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