製函機とは?選び方や導入メリット・デメリット、おすすめメーカ3選
製函機とは、折り畳まれた状態の段ボール箱を立体的に組み立てる作業を自動化する装置です。ケースフォーマーとも呼ばれており、幅広い業種の工場や倉庫で梱包業務の省力化を目的に導入されています。
製函機はさまざまなメーカが製造・販売しており、メーカや機種によって特徴が異なります。そのため、どの製函機を導入すればよいのかと悩む方も多いでしょう。
今回は、製函機の選び方や導入メリット・デメリット、製函機のおすすめメーカなどについて紹介します。また、製函機を活用する上でのポイントも解説しますので、製函機の導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
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目次
1.製函機とは
ここでは製函機の構成と組立て方から確認します。
図1では、手作業で製函をする場合の手順です。
初めに箱を開いて、下側を折り込みます。左から3番目の図のようになります。
そして切れ目の部分にテープを張って、固定します。
図2では、自動製函機の紹介をします。
自動製函機による作業は以下の通りです。
a) 段ボールを引き出して、コンベア上で開きます。
b) 段ボールの下側を閉じます。
c) 段ボールに粘着テープを貼り付けます。
d) できた空箱を収納ボックスに格納します。
e) ユーザーが箱に収納します。
f) ユーザーが箱に製品を詰め終わった後で、封テープを貼り付けます。
g) 製品が出荷されます。
このように自動製函機が動作しますが、自動製函機で製函した後の工程で商品を自動箱詰め・封緘することで、出荷までの自動化が図れます。
このときに注意すべきことは、成果のスピードと、封緘までの工程のスピードを合わせることです。
以下の動画は、製函機の動きがイメージしやすいと思いますので参考にしてください。
【製函機】ケースフォーマーF175
引用:【製函機】ケースフォーマーF175 | 株式会社共和
ダンボール全自動製函機の導入事例(農産物出荷時)
引用:ダンボール全自動製函機の導入事例(農産物出荷時)| セキスイ 製函機・封緘機チャンネル【公式】包装機器
【使用事例】ダンボール全自動製函機・ケース替えの紹介動画
引用:【使用事例】ダンボール全自動製函機・ケース替えの紹介動画 | セキスイ 製函機・封緘機チャンネル【公式】包装機器
製函機と一口にいっても、機種によって仕様はさまざまです。対応している作業範囲や組み立て方法などが異なるため、自社に適した製函機を導入しなければなりません。
次章では製函機の選び方についてご紹介します。
2.製函機の選び方
(1)半自動タイプか全自動タイプかで選ぶ
製函機は、半自動タイプと全自動タイプの2種類に大きく分類できます。
- 半自動タイプ…段ボールのセットやテープ貼りなど、何らかの作業を人の手で行わなければならないタイプ
- 全自動タイプ…マガジンから段ボールを取り出し、組み立てとテープ貼りを自動で行うタイプ
基本的に、作業量が多い場合は、一連の作業を自動で行ってくれる全自動タイプの方が適しています。反対に作業量が少ない場合は、より小型で導入コストの安い半自動タイプを導入する方が費用対効果に優れることがあるので、自社の作業量を考慮して選定しましょう。
(2)テープ貼りの方法で選ぶ
製函機によっては、段ボールの組み立て後のテープ貼りを自動化できます。その際、テープ貼りの方法は機種によって異なるので、自社の仕様に合ったものを選定しましょう。
最も一般的なのは、テープを一直線に貼る「I貼り」と呼ばれる方法です。
しかし、重量物や密封性が求められる場合は、I貼りした上で段ボールの角にもテープを貼る「H貼り」を行う必要があります。
基本的に、「H貼り」を行う場合は製函機本体とは別に、角貼り機と呼ばれるテープ貼り専用の装置を導入しなければなりません。
また、テープ貼り以外にも、ホットメルトと呼ばれる接着剤で段ボールを閉じる方法もあります。
(3)処理能力で選ぶ
製函機は機種によって処理能力が決まっています。多くの場合、1分間に組み立てできる段ボールの数が製品仕様として明記されているので、梱包作業のスピードに見合った処理能力の機種を選定しましょう。
製函機の標準的な処理能力は10ケース/分前後ですが、倍以上の処理能力を持つ高速製函機と呼ばれるものもあります。
3.製函機の導入メリット・デメリット
製函機を導入する際は、導入後のメリット・デメリットの両方を理解しておくことが重要です。主なメリット・デメリットをまとめていますので、参考にしてください。
(1)製函機導入のメリット
①作業の自動化ができる
段ボールを一つ一つ組み立ててテープを貼るのは、単純ではあるものの時間がかかる大変な作業です。製函機を導入して作業を自動化すれば、作業者の負担を軽減できるだけでなく、人手不足の解消にもつながります。
②生産性が高まる
人の手で段ボールを組み立てる場合は、作業者の習熟度次第ではありますが、おおむね1分間に4〜5個程度しかできません。しかし、全自動製函機を導入すれば同じ時間で倍以上の段ボールを組み立てられるので、生産性が格段に向上します。
③スペースを有効活用できる
製函機を導入すれば、必要な分の段ボールを必要なタイミングで供給できます。効率をよくするために作り置きをしておく必要がなくなり、工場や倉庫内の限られたスペースを有効活用できるようになります。
(2)製函機導入のデメリット
①コストがかかる
製函機の導入には当然ながらコストがかかります。作業量が少ない場合は、製函機の導入によって十分な費用対効果を得られない可能性があるので、注意しましょう。
また、製函機では機種ごとに対応できる段ボールサイズがある程度決まっています。自社で使用する段ボールサイズが大きく変わると、導入した製函機を使えなくなるかもしれません。
②操作方法を覚える必要がある
製函機は装置なので、操作方法の習得や適切な稼働条件の管理といった手間が増えます。製函機の操作は段ボールの組み立てのように誰でもできる作業ではないため、作業者への教育を行う必要があることを認識しておきましょう。
4.製函機を用いて生産性を上げるポイント
最後に、製函機を用いて生産性を上げるポイントをいくつかご紹介します。
(1)前後工程のサイクルタイムに合わせる
製函機の処理性能がどれだけ高くても、前後工程のサイクルタイムと合致していなければ意味がありません。梱包する製品の供給スピードや、梱包作業にかかる時間などをあらかじめ測定しておき、適切な処理能力の製函機を導入しましょう。
(2)必要に応じて機能の拡張を行う
製函機の中には、各種機能の拡張を行える機種があります。たとえば、多くの全自動製函機には段ボールをストックしておくマガジンが備え付けられていますが、ストックしておける数が少ないと人が頻繁に補充をしなければならず、かえって手間になる可能性があります。
その場合、マガジンにストックしておける量を増やしたり、自動で供給できる装置を付けることで、生産性が向上するでしょう。
(3)周辺機器もセットで活用する
製函機の作業範囲は段ボールを組み立ててテープを貼るまでですが、梱包した後の封函作業も自動化できればさらに生産性が高まります。製函機を取り扱うメーカは封函作業に対応した封函機も一緒に取り扱っていることが多いので、相談してみるとよいでしょう。
個別の作業工程だけに注目するのではなく、ライン全体での生産性を意識することが重要です。
5.製函機のおすすめメーカと取扱い製品
ここでは、製函機のおすすめメーカと、各メーカの主要な製品の特徴をご紹介します。
(1)積水マテリアルソリューションズ株式会社
【特徴】
積水マテリアルソリューションズ株式会社は、積水化学工業の製品を中心に販売している企業です。粘着テープを知りつくした積水化学工業が開発した15種以上の製函機を取り扱っており、単体機でのご使用から包装ラインシステムの提案まで幅広く対応しています。
【所在地】
東京都中央区日本橋本町4-3-6 PMO新日本橋
TEL.03- 6744-5801(代表)
①ワークメイト23
引用:ワークメイト23|全自動高速ダンボール製函機|セキスイ(ケースフォーマー)| セキスイ 製函機・封緘機チャンネル【公式】包装機器
15ケース/分の処理能力を持つ全自動タイプの製函機です。タッチパネルを使った説明画面が充実しているので、快適な操作性が実現しています。各種警報・予報装置も標準で装備されており、トラブル発生時にも安心して利用できます。
②ワークメイト13
引用:ワークメイト13|半自動ダンボール製函機|セキスイ | セキスイ 製函機・封緘機チャンネル【公式】包装機器
半自動タイプの製函機で、段ボールの組み立てとテープ貼りを自動で行います。段ボールを広げて製函機にセットする作業は人の手で行う必要がありますが、コンパクトで手軽に扱えるため、全自動タイプを導入するほどでもない現場への導入に適しています。
(2)大和エンジニアリング株式会社
【特徴】
大和エンジニアリング株式会社は、段ボール製函機や封函機を中心とした各種自動包装機械を製造・販売するメーカです。全自動製函機の豊富なラインナップが特徴で、処理能力や段ボールサイズに応じて機種を選定できます。
【所在地】
愛媛県伊予郡松前町北川原2034番地
TEL.089-984-4432(代表)
FAX.089-984-4877(代表)
①ストレート型リトルフォーマー(テープ式) CFC-ST-10T
引用:全自動製函機 ストレート型リトルフォーマー(テープ式) CFC-ST-10T/大和エンジニアリング株式会社
段ボールをストックしておくマガジン部と本体がストレート型に連結している点が特徴の全自動製函機です。装置がコンパクトなので設置がしやすく、幅の狭いレイアウトにも組み込むことができます。
②高速横型製函機(テープ式) CFH-40T
引用:高速横型製函機(テープ式) CFH-40T/大和エンジニアリング株式会社
30〜40ケース/分と高い処理能力を持つ点が特徴の横型全自動製函機です。段ボールサイズの切り替えや補給も容易にできるので、高い生産性を誇ります。
(3)ストラパック株式会社
【特徴】
ストラパック株式会社は、包装用機械や資材の製造・販売をしているメーカです。梱包機をはじめとする包装用機械の開発をトータルで展開しており、製函機も処理能力や設置スペースに応じたバリエーション豊富な機種を取り揃えています。
【所在地】
東京都中央区銀座8-16-6 銀座ストラパックビル
TEL.03-6278-1801(代表)
FAX.03-6278-1800(代表)
①特注対応型全自動粘着テープ製函機 AF-5N
引用:特注対応型全自動粘着テープ製函機 AF-5N | ストラパック チャンネル
シート状の段ボールを開き、底面にテープ貼りを行う全自動タイプの製函機です。特注対応によってさまざまなサイズの段ボールに対応可能であり、自社の要望に合わせて導入できます。
②コンパクト型全自動粘着テープ製函機 AF-5NC
引用:コンパクト型全自動粘着テープ製函機 AF-5NC | ストラパック チャンネル
設置スペースが2メートル四方を下回る省スペース設計の製函機です。全自動かつ高性能でありながら、低価格を実現したエコノミータイプとしてさまざまな現場に導入されています。
6.製函機の導入に関するご相談はFAプロダクツへ
製函機は非常に便利な自動化装置ではありますが、機種の選定や活用の仕方を間違えると思うような導入効果を得られない場合があります。自社にどのような製函機が適しているのかが分からないという場合は、メーカやSIerに相談してみるのがおすすめです。
FAプロダクツでは、FAの専門家として製函機も含めた各種装置の導入コンサルティングを行っています。それぞれの工場や倉庫にとって最適なアドバイスをしますので、製函機の導入でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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