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【図解】垂直多関節ロボットとは?構造とメリットを解説

ファクトリーオートメーション(FA:工場の自動化)によって、製造現場の産業用ロボットは新たな活用の局面を迎えています。産業ロボットのうち現在の主流は、「垂直多関節ロボット(英語:Vertical Articulated Robot)」です。

ここでは、垂直多関節ロボットについて解説します。

また、垂直多関節ロボットをラインに追加して、

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 生産性アップして売上を上げたい
  • 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
  • どのメーカーのロボットを使えば効率的かわからない

場合は、関東最大級のロボットSIer、FAプロダクツまでお問い合わせください。
垂直多関節ロボットの導入が得意な技術者が、最適なご提案をさせていただきます。

また、安全に工場を稼働させ続けるためには、定期点検・保守・修理、老朽化した設備のリプレースが必要不可欠です。
FAプロダクツはそういったお客様のニーズにお応えし、手書き図面のデジタル化から緊急依頼まで幅広くサポート。
弊社が納品したもの以外の設備にもご対応いたします。

詳しいサポート内容や費用のお見積もりは、下記フォームまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

老朽化「設備・産業PC」壊れる前に!保守・リプレースを代行、弊社が納品した設備以外も対象、手書きの図面のデジタルサポートなど

1.ロボットの種類を構造から分類

国際標準化機構(ISO)では「3軸以上の自由度を持つ、自動制御・プログラム可能なマニピュレータ」を産業用ロボットとして定義しています。マニュピュレータとは、人間の手や腕にあたるロボットの部分です。

ロボットの種類は、以下の記事で紹介しました。

⇒省力化ロボットとは?特徴やメリット、おすすめの製造工場5選を紹介

ここで、あらためて産業用ロボットの種類を構造から分類すると、大きく分けて「シリアルリンク型」と「パラレルリンク型」があります。

「リンク」は動力を伝える部分で、シリアルリンクは直列、パラレルリンクは並列に制御します。現在、シリアルリンクという言葉はあまり使われず、多関節型ロボットと構造を区別するために「パラレルリンク」という言葉が使われています。

以下、それぞれのロボットの種類を構造から整理しました。

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(1)シリアルリンク型ロボット

 シリアルリンク型ロボットには「座標軸型」と「多関節型」の2つがあります。

  • 座標軸型
    ・円筒座標ロボット
    ・直角座標ロボット
    ・曲座標ロボット
  • 多関節型
    ・垂直多関節ロボット
    ・水平多関節ロボット

(2)パラレルリンク型ロボット

パラレルリンクロボットは1種類です。多関節型ロボットと比較すると新しいタイプのロボットで、複雑なパラレルリンクメカニズムが採用され、高速で精密な動きを実現します。

産業用ロボットの分類

⇒パラレルリンクロボットとは?おすすめパラレルロボット製造工場5選

2.垂直多関節ロボットの具体例

なぜ垂直多関節ロボットは人気が高いのでしょうか。どのようなロボットか知るためには実例が分かりやすいので、三菱電機株式会社とファナック株式会社の垂直多関節ロボットを紹介します。

(1)三菱電機株式会社の垂直多関節ロボット

株式会社コスメック社による、三菱電機製の垂直多関節ロボットの動画です。先端のハンド部分を取り替えることで、さまざまな作業に対応しています。

出典:【コスメック】三菱電機製:多関節ロボットへのツールチェンジャー採用例/株式会社コスメック KOSMEK LTD.

(2)ファナック株式会社の垂直多関節ロボット

以下の動画では、ファナックのあらゆる種類のロボットが紹介されています。しかし、その多くは垂直多関節ロボットです。

出典:ファナック ロボット 商品紹介 2019/ファナック株式会社 FANUC CORPORATION

3.垂直多関節ロボットと人間の対比

垂直多関節ロボットが主流になった最大の理由は、「人間の動きに似ている」ことです。6軸の垂直多関節ロボットの機能と軸を、人間の「身体」「腕」「手首」「手」に対応させると、次のようになります。

【身体の機能・軸】
・腰を回転させる(第1軸)

【腕の機能・軸】
・肩を回して腕を上下させる(第2軸)
・肘を曲げて下腕を上下させる(第3軸)

【手首の機能・軸】
・手首を回転させる(第4軸)
・手首を曲げて上下させる(第5軸)

【手の機能・軸】
・指先を回転させる(第6軸)

以下の動画では、人間と垂直多関節ロボットの動きを対比して、わかりやすく解説しています。

出典:ロボットの軸の動きと人間の関節の比較(限定公開)/Kawasaki Robostage Channel

人間の腕と似た動きをする垂直多関節型ロボットは「人間の作業を代替する」ために、まさに人間の「片腕」となる産業用ロボットとして合理的な構造を備えています。加えて幅広い可動領域があり、多関節により自由度が高い作業ができる構造が特長です。

4.垂直多関節ロボットの軸と自由度

垂直多関節ロボットの構造について、さらに解説を加えていきましょう。

垂直多関節ロボットと人間の構造には共通点が2つあります。それは「リンク」と「ジョイント」の構造です。人間の腕でいえばリンクは骨、ジョイントは関節にあたります。産業ロボットの関節は、かつては油圧で駆動していました。しかし、現在は一般的にモーターで駆動します。モーターは電動なので、電子制御をすることで繊細な作業ができるようになりました。

産業ロボットの関節には、肘や手首のように曲げたり、回転させたりする「回転関節」のほかに、ロボット特有の関節として「直動関節」があります。直動関節は、上下、左右、前後に伸縮させることができる点で人間と異なります。

リンクとジョイント、回転関節と直動関節

ところで、空間は3軸で表現できます。いわゆるX軸、Y軸、Z軸です。そして空間上のある座標にハンドを移動させるためには、3軸以上の関節が必要になります。

多関節ロボットでは軸の数が多いほど「自由度」が高くなります。「3軸」より「6軸」のロボットのほうが自由度は高く、なめらかに斜めの移動などの動作ができ、細かい作業が可能です。

5.垂直多関節ロボットの構成

続いて、垂直多関節ロボットの構成です。産業ロボット全体にいえることですが、垂直多関節ロボットは、以下のような装置とシステムで構成されます。

垂直多関節ロボットの構成

(1)マニピュレータ

多関節をサーボモーターで駆動するロボット本体です。リンクにダイレクトにモーターが取り付けられているため、シリアルリンク型と呼ばれます。したがって、マニピュレータ本体の第一関節にあたる根本のモーターは、マニピュレータ全体の駆動を支えるため大型になります。このことから搬送する重量より、本体の重量が重くなります。

先端には「エンドエフェクタ」が取り付けられ、この部分を取り替えることによって、本体の動きはそのままで、別の作業をロボットにさせることができます。垂直多関節型ロボットでは、さまざまなエンドエフェクタが各社から提供されています。エンドエフェクタには、主に以下のような種類があります。

・部品などをつかむ、握る(ハンド)
・ナットなどを締める
・吸着パッドで真空吸着して軽量のモノを搬送する
・マグネットで鉄製の部品などを搬送する
・溶接する
・スプレーガンで塗装する
・ドリルで穴あけ加工をする
・穴あけした部分にリベットを打つ
・水で洗浄する
・研磨する
など

(2)コントローラー

マニピュレーターの複雑な動きを制御するために、サーボアンプや基板などを格納した装置です。最先端の装置ではAI(人工知能)を搭載し、動作データを解析して作業の自動化をサポートします。

(3)ティーチペンダント

産業ロボットをオンラインでプログラムし、関節やエンドエフェクタの位置、角度、動きなどを記憶させる端末です。TFT液晶によるカラー表示でタッチパネルを搭載したものや、ワイヤレス(無線)で操作可能な端末もあります。

6.垂直多関節ロボットのメリット

垂直多関節ロボットを導入するメリットについて、3つのポイントで解説します。

(1)人間の体力が消耗する過酷な作業を代替する

人間の体力には限界があります。たとえば製造物の搬送は、重量がそれほどなかったとしても数が多く長時間に渡れば、疲労が蓄積されます。あるいは単純な組み立て作業は、時間によって作業効率や集中力が低下し、ミスが発生します。高温や騒音の激しい工場の作業も、生産性を低下させるだけではなく人材の定着にも悪影響を与えます。

しかし、当然のことながら産業用ロボットは疲労しません。特に人間の腕の形状に近い垂直多関節ロボットは、人間にとって過酷な作業を代替するには最適です。

(2)属人的なノウハウをロボットに移行できる

熟練工による職人的な仕事は成果を上げますが、一方で高齢化すると退職せざるを得ない状況にあり、もし後継者を育成できなければ、技術継承ができない問題を抱えています。超高齢社会の到来により、高齢者の就業環境も整えられつつあるとはいえ、人間が仕事をしている以上、この問題は避けられません。

この熟練工の仕事を垂直関節ロボットに移行することで、属人的な技術継承の問題を解消し、精密な組み立て作業などを省力化できます。熟練工といっても人間である以上、ミスが発生します。ロボットであれば、ミスの低減も可能になります。

(3)検査の自動化が可能

AIとともにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)という言葉がよく使われるようになりました。垂直多関節ロボットの先端にセンサーやカメラを取り付ければ、チェックなどの検査などをAIで行なうことが可能になります。その結果、人間では見逃しがちな問題を検出できます。

7.垂直多関節ロボット導入のご相談はFAプロダクツ

垂直多関節ロボットの設備投資によって、省力化をはじめ品質向上などの成果を期待できます。とはいえ、産業ロボットの導入には動作を調整する「ティーチング」が必要であり、暴走によるトラブル、自然災害などを想定したBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)も考慮し、装置の予知保全にも取り組んでいく必要があります。

こうしたさまざまな要請に対応する際の心強い味方が、専門家であるロボットSIerです。

FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。

【ポンチ絵とお見積りのサンプル】

テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。

【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

垂直多関節ロボット導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

またFAプロダクツは、定期点検・保守・修理、老朽化した設備のリプレースや工場倉庫で使用されていないFA部品・機器の買取といったニーズにもお応えしています。
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