自動合成装置の主要メーカ3選!選び方や製品特徴とメリットも解説
人手不足は、科学分野にも大きな影響を与えています。試薬の合成には知識と技術が必要で、作業員の育成に時間を要します。また人によって品質に差が出やすく、安定した生産が難しい作業です。
そこで自動合成装置を導入すれば、誰が作業しても同じ品質の製品を生産できます。
この記事では自動合成装置の選び方、導入のメリット・デメリットや生産性を上げるポイントを解説します。また自動合成装置を独自で開発・販売しているメーカと製品特徴をいくつか紹介します。
もし、自動合成装置のコンサルティングを受けて、
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目次
1.自動合成装置の選び方
自動合成装置は、合成させる方式の違いで3種類あり、その中から装置の特徴で絞ると、選びやすくなります。
特徴 | |
フロー式 | ・合成の効率が高い ・反応の温度と時間のコントロールが容易 ・スケールアップ合成ができる |
カートリッジ式 | ・反応試薬の調整が不要 ・反応の監視や攪拌を自動化 |
マイクロ波 | ・合成の効率が高い ・無溶剤の反応を促進できる |
フロー式は反応容器を加圧し、試薬の温度を上昇させて合成します。温度を上昇させることで高効率での合成が可能です。また、流路をマイクロやミリチューブを使用することで、反応温度や時間を精密にコントロールできます。反応液を流しながら合成を進めるため、連続動作でスケールアップすることもできます。
カートリッジ式は、反応の種類ごとに試薬が充填されたカートリッジを使用します。試薬を計量するなどの作業が不要で、代表的な合成を全自動で行います。
マイクロ波は電磁波を利用し、試薬の温度を上昇させて合成します。フロー式と同様で、温度を上昇させて高効率での合成が可能です。また物質自体を発熱させるため、無溶剤などの反応を促進できます。
2.自動合成装置の主要メーカと製品
ここでは、自動合成装置の製造・販売を主力としているメーカや製品をいくつか紹介します。
(1)株式会社 DFC
【特徴】
使用者の目線で装置造りを独自で開発・販売しているメーカです。部品単体から装置のオーダーメイドまでサポートしてくれるため、既存の装置や部品に満足できない場合におすすめの企業です。
【所在地】
〒611-0033 京都府宇治市大久保町西ノ端1-25
TEL:0774-45-2503
【製品】
DFC社では、以下2種類のフロー式自動合成装置を紹介します。
- Optim Flow
- Alta Flow
以下より詳しく解説します。
①Optim Flow
Optim Flowには、以下3つの特徴があります。
- 計算が不要
- 付属ソフトで簡単合成
- 4流路・3リアクタまで使用可能
反応条件を入力すれば、計算などをソフトが全て行ってくれます。また4流路と3つのリアクタまで使用可能で、最大192検体をハンドリングできます。
②Alta Flow
(引用:プロセス検討用自動合成装置 Alta Flow/株式会社 DFC)
Alta Flowには、以下3つの特徴があります。
- ユーザに合わせた計測機器の接続が可能
- 試薬ボトルの自動切り替え
- 2種から選べる実験値の設定
最大の特徴は付属の専用ソフトを使用し、計測機器と接続して制御が可能です。また1ラインで、3~4本の試薬ボトルを自動切り替えしてくれます。実験値の設定は2種類から選べ、用途に合わせた合成条件を設定できます。
(2)株式会社 スクラム
【特徴】
生命科学など科学技術分野の製品を、輸入販売している企業です。海外製品の輸入代行も行っており、3万件以上の受託サービス実績のあるメーカです。
【所在地】
〒135-0014 東京都江東区石島 2-14 Imas Riverside 4F
TEL:03-6458-6696
【製品】
今回はフロー式(UNIQSIS社)と、カートリッジ式(Synple Chem社)の2機種を紹介します。
- FlowLab シリーズ(UNIQSIS社)
- Synple 2(Synple Chem社)
以下より詳しく解説します。
①FlowLab シリーズ(UNIQSIS社)
(引用:フロー合成システム/株式会社スクラム)
PCを制御機器として使用するエントリーモデルで、以下3つの特徴があります。
- Wi-Fiを各機器に接続し、PCでコントロール
- 自由度の高い構成
- 安全機構を搭載
PCと各機器を無線接続することで、溶媒の周辺にPCを設置する必要がありません。「加熱」「冷却」「チューブコイル」「カラム」「ガラススタティックミキサー(GSM)」からリアクターを選び、流路を繋ぎ変えることで自由な構成が可能です。ポンプに圧力センサを搭載しているため、異常があると安全機能として装置が自動停止します。
②Synple 2(Synple Chem社)
合成反応の作業をシンプルにしたモデルで、以下3つの特徴があります。
- 反応試薬の調整が不要
- 合成中の攪拌・監視が不要
- 反応後の不純物除去を自動化
サンプル溶液を吸い上げ、カートリッジに充填します。その後反応と精製を自動で行い、反応後の不純物を除去します。この流れをすべて自動で行ってくれる装置です。
(3)CEM Japan 株式会社
【特徴】
アメリカに本社がある、マイクロ波を使用した機器製作を得意とした企業です。日本にも支社があり、日本国内でも手厚いサポートが受けられるメーカです。
【所在地】
〒108-0074 東京都港区高輪2-18-10
TEL:03-5793-8542
【製品】
マイクロ波を使用した以下2機種を紹介します。
- Discover 2.0
- MARS 6
以下より詳しく解説します。
①Discover 2.0
(引用:Discover 2.0/CEM)
大型のタッチパネルを搭載したモデルで、以下3つの特徴があります。
- 幅広い容器サイズ
- サンプル自体を温度計測
- 安全で扱いやすいソフトウェア
業界で初めて10・35・100mLの3種から容器を使用できる装置です。赤外線センサを搭載し、容器ではなくサンプル自体の温度を計測できます。合成処理のカスタマイズもでき、カスタマイズした内容をパスワード保護でアクセス制限もかけられます。また反応の静止画や動画を撮影して記録できます。
②MARS 6
(引用:MARS 6/CEM)
パラレル反応用のモデルで、以下3つの特徴があります。
- 処理速度が早い
- 高い安全性
- 幅広い種類に対応
1800Wのエネルギーを供給することで、24本の容器を30分で処理を完了させるモデルです。また特別に設計された強固な筐体と、安全性能の高いインターロック機能を搭載しています。有機・無機・ナノ粒子などさまざまな種類の合成を「MARS 6」1台で行えます。
3.自動合成装置のメリット・デメリット
ここでは自動合成装置を導入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。
(1)メリット
①複雑な計算が不要
自動合成装置の多くは、付属のソフトウェアが必要な計算をしてくれます。作業者が複雑な計算をする必要が無く、計算にかかっていた時間を削減できます。
②品質が安定する
充填量や加熱のタイミングなどをプログラムで自動化しているため、合成作業に人が介入しません。これにより、バラつきの無い安定した品質が得られます。
③合成データを自動で取得できる
装置に付属するソフトウェアには、合成中のさまざまなデータが自動で記録されるため、作業者の負担をより軽減しつつ、品質を容易に向上させることができます。記録したデータをグラフ化してくれる装置もあり、前後の差異も確認可能です。
(2)デメリット
①価格が高価
高機能機種は、1000万円を超えるモデルがあります。装置の規模や種類で価格は変わりますが、コストに見合う装置選定が必要です。
②海外製品が多い
自動合成装置は海外製が多く、日本メーカの装置があまり多くありません。導入検討には、サポート体制や部品の入手しやすさなどを事前に確認しておきましょう。
4.自動合成装置を用いて生産性を上げるポイント
自動合成装置は、試薬送り出すチューブが折れやすくなっています。無理に曲げてしまうと折れてしまい、生産計画の乱れに直結するため、扱いに注意が必要です。それらのトラブルを回避するためには、自動合成装置をいつ、どのタイミングでメンテナンスをするのか、あらかじめ生産スケジュールに組み込んでおくとよいでしょう。
なお、チューブの交換時期は、装置メーカによってまちまちです。導入するときにあわせて相談することをおすすめします。
5.自動合成装置の導入に関するご相談はFAプロダクツへ
自動合成装置は、方式の違いによって種類があります。また装置自体が高額なため、用途に見合う装置を見つけるには時間と手間が必要です。
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