【提案依頼書】RFPとは?基本概要と装置導入の提案依頼を解説
RFP(提案依頼書)は、最適なシステム・装置導入の橋渡しとなるものです。より詳細な要件と期待する効果を書き出し、発注先へ伝える役割を持ちます。
とはいえどのように進めたらいいのか、書き出すべき項目は何なのか分からない場合もあるでしょう。
本コラムでは、RFP(提案依頼書)の概要や書き出す主要な項目、メリットや進め方ついて詳しくまとめました。まだ装置導入を検討している段階の方でも、記事を見るだけでRFP作成の基礎を把握できます。ぜひ最後までお読みください。
もし、装置導入時にコンサルティングを受けて、
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目次
1.RFP(提案依頼書)とは?概要と作成者・使用者について
(1) 【提案依頼書】RFPとは
【提案依頼書】RFPのRFPとは、Request for Proposal ということで、要は、「システムの変更に当たって、プロポーザルを出してください」という依頼文書です。
WEB上で提案依頼書RFPについて書かれている記事には、RFPを、ITシステムの改変に関するプロポーザルという書き方が多いようですが、物を作る・改造することのプロポーザルは、ITシステムに限った事ではありません。
どのような業種でも、仕事の進め方は同じですから、製造工場の新築・改造に伴うプロポーザルに対しても同じです。
ここでは、製造工場に関する提案依頼書として話を進めます。
図1では、工場を新しく作る場合、もしくは大幅な増設をする場合について、提案依頼書がどのように位置するかを紹介します。
社内の中期経営計画などによって、新しく製造設備を構築する場合は、社内に計画のプロジェクトが創設され、詳細の検討を行います。
図1では、プロジェクト創設から、工事着工までの流れを大筋で描いています。
【プロジェクト創設から、工事着工までの経緯】
- プロジェクトでは新しい設備の大筋の計画は立てられますが、詳細を検討するに当たっては、専門的な話を聞いて進めます。
- それが、仮プロポーザル提示の依頼です。依頼者は、エンジニアリング会社、コンサルタント会社、製造しようとする製造会社の設計部門など多くの事業者がおります。
- 仮プロポーザルの検討結果を得て、決められなかった新設備の基本仕様部分を埋めて、概略の計画が出来上がります。
- それをもとに、事業者に正式に出すのが、提案依頼書です。
- 事業者はその依頼に基づいて、現場調査、ユザーとの打ち合わせを重ねて新設備の概略設計を行い、プロポーザルとしてユーザーに提出します。
- ユーザーはそれをもとに、詳細設計を重ね、仕様書としてまとめ、社内承認を得たうえで、正式に発注します。
- 発注から工事開始までは、通常の工事の進め方に基づき、新設設備の着工となります。
【提案依頼書の内容】
図2では、製造業の新築・改造の提案依頼書の内容には、どのような項目があるかを例として描いています。
良く用いられるITシステムの提案依頼書RFPでも、内容は異なりますが、目的と要点はまったく同じで、何をやりたいか、現状をどうしたいかなどの内容を作成して、依頼先に提示すれば良いことが分かります。
以下では、提案依頼書に関する動画を紹介します。
RFPの作り方の5ステップ【デジタル化 -中級-】
RFP(提案依頼書)とは? 自分たちのやりたいことは自分たちで決める ITコーディネータ(ITC-Pro東京理事) 並木 政之
RFPあるある!こんなRFPは物流会社に嫌われる!〜通販物流の雑談場【ロジカイギ】
RFP(提案依頼書)とは、最適なシステムや装置導入の提案で必要なものです。このRFPがなくても発注はできるものの、最適なシステム・装置の選定&比較が行いにくくなります。要件を適切に伝えるためにも、RFPはなくてはならない存在なのです。
(2)RFPは最適な装置提案を受けるために必要な書類
RFP(提案依頼書)は、大まかに下記のような項目をまとめたものです。
- 今回の発注で必要な要件
- プロジェクトの目的
- 現状の課題
- 課題をクリアした理想的な状態
あくまで大まかになりますが、自社の課題と目的、達成したい姿を伝えることで相手に明確なイメージをもたらします。発注先のソリューションとうまくマッチングできれば、適切な形で導入が決定する……といった流れです。システムやWeb開発といったソフトウェア、装置といったハードウェアと状況が変化します。
RFP(提案依頼書)は、自社から他社へわかりやすく情報を伝える手段と言っても良いでしょう。状況次第では複数の企業へRFPを提出し、複数のソリューションを比較することもあります。最適な装置導入を提案してもらうためにも、RFPを作成しておく必要があるのです。
(3)RFPの作成者と使用者
基本的にRFPの作成者は、発注者側の企業が作成します。その中でも、実務担当者が中心的に任せられるでしょう。立ち上げの段階で決裁者や上長と相談しながら概要は決めるものの、より内容を詰める部分は作成者に委ねられます。そしてRFPが完成したら、使用者であるSIer(つまり発注先の担当者)へ提出する流れです。
状況によりSIerと相談しながら進められるので、不明点があればぜひ聞いてみるのも良いでしょう。FAプロダクツでも相談しながらRFPを作成することが可能です。ご相談いただければ、双方に認識齟齬のないシステム構築・装置提案が行えます。
2.RFP(提案依頼書)を作るメリット
RFP(提案依頼書)を作るメリットは、大きく分けて下記の2つがあります。
- 理想的なシステム構築の提案が受けられる
- 自社の目標見直し&共有が行える
基本的には、必要な情報の可視化が鍵となります。可視化をすれば、自社内でも共有が容易です。
(1)理想的なシステム構築の提案が受けられる
RFPを作ることで、自社にとって必要な理想システム構築の提案が受けられるようになります。
では逆にRFPがなければ、一体どのような事態になってしまうでしょうか。RFP作成にかかる時間や人員も要らなくなるため、一見するとスムーズな発注が行われるかもしれません。
しかし伝達手段が抽象的となり、大幅に差のある見積もりが複数社から提示されるでしょう。発注先としても具体化がされていなければ、本当に必要なシステム要件を盛り込むこともできません。
そこで必要なのが自社の課題と理想の姿、細かい要件を可視化することです。こういった具体的な情報を提供することで、最適な提案を受けられるようになります。
(2)自社の目標見直し&共有が行える
RFPを作成すると、自社の目標や方針の見直しが行えます。
客観的に作成されたデータは、他社のみに関わらず自社にも重要なツールとして機能するでしょう。自社内で共有して見直しを行えば、今後より精度の高いRFP作成にもつながります。
また一度概要をまとめたものであれば、データ化して社内共有も容易です。自社の抱えている課題や理想形を共有できると、社内の団結力や改善力も高まるでしょう。
限られた時間の中でより効率的な運用が目指せるため、RFP作成のメリットは非常に大きいものです。
3.RFP(提案依頼書)をつくる前に必要な準備とは?
RFP(提案依頼書)をつくる際、いくつか準備をする必要があります。それぞれ準備しておくことで、より伝わりやすいRFPを作れるはずです。
(1)実務担当者による要件の検討
実務担当者が実際の現場で必要な要件を検討し、詳細に書き出していく必要があります。例えば下記のとおりです。
- 対象ワーク
- 生産数量
- 品種替えの頻度
- 作業内容の選定
その上で設置スペースや動作環境といった、制約される条件を書き出していきます。装置導入を行う場合は、図のレイアウトも作成しておくと良いでしょう。
導入費用の試算や社内体制(保守運用)も検討し、実際に装置が導入したあとの工程も検討していきます。この項目で書き出した要件の検討は、実際にRFPを作成するときに必要です。
(2)発注先が担うプロジェクトの対象の明確化
今回のRFP作成に関して、プロジェクトで発注先が担う対象(スコープ)も明確にしておきましょう。
例えば装置導入の場合、導入後のメンテナンスや教育も含め、どの程度までプロジェクトの範囲をお願いしたいのか。前後関係も伝えておくことで、発注先からよりゴールに近づくフォローがもらえるかもしれません。
意外とRFP作成時は、プロジェクトの対象を明確に伝えられていない事例があります。対象の範囲が明確化していれば、発注先も対象範囲を限定できるでしょう。そうすれば提案時の精度が上がるので、双方にメリットがあります。
自社内での打ち合わせだけではなく、可能であればSIerとの相談も視野に入れてみてください。
(3)予算とスケジュールの管理
予算とスケジュールは、一般的に正しく提示できている場合が多いです。
ただし予算に関しては一考しておく必要があります。予算が超過していても、提案がより理想状態に近い場合があるからです。予算の超過が見込まれる場合、理由を明記しておくようにRFPへ記載しておくと良いでしょう。わざわざ質問をする時間も作らなくてよく、スムーズに自社内で検討が行えます。
また提示するスケジュールに関しては、明確に決まっている場合とそうでない場合があるはずです。そこである程度の余裕を持たせつつ、できるだけ段階ごとにスケジュールを区切って提示すると良いでしょう。
またスケジュールに付随して、自社内の進捗把握に時間をかけすぎないよう進めるのも1つの準備です。限られた時間の中で最適な提案を受けるためにも、プロジェクトの根幹やゴールを中心に決めていくよう進めてください。そのほかの項目は時間をかければかけるほど、どんどん時間を消費していきます。
4.RFP(提案依頼書)に記載する主要な項目と事例
では実際に、RFP(提案依頼書)に記載する項目は、どんなものがあるでしょうか。具体的な項目とともに、提案する要件についても見ていきましょう。
(1)主要な項目
RFP(提案依頼書)に乗せる主要な項目は、下記のとおりです。
- 自社の目的
- 期待する効果
- 予算
- スケジュール
自社の目的は生産率の向上や危険作業の撤廃、自動化といったさまざまな目的があるはずです。そのような目的に対して具体的な期待効果を記載すると、現状の課題と改善後のイメージがしやすくなります。
期待する効果に関しては、より具体的な数値を記載しておくと良いでしょう(生産数200個から250個、生産率15%向上など)。
予算はおおよそを上限としつつも、前項であげたように超過分は提案書内での記載を明記しておくとスムーズです。
スケジュールは決まっていればそちらを記載し、決まっていなければ項目ごとにスケジュールをおおよそ提示します。例えば、提案依頼書の公開、返答、打ち合わせといった段階ごとに期日を設定する、などです。
(2)提案の要件
提案の要件は、具体的にどの範囲の提案を依頼したいのか記載する部分です。具体的には下記2つとなっています。
- 自社から提示する検討結果
- 提案してほしい項目
自社から提示する検討結果は、おもに実務担当者が提示する検討結果となります。上記で挙げた、「実務担当者による要件の検討」項目をすべてまとめます。提案してほしい項目も概略を含めます。
不明点は不明がなくなるまで検討します。
上記内容が固まれば、提案依頼書を作成して、提示します。
5.装置導入に関するご相談はFAプロダクツへお任せください
本コラムでは、RFP(提案依頼書)の概要や作成方法、メリットについて解説しました。上記の情報を元にRFPを作成すれば、より最適な装置導入の提案を受けられるはずです。
もし内容に関して不明点がある、相談を受けながら進めたいと思う方は、FAプロダクツへご相談ください。より最適な装置導入のお手伝いと、最適なRFP作成の支援をさせていただきます。
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