EMCCDカメラの主要メーカ3選!選び方や導入メリットも解説
EMCCDカメラは、撮像素子であるCharge Coupled Devices(電荷結合素子)に電子倍増機能を組み込んだElectron Multiple CCDカメラを指します。
-90℃前後の冷却施すことで熱ノイズを抑制し、EMゲインと呼ばれる光の電子信号を増幅させる処理を施すことで、通常のCCDカメラでは検出できない微弱な光量の測定対象を鮮明に検出できるようになります。主に顕微鏡などを利用した理化学研究用途、天体望遠鏡を利用した天文学研究用途に活用されています。
この記事では、EMCCDカメラを選ぶ時のポイントと主要メーカの取り扱い製品を紹介し、EMCCDカメラで生産性を上げるポイントについて解説していきます。
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目次
1.EMCCDカメラを選ぶ時にチェックしておきたいポイント
EMCCDカメラを選ぶ際は、次に挙げる項目に注目して選びましょう。
(1)測定対象の光量
最初にチェックしておきたいのは測定対象の光量です。この測定対象の光量によって、EMCCDカメラの導入可否に影響が出てきます。
EMCCDカメラは、通常のカメラでは検出できない微弱な光量のものを電子的に増幅して検出可能にするものです。そのため1秒以上の露光が可能な場合や、通常のカメラでも検出可能な照度を確保できるのであれば、EMCCDカメラを導入するメリットが小さくなってしまいます。
(2)解像度
次にチェックしておきたいのはカメラの解像度です。解像度は、測定対象の大きさがポイントになります。微弱な光を検出するためには解像度が高い必要がありますが、高い解像度のものは撮影速度の低下を招いてしまうデメリットがあるため、適切な解像度を洗い出しておく必要があります。
(3)撮影速度
最後にチェックしておきたいのはカメラの撮影速度です。撮影速度は、捉えたい動きの速さがポイントになります。
EMCCDカメラは、微弱な光量のものをリアルタイムで観察するような用途に威力を発揮するものです。そのため測定対象の捉えたい動きがどの程度の速さなのかを整理し、その速度に対応した能力を持つのかを確認しておく必要があります。
2.EMCCDカメラの主要メーカと主力製品
ここではEMCCDカメラを取り扱っている主要メーカと製品をご紹介します
(1)浜松ホトニクス株式会社
浜松ホトニクス株式会社は、画像処理や計測機器といった様々な製品を幅広い分野に提供している企業です。主要商品としてImagEM X2シリーズがあり、微弱光観察用途向けのEMCCDカメラで最大90%を超える量子効率を実現させ、可視領域から近赤外領域までの広範囲で高感度を実現させているのが特徴です。
①ImagEM X2 EM-CCDカメラ : C9100-23B
(引用:浜松ホトニクス株式会社 | EM-CCDカメラ | C9100-23B)
C9100-23Bは、大きさが110×111×215、重量約3.5kgのEMCCDカメラです。EMゲインが最大1,200倍、ピクセルクロック22MHz時の露光時間は13.9ms〜1sec、512×512pxの解像度で70.4fpsの撮影が可能なのが特徴です。
②ImagEM X2-1K EM-CCDカメラ : C9100-24B
(引用:浜松ホトニクス株式会社 | EM-CCDカメラ | C9100-24B)
C9100-24Bは、大きさが110×111×215、重量約3.5kgのEMCCDカメラです。EMゲインが最大1,200倍、ピクセルクロック22MHz時の露光時間は52.8ms〜1sec、1,024×1,024pxの解像度で18.5fpsの撮影が可能なのが特徴です。
【所在地】
▼本社事務所
静岡県浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル
Tel:053-452-2141
Fax:53-456-7889
▼東京営業所
東京都千代田区大手町2-6-4 常盤橋タワー11F
Tel:03-6757-4994
Fax:03-6757-4997
▼筑波営業所
茨城県つくば市研究学園5-12-10(研究学園スクウェアビル7F)
Tel:029-848-5080
Fax:029-855-1135
https://www.hamamatsu.com/jp/ja.html
(2)株式会社東京インスツルメンツ
株式会社東京インスツルメンツは、オプトエレクトロニクス製品の開発、設計及び輸出入、販売を手がけている企業です。Andor Technology社製のEMCCDカメラiXon Ultraの取扱いがあり、化学計測用途向けのEMCCDカメラで、深紫外領域から近赤外領域までの広範囲で高感度を実現させているのが特徴です。
①iXon Ultra
(引用:株式会社インスツルメンツ | 高速・高感度カメラ | 超高感度EMCCDカメラ iXon Ultra)
型式DU888U3-CS0ではEMゲインが最大1,000倍、1024×1024pxの解像度で26fpsの撮影ができますまた、型式DU897U-CS0ではEMゲインが最大1,000倍、512×512pxの解像度で56fpsの撮影が可能なのが特徴です。
【所在地】
▼本社
東京都江戸川区西葛西6-18-14 T.I.ビル
Tel:03-3686-4711
Fax:03-3686-0831
https://www.tokyoinst.co.jp/
(3)株式会アド・サイエンス
株式会社アド・サイエンスは、高感度冷却CCD・CMOSカメラといった理化学カメラや産業用カメラなどの輸入及び販売・サポートを行っている企業です。Nüvü Cameras社製のEMCCDカメラHNüシリーズを取り扱っています。
HNüシリーズは、天文学や理化学研究などの計測用途向けで、特許技術「CCD Controller for Counting Photons」を使用することで最大5,000倍までのEMゲインを可能にしているのが特徴です。
①HNüシリーズ
(引用:株式会社アド・サイエンス | 理化学研究用カメラ | 超微弱光観察用EMCCD)
型式HNü1024ではEMゲインが最大5,000倍、1,024×1,024pxの解像度で16.7fpsの撮影ができます。解像度が異なる型式HNü512では、EMゲインが最大5,000倍、512×512pxの解像度で63fpsの撮影が可能です。
また、型式HNü128ではEMゲインが最大5,000倍、128×128pxの解像度で1004fpsの撮影ができるという特徴があります。
【所在地】
▼本社
千葉県船橋市本町2-2-7 船橋本町プラザビル4F
Tel:047-434-2090
Fax:047-434-2097
https://www.ads-img.co.jp/
3.EMCCDカメラの導入メリット・デメリット
こちらではEMCCDカメラを導入するメリットとデメリットについて解説します。
(1)メリット
通常のCCDでは露光時間を伸ばさなければ検出できない微弱な光を、EMCCDでは電子的に増幅させて短時間で検出することができるようになります。それによって撮影速度を上げることができ、露光して得られる静止画では捉えられなかった動的な変化を捉えることが可能です。
こうした特徴から、より簡単に画像検査の質を向上させられるのが、EMCCDカメラの導入メリットとしてあげられるでしょう。
(2)デメリット
EMCCDカメラは、微弱な光量のものをリアルタイムで観察するような用途に威力を発揮するものです。微弱な光量のものを検出する特性上、強い光を受けることで早期の劣化や損傷を招く恐れがあるため取扱いが非常に繊細になります。
また、科学測定分野に非常に効果が高いですが、そのぶん機能を十全に使うためには循環水冷却器といったノイズを抑えるための周辺機器が必要となり、導入費用が高価になることがデメリットになります。
4.EMCCDカメラで生産性を上げるポイント
EMCCDカメラは微弱な光量である測定対象の動的な変化を可視化させることができますが、付属される機能を活用することで作業効率を上げることも可能です。たとえば、冷却温度が安定した状態で出される信号を撮影準備完了のトリガーとすることで、常に安定した観察を行うことができます。
他にも狙いたい輝度値だけを表示させる機能を利用することで、正常と異常の切り分けを効率的に行えるようにもなります。
生産性を上げるときは、こうした付属機能にも注目するとよいでしょう。
5.EMCCDカメラ導入に関するご相談はFAプロダクツへ
EMCCDカメラは通常のCCDカメラでは捉えられない微弱な光を増幅させて高精度な画像を得られるカメラでもありますが、使用用途に適した性能を選ばないといけません。特に品質検査などの生産性の向上を検討するには様々な分野が複合的に組み合わされるので、導入する際には経験豊富な専門家の力が必要です。
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