自動塗装機の主要メーカ3選|選び方と生産性を高めるポイントとは
自動塗装機は、塗装が必要な製品の塗装工程を自動化してくれるものです。現代のあらゆる分野では塗装が頻繁に行われており、作業工程の効率化や自動化が注目されています。しかし自動塗装機は塗装方式や得意とする製品があるため、導入する際は事前知識が必須と言えるでしょう。
本コラムでは、自動塗装機の選び方を詳しく解説し、主要メーカや製品比較も行いました。初めて自動塗装機の導入を検討している段階なら、記事を読めば具体的な検討が行えるようになっています。ぜひ最後までお読みください。
もし、自動塗装機導入のコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
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- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
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目次
1.自動塗装機の選び方|用途やコスト、既存ラインへの導入とメーカサポート
自動塗装機の選び方は、用途に合っているか、コストや既存の生産ラインに導入しやすいかを踏まえた上で選んでいくと良いでしょう。
そしてメーカのサポートは安心できるものか、いくつかポイントに沿って見ていく必要があります。
(1)まずは用途を確認する
自動塗装機は、用途によって方式を選んでいかなくてはなりません。単調動作が得意な方式であれば、コストを抑えて導入できるでしょう。
より立体的で複雑な形状を持つワークなら、ロボット式が最適です。まずは塗装を必要とする自社製品の特徴を書き出し、具体的な仕上がりを可視化してみてください。
- ワークの大きさ
- 形状
- 品種切り替えの頻度
品種を多く扱うラインでは、品種切り替えに手間取ってしまうとロスも大きいです。ほとんどの場合はメモリー情報を残せますが、生産ラインによって多少の誤差が生じる場合も。できるだけラインと品種は固定し、エラーをなくしていくのが推奨されます。
(2)予算とコストを照らし合わせる
用途が定まったら今度は予算を考え、コストに見合う自動塗装機を選びましょう。自動塗装機のコストは方式や状況、メーカによって大きく変動します。ヒアリングを入念に行ってくれるメーカ次第では、予算を抑えられる提案も受けられるはずです。
(3)既存ラインへの導入を検討する
また既存ラインへ導入が可能かどうか、事前に考えておかなくてはなりません。スペースが限られている場合も多く、最適と思われる自動塗装機を導入できないケースも。
多くの場合は導入経験がないと、おおよその完成イメージがつきにくいです。信頼のあるメーカに相談を行い、導入を検討していくのが良いでしょう。
(4)メーカサポートの信頼性をチェックする
メーカサポートの信頼性は、「万が一の事態にどう対応してくれるか」をシミュレーションしておくのがおすすめです。緊急時の連絡先、どこまで対応してくれるのか、期間や有償・無償サポートの範囲を確認してみてください。手厚いアフターフォローがあるなら、信頼性は高いでしょう。
2.自動塗装機の主要メーカ3選を紹介!特徴や主力製品の比較
自動塗装機を取り扱っているメーカ3社と、主力製品をご紹介します。
(1)株式会社川口スプリング製作所
【特徴】
株式会社川口スプリング製作所は、自動塗装機の設計から施工、電気系統からアフターフォローまで手厚く実行しているメーカです。外注先も使用していないため、非常に信頼のおけるメーカと言えるでしょう。
①ロボット自動塗装ライン(パレットタイプ)
パレットタイプは限られたスペースで、塗装から乾燥工程まで完結できる自動塗装機です。設計の自由度が高いため、複雑かつ細かい形状のワーク(例えば自動車部品の内外装)でも適合します。
②ロボット自動塗装ライン(スピンドルタイプ)
高品質で均一な仕上がりを目指すなら、スピンドルタイプが最適です。ロボット塗装機として、自社の仕様に合わせた細かい最適化が得意と言えるでしょう。24時間稼働や、塗装の仕上がりに力を入れたいなら、うまく適合してくれます。
③スピンドルUV自動塗装ライン
スピンドルUV自動塗装ラインは、その方式から小物の製品にも対応しています。高機能かつコンパクトで人気のある機種となっており、業界を問わず導入実績がある自動塗装機です。
【所在地】
本社所在地:埼玉県川口市青木3丁目10-19
TEL:048-252-1234
FAX:048-252-1238
URL:http://www.kawaguchi-spring.co.jp/
(2)NCC株式会社
【特徴】
NCC株式会社は、昭和33年から続く老舗メーカです。塗装だけではなく工業用塗料もノウハウがあり、さらにファインケミカルや電子資材・生産システムやリサイクルシステムもノウハウがあります。
①ステーション式XY塗装機
ステーション式XY塗装機は、小型製品のアミ吹き塗装の量産に向いています。ストローク回数や個別の設定を行い、効率的に製品の塗装を行うシステムです。2ステージ付属のため、連続作業も問題ありません。
②卓上・小型8軸スピンドル塗装機
卓上・小型8軸スピンドル塗装機は、省スペースで簡単操作、ローコストで導入可能な塗装機となっています。必要に応じて機能を追加することもできるため、必要な機能だけを選んで最適化ができるでしょう。
【所在地】
本社所在地:長野県伊那市西春近上島2431番地
TEL:0265-72-7161
FAX:0265-78-2796
URL:https://www.ncc-nice.com/
(3)株式会社コートテック
【特徴】
株式会社コートテックは、塗料から塗装設備までトータルプランにて支援してくれるメーカです。UV塗装とホットコーティングの二種に強く、最適な製品を生産しているならぜひ押さえておきたいメーカと言えるでしょう。
①自動三面塗装機
同時に3面の塗装吹付けを行うシステムで、複数の面も一度に塗装できます。また連続作業にも対応し、コンベアの無段階調節で仕上がり優先・スピード優先といった変更も可能です。
②真空塗装機
真空塗装を行う製品で、今回ご紹介する製品の中でも非常にユニークなものとなっています。とくに塗装ロスが圧倒的に少なく、塗料飛散への対応策も最小限です。UV装置も併用すれば、生産性が大きく向上します。
【所在地】
本社所在地:広島県尾道市原田町梶山田2518番地
本社TEL:0848-38-0208
本社FAX:0848-38-0209
URL:http://www.coat-tech.com/index.html
3.自動塗装機を導入するメリットとデメリット
自動塗装機を導入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しくまとめました。
(1)自動塗装機導入のメリット
自動塗装機の大きなメリットは、塗装工程の効率化です。自動化することで人が行う作業から脱却でき、作業者による塗装のバラつきを防ぎます。
とくに塗装工程は作業者により、仕上がりに差が出てしまうのは避けられません。同じ製品であっても、仕上がりにバラつきが出ると品質問題を問われるでしょう。
しかし自動塗装機なら、作業者が同じでも仕上がりはほぼ同一です。より安定した品質の製品を生み出し続け、作業負担も減らせます。
ラインに組み込んでしまえば、あとはメンテナンスだけで運用していけるのもメリットと言えるでしょう。
塗料以外の大きなコストもかからないため、運用しやすいのも特徴です。均一的な塗装を毎時安定して実行し、作業効率の向上と品質の安定に寄与してくれます。
(2)自動塗装機導入のデメリット
自動塗装機はメリットが多く、一見するとデメリットが見当たらないかもしれません。しかし導入時は大きく場所を取り、導入知識も必要な点はデメリットです。
導入場所に限りがあると、最適な方式を持つ自動塗装機が導入できない場合も。メーカによってカスタマイズ納品が可能なので、随時相談すると良いでしょう。
また塗装や塗料は独自の知識が必要となり、経験に基づくアドバイスが必須となります。経験豊富なメーカに依頼し、自社製品との親和性も考えなくてはなりません。
自社のみで選定・導入を進めると、ほぼ確実に運用時の調整で失敗します。専門知識が必要な点はデメリットとなるでしょう。
4.自動塗装機を用いて生産性を上げるポイントについて
本コラム内で紹介している選び方に基づいて選定すれば、自社に適した自動塗装機を導入できるでしょう。しかし生産効率を高めるという点では、まだまだできることがあります。具体的には下記の2点です。
- 運用に関するレクチャー、メーカからの指導・研修を受ける
- 組み合わせ可能な装置も導入する
自動塗装機は自動化しているのがポイントになっているものの、ワンボタンで全行程が問題なく実行されるとは限りません。ある程度人の介入が必要となり、適切なメンテナンスや運用が必須です。例えば稼働がストップした際に、問題を速やかに把握し、対応するためには知識が必要となります。
この点は導入時にメーカから提案があるため、ぜひ研修やレクチャーを依頼してみてください。ない場合は自社から提案するのも良いでしょう。
同時に組み合わせ可能な機器があれば、ぜひ組み合わせて導入してみるのがおすすめです。例えばUV装置を併用して塗料の硬化を促したり、無段階調節コンベアの導入で仕上がりを変更させたり、といった使い方ができます。組み合わせ可能な装置はダイレクトに生産性へ直結するため、導入時によく検討してみてください。
予算オーバーの場合でも、長期的な視点で見れば良い影響をもたらす場合もあるでしょう。
5.自動塗装機導入に関するご相談はFAプロダクツへ
自動塗装機は作業者による塗装ムラをなくし、品質の高い塗装と安定した製品の生産に貢献します。とくに塗装工程は手間と時間がかかるため、自動化できるなら早めにしておくと良いです。
一方で、選定方法は専門的な知識がなくてはなりません。選び方を誤ると、用途に合わない自動塗装機を選んでしまうでしょう。そのため、もし導入を検討しているなら、経験豊富なコンサルタントに依頼するのがおすすめです。
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