ボードカメラの主要メーカ3選!選び方や導入メリットも解説
ボードカメラとは、基板にカメラセンサを直接取り付け、カメラシステムの小型化を可能にした装置です。組み込みシステムへ使用する際は、検知・検査・監視などといった映像や画像を利用することが想定されるため、使用用途に適した性能を選ばないといけません。
しかし、ボードカメラはさまざまなメーカから販売されており、何を選んだらいいのか悩ましいものです。
この記事では、ボードカメラを選ぶ時のポイントと主要メーカの取り扱い製品を紹介し、ボードカメラで生産性を上げるポイントについて解説していきます。
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目次
1.ボードカメラを選ぶときにチェックしておきたいポイント
ボードカメラを選ぶ際は、次に挙げる項目に注目して選びましょう。
(1)解像度
最初にチェックしておきたいのはボードカメラの解像度です。ボードカメラを利用して精緻な映像を撮りたい場合は、高い解像度のものを選ばなければいけません。
しかし高い解像度のものはデータ転送量が増えるため、撮影速度を低下させてしまうデメリットもあります。そのため、撮影対象はどの程度の解像度で捉えることができるのか整理し、適切な解像度を洗い出しておくことが大切です。
(2)電源電圧と消費電力
次にチェックしておきたいのはボードカメラの電源電圧と消費電力です。
ボードカメラはUSB給電、PoE給電、PoCL給電などがあり、高い能力を持つボードカメラほど要求される電源電圧は高くなります。制御基板から複数の給電を行っている場合は電圧不足に陥りやすくなり、うまく撮影できない不具合が発生しやすくなります。
そのため、ボードカメラの電源電圧と消費電力を確認し、給電元の使用量をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
(3)インターフェース
最後にチェックしておきたいのはボードカメラのインターフェースです。
ボードカメラはUSB出力、LAN出力、MIPI出力などがあり、必要な画像のデータ量によって最大転送速度が高いものを選ぶ必要があります。また、設置環境によっては撮像データがノイズの影響を受けて転送中に欠落してしまい、撮影が失敗してしまう不具合も発生しやすくなります。
こうしたことから、撮影対象はどの程度のデータ量を必要とするのか、ノイズの影響はあるのかを整理し、適切なインターフェースを洗い出しておくことがポイントになります。
2.ボードカメラの主要メーカと主力製品
ここではボードカメラを取り扱っている主要メーカと製品をご紹介します
(1)浜松ホトニクス株式会社
浜松ホトニクス株式会社は、産業用カメラを始めとしたさまざまな製品を幅広い分野に提供している企業です。主要商品としてボード型CMOSカメラがあり、科学計測用のCMOSセンサを搭載しており、高解像度、高い読み出し性能、低ノイズを実現させているのが特徴です。
①科学計測用CMOSボード型カメラ : C1140-62U
(引用:浜松ホトニクス株式会社 | ボード型CMOSカメラ | C1140-62U)
C1140-62Uは、大きさが94.5(W) x 92(H) x 72(D) mm、重量約0.7kg、インターフェースはUSB3.0でCマウントレンズを取り付けるタイプのボードカメラです。電源電圧DC12V、消費電力約15W、解像度は2048(H) x 2048(V)の400万画素、出力フレームレートは30fpsの能力を有しています。
②デジタルCMOSボード型カメラ : C13752-50U
(引用:浜松ホトニクス株式会社 | ボード型CMOSカメラ | C13752-50U)
C13752-50Uは、大きさが85(W) x 85(H) x 24.4(D) mm、重量約0.08kg、インターフェースはUSB3.0でCマウントレンズを取り付けるタイプのボードカメラです。電源電圧DC8V〜30V、消費電力約4.5W、解像度は2048(H) x 1544(V)の300万画素、出力フレームレートは65fpsの能力を有しています。
③TDIボード型カメラ : C10000-A01
(引用:浜松ホトニクス株式会社 | ボード型TDIカメラ | C10000-A01)
C10000-A01は、大きさが150(W) x 150(H) x 58(D) mm、重量約0.45kg、インターフェースはCamera LinkでFマウントレンズを取り付けるタイプのボードカメラです。電源電圧DC12V、消費電力約13.2W、解像度は2048(H) x 128(V)の300万画素、従来のラインセンサーカメラでは実現できなかった低照度環境での撮像能力を有しています。
【所在地】
▼本社事務所
静岡県浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル
Tel:053-452-2141
Fax:53-456-7889
▼東京営業所
東京都千代田区大手町2-6-4 常盤橋タワー11F
Tel:03-6757-4994
Fax:03-6757-4997
▼筑波営業所
茨城県つくば市研究学園5-12-10(研究学園スクウェアビル7F)
Tel:029-848-5080
Fax:029-855-1135
https://www.hamamatsu.com/jp/ja.html
(2)株式会社シキノハイテック
株式会社シキノハイテックは、産業用組み込みカメラやカメラ・システム開発といった半導体関連の電気機器の開発、設計、販売を手がけている企業です。主要商品として産業用組み込みカメラがあり、USB出力、LAN出力、MIPI出力といった様々なインターフェースのボードカメラを取り扱っているのが特徴です。
①USB出力 カメラモジュール : KBCR-S03TUA
(引用:株式会社シキノハイテック |USB出力 カメラモジュール | KBCR-S03TUA )
KBCR-S03TUAは、大きさが40(W) x 15(H) x 9.5(D) mm、インターフェースは5ピンコネクタ、出力信号形式がUSB2.0でM12ボードレンズ用レンズマウントを持つボードカメラです。電源電圧DC5V、消費電力約1.16W、解像度は1920(H) x 1080(V)の200万画素、出力フレームレートは30fpsの能力を有しています。
②LAN出力 カメラモジュール : KBCR-iC21MG-N2L
(引用:株式会社シキノハイテック |LAN出力 カメラモジュール |KBCR-iC21MG-N2L )
KBCR-iC21MG-N2Lは、大きさが40(W) x 30(H) mm、インターフェースはLANでM12ボードレンズ用レンズマウントを持つボードカメラです。電源電圧はUSB給電で5V、消費電力約1.8W、解像度は1280(H) x 960(V)の120万画素の能力を有しています。
③MIPI出力 カメラモジュール : KBCR-S08MM
(引用:株式会社シキノハイテック |LAN出力 カメラモジュール |KBCR-S08MM )
KBCR-S08MMは、大きさが32(W) x 32(H) mm、インターフェースは15ピン FFCコネクタ接続でM12ボードレンズ用レンズマウントを持つボードカメラです。電源電圧はDC3.3V、消費電力約0.8W、解像度は1344(H) x 1020(V)の130万画素の能力を有しています。
【所在地】
▼本社
富山県魚津市吉島829番地
Tel:0765-22-3477(代表)
Fax:0765-22-3916
▼カメラ製品問い合わせ
Tel:03-5777-3340
(3)株式会社ケイエスワイ
株式会社ケイエスワイは、様々な種類の電子部品の輸入・販売を行っている企業です。Raspberry Pi財団が提供しているRaspberry Piシリーズを取り扱っています。Raspberry Piシリーズは、名刺サイズの小型パソコンで、OSはLinuxベース、カメラモジュールなどの機能拡張部品も提供しています。
教育分野をはじめ、産業向けオートメーションにも活用されているのが特徴です。
①Piカメラモジュール : Raspberry Pi Camera V2 / 913-2664
(引用:株式会社ケイエスワイ | Piカメラモジュール |Raspberry Pi Camera V2 913-2664)
型式913-2664は、大きさが23.86(W) x 25(H) x 9.5(D) mm、インターフェースはRaspPi専用15ピン CSIコネクタ接続で、固定焦点レンズ搭載のボードカメラです。電源はRaspberry Pi メインボード供給、解像度は3280(H) x 2464(V)の808万画素の能力を有しています。
②Piカメラモジュール : Raspberry Pi Camera HQ / RASCMHQSC0261
(引用:株式会社ケイエスワイ | Piカメラモジュール |Raspberry Pi Camera HQ RASCMHQSC0261)
型式RASCMHQSC0261は、大きさが38(W) x 38(H) x 18.43(D) mm、インターフェースはRaspPi専用15ピン CSIコネクタ接続で、標準でCSレンズマウント、付属アダプタ利用でCレンズマウントを持つボードカメラです。電源はRaspberry Pi メインボード供給、解像度は4056(H) x 3040(V)の1290万画素の能力を有しています。
【所在地】
▼本社
東京都台東区三筋1-17-10 本多ビル6F
▼長野営業所
長野県長野市大字北尾張部710番1 KSYビル
Tel:026-219-5155
Fax:026-219-5156
http://www.ksyic.com/index.cfm/fuseaction/main.welcome.html
3.ボードカメラの導入メリット・デメリット
こちらではボードカメラを導入するメリットとデメリットについて解説します。
(1)メリット
組み込みシステムへの使用が想定されているため、検知・検査・監視など映像を利用する装置の小型化が可能です。また、取扱メーカによってレンズマウントが異なりますが、求められる画像の条件に適したレンズを後付けして機能拡張することができます。こうした特徴から、より簡単に映像・画像情報を取り扱えるようになるのが、ボードカメラの導入メリットとしてあげられるでしょう。
(2)デメリット
ボードカメラはカメラセンサなど基板が露出したままですので、破損を防ぐために別途ハウジングの設計が必要になります。他にもノイズの原因となる熱対策のヒートシンクなども必要になります。
また、取扱いにも注意が必要です。設置環境や保管環境の温湿度管理が徹底されていないと結露が発生し、カメラセンサーやレンズを傷めてしまう恐れがあります。
このように、ボードカメラ導入の際には周辺機器の拡充、設置・保管環境の適正管理が必要になることがデメリットになります。
4.ボードカメラで生産性を上げるポイント
ボードカメラは産業用ラズパイと画像処理プログラムなどと組み合わせ、製造現場のIoT化で必要なインターフェースとして活用させることで作業効率を上げることも可能です。たとえば、搬送トレイ内の規定位置に製品が収まっているか確認する員数検査に用いることで、欠品の防止や検査工程の短縮を図ることができます。
他にも、デジタル化が難しい古い圧力計などの計器読み取りに用いると、日常点検の自動化を図ることもできます。
このようにアナログセンサーなどでは管理が難しかったケースでも、映像・画像情報から間接的に管理できるようになり、生産性を上げることも可能になります。
5.ボードカメラ導入に関するご相談はFAプロダクツへ
ボードカメラは基板にカメラセンサを直接取り付けることでカメラシステムの小型化を可能にした装置です。組み込みシステムへ使用する際は、検知・検査・監視などといった映像や画像を利用することが想定されるため、使用用途に適した性能を選ばないといけません。
もし、ボードカメラの導入にお困りでしたら、ぜひFAプロダクツまでお問い合わせください。豊富な知見を活かし、お困りごとに合わせた最適なソリューションを提供いたします。
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