衝撃試験機の主要メーカ3選 正しい選び方と生産性を上げるコツを解説
衝撃試験機は対象のワークに一定条件の衝撃を与え、耐衝撃性をテストする試験機です。どんな衝撃をどんなワークに与えるかで、試験機選定のポイントが異なる点には注意が必要といえるでしょう。
そこで本コラムでは、衝撃試験機の選び方と主要メーカ、製品の比較とともに導入ポイントをまとめました。導入後の生産性を高めるコツや、導入メリットとデメリットもご紹介しています。衝撃試験機の導入をお考えの場合、本コラムを活用すれば具体的な検討が行えます。ぜひ最後までお読みください。
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目次
1.衝撃試験機の選び方|用途を定めて適切な機器を選定する
衝撃試験機を選ぶ際、衝撃試験の種類と用途を一致させなくてはなりません。衝撃試験機には、代表的なもので下記3つの種類があります。
- アイゾット衝撃試験機
- シャルピー衝撃試験機
- 高加速度衝撃試験機
アイゾット衝撃試験機は、脆弱性(靱性・粘り強さ)をテストする試験機です。振り子を利用し、片側を固定した試験片へぶつけます。※このとき試験片にはノッチ(切り欠き)をつけており、応力が集中するよう加工します。
シャルピー衝撃試験機も似たような仕組みですが、アイゾット衝撃試験機と固定方法が異なる方式です。試験片の両端を固定し、中央部分に振り子を当てて変形量や衝撃値を測定します。
高加速度衝撃試験機は、比較的高加速度を要する部材試験に適しているでしょう(例えばスマートフォンや電子部品)。衝撃的な加速度を発生させ、耐衝撃性をテストします。
アイゾット・シャルピー衝撃試験はプラスチックや、金属片といった幅広い材料に利用可能です。
どのような衝撃を与えるか?という点を踏まえ、どの衝撃試験を採用するかシミュレーションする必要があります。
2.衝撃試験機に強いメーカー3選と主力製品の紹介
衝撃試験機に強いメーカ3選と、主力製品をまとめました。
(1)神栄テクノロジー株式会社
【特徴】
神栄テクノロジー株式会社は、衝撃試験装置のほかに加速度計測機器を専門的に取り扱っているメーカです。衝撃試験機のラインナップが幅広いため、どんな要望にも応えられる柔軟性があります。
①衝撃試験装置 PDST シリーズ
PDSTシリーズは、プルダウン方式の衝撃試験機です。衝撃テーブルをバネで強制落下させ、コンパクトかつ高パフォーマンスを実現した試験機となっています。
②振子式衝撃試験装置 PST-300
【引用:神栄テクノロジー株式会社 PST-300】
PST-300は、小型製品やマイクロデバイスに対応した卓上型高加速度衝撃試験機です。正弦半波パルスを利用し、任意の衝撃加速度を試験品へ加えられます。
③衝撃試験装置 ASQシリーズ
【引用:神栄テクノロジー株式会社 衝撃試験装置 ASQシリーズ】
ASQシリーズは、フラッグシップモデルとしてあらゆる衝撃試験へ対応できるモデルです。大型製品からマイクロデバイスまで、正弦半波・台形波パルスによる衝撃試験を実施できます。
【所在地】
住所:兵庫県神戸市中央区港島南町6丁目5番2
TEL:078-304-6790(代表)
FAX:078-302-1225
https://www.shinyei-tm.co.jp/index.html
(2)株式会社東洋精機製作所
【特徴】
株式会社東洋精機製作所は、材料評価試験機の専門メーカです。1934年創業と、90年近い歴史を持っています。幅広い衝撃試験機から選べるので、導入の際に適合する製品を見つけやすいでしょう。
①シャルピー衝撃試験機/アイゾット衝撃試験機|No.556
【引用:株式会社東洋精機製作所 シャルピー衝撃試験機/アイゾット衝撃試験機|No.556】
No.556 衝撃試験機は、シャルピーとアイゾット衝撃試験が行える試験機です。どちらの試験にも対応しつつ、計装化システムも選択可能。計装化の場合はシャルピー衝撃試験およびインベース法引張衝撃試験のみです。
②No. 556 計装化シャルピー衝撃試験機
【引用:株式会社東洋精機製作所 No. 556 計装化シャルピー衝撃試験機】
①でご紹介した、No.556 衝撃試験機の計装化システム採用版です。ハンマー衝撃刃と試験片支持台が付属しているので、シャルピー衝撃試験と引張衝撃試験がテスト可能となっています。
【所在地】
住所:東京都北区滝野川5-15-4
TEL:03-3916-8188(大代表)
FAX:03-3916-8313
https://www.toyoseiki.co.jp/
(3)株式会社安田精機製作所
【特徴】
株式会社安田精機製作所は、1955年創立の老舗メーカです。各種試験機に強く、プラスチックからゴム関連、電線からインキと幅広い営業品目があります。
①No.258-D・No.258-PC (手動)シャルピー・アイゾット衝撃試験機
No.258-D・No.258-PCは、シャルピー・アイゾット衝撃試験のどちらも行える試験機です。デジタル式のタッチパネルとメーターで分かりやすく、直感的な操作が行えます。
②No.258-L 衝撃試験機(低温槽付)
【引用:株式会社安田精機製作所 No.258 シャルピー衝撃試験機(アイゾット衝撃試験機)|4タイプをご案内!】
No.258-L衝撃試験機は、低温層内でのシャルピー衝撃試験・アイゾット衝撃試験が行える衝撃試験機です。低温下での衝撃テストを行いたい場合、こちらの製品を検討すると良いでしょう。
【所在地】
住所:兵庫県西宮市山口町下山口121-1
TEL:078-907-1511
FAX:078-907-1522
https://yasuda-seiki.co.jp/
3.衝撃試験機を導入するメリットとデメリット
衝撃試験機を導入すると、正確な衝撃テストが可能となります。とはいえ導入する上でのメリットだけではなく、デメリットも踏まえておく必要があるでしょう。
(1)衝撃試験機を導入するメリット
衝撃試験機を導入するメリットは、下記の3つです。
- 安心・安全な製品づくりを実現できる
- 詳しいデータを数値化して保管しておける
- 信頼性の高い結果を対外的に示せる
衝撃試験の目的は、想定される衝撃に対する強さだけではありません。どのように壊れるか、といった想定も必要です。とくに製品を作る際、壊れ方も踏まえて設計する必要があるでしょう。
例えば強化ガラスの場合、あえて粉々に割れるよう想定しているのが特徴です。想定通りに割れなければ、安全面が損なわれる場面もあります。
また衝撃試験機で得られた数値は、今後の製品づくりにも役立てられます。
(2)衝撃試験機を導入するデメリット
衝撃試験機はメリットで記載しているように、安心・安全なものづくりにおいて外せない試験機です。そのためあえて挙げるようなデメリットはないものの、機器選定の知識が必要な点はデメリットとなるでしょう。
正しくテストを行うためには、正しい知識と選定ポイントを押さえてなくてはなりません。でなければ正確なデータが得られず、信頼性が損なわれてしまいます。選定時には試験機の種類と材料、どういった目的かも踏まえて検討を行ってください。
もし選定が難しければ、知識のある専門メーカやFAコンサルタントへ相談を行うのも1つの手です。
4.衝撃試験機を導入したあとに生産性を上げるためのコツ
衝撃試験機を導入したら、試験の手順を標準化して「正しく誰もが運用できる状態」にしておきましょう。とくに衝撃試験は安心・安全なものづくりにおいて、根幹となる業務です。正しくテストが行われる状態を維持し、緊急時に正当な手順を踏んでいなかった…とならないようにしてください。
製品の試験を行う工程では、スピードよりも正確性が何よりも重視されます。結果としてヒューマンエラーが発生すれば、その損失は生産性を下げるどころではありません。定期的に監視・チェックも行いつつ、正確性を重視して運用していけるようにしましょう。
5.衝撃試験機の導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
本コラムでは衝撃試験機導入に関して、主要メーカや導入メリット、デメリットといった必要な情報を網羅的にご紹介しました。衝撃試験機は種類があり、自社の製品でどういった結果をテストするのか踏まえなければなりません。もし選定に悩んでしまった場合は、最適な製品を導入するためにもFAコンサルタントへ相談するのも1つの手です。
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