振動試験機の主要メーカ3選!選び方や生産性を上げるポイントも解説
世の中の製品は長時間、振動や疲労にさらされ続けているため、破損のリスクがつきものです。そのため品質保証の観点から、振動試験機を用いて破損のリスクを明らかにするのが一般的となっています。
この記事では、振動試験機の導入を考えている人向けに、機械の選び方や主要メーカの製品をご紹介します。導入することでどんなメリットがあり、またどんなデメリットがあるのかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
もし、振動試験機のコンサルティングを受けて、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 生産性アップして売上を上げたい
- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。
目次
1.振動試験機は軸数で選ぶ
振動試験機は振動させる軸数の違いで3種類あり、軸数による特徴から絞ると選びやすくなります。
軸数 | 特徴 |
1軸(または単軸) | ・1方向振動のみ ・基板や電子機器に最適 |
2軸(または2方向) | ・上下1軸、水平1軸 ・輸送試験に最適 |
3軸(または3方向) | ・上下1軸、水平2軸 ・実環境に近い試験に最適 |
以下より詳しく解説します。
(1)1軸(または単軸)
1軸振動試験機(または単軸振動試験機)は、1方向振動のみに振動を加える試験機です。また振動試験機のなかで最も普及しています。主に基板や電子機器に多く利用されている試験機です。
(2)2軸(または2方向)
2軸振動試験機(または2方向振動試験機)は、上下1軸と水平方向1軸を組み合わせた振動試験機です。単軸とは異なり、振動する方向を1方向増やしたことで貨物の輸送試験に適しています。
(3)3軸(または3方向)
3軸振動試験機(または3方向振動試験機)は、上下1軸と水平方向2軸を組み合わせた振動試験機です。単軸とは異なり、振動する方向を2方向増やしたことで実環境に近い試験ができます。
2.振動試験機の主要メーカと製品
ここからは振動試験機を独自で開発や販売しているメーカと製品を紹介します。どのようなメーカや製品があるのかの参考にご覧ください。
①株式会社振研
【特徴】
自社振動試験機の販売と受託試験を受け持つメーカです。試験所の認定も取得しており、新しい試験規格や急ぎの試験など様々な要望に答えてくれます。またオーダーメイドで振動試験機の製作も可能で、車シートの専用や4軸3軸など専用試験機の開発実績もある、技術力も高いメーカです。
【所在地】
〒192-0024 東京都八王子市宇津木町806-1
TEL:042-691-3371
【製品】
振研社では「1軸振動試験機」と「3軸振動試験機」を紹介します。
①1軸振動試験機(汎用振動試験装置 G-0シリーズ)
汎用振動試験装置 G-0シリーズには以下2つの特徴があります。
- 豊富なラインナップ
- 車両部品の試験も可能
装置サイズの違いで20種類のバリエーションがあります。最大振動数が2000Hz 以上あるため、自動車部品や電装機器の振動規格の試験に対応しているモデルです。
②3軸振動試験機(三方向振動試験装置 G-6シリーズ)
G-6シリーズには以下2つの特徴があります。
- 振動タイミングの違いから選べる
- 特殊軸受を採用し、なめらかな振動
G-6シリーズは三方向同時振動と、1方向を任意のタイミングで振動させる三方向切換加振型の2タイプから選べます。三方向切換加振型は3三方向同時振動よりコストを抑えられます。また振研社の三方向振動試験機の全モデルに独自揮発の特殊軸受けを採用しており、他社製品よりなめらかな振動を発生させることが可能です。
②エミック株式会社
【特徴】
全国に受託試験センターを展開し、海外にも拠点がある振動試験機メーカです。自社試験機の開発から保守・点検サービスまで手厚いサポートが特徴です。
【所在地】
〒141-0031 東京都品川区西五反田2丁目27番3号 A-PLACE五反田3階
【製品】
エミック社では「1軸振動試験機」と「小型振動試験機」の2機種を紹介します。
①1軸振動試験機(Fシリーズ)
Fシリーズには以下3つの特徴があります。
- 40年以上続くベストセラー製品
- ワイドレンジな振動数
- 高い耐久性
Fシリーズは40年以上続くベストセラー製品で、エミック社の代表製品です。大小の加振力1.3kN~60kNと幅広いレンジから製品を選べます。40年を超えるノウハウから耐久性も高い特徴があります。
②小型振動試験装置(9514シリーズ)
9514シリーズには以下2つの特徴があります。
- エアサスペンション搭載
- 全天候型
9514シリーズは駆動部にエアサスペンションを搭載したことで、製品重量の影響を受けない製品です。また防水性と結露、温度の耐久性に優れており、温(湿)度試験槽へ設置が可能です。これにより複合環境試験装置として使用できます。
③アイデックス株式会社
【特徴】
包装試験機と振動試験機の装置開発・販売に特化したメーカです。振動試験機は実機を持参してデモンストレーションしてくれます。また装置の貸し出しサービスもあり、サービス体制が充実した企業です。
【所在地】
〒193-0803 東京都八王子市楢原町594番地1
TEL. 042-626-0071
【製品】
アイデックス社は「1軸振動試験機」と「2軸振動試験機」を紹介します。
①1軸振動試験機(BF-45UA-E)
BF-45UA-Eには以下3つの特徴があります。
- コンパクト
- 直感でわかるタッチパネル
- インライン化可能
横幅530mm・奥行580mm・高さ630mmとコンパクトなサイズで、直感で操作できるタッチパネル付きの装置です。また他自動機と接続してインライン化も可能なモデルで、加賀他製品の省力化に向いています。
②2軸振動試験機(BF-50UD)
BF-50UDには以下3つの特徴があります。
- 最大積載50kg対応
- コンパクト
- インライン化可能
上下と左右の2軸振動試験に加え、コンパクトかつ最大積載量50kg対応のモデルです。BF-45UA-E同様にタッチパネル搭載で、インライン化も可能。生産ライン内での初期不良発見などに向いている装置です。
3.振動試験機のメリット・デメリット
ここでは振動試験機を導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかを以下の表にまとめましたのでご覧ください。
メリット | デメリット |
品質を確認できる | 加速度振幅や作用時間が限られる |
耐久性を証明できる | 他装置に影響が出る |
以下より詳しく解説します。
(1)メリット
①品質を確認できる
振動試験を取り扱う規格は、国内や国際標準化されたものまでさまざまな種類があります。目的に応じた試験を行うことで「初期不良の発見」や「故障」などを発見できます。試験の段階で不良品や耐久性に問題が無いかの品質を確認できます。
②耐久性を証明できる
製品を定められた振動試験機で検査すると、製品に対して信頼性が向上します。耐久性や初期不良などを確認できるため、試験に合格した製品は一定の耐久性がある証明になります。
(2)デメリット
①加速度振幅や作用時間が限られる
振動試験機は装置1つで使用できる加速度振幅や作用時間が限られています。大小さまざまな製品で振動試験機を使用したい場合、その製品に応じた試験機を用意しなくてはなりません。事前にメーカに問い合わせておくと良いでしょう。
②他装置に影響が出る
振動試験機は振動を発生させるため、他装置と接近して設置すると影響を与えてしまいます。とくに検査装置などが近くにある場合は、両メーカに装置距離間を確認して振動試験機を設置してください。
4.振動試験機を用いて生産性を上げるポイント
振動試験機を用いて、生産性を上げるポイントを紹介します。
(1)メーカに事前試験してもらう
振動試験機メーカの多くは独自の試験設備を保有しています。事前にテストしてもらい、製品に合った振動試験機を選んでもらうと安心して導入できます。
またメーカから出た試験結果をもとに基準を作成すると生産性を向上できます。
(2)振動波の種類を使い分ける
振動試験機の多くは振動波の種類を切り替えできます。振動波の種類と特徴を以下の表にまとめましたのでご覧ください。
振動波 | 特徴 |
正弦波振動試験 | 振動を一定周期で繰り返す試験法 主に耐振性の確認に使用 |
ランダム波振動試験 | 規則性のないランダム振動を与える試験法 主に3方向振動試験機で使用可能 電子機器や輸送関係で使用 |
衝撃試験 | 定められたピーク加速度と作用時間で衝撃を与える試験 主に耐久性などの評価に使用 |
それぞれの振動波の特徴を活かし、製品にどのような試験を行いたいか明確にしましょう。わからない場合はメーカに相談することをおすすめします。
5.振動試験機の導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
振動試験機の導入は振動する軸数の違いやメーカの種類が豊富です。そのため、用途に見合う装置を見つけるには時間と手間が必要です。
どの振動試験機を導入すれば良いかわからない、導入したけど上手く活用できていないなどでお困りの人は、株式会社FAプロダクツへお気軽にお問い合わせください。
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