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生産設備に関する記事

耐圧試験機とは?選定・生産性向上のポイントやメリット、6製品紹介

電気製品・電子部品は使い方次第で発火や誤作動といった重大事故に繋がりかねない不具合が発生します。そのため電子製品を市場に投入する際には、まず、開発段階で十分に安全性・信頼性を評価して各国の法規制適合の認証を受け、さらに量産段階で個々の製品について検査し、合格した製品だけを出荷するといった対応が必要です。

 本記事では電気製品において安全性・信頼性・法規制適合のために重要な特性の一つである耐電圧を測定する耐圧試験機について、用途や種類、導入時の注意点を解説します。

もし、耐圧試験機を導入して、

  • 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
  • 検査レベルを高めて品質価値を高めたい
  • どのメーカーの試験機を導入すれば良いかわからない

という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。

1.耐圧試験機とは

(1)耐圧試験機とは

耐圧試験機は、電気製品・電子部品が所定の電圧条件下で安全に機能するかどうかを確認するために行われる耐電圧試験のために用いられる装置です。

耐電圧試験の目的は電気製品・電子部品の安全性を確保することです。
製品が高電圧や雷などの電気的ストレスに耐えられるかどうかを評価し、電気ショックや火災などのリスクを最小限に抑えます。
また、耐電圧試験は製品が国や地域毎の法規制や業界基準に適合していることを確認するための手段でもあります。

(2)耐電圧試験の種類

耐電圧試験には大きく分けて以下の2種類があります。
目的に合わせて適切な試験装置を選定する必要があります。

①信頼性試験

信頼性試験は、電気製品・電子部品の開発段階において実施する試験です。
電子製品は長期間において正常に動作する必要があります。
しかし例えば10年間の動作保証が必要な製品の場合、製品の評価に10年かかっていては製品をタイムリーに市場に投入することができません。
そこで、開発段階において通常の使用環境よりも厳しい条件下で試験することで、試験期間を短縮します。
試験環境は想定する故障モードを想定し、高温・多湿・加圧・振動といったストレスを付加します。

信頼性試験に用いる耐圧試験機では、このようなストレスを付加できる装置が必要です。
また、試験期間は数時間で完了することもあれば、数ヶ月を要することもあり、通常は生産ラインとは分離したスタンドアロン型の装置となります。

②合否判定試験

合否判定試験は量産段階で個々の製品が設計の狙い通りの特性を有しているかを確認する試験です。
通常、生産ラインに組み込んで製品を全数検査します。
近年では、製品製造における上流工程のモニタリングデータと個々の製品特性の検査値を突き合わせ、データ解析によって検査NGの要因となる上流の加工工程を特定し、生産ライン全体の改善に繋げるような取り組みが主流となっています。

(3)耐圧試験機の構成

耐圧試験機は、一般的に次のような要素で構成されています。

①高電圧発生装置

高圧発生装置は、所定の電圧を生成して試験セルに印加する役割を果たします。
高圧発生装置は電力供給部や変圧器、制御回路、調整機構から構成されています。
これにより必要な電圧を安定して生成することが可能です。

②試験セル

試験セルは耐電圧試験時に電気製品を配置し、適切な試験環境を提供する役割を担います。
一般的に絶縁材料で作られ、電気的な絶縁や安全性が確保できるよう設計されています。
電気製品を固定し、試験電極との間に適切な距離を確保することで電気的な絶縁試験を実施します。

③試験電極

試験電極は、耐電圧試験時に電圧を印加するための導体です。
試験電極の端部は高電圧発生装置に繋がれ、もう片方の端は試験対象となる電気製品に接触し、所定の電圧を製品に印加します。
試験電極の形状や配置は、試験規格や試験対象の形状に合わせて適切に設計する必要があります。

2.耐圧試験機の選定ポイント

ここまで説明してきた通り、耐電圧試験にはいくつかの目的・種類があります。
耐圧試験機を選定する際には、まず試験の目的を特定し、目的に応じた装置選定が重要なポイントとなります。
また、装置を導入時の個別要件に対する対応力や、運用開始後のサポート体制も重要です。
以下、耐圧試験機の選定ポイントについて説明します。

(1)耐圧試験装置の構成

試験の目的に合わせて、適切な装置構成を有する耐圧試験機を選ぶことが重要です。
信頼性試験であれば、試験内容に応じて高温・多湿・加圧・振動といった評価環境を試験対象に付加することができるかがポイントになります。
合否判定試験であれば、生産ラインに合わせてインライン化が可能かという点も選定のポイントになります。

(2)耐圧試験装置のスペック

検査装置の代表的なスペックは電圧範囲、測定精度、試験速度があり、試験の目的に応じてスペックを定義する必要があります。

①電圧範囲

試験対象となる製品が通常どの範囲の電圧にさらされるかを考慮し、耐圧試験機の電圧範囲を適切に選定します。

②測定精度

試験結果の正確性を確保するために、装置の測定精度や解像度に注目しましょう。

③試験速度

試験の効率性を向上させるために、装置の試験速度や反応時間も考慮して選ぶことが重要です。

(3)メーカーのサポート

メーカのサポート体制も重要なポイントです。
以下のように、導入時・運用中それぞれの場面で、以下のようなメーカのサポートが必要になります。

①導入時

耐圧試験機の操作やトラブルシューティングに関する技術的なサポートが提供されているかを確認しましょう。
メーカーが適切なトレーニングやマニュアルを提供しているかをチェックし、必要なサポートが受けられることを確保します。

②運用中

耐圧試験機の保守や修理サービスが提供されているかを確認しましょう。
メーカーが迅速かつ信頼性の高い保守サービスを提供できるかを確認し、装置の長期的な運用における安心感を得ることが重要です。
また、技術の進歩や試験要件の変化に対応するために装置のアップグレードが可能かどうかを確認しましょう。
的なニーズに対応できる柔軟性を持った装置メーカーを選ぶことも大切です。

3.耐圧試験機導入のメリット

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 先述の通り電気製品・電子部品の品質・信頼性・安全性・法規順守といった要件を担保するため、メーカとしては耐電圧試験は必須の試験ですが、耐電圧試験を実施する手段としては、メーカが自社で実施する方法と外部に委託する方法があります。
ここでは耐圧試験機を導入し、自社で耐電圧試験を実施するメリットについて説明します。

(1)品質の観点

自社で耐電圧試験を実施することで、試験結果の直接的な把握し製品の品質に関する情報や改善点を素早く取り入れることが可能です。
これにより、品質の向上と不良品のリスク低減につながります。

また、自社で耐電圧試験を実施することで製品の品質を総合的に管理・評価し、対策を講じることができます。

(2)コストの観点

自社で耐電圧試験を実施することで、外部に委託する場合に比べて試験費用を削減することができます。
また、試験の結果やデータの管理においても、外部委託に関わる費用や時間を節約できます。

(3)納期の観点

自社で耐電圧試験を実施することで、外部に委託する場合に比べて試験のスケジュールや待ち時間に関する調整が不要になり、製品の開発・製造プロセスのスピードを向上させることができます。
また、試験結果の迅速な取得が可能となり、不具合発生時の設計変更や工程変更といった意思決定をタイムリーに行うことができます。

4.耐電圧試験実施において生産性向上のポイント

耐電圧試験実施において生産性を上げるポイントは、信頼性試験と合否判定試験とで異なります。
以下、それぞれの試験における生産性向上のポイントを説明します。

(1)信頼性試験

信頼性試験は数時間から数ヶ月の期間をかけて、電気製品・電子部品の耐電圧を試験します。
長期間かけて試験したにも関わらず、規定のストレスを試験対象に負荷できていなかった場合、再試験が必要になることもあります。
そのため信頼性試験においては、試験環境の確実な構築が重要です。
手戻りを発生させないため、試験セルの密閉性や試験対象を固定する治具の設計がポイントになります。

(2)合否判定試験

製品を全数試験する合否判定試験は、生産ラインよりも生産能力が低いと検査前の製品が工程内に滞留するため、少なくとも生産ラインと同等の生産能力を確保することが必要です。

耐電圧試験の生産性を向上させるには、以下の方法が考えられます。
①試験時間を短縮する
②試験の段取り時間を短縮する
③一度に試験する数量を増やす

①試験時間を短縮する

試験内容によりほぼ決定するため、生産性向上のための手段として現実的ではありません。

②試験の段取り時間を短縮する

耐電圧試験工程を生産ラインにインライン化することで段取り時間を短縮することができます。
また、生産ラインとは分離し、独立した手作業による検査工程の場合でも作業性を考慮した治具の設計により段取り時間を短縮することができます。

③一度に試験する数量を増やす

インライン化する場合でも独立した手作業による場合でも、一度に複数の検査対象を試験機にセットして検査することで生産性を向上させることができます。
一方で複数の製品を同時に検査することにより、検査時の印加電圧や電極のコンタクト圧のばらつきが大きくなるデメリットもあります。

以上のように、②試験の段取り時間を短縮する、③一度に試験する数量を増やすの2つの手段により生産性を向上することができますが、いずれの方法も自動ライン構築や治具設計の知見が必要です。

5.おすすめの耐圧試験機メーカー3選

菊水電子工業株式会社


出典:菊水電子工業株式会社

据置型直流安定化電源、耐電圧試験器に強みを持つ国内トップ企業です。
世界各国の安全基準に対応した試験機をラインアップしており、国内外の多くの電気・電子機器メーカに採用されています。

(1)多機能 直流電子負荷装置


用:菊水電子工業株式会社 多機能 直流電子負荷装置

定電流、定抵抗、定電圧、定電力、定電流+定電圧、定抵抗+定電圧の6つの動作モードに加えて、電圧入力に対して任意の電流設定が可能な任意IV特性(ARB)モードを新たに搭載した、高性能な直流電子負荷装置です。

(2)高電圧大容量 直流電子負荷装置 


用:菊水電子工業株式会社 高電圧 直流電子負荷装置

1kWのベンチモデルから単一セットで20kWの高電圧大容量モデルまで幅広くラインアップ。負荷に合わせて最適な容量を選択できます。

【所在地】
横浜市都筑区東山田1丁目1番3号
TEL:045-593-0200(代表)
https://kikusui.co.jp/

②日置電機株式会社


出典:日置電機株式会社

1935年の創業以来、電気計測機器の製造に取り組んできた信頼性の高い企業です。
金属非接触電圧計測技術や高感度電流計測技術といった、先進的かつ特徴的な技術をベースに、研究開発にも注力しています。

(1)DC耐電圧絶縁抵抗試験機


引用:日置電機株式会社 DC耐電圧絶縁抵抗試験機

さまざまな安全規格に基づいたDC耐電圧試験と絶縁抵抗試験ができる測定器です。

(2)インパルス試験機


引用:日置電機株式会社 インパルス試験機

インパルス巻線試験器は応答波形から特徴量LC・RCを同定します。回路定数値として定量的に扱うことができるため、数値データを元に判定するしきい値を明確に設定することができます。

【所在地】
長野県上田市小泉81
https://www.hioki.co.jp/jp/

③株式会社計測技術研究所


出典:株式会社計測技術研究所

エネルギーやカーエレクトロニクス分野を対象とした 電源機器や映像機器、電子計測器を扱うメーカーです。
耐圧試験受託サービスも行っています。

(1)超高電圧耐電圧試験器


引用:株式会社計測技術研究所 超高電圧耐電圧試験器

試験プローブが確実に接続されていることを自動的に確認する「コンタクトチェック機能」や作業者を危険な感電から守る「スマートGFI機能」を標準装備し、試験手順を50のメモリに記憶して内蔵の試験機能を様々なシーケンスで実行可能な耐電圧試験機です。

(2)ポータブル安全試験器


引用:株式会社計測技術研究所 ポータブル安全試験器

質量5.46kg、設置面積がA4用紙サイズに収まるというコンパクトサイズの次世代安全試験器です。

【所在地】
神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎南2-12-2
TEL : 045-500-9846
https://www.keisoku.co.jp/

6.耐圧試験機導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツ

本コラムでは耐圧試験機の概要から、耐圧試験機の選定ポイント、導入のメリット、生産性向上について説明してきました。

株式会社FAプロダクツでは、耐圧試験機の選定から導入時の治具設計、運用時の生産性向上に至るまで豊富な知見から適切なコンサルティングを行います。耐圧試験機の選定・導入やサポート依頼・相談は、株式会社FAプロダクツへぜひお問い合わせください。

【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
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「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】
産業用ロボット
生産設備合理化・省力化の設計及び製作
基板電気チェッカーや貼合・折曲など
治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

 

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つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317