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マシニングセンタ2
生産設備に関する記事

マシニングセンタとは?基礎知識、種類や構造、主要メーカー3選

マシニングセンタは、1台でさまざまな加工に対応できる汎用性の高い加工機です。自動車業界を始め、多くの製造業で生産装置として「ものづくり」を支えています。
この記事では、マシニングセンタの特徴や種類、導入することで期待できる効果を解説します。マシニングセンタを導入しようか検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

マシニングセンタのコンサルティングを受けて、
・省力化、省人化してコストダウンしたい
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・人的ミスを減らして品質価値を高めたい
・どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない
という場合は、お気軽に株式会社FAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。

1.マシニングセンタとは?特徴と構造

マシニングセンタ6

マシニングセンタは、フライス加工や穴あけ、ねじ立てなどの多様な加工を連続して行える高度な工作機械です。
ここではマシニングセンタの主な特徴とその構造、さらにマシニング加工の基本について詳しく解説します。

(1)マシニングセンタの特徴

マシニングセンタは、自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)とコンピュータ数値制御(CNC:Computer Numerical Control)が備わっていることが特徴です。ATCとCNCの技術があることで、マシニングセンタは1台で多様な連続加工を実現できています。
材料を加工する際には、加工工程に応じた工具の使い分けが必要です。ATCが搭載されていない加工機の場合、加工機を停止させた状態での人手による工具交換や、他の加工機へ材料を載せ替える作業が発生するため連続加工はできません。

一例として、マシニングセンタでは次のような工具を使用します。
・フライス加工:正面フライスやエンドミル
・穴あけ加工:ドリルやリーマ
・ねじ立て加工:タップ

マシニングセンタでは、CNC加工プログラムを用いて工具交換も制御できます。ATCとCNCの技術により工具交換が自動化されているので、1台でさまざまな加工が可能なのです。

(2)マシニングセンタの構造

マシニングセンタは、主にベッド、コラム、テーブル、主軸頭などから構成されます。マシニングセンタの方式により構造は若干異なりますので、ここでは主な構成部位を説明します。

マシニングセンタ4 ベッド マシニングセンタの最下部に位置する基盤部分
コラム ベッドに固定され装置の背骨の役割
テーブル 工作物を固定する台
主軸頭 工作物を加工する工具を固定する

これらの構造部品が精度よく組み合わされ位置関係を維持しながら稼働することで、高速かつ精度の高い加工が実現します。

(3)マシニング加工とは

マシニング加工とは、マシニングセンタにより工具を回転させ、切削や穴あけなどの加工をすることです。選択できる材料は金属に限らず、プラスチックや木材などの固体材料があります。

マシニング加工の代表例には、次のような工程があります。
・フライス加工:外形の平面加工や溝を掘る加工
・穴あけ加工:材料に穴をあける
・ねじ立て加工:穴の内面にねじ溝を立て、めねじを形成する

マシニングセンタは上記の加工方法を組み合わせることで、さまざまな形状の加工を実現します。

なお研削加工や放電加工、レーザ加工などは以下の記事を参考にしてください。

2.マシニングセンタとNC工作機械との違い

マシニングセンタ3

マシニングセンタとNC工作機械との明確な違いは、自動工具交換装置(ATC)を備えているか否かです。マシニングセンタにはATCが必ず搭載されていますが、NC工作機械にはATCは搭載されていません。
ここではNCフライス盤を例として、マシニングセンタとの違いを解説します。

(1)NC工作機械とは

NC工作機械とは、数値制御(NC:Numerical Control)を用いて材料を自動加工する機械のことです。
予め作成されたNCプログラムの指令に基づき、切削や穴あけなどの精密な加工をNC工作機械は実施します。一度NCプログラムを作成してしまえば、複雑形状であっても繰り返し精度が高い加工を実現できるため、NC工作機械は量産品の加工に特に重宝されています。

なお近年は、コンピュータで工作機械を制御することが一般的になりました。このためコンピュータ数値制御(CNC)の表記をとったCNC工作機械とNC工作機械は、ほぼ同じものを指す場合が多いです。

NC工作機械については以下の記事を参考にしてください。

(2)NCフライス盤との違い

NCフライス盤とはNC制御が搭載されたフライス盤のことで、マシニングセンタと違う点は自動工具交換装置(ATC)の有無です。マシニングセンタはATCにより自動で工具を交換できますが、NCフライス盤は手動で行います。

NC工作機械の登場により加工の自動化が可能となりましたが、NCフライス盤では工具交換までは自動化できません。加工工程が変わるたびに作業者が工具交換を行います。工具交換の間、加工作業は停止されているため、工具を自動で交換できないことは生産性の低下につながっていました。
そのような背景から、加工全行程を自動化させるために開発されたのがマシニングセンタです。マシニングセンタによって加工作業の無人化と短納期化が実現され、より低コストなものづくりを行えるようになりました。

また、NC旋盤については以下の記事を参考にしてください。

.マシニングセンタの種類

マシニングセンタ5

マシニングセンタは、大別すると4種類に分けられます。分類方法は、主軸の向きや構造、駆動軸数の違いによるものです。それぞれの方式によって異なる特徴がありますので、順番に解説します。

(1)立て形マシニングセンタ

マシニングセンタ7

マシニングセンタの中でも、主軸が垂直方向に配置されているものを立て形マシニングセンタといいます。

立て形マシニングセンタの特徴は次の通りです。
・加工の向きを図面と一致させやすく、加工ミスが少ない
・切削工具の刃先と工作物との接近距離が見えやすい
・比較的コンパクトで省スペース

立て形マシニングセンタのメリットと注意点は以下の通りです。

メリット 注意点
・工作物の上面を削っていくので、図面と同じ向きでの加工を進めやすく、加工ミスが少ない傾向
・主軸は上下移動なので、工具の刃先と工作物との距離感をつかみやすい
・コラムの剛性が不十分だと、切削抵抗によって振動が発生し加工精度が悪化する
・切りくずが溜まりやすい
・切りくずが溜まったら、適宜、圧縮エアや切削油を流して取り除く


(2)横形マシニングセンタ

マシニングセンタ1

主軸が水平方向に配置されているマシニングセンタのことを、横形マシニングセンタといいます。

横形マシニングセンタの特徴は下記の通りです。
・切りくずが自重で落下し、溜まりにくい
・背の高い工作物でも保持しやすい
・加工効率を高める工夫がしやすい

横形マシニングセンタのメリットと注意点は以下の通りです。

メリット 注意点
・水平方向での加工となるため切りくずが堆積しにくい
・側面加工なので背の高い工作物の固定に向いている
・工作物の持ち替えが発生しなければ、加工精度を保ちやすい
・回転テーブルに加え多面イケールという治具を設置することで、一度の段取りで多数の工作物の加工ができる
・切削工具が横向きのため、工作物との距離感をつかみにくい
・加工ミスが起きやすい

(3)門形マシニングセンタ

マシニングセンタ8

2本のコラムとクロスレールにより門形を成すマシニングセンタを、門形マシニングセンタといいます。
門形マシニングセンタは、主軸の向きは立て形マシニングセンタと同じですが構造が異なります。ベッドを挟むように2本のコラムが立っており、コラムを繋ぐ形で水平に走っているのがクロスレールです。

門形マシニングセンタの特徴は下記の通りです。
・主軸の配置は垂直方向
・大型部品の加工に向いている
・角度可変できる構造の主軸とすることで、5面加工が可能

門形マシニングセンタのメリットと注意点は以下の通りです。

メリット 注意点
・主軸を角度を可変できる構造にしておけば、工作物の持ち替えなしで5面(上面1面+側面4面)の加工が可能
※このことから門形マシニングセンタは、5面加工機といわれる場合もある
・設置面積が大きい

門形構造とすることでX軸方向に長いテーブルを配置できるため、船舶や航空機などで使われる大型部品の加工にて門形マシニングセンタが活用されます。設置面積が非常に大きいため、一般的な製造現場や教育機関では門形マシニングセンタはなかなか見られません。

(4)3軸加工機と5軸加工機

マシニングセンタは駆動軸の数によって3軸加工機5軸加工機に分類することもできます。

3軸加工機と5軸加工機の特徴は以下の通りです。

3軸加工機 5軸加工機
・X、Y、Zの3軸が直線運動を行うことによって工作物を加工する
・一般的なフライス盤も3軸加工機に含まれる
・3軸加工機の動作に加え、主軸またはテーブルの傾斜、回転が可能
・駆動軸が増えたことで、3軸加工機では困難だった複雑形状への対応も可能に

3軸加工機と5軸加工機については以下の記事で詳しく解説されていますので参考にしてください。

4.マシニングセンタを導入するメリット

マシニングセンタ9

ここでは、マシニングセンタが実際にどんな役に立つのか、マシニングセンタの導入によって得られる具体的な3つのメリットについて解説します。

(1)加工の自動化により人件費削減につながる

マシニングセンタの導入により、人件費の削減が期待できます。従来は人手で作業していた内容でも、マシニングセンタによって大部分は自動化・無人化が図れるためです。
作業者は段取りまでを行っておけば、あとはマシニングセンタが勝手に仕事をしてくれます。加工中、熟練の技能者が加工機に張り付いている必要はありません。工夫次第では、24時間体制を取ることもできるでしょう。

もちろん完全な無人化は、まだ実現できていません。トラブル対応や調整、メンテナンスなどでは人手が必要だからです。それでも加工時間の大部分を自動化できれば、人件費の削減に大きく貢献できるでしょう。

(2)同一形状の量産加工が容易に対応できる

量産対応が容易になる点も、マシニングセンタを導入するメリットです。
マシニングセンタは高精度、かつ高い繰り返し再現性をもっています。一度プログラムを設定し品質確保ができれば、同一形状の部品を量産するのは簡単です。
自動車部品を始めとして、実際の多くの業界でマシニングセンタによる量産加工部品が使用されています。

我々消費者に低コストで提供されている工業製品を支えているのが、マシニングセンタによる量産加工の技術なのです。

(3)複雑形状の加工に対応できる

マシニングセンタを活用すれば、人手での機械操作では加工困難な複雑形状の加工にも対応できます。特に5軸加工機では、複雑に交わる曲面部やアンダーカット(影になっている部分)への対応が可能です。インペラー(羽根車)や人工関節の曲面部など、従来の工作機械では加工困難だった形状もマシニングセンタによって製造できるようになりました。

このようにマシニングセンタはさまざまな形状を生み出せるため、多くの業界のものづくりを支えています。

5.マシニングセンタの主要メーカー3選!

現在、多くのメーカーがマシニングセンタを製造販売しています。ここでは特に注目すべきマシニングセンタのメーカー3社について特徴を見ていきます。

(1)DMG森精機株式会社

【参考動画】

引用:INH 63 / INH 80 DMG MORI史上最高の5軸制御横形マシニングセンタ

DMG森精機株式会社は、5軸加工機の他、複合加工機やCNC旋盤で強みを持つ世界最大手の工作機械メーカです。
主力製品である5軸加工機は、過去10年間で世界に3万台以上の納入実績があります。

(2)オークマ株式会社

【参考動画】

引用:高精度5軸加工と旋削加工の工程集約、省スペースな自動化ソリューション/5軸制御マシニングセンタ MU-6300V-L 【オークマ】

オークマ株式会社は「高精度で使いやすい機械を開発する」という信念のもと、独自のセンシング技術や使いやすさに磨きをかけています。
主力製品には5軸加工機、5面加工機(門形マシニングセンタ)、複合加工機、CNC旋盤などがあります。

(3)ヤマザキマザック株式会社

【参考動画】

引用:最も売れる門形マシニングFJV 5 Face-60/80【JIMTOF2022出展機】

ヤマザキマザック株式会社は、Iot技術や独自ソフトウェアを活用したスマートファクトリー化支援に力を入れている工作機械メーカです。
マザックのデジタルツインソフトウェア「MAZATROL DX」にて加工機と3DCADデータとを連携させることで、オフィスPC上でのデジタル段取りが可能となり加工機の稼働率向上が期待できます。

6.マシニングセンタ導入に関するご相談はFAプロダクツへ

FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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