【図解】半導体検査とは?ウェーハ外観検査装置メーカー5選
目次
1.はじめに
かつてラジオは真空管を使って作られ普及しました。1960年ごろから真空管に変わってトランジスタが普及し、もっぱらラジオといえばトランジスタラジオという名称となり、電気を学んだ人はトランジスタラジオに挑戦していたようです。
トランジスタが作られる基本が半導体です。このトランジスタは電気機器だけでなくコンピュータの基本回路ともなっています。
半導体を多数の回路として集め、1つの回路のようにしたものが集積回路ICです。ICはさらにLSIのように集積度を上げ、さらに目に見えないほどの小さなものとして、スマートフォンのように、私たちの身の回りの電気機器に欠かせないものとなっています。
このコラムでは、電気機器の品質と安全を保障する、半導体検査装置について紹介します。
また、半導体検査装置をラインに追加して、
・省力化、省人化してコストダウンしたい
・生産性アップして売上を上げたい
・人的ミスを減らして品質価値を高めたい
・どのメーカーのロボットを使えば効率的かわからない
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2.半導体製造とは
まずは半導体チップの製造工程の例をご紹介します。
図1は、半導体がシリコンからICチップに至るまでの製造工程を紹介しているイメージ図です。
シリコンを高純度で精製したインゴットから、輪切りとしてウェーハが作り出されます。ウェーハ上に半導体回路を作るために、回路図が設計に基づいて描かれ、ウェーハ上にその回路パターンが転写されます。ウェーハは数百のブロックに分かれ、それぞれに回路が転写されます。
ウェーハ上のチップはそれぞれ切断され、パッケージ上に設置されます。ウェーハからチップが切り取られることが、ダイシングです。このパッケージはチップとワイヤリング接続され、電気的に接続されます。
このパッケージがIC集積回路で、ICチップという表現は集積回路の呼び方の一つです。
3.半導体検査装置とは
前章で半導体チップが作り出されるまでの工程についてご紹介してきました。
半導体チップが信頼性を確保するために工程ごとに検査して、目的通りのものが作られているかを検査することが重要です。その役目を負うものが、半導体検査装置です。
表1では、検査する項目について紹介しましょう。
表1 半導体検査項目
製造工程 | 検査項目 | 検査装置・方法の例 | 備考 |
ウェーハ製作 | ウェーハの歪み | 高解像度カメラによる外観検査 | いずれの検査でも画像を得るために、検査に特化した画像解析ソフトウェアが必要です。 |
ウェーハの割れ・エッジ欠け | 高解像度カメラによる外観検査 | ||
異物付着 | 赤外線カメラによる異物有り無し検査 | ||
ウェーハ上回路製作 | 異物付着 | 赤外線カメラによる異物有り・無し検査 | |
異物形態 | 電子顕微鏡による詳細画像解析・評価 | ||
回路パターンのずれ | 測長電子顕微鏡による計測 | ||
電気特性不良 | テスタによる特性検査 | ||
ダイシング時の寸法不良 | 高解像度カメラによる外観検査 | 画像を得るために、検査に特化した画像解析ソフトウェアが必要です。 | |
パッケージ化 | 電気特性不良 | テスタによる特性検査 | |
ワイヤーボンディング不良 | 高解像度カメラによる外観検査 | 画像を得るために、検査に特化した画像解析ソフトウェアが必要です。 |
シリコン塊からICパッケージまでの半導体製造工程は、図1で紹介した以上に複雑な工程が含まれます。
したがって、半導体の検査も多く、また、検査手法もメーカーごとに工夫を凝らしたものとなっていて、表1の検査項目と方法は、ほんの一例です。
⇒【図解】検査装置のカメラとは?画像処理とは?おすすめのメーカー5選
4.半導体検査装置の例(ウェーハの外観検査)
この章では、3章で紹介した検査方法について、そのイメージを図で紹介します。
図2は、ウェーハを検査する外観検査のイメージです。
ウェーハの外観検査には、回路パターンを写す前と後で、異物を検査します。回路パターンを写す前の異物検査は、主として納入時のウェーハメーカーが行う検査です。異物だけでなく、傷や欠け、ゆがみなどの検査も行います。
回路パターンを写した後の異物検査は、半導体製造マーカーが行う検査です。ウェーハ上の異物には、ほこりなど付着による異物と、パターン転写時のズレによる異物化したものがあります。
図3は、ウェーハの異物を電子顕微鏡で検査するイメージ図です。
この検査では、図2のような異物検査をレーザーで調べた異物位置から、電子顕微鏡を位置づけ、異物の詳細を画像として記録し、他の異物の形状などの詳細情報を解析と評価を行います。
ウェーハの異物は、ランダムに発生する異物と、機械などの調整不足から同じ場所に発生する異物があります。同じ場所に発生する異物は、製作されるウェーハ全部に発生する可能性が高く、歩止まり率の低下が予想されます。
そのため、異物の状態を調べ、真の原因を突き止めることで、ウェーハの信頼性と生産性を確保することができます。
図4はウェーハ上に回路パターンが写された後に、回路の電気特性が正常かどうかの検査を行う、検査装置のイメージです。
電気特性の検査は、プローブ上に設置されたウェーハを、テスタで半導体の電極に当たって調べます。プローブによってウェーハをテスタ位置に設置することで、検査の自動化も可能です。
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5.半導体検査装置関連メーカー5選
①株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
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また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
②東レエンジニアリング株式会社
https://www.toray-eng.co.jp/index.html
写真は、東レエンジニアリング社製ウェーハ外観検査装置INSPECTRA SRシリーズです。
【所在地】
東京都中央区八重洲1丁目3番22号
【営業品目】
◆エンジニアリング事業
プラントエンジニアリング、フィルム関連製造装置、ファクトリーオートメーション、二次電池製造装置および製造システム
◆エレクトロニクス事業
FPD・半導体関連接合・封止・加工装置、FPD関連塗布装置、FPD・半導体関連検査装置、環境・プロセス関連検査・計測装置、デバイス、システムソリューション
【特徴】
東レエンジニアリング社は、1960年に東レの設備部門が独立し、生産設備のプラント建設をはじめとした生産設備の建設に携わっています。その後、繊維・医薬品を初め半導体やFPDの設計・製造へと事業の幅を広げてきています。
半導体設備の事業では、表面形状測定装置・ウェーハ外観検査装置・チップ外観検査装置・ウェーハ内部欠陥検査装置・重ね合わせ測定装置・高速マイクロバンプ測定装置・レビュー装置などの設計・製造を行っています。
その中で、ウェーハ外観検査装置INSPECTRAは、半導体製造の前工程から後工程まで、高速・高感度で全数検査を実現可能としています。
さらに、良品学習アルゴリズム(DSI比較法)を使い、プロセス変動要因の吸収と擬似欠陥発生抑制により、ターゲット欠陥のみ検出できることが特徴です。
③日本電子株式会社
写真は、日本電子社製JSM-IT500HR InTouchScope走査電子顕微鏡です。
【所在地】
東京都昭島市武蔵野3丁目1番2号
【営業品目】
理科学計測機器(電子光学機器・分析機器、計測検査機器)、半導体関連機器、産業機器、医用機器の製造・販売・開発研究、およびそれに附帯する製品・部品の加工委託、保守・サービス、周辺機器の仕入・販売
【特徴】
日本電子社は1940年後半に電子顕微鏡の試作研究を始めてから、一貫して電子顕微鏡の設計・製造に取り組み、電子顕微鏡の事業発展と社会貢献を果たしてきています。
日本電子社の製品は、走査電子顕微鏡、イオンビーム応用装置、微小領域分析・表面分析装置、X線分析装置、質量分析計、成膜関連機器・材料生成機器、自動分析装置と幅広い製品群です。
日本電子社の走査電子顕微鏡(JSM-IT500HR InTouchScope)は、高輝度電子銃を搭載して、高画質観察と高空間分解能分析が素早く行えるSEMです。
省設置スペース、試料交換ナビによる安全で簡単な試料交換、観察中常に元素分析結果が表示される機能の搭載などの特徴があります。
④株式会社プラムファイブ
http://www.plumfive.co.jp/index.html
写真は、プラムファイブ社製ウェハプローバPCP-302Nです。
【所在地】
神奈川県横浜市青葉区荏田町311-3
TEL:045-914-4545
【営業品目】
◆半導体検査装置
半導体検査装置の設計、製造、販売、システムソフトウエア開発、メンテナンス
・ウェハプローバ
・プロービングハンドラ(フィルムフレームプローバ)
・レーザーマーキングシステム
・半導体特性測定システム
◆システム開発 気象防災システムの開発
・J-ALERT – 自動告知システム
・防災情報運用システム
【特徴】
プラムファイブ社は、1989年の創業から、半導体検査装置とシステム設計と保守を2つの柱として事業を発展させてきた会社です。
半導体検査装置事業では、検査装置の設計・製造・販売・ソフト開発を一貫しているところが、ユーザーにとって有益なサービスとなっています。システム開発事業では、気象防災システムの開発を行い、社会に貢献していると言えます。
半導体検査装置のPCPシリーズは、ダイシング後のプロービングを行うプローバで、当社オリジナルで開発されたXY位置補正機能を搭載したことが特徴です。特に、顧客製品でのアライメント成功実績が100%ということは、特筆すべきことでしょう。
また、特徴の一つのXY位置補正機能とプロファイリング機能を採用したことで、温度によるウェーハの膨張に対して、効果的な位置補正を可能としています。
⑤コペル電子株式会社
写真は、コペル電子社製パワーモジュ-ル動特性検査装置です。
【所在地】
神奈川県厚木市船子43
【営業品目】
半導体測定装置・検査装置、電子計測器、メカトロニクス関連機器、電子応用機器、理科学装置、コンピュータ関連機器の開発・製造および販売
【特徴】
コペル電子社は、1960年後半に創業し、測定・検査システムの業務分野で会社を成長させてきましたが、それはエレクトロニクス、メカトロニクス、コンピュータの3つの柱に支えられてきた結果です。
同社のパワーデバイスを測定するパワーモジュ-ル動特性検査装置は、1台の装置でスイッチングタイム、VCE(SUS)、負荷短絡測定を実現しています。また、高温及び低温環境の下で、動特性(AC特性)の測定に最適という特徴があります。
さらに、同社のストレーインダクタンス動特性検査で、超低Lsの測定ができるという特徴も持ち合わせています。
6.半導体検査装置導入のご相談はFAプロダクツへ
このコラムでは半導体検査装置について紹介してきましたが、半導体関連の技術がいかに微細なシリコンに繊細な回路が築かれ、ロケットをもコントロールする超巨大なパワーを秘めていることに驚かされます。
それを成功させることができたものは、半導体の製造技術もさることながら、できたものの超微細な欠陥も見過ごさない、検査装置の貢献が一つの要因と言えるでしょう。
そういう意味で、今回コラムで紹介した検査装置関連メーカー5社のほかに、今回紹介しきれなかった多くのメーカーが現代社会に貢献した功績は偉大と言っても過言ではないでしょう。
これらのメーカーの持つ技術力は、製造メーカーなど半導体に関係する人にとって、困ったことを解決できる力を持っているということです。もし、製造で困ったことがあれば、気軽に相談することで、さらに良いものを作る糸口になることでしょう。
各種検査装置の導入をご検討の際は、お気軽にFAプロダクツまでご相談ください。
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