【図解】画像処理装置について解説。種類ごとの画像処理メーカー7選
目次
1.はじめに
街を歩くとき、ビル内に入ったときなどに、必ずと言ってよいほど、カメラに監視されています。
カメラは車載用に、スマートフォンにと、身の回りにその存在感を示しています。
工場内を見回すと、
・ロボットを使った製品のピックアップ、
・工作時の位置決め、
・製品の検査機器
と、スムースな工場稼働のために、カメラを使った画像処理が必要不可欠です。
これらの画像を使った機器の台頭した背景の一つが、画像処理の方式や、画像処理機器の性能アップでしょう。
画像の結果が出るまでの高スピード化、画像処理結果の鮮明化、画像結果判定の高度化など、画像処理装置に関する技術の向上は、今も続いています。
画像処理と聞くと、パソコンで画像データを取り込んで、画像を加工し表示する「アレかな?」と想像します。
しかし、その想像は、表示画像の鮮明さなど表面に見えるものだけで、画像処理を行う機器にまで想像は及ぼないのではないでしょうか。
このコラムでは、画像処理を行うために何が必要で、何をしているかについて、ご紹介します。
もし、検査・検品に画像処理を導入することで、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 検査レベルを高めて品質価値を高めたい
というご希望がございましたら、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。
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2.画像処理とは?
画像処理は、例えば、ヒトが物体の大きさを推定することに似ています。
図1は、ヒトがワークを見て、その大きさを測定する様子を描いています。
ヒトの眼は、ライトに照らされたワークを見て、その情報を脳に受け渡します。
脳は、ワークの画像を頭に描いた上で、その特徴を捉え、求める大きさを計測します。
そして、計測結果からNGかOKかを判断し、対応します。
私たちの身の回りで画像処理を行う機械も、同じように対象物の画像を捉え、その画像から特徴を見つけ出し、計測と判定を行います。
この画像処理を行う機械が、画像処理装置です。
3.画像処理装置とは?
画像処理には、セキュリティシステムで監視カメラの映像を解析する装置、ロボットで位置決めする装置、車の自動運転を行う装置など、いろいろな分野で使用されています。
どの分野システムであっても、画像を得て処理する方式はほぼ同じです。
この章では、製造ラインで製品検査をイメージし、その検査を行う機器全体を画像処理装置として図解しています。
画像処理装置は、メーカーごとにその名称や、構成が異なります。
名称では、画像処理装置、画像処理システム、また単に画像処理などの名称があります。
また、例えば、カメラのメーカーが、自社のカメラとCPU内臓の画像処理専用機を接続し、画像処理装置として販売するケースもあります。
このコラムでは、画像処理を行うために必要な機器と、得られた画像を計測できるように処理し、その結果を判定し、NGやOKなど評価するまでの処理を行う機器を、画像処理装置として紹介します。
下記の図2は画像処理装置のイメージ図です。
カメラは、検査対象のワークの状態を捉えますが、カメラで写すためには、照明でワークを照らす必要があります。
カメラは、レンズとCCDやCMOSで構成され、捉えた画像をディジタルデータとして、画像処理を行うコンピュータに送信します。
コンピュータでは、画像処理のソフトによって、画像が解析・計測されます。
はじめに、ノイズが含まれる元図から、
①ノイズを取り除く前処理が実施され、
②ノイズを削除した画像を計測しやすい画像に改変・変形し、
③計測を行います。
4.画像処理の構成装置
画像処理装置は、図2で紹介したような構成になっています。この章では、それぞれの構成部ごとに紹介します。
(1)照明
下記の図3では、照明の方式についてご紹介します。
- 正反射方式
ワークの斜め上から照射し、ワーク表面で反射したワークの像を撮像する方式です。照明角度変更によって、ワークが異なっても対応可能です。 - 透過方式
ワークの裏側から照射し、ワーク表面からの像を撮像する方式です。輪郭部を高いコントラストで捉えられます。 - 同軸落射方式
ワークに照射する光軸と、カメラの光軸を一致させる方式です。影の発生が少ない特徴があります。
照明の種類には次のものがあり、色、明るさ、寿命、応答時間に長所・短所があり、使われる状況に応じて選択すればよいでしょう。
- LED
- ハロゲン
- 蛍光灯
(2)レンズ
下記の図4で紹介する画像処理は、レンズの方式です。
図4の上側の図は、通常のレンズの方式です。
- 通常のレンズの方式
物体の距離が光軸方向に移動すると、測定誤差が生じ、像がぼけます。 - テレセントリックレンズの方式
焦点部に絞りがあり、光軸に平行な光しか入らないため、物体の距離が光軸方向に移動しても、像がぼけません。
レンズを決定するには、ワークの状態をどのように写すかによって、次の項目を決める必要があります。
- ピクセルサイズ
- 倍率
- 焦点距離
- レンズのマウント方式
- 照明
(3)カメラ
下記の図5では、カメラの撮像方式について紹介します。
- エリアセンサ
検査対象ワーク全体を撮像する方式で、1回に全体画像を取得できます。ワークの取得できるエリアは、30万画素、160万画素のようにカメラの解像度で決まります。 - ラインセンサ
1列分のCCDによってラインの情報を得ます。ワークが流れている場合に、連続して画像が得られる効果があります。1024画素ラインカメラのような呼び方がなされます。
◆カメラの種類
- カメラには、その他に、モノクロ用と、カラー用があります。
- カラーカメラは、データ量が多くなるため高性能の画像処理を必要とされ、色ムラの検出などカラーに限った検出が望まれる場合に使用されます。
- カラーであっても、ワークのキズだけを検出するような場合は、カラー照明を当てることで、モノクロとして検出できる場合があります。
- 複雑な検査、異なる特性の画像を得るなどは、複数台のカメラの設置で対応が可能です。
(4)処理装置とソフトウェア
下記の図6は、画像データが処理装置に送られた後に、ソフトウェアが画像からワークの計測処理ができるまでの加工のイメージ例です。
図6の例では、入力した元画像にノイズが乗っているため、計測できない状況にあります。
そのために、以下の手順で、計測処理と判定ができるように画像処理を行います。
- 前処理
メディアンフィルタを通すことで、ノイズが除去できます。 - 二値化処理
二値化処理によって、計測点を計画にします。 - 輪郭抽出
二値化された画像をソーベルフィルタによりエッジ処理することで、境界線を明確にできます。 - 計測処理
ワークの仕様寸法を計測します。 - 制御・警報
計測判定の結果、NGであれば、対象ワークを生産ラインから外すような、制御や警報表示などの処理を行います。
5.画像処理の種類ごとのメーカー7選
この章では、画像処理装置に係る製造メーカーが有する製造品や技術を紹介します。Webページを合わせて紹介していますので、詳細はそのページで確認してください。
①画処ラボ(ガショラボ)
【所在地】
神奈川県相模原市緑区西橋本5-4-30 SIC2-2314
TEL:050-3733-3774
WEB問合せ:https://gasho-labo.jp/#contact
https://gasho-labo.jp/
【特徴】
検査の自動化に伴って画像処理装置の導入する際には、複数のセンサーメーカーと複数の画像処理機器メーカーを選択し、それぞれ検査対象によって個別対応する必要があります。
画処ラボは、メーカー横断での機器選定から判断プログラムの選定及び装置の設置構想までを⼀括で提案し、設置からサポートまで⼀元管理。
さまざまなメーカーから、照明は50種類、カメラ・レンズは30種類をとりそろえており、機器や画像処理プログラムの選定だけでなく、装置の構想・設置、サポートまで、ワンストップで相談が可能です。
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②レボックス株式会社
【所在地】
神奈川県相模原市中央区上溝1880番地2 SIC-3内
TEL:042-786-0377(代表)
【製品】
https://euresys-products.revox.jp/
画像処理装置のカメラの入力は、CameraLinkという高速データ転送インターフェイスで処理されています。このCameraLinkよりも高速に処理する規格が、同軸ケーブルにより大量データを長距離で高速に転送するCoaXPress規格です。
Euresys社の画像処理ボードCoaxlinkは、このCoaXPress規格を用いたカメラ入力処理、画像処理装置です。
③株式会社デクシス
http://www.decsys.co.jp/index.html
【所在地】
千葉県船橋市本町2-1-34 船橋スカイビル
TEL:047-420-0811(代)
【製品】
http://www.decsys.co.jp/seihinn/dm.html
シングルプロセッサタイプ高速画像処理ユニットDM-3011は、位置決め・計測・外観検査などの画像処理アプリケーションに適用できる画像処理装置です。
カメラ4CH接続に対応する、マルチ画像システムを実現できるなどの機能を有します。
DM-3011の特徴は、マルチメディアプロセッサよる高速・高性能・低価格の実現、デクシス社の画像処理ライブラリによる専用の画像処理の開発ができることです。
④株式会社宇部情報システム
【所在地】
山口県宇部市相生町8番1号 宇部興産ビル
TEL:0836-22-0111
【製品】
https://www.uis-inf.co.jp/urcp/device.html
宇部情報システム社の画像処理装置は、画像処理専用のプロセッサーで、同社の画像処理ソフトウェア「URCP」を搭載し、高性能な処理能力を備えています。
この装置の特徴は、親しみ易いWindows環境でのソフト構築、堅牢に製作された筐体による高い耐久性、サイズが一般のデスクトップの1/6というコンパクト性です。
図は、同社の画像処理装置を用いたシステムの例です。
⑤株式会社ニレコ
http://www.nireco.jp/index.html
【所在地】
東京都八王子市石川町2951-4
TEL:042-642-3111(代表)
【製品】
http://www.nireco.jp/product/graphic/070201-luzexrse.html#top
ニレコ社には、画像処理解析装置として、コンタミネーション解析装置、繊維状粒子計測システムなどの製品があります。
その中の一つ、専用画像解析システム「ルーゼックスSE」は、計測目的に応じて画像処理機能を用いた特化アプリケーションにより、画像処理解析専用システムを構築します。
図は、金属組織解析システムの例です。
⑥クラボウ株式会社(倉敷紡績株式会社) 環境メカトロニクス事業
https://www.kurabo.co.jp/el/index.html
【所在地】
大阪市中央区久太郎町2-4-31
TEL:06-6266-5111(代表)
【製品】
https://www.kurabo.co.jp/el/ka/photorage_01.html
図は、クラボウ社の高速画像記録ユニット「Photorage フォトレージ」です。
画像処理装置からの検査画像やカメラからの生画像をフレーム単位で、高速・大容量でリアルタイム保存します。
全数保存できるため、生産ライン上の検査状態チェックや、分析・履歴管理による製品の品質管理を可能とします。
簡単で素早い検索機能、外部通信機能の充実、簡単な画像保存、タッチパネルの画像取り込みなどが、フォトレージの特徴です。
⑦株式会社メック
【所在地】
神奈川県海老名市下今泉1-12-30
TEL 046-292-0077(INS技術センター営業/技術)
【製品】
https://www.mec-ins.co.jp/products/#c03
メック社は、その製品群に、カメラ・検査用照明装置・工業用照明装置・マーキングシステム・モニタリングシステム・シート検査装置などを持ち合わせています。
それらの製品を組み合わせて構築した画像処理装置が、図のようなシステムです。
6.画像処理装置の最適なメーカー選定は画処ラボまで
このコラムでは画像処理装置として、それを構成する照明・レンズ・カメラ・画像処理ソフトや画像処理装置製造メーカーついて、概要をご紹介してきました。
画像処理装置の関連機器は、紹介した数よりさらに多くの機器が、メーカー独自の特徴ある機器として紹介されています。
そのような画像処理装置の中には、自社の製造ラインに適合し、高い効率を実現できる処理装置があることでしょう。
ただ、膨大な製品群から、「カメラは?」「照明は?」と個別に最適な機器を選ぶことは、容易でありません。
そのような問題を解決する方法の一つが、実績があり経験が豊富なSIerから、アドバイスをもらうことです。
例えば、「照明の形式はバー方式LEDで」、「方式はバックライト方式が良く」、「このメーカーのものが工場設置に適しています」といった的確なアドバイスが得られるでしょう。
画像処理システムの導入をご検討の際は、まずは画処ラボまでお気軽にお問合せください。
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