製品校正は治具を使って品質向上!装置メーカーが徹底解説
目次
1.はじめに
部品が出来上がると、組立の工程に入ります。2つの部品を組み立てるとき、両方とも寸法が精度内に製作されていれば、問題なく組立が終了します。
しかし、どちらか一方が、精度から外れていると、組み立てることはできません。
そのため、製作し終わった部品の寸法を精度内にあるかを確認することが、重要です。この確認のために必要なことが、校正です。
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2.校正とは
部品の寸法を測定するときに、製造規定などで決まっている精度内にあるかどうかを、ノギスなどで測定して確認します。しかし、もし、測定に使ったノギスが狂っていたらどうでしょうか。
部品が正しく製造されていても、部品が精度から外れているとして、部品が廃棄処分されるでしょう。逆に、正しく製造されていない部品が、組立ラインに乗ってしまうでしょう。
このようなことが起こらないようにするために、測定器の「校正」を行います。校正のイメージを図1に示します。
図では、秤の校正を示しています。図は簡単にしていますが、実際に校正を行う際には、校正の手順が細かく決められています。
図1はイメージとして示していますが、秤量(秤が測定できる最大重さ)の1/3、1/2、最大重さを測定し、それぞれの秤の読みが精度内かを検査し、記録します。
この秤の校正で使われる分銅は、標準分銅、基準分銅で、いわゆるトレーサビリティがとれたものを使います。そのため、このように校正された秤は、正しく重さを量ることができ、測定器としてどこでも使えるわけです。
3.検査治具
検査治具とは、製造加工物(ワーク)が決められた寸法で作られているかを確認する治具です。
検査治具の有用な点は、大量にある部品の検査を、治具に固定するだけで次々に検査できることでしょう。
ワークの機能目的によっては、確認する計測値が、寸法とは限りません。重さ、温度、光度など測定すべき項目によって異なります。
ここでは、寸法を確認項目として、話を進めます。
部品が決められた形状になっているかを、治具を使って検査する方法として、2つあります。
- 寸法を測定器が付属した治具で測る方法
- 部品と同じ形状の検査治具を準備しておき、部品ができたら検査治具と比べて、所定の形状となっているかを確認する方法
1.の寸法などを測定器で測る方法は、図1の秤のイメージで、治具と計測器が合体したものと捉えることができ、この後でご説明します。
2.の形状の検査治具のイメージを図2に示します。
図では、検査治具にワークの検査部分と同じ形状の検査部があり、ここに、ワークの検査部分を当てはめます。
このイメージ図は、限界ゲージと同じようですが、検査治具は車の車体の検査に使うものが検査治具ということが多くありますが、限界ゲージと同じようでも、検査治具というメーカーもあります。
検査治具は、検査治具、測定ゲージ、検査ゲージとも言われますが、基本としての機能は、皆同じです。
4.治具の校正
測定器を備えた治具の、部品としてのワークを校正する例を見てみます。
図3は、ワークの抵抗値を検査するための治具です。ワークをセットし、検査ボタンを押すと、部品の抵抗値が表示されます。数値は、小数点1桁まで表示され、0.5%以内であれば、合格、そうでなければ不合格となって破棄されます。
この治具の校正は、抵抗値を測定する部分を標準抵抗で測定し、精度内にあることを確認します。この校正のイメージを図4に示しています。
検査治具の校正は、図1で示した構成と同じように、基準となる計測器や基準器で、比較した値が求める精度以内かどうかを検査します。
もし、精度内に入らなければ、この検査治具は、ワークの検査には使用できないということになります。
検査治具で精度内に入るかの校正を行うことの他、もう一つ大切なことは、定期的に校正を行うことです。測定器は年次的に変化し、精度も変化します。そのために、定期的な傷や破損がないかの点検と、周期的に行う校正が、測定器を正しく使うための維持管理方法です。
5.治具の校正…形状確認治具の校正とは?
これまでは、計測器を備えた治具の校正について解説してきました。
では、図2で示した形状を確認する治具の校正とは、何でしょうか?
図5は図2で表した検査治具です。図5に示すことは、検査治具として検査する部分を表したもので、検査部分円筒の、直径と高さを示しています。
図5で示すように、形状を確認する部分は、治具内にあります。この形状は、部品の仕様に示された寸法と同じ値で、図では、円筒部分の直径と高さです。
この2つの寸法、直径と高さは、精度内かどうかが計測されます。精度から外れれば、製作し直しとなります。
直径と高さの寸法は、計測器で計測されますが、計測器は校正されたものでないと、治具の直径と高さの寸法を、正しく表すことができません。
このことから、形状確認治具の寸法などの計測値も、校正されているといって良いのではないでしょうか。
6.治具に関するご相談はFAプロダクツへ
計量法で定められた、計測する値の種類には、長さ、重さ、温度など100種類以上の計測する種類があります。
例えば、図3で示した電気抵抗値のように、抵抗値とそれを表す基準となるものとの比較が、校正です。そのため、校正する計量単位の数だけ、検査するための治具が必要となります。
このことは、検査治具という分野は、膨大な数の治具が求められると言ってよいでしょう。
FAプロダクツでは、どのような種類の治具製作でも、その要望にお応えできる自信があります。検査治具であれば、計測する種類に応じた治具、100種類以上の治具に応えることができます。
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