搬送ローダー装置とは？メリットや代表的なタイプを紹介
目次
１．はじめに
製造業にたずさわる方にとって、搬送機・搬送装置としてよく耳にする『ローダー』という言葉。しかしながら、『ローダー』について“なんとなく”理解はしていても、詳しく解説できる方は少ないのではないでしょうか。
『ローダー』は英語で「Loader（ローダー）＝ 充填機」とも訳され、製造業におけるその定義は、ワーク（加工物）を加工の工程間、または機械間にわたって搬送する機械・装置の総称のことです。
人の手に代わり、ワークを工作機械（加工機）に設置し、加工後に機械から取り出す作業までを自動で行うことで、作業の効率化・生産性の向上をもたらします。
また、現代の生産現場において、ローダーは製造工程の自動化・省人化に欠かせない設備の一つとしても挙げられます。
今回は製造工程の搬送において重要な役割を担う『ローダー』について説明していきましょう。
また、搬送ローダーをラインに追加して、
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- 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
- どのメーカーの搬送装置を使えば効率的かわからない
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２．産業界によって変わる？！ローダーの用途は搬送だけじゃない？
『ローダー』という言葉は製造業のみならず、各産業において搬送機器の名称（の一部）として使用されています。
業界紙や他の部署や異業種間の交流会などで目にした方、耳にした方も多いのではないでしょうか。
たとえば、建設機械業界でローダーといえば、車輪のついたトラクターショベル「ホイールローダー」のことをいいます。
また、運送・物流業界ではフォークリフトに代わってトラックにパレットを積載する「トラックローダー」をさします。
さらに言えば、IT・コンピュータ業界で「ローダー」といえば、コンピュータのプログラムのことになります。
このように産業界が違えば『ローダー』の概念・認識も変わってきます。
３．製造業における搬送装置「ローダー」とは
では、製造業界においての「ローダー」についてさらに掘り下げて見ていきましょう。
（１）搬送ローダー装置とは
製造業で『ローダー』といえば先述したとおり、ワーク（加工物）や部材を自動で工作機械に供給する搬送装置、または搬送装置に含まれる機器の総称のことをいい、多関節ロボットやシリンダーなどもローダーと呼ばれるので注意が必要です。
また、ローダーは「搬送ローダー装置」や「搬送ローダーシステム」といった呼び方をする場合もあります。
主に組立工程で使われる自動部品供給装置「パーツフィーダー」も広い意味ではローダーといえるでしょう。
（２）搬送装置「ローダー」と「アンローダー」の違いは？
もう一つ混乱しやすいキーワードとして「ローダー/アンローダー」があります。
自動でワークの搬送・設置する装置「ローダー」に対し、「アンローダー」は自動でワークを取り出す装置のことをいいます。機能としては同じですが、用途の違いで呼称が変わります。
（３）搬送ローダー？それとも搬送ローダ？両者の違いは？
ここまで製造業における『ローダー』の意味・定義について説明してきました。
みなさんは、よく似た言葉で「ローダ」という単語を聞いたことはありませんか。
基本的には両方とも同じ意味で使われていますが、プリント・ガラス基板やシリコンウェーハの製造現場では、基板供給装置を「ローダ」、基板収納機を「アンローダ」と呼ぶのが一般的となっています。
搬送ローダー装置は、ワークや部品の搬送という稼働率・効率化の改善に大きく寄与する存在でありながら、軽視されがちなのが実情です。
搬送ローダー装置を導入する場合、機械・装置間のワークや部材の搬送を十分に考慮して設計することが、現場の改善および自動化・省人化の実現につながります。
４．搬送ローダー装置の代表的なタイプは？
生産現場の生産性向上、自動化・省人化が進むと同時に、工作機械（マシニングセンタ・NC旋盤）間を自動でむすぶ搬送技術も進化を遂げています。
最近では高速・高精度・高耐荷重を実現した搬送ローダー装置も登場しています。
製造業で特に代表的な搬送ローダー装置を紹介します。
生産現場によって作業条件は異なるため、搬送ローダー装置はほとんどがオーダーメイドとなります。
そのため仕様・外観に違いはありますが、基本的な性能・役割は同じです。
（１）搬送ローダー装置「ガントリーローダー」
ガントリーローダーとは、門型の形状をしたロボットアームのことで、重量があるワークを扱う生産ラインや、工作機械が多い生産ラインに多く導入されています。
近年では、省スペースかつ高速搬送に対応したガントリーローダーが増えているようです。
ガントリーローダーは、工作機械の上方に設置され、ワークの搬送・設置・取り出しなどの動作を素早く・正確に行います。
ワークの搬入出と製造工程間の搬送を同時に行うことで効率化を実現。
また、工作機械の上を走行するため、機械の操作性も良く、床面の省スペース化にも役立ちます。
搬送システム装置「ガントリーローダー」の一般的な作業の流れは下記のようになります。
①素材ストッカーからワーク（加工対象物）取り出し
ロボットアームが素材ストッカーにスライドし、ワークをつかみ取り出します。
②工作機械・加工機に加工前のワーク装着
次に工作機械に移動し、素材ストッカーから取り出したワークを工作機械に設置・装着します。
③工作機械から加工後のワーク回収
工作機械から加工が終わったワークを取り出します。
④加工済みワークを次の工程へ搬送
最後にロボットアームが次の工程、またはストッカーに加工済みのワークを収納します。
ワークの加工内容によっては、いくつかの加工工程が必要となり、何台かの工作機械を連結して生産ラインを組む場合があります。
ストロークの延長にも対応できる汎用性の高さも導入される理由の一つです。
⇒【図解】搬送装置の種類やメリット紹介！おすすめメーカー5選
５．搬送ローダー装置を導入するメリット
ガントリーローダーをはじめとした搬送ローダー装置を導入するメリットとして、下記が挙げられます。
（１）サイクルタイムの短縮
重量のあるワークや人の手では扱いにくいワークも自動で素早く・正確に搬送することで、サイクルタイムの短縮に貢献します。
（２）品質の安定
ワークの搬送・設置・取り出し時の人為的ミス（ヒューマンエラー）による不良品の発生を抑制。製品の品質安定化に寄与します。
（３）労働力の確保
搬送ローダー装置を導入することで、作業にかかわる人員を減らし、人件費を抑えることができます。
単純作業を自動化・省力化することで、生産ラインの労働力を確保。より高度な工程に作業員を当てることができます。
６．搬送ローダー導入のご相談はFAプロダクツへ
今回は製造業における「ローダー」および搬送ローダー装置について説明してきました。
先述したとおり、近年叫ばれている「働き方改革」や「生産性向上」、「自動化」の実現のためには搬送ローダー装置は必要不可欠となっています。
また今後、次世代型スマートファクトリーへの移行が進み、最新テクノロジーと融合することで、さらなる精度向上や機能付加も十分に期待できるでしょう。
そのためにも機械間や工程間、取り扱うワークの特徴などを十分に考慮して搬送ローダー装置を設計することが重要になってきます。
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