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画像検査照明選び方_アイキャッチ
画像処理に関する記事

【図解】画像検査での照明の選び方!種類や検討のコツを解説

1.はじめに

製造品の外観検査や寸法検査などを行うときに、人に代わって、画像を使って検査する方式が普及しています。
カメラやコンピュータの性能が格段に進歩し、ディープラーニングなどの画像処理技術も進化を遂げています。
画像検査を可能とした背景として、いま述べた技術の他に、ワークを照らし出す「照明」の技術を忘れてはいけません。

太陽光線の代わりにライトを当てて明るくすればいいんじゃないか、と考えられがちですが、照明を当てれば検査画像が得られるわけではありません。
もちろん何らかの画像は得られますし、画像処理することでノイズを除去したり、変形することも可能です。
しかし、ワークを検査するための画像は、検査する目的、キズの抽出・ラベル文字の抽出・寸法計測などがはっきりとわかる検査画像でないと意味がありません。
キズの抽出・ラベル文字の抽出などのワークの特異点を浮かび上がらせるものが、照明です。

このコラムでは、照明の種類と選び方についてご紹介します。

もし、検査・検品に画像処理を追加して、

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 検査レベルを高めて品質価値を高めたい

というご希望がございましたら、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。
ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。

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2.照明の種類

(1)画像検査のための照明の選び方

画像検査で使用する照明について、検討する項目を紹介します。

  • 目的にあった照明
    画像検査によって何を見つけたいか、例えばキズ・異物・寸法などを明確とします。
  • 検査条件にあった照明
    カメラやレンズの特徴、エリアかラインか、シャッタースピードなどに合った照明の選択です。
  • 照明の明るさ
    ワークとの濃淡さを明確にできる光量の選択です。
  • 光源の安定さ
    光源の光量が、時間によって変わることがないような、安定さが必要です。安定化電源の採用もその方策の一つです。
  • 均一な照明
    シェーディングやハレーションが起こらないような設置位置などの照明条件の検討です。

(2)画像検査のための照明の種類

照明の種類についてご紹介します。

  • ハロゲンランプ
    使用中の明るさに変化がなく、小さな光源で白色光に近い照明です。光ファイバーガイドを追加する方式でよく使われます。
  • 蛍光灯
    かつては最も一般的に使われた照明で、影ができにくい構造が特徴です。
  • 白熱電球
    交流電源では照明の変動が生じやすいため、画像処理では直流の安定化電源が必要です。
  • メタルハライド
    ハロゲンランプより低輝度な照明です。太陽光線とほぼ同じ光が特徴です。
  • LED
    かつては赤色と緑色しかないため、警報灯などで使われていましたが、青色LEDの発明により白色光が出せるようになり、長寿命も相まって、主流の光源になっています。

照明の特徴の比較例を、表1で紹介します。

表1 照明の特徴比較例

LED 蛍光灯 ハロゲン メタルハライド 白熱電球
コスト ×
寿命 × × ×
明るさ
色の選択 × × ×
光の均一性
消費電力 × ×

○:良い、△:普通、×:悪い

(3)LED照明とは?

照明の種類についてご紹介しましたが、ここでは、最も一般的に使用されるLED照明について紹介します。
図1は、LEDが発光する原理のイメージ図です。

画像検査照明選び方 図1

P型(+)とN型(-)の接合半導体に、電気を流すと電子が移動して、正孔と衝突します。
LED照明は、電子と正孔が結合するときに発光することを利用した照明です。

(4)LED照明の型式

図2では、LED照明の型式を紹介します。

画像検査照明選び方 図2

LEDの型式は、砲弾型LEDと表面実装型LEDがあります。
メーカーによっては、新しい型式も製造しています。
LEDの発光量は少ないため、砲弾型や表面実装型を複数個を集めて、パッケージとして照明設備としています。
これらは、次章でご紹介します。

3.照明の型式

(1)光の特性

図3では、照明からワークに当てた光を、カメラでどう捉えるかを紹介します。

画像検査照明選び方 図3

光の特性は、次の3つに分類できます。

  1. 正反射
    照明装置からワークに光が照射されると、物体の条件、鏡面仕上げ・細かな凹凸、などによって、反射光の大きさが異なります。
    正反射は、入射光の角度に応じた角度で反射する光です。
  2. 拡散反射
    拡散反射は、ワークの表面に当たった光が、さまざまな方向に反射する光です。
  3. 透過光
    透過光は、ワークを撮像するカメラと逆の方向から、ワークに当てる照明光です。

(2)照明の型式

図4と図5では、LED照明の型式の例を、何件かご紹介します。

画像検査照明選び方 図4

画像検査照明選び方 図5

図4と図5で紹介するLED照明型式について、表2では、その特徴と利用方法例を紹介します。

表2 LED照明型式例

型式 特徴 用途例
リング型

(図4)

発光面をリング状にLEDに並べた照明で、下向き、角度をつけた向きなどがあります。 基板検査、ラベル検査
ドーム型

(図4)

上方の全方向から均一な光を当てることができる照明です。 表面検査
バー型

(図4)

長尺なワークを均一に照射できる照明です。ワークの画像検査する特徴点に応じて設置角度や距離の調整ができます。 異物検査、シート検査
バックライト型

(図5)

ワークの裏側から光を当てて、シルエットを写しだすことで、きれいなエッジの画像検査ができます。 ボトル液位検査、寸法検査
同軸落射型

(図5)

ハーフミラーによって、カメラと同じ方向から光を均一に当てる方式です。 ラベル検査、文字検査

表2の例はほんの一例で、LED照明の型式には、一般的なもの、メーカー独自に工夫を凝らしたもの、と多くの種類があります。

4.照明による検査事例

図6では、照明を使った画像検査の例について、そのイメージをご紹介します。

画像検査照明選び方 図6

(1)リング型照明

図6左側は、リング型照明を使った画像検査の例です。

  1. 照明は、ワークを斜め上方から照射します。
  2. ワーク上では、正反射と拡散反射が起こります。
  3. カメラはワークの真上にあるため、拡散光を見ることになります。
  4. 拡散光によってキズを浮かび上がらせて撮像できます。
  5. 検査画像を前処理などを施し、画像検査を行います。

(2)ドーム型照明

図6右側は、ドーム型照明を使った画像検査の例です。

  1. ドーム型照明によってワークに一様な光が照射されます。
  2. ワーク表面にある細かな凹凸模様は、一様な光でフラット化されます。
  3. ワーク上の文字は拡散光によって、浮かび上がってカメラに捉えられます。
  4. 得られた画像を二値化します。
  5. 文字を抽出でき、文字認識ができるようになります。

5.画像処理の照明を扱うメーカー5選

この章では、会社が有する照明製品や照明による画像処理を紹介します。Webページを合わせて紹介していますので、詳細はそのページで確認してください。

(1)画処ラボ(ガショラボ)

【所在地】
〒105-0004 東京都港区新橋5丁目35−10 新橋アネックス 2階
TEL:050-3733-3774
WEB問合せ:https://gasho-labo.jp/#contact
https://gasho-labo.jp/

【特徴】
検査の自動化に伴って画像処理装置の導入する際には、複数のセンサーメーカーと複数の画像処理機器メーカーを選択し、それぞれ検査対象によって個別対応する必要があります。

画処ラボは、メーカー横断での機器選定から判断プログラムの選定及び装置の設置構想までを⼀括で提案し、設置からサポートまで⼀元管理。

さまざまなメーカーから、照明は50種類、カメラ・レンズは30種類をとりそろえており、機器や画像処理プログラムの選定だけでなく、装置の構想・設置、サポートまで、ワンストップで相談が可能です。

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(2)有限会社シマテック


【所在地】
東京都町田市本町田973-2
TEL:042(729)8914
【照明事業特徴】
https://www.shimatec-led.com/multilighting.html

図は、シマンテック社のマルチライティングです。
この照明は、ワークまでの高さを変えることで、照射角度を変えて最適な検査画像を得ることができます。

マルチライティングの用途には、位置決め用画像処理、ロボットの位置決め搬送、外観・寸法検査が最適です。

画像検査照明選び方 シマテック

(3)株式会社近藤製作所


【所在地】
愛知県蒲郡市元町12番1号
TEL:0533-68-6156(代)
【照明事業特徴】
http://www.konsei.co.jp/cgi-bin/optro/page.cgi?act=ppage&id=25

近藤製作所社では、正確な画像検査は、検査ポイントでのコントラストを明確にし、外乱光や検査品のばらつきがあっても安定した画像を得るという考えで、LED照明を製造しています。
図は、LED照明照明の一つ、スポット照明です。
これまで照明機器が挿入できなかった場所にも適用することができ、狭い検査スペースでの適用が、特徴の一つです。

画像検査照明選び方 近藤製作所

(4)株式会社ユーテクノロジー


【所在地】
東京都板橋区成増2-10-3 三栄ドメール305
TEL:03-6904-3498
【照明事業特徴】
https://www.u-technology.jp/product/767

図は、ユーテクノロジー社のLED照明製品の中の、マルチエフェクトライトで行われた画像検査の結果です。
マルチエフェクトライトは、多方向の照明照射によって様々な効果が得られるLED照明です。
対象物のハレーションを除去すること、全方向照射で消える微細傷を検知できること、などの特徴を有します。

図の上側は、8方向からの照射によって余分な情報を排除した画像です。
下側は、画像処理によって必要な情報をのみが利用できる画像検査の様子です。

画像検査照明選び方 ユーテクノロジー

(5)京都電機器株式会社


【所在地】
京都府宇治市槇島町十六19-1
TEL:0774-25-7711
【照明事業特徴】
https://www.kdn.co.jp/product/led/rgb/

京都電機器社のRGB照明は、RGB発光によって1個の照明でいろいろな検査を可能とします。
小型・高照度・高均一度での製作が特徴です。さらに、バー照明、リング照明、ドーム照明などどのような照明にも対応できるのも、特徴の一つです。

図は、疑似同軸落射照明で製作した例です。

画像検査照明選び方 京都電機器

6.画像検査の照明選びに関するご相談は画処ラボ

画像検査を行うためには、ワークに照明を当て、反射した光をカメラで捉えることから始まります。
照明の当て方にもワーク全体に一様に当てるケース、スポットで特徴点だけに当てるケースなど様々です。
同様にどのような種類の照明を選択するか、どのような型式の照明を選ぶかについても、画像検査を成功させるカギでしょう。
さらに、照明という面からではなく、どのような撮像機器、どのような画像処理機器を使うという点から照明を選ぶということが考えられます。

5章で紹介した照明を設計・製作するメーカーにも、それぞれのノウハウを持っていて、独自の照明を開発しています。
それは、もちろん、ユーザーがあ何をしたいかに左右されると言っても過言ではありません。

画像検査を行うに当たってどのような照明を使うかをいろいろ悩むより、ノウハウを持っているメーカーに問い合わせれば、意外に簡単な解決法や適切な照明の提示が得られるかもしれません。

画像処理システムの導入をご検討の際は、まずは画処ラボまでお気軽にお問合せください。

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050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317