PLC制御とは?仕組みや他制御との違いをエンジニアが解説
世の中は日を追うごとに自動化・省力化の流れが増し、自動機械の導入が進んでいます。
センサーを組み込んで少し複雑な制御をしたいと考えた場合、まず挙がるのがPLCによる制御です。シーケンサという呼び方もされることが多いですが、実はこれは三菱電機株式会社の登録商標になります。
今回はPLC制御について、その仕組みや事例、他の制御との違いについて説明します。
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目次
1.PLCとは?
まずはPLCの基本的な内容を理解するところから始めます。PLCはメーカー毎に使い勝手が大きく違うのですが、ここでは共通して使える知識となっています。
(1)PLCとは
PLC(Programmable Logic Controller)は、あらかじめ決められた手順に沿って作業するシーケンス制御を行います。
PLCは装置の導入後に設計を変更したいとなった場合に有用です。プログラム上で制御方法を作成するため、配線工事を行わずに制御変更することができます。
またPLCは産業用ロボットの動作順序制御で用いられるなど、FA業界では重要な機器となっています。
(2)PLCの動作概要
PLCを簡単に説明すると、ある入力があるとプログラムに沿って出力動作を行う単純な仕組みの機器です。
下の図を使って説明します。黒く囲まれた枠内がPLC部分になります。例えば押しボタンスイッチONの入力があるとランプがONになるようにプログラムを作成したとします。
まず製造現場の押しボタンスイッチが押されるとPLCへ入力信号が送られます。PLC内でプログラムを実行し、ランプをONにする出力信号がランプへ送られます。信号を受信したランプはONになります。
(3)パッケージ品とカスタマイズ品
PLCには大きく分けてパッケージタイプとビルドブロックタイプに分けられます。それぞれについて解説します。
①パッケージタイプ
CPUと入出力端子部分が一体になっており、電源を接続するだけで使用できるようになるタイプです。
その後はプログラムの書き込みや入出力端子へスイッチやランプなどを接続して制御動作ができるようになります。
②ビルドブロックタイプ
パッケージタイプは自身でモジュールを組み合わせてタイプとなっています。電源・CPU・複数のスロットをもつベースユニットが基本構造になります。
ベースユニットのスロットへ、以下に示す様な目的のモジュールを選択して取り付けます。
- 入力モジュール
- 出力モジュール
- モーション、位置決め制御用モジュール
- ネットワークモジュール
- その他多数のモジュールが存在します
(4)なぜPLCが制御に使われるのか
PLCが制御に使われる理由はたくさん存在します。
例えば耐久性の高さ、他機器との通信ができる応用性、複数機械を同時制御できる制御性、制御盤に格納できる作業性などが挙げられます。ただ何より一番の理由は、既に工場の自動機がほとんどPLC制御であり、制御装置としてのゆるぎない地位を手に入れているからです。
元をたどればPLC制御は、次項で説明するリレー制御をより複雑に・省スペースに行いたいと考えられたものです。プログラミングをするときにリレー制御からPLC制御の考え方が似ていることから以降がしやすかったのでしょう。
2.他の制御様式との違い
PLC以外の制御様式について確認してみましょう。それぞれ向き不向きがありますので、状況に応じた選択をしなければなりません。
(1)リレー制御
電磁リレーを用い、リレーの配線を用いて制御回路を組みます。プログラミングを必要としないため、簡単な制御であればリレーを用いたほうが安価で素早く実装することができます。
ただしPLC制御と違い、制御動作を変えようと思うと実際に配線を組みなおさなければならないため非常に手間がかかります。
またPLCは手間がかかりますが、タッチパネルに接続したりデータ通信が行えるメリットがあります。
(2)パソコン制御
C言語などプログラミング言語を用いて制御を行います。
以前はパソコンを使用することで大量のデータ処理・収集が可能だと言われていました。
しかし最近ではPLC処理速度の向上だけでなく、クラウド上でのデータ処理、現場でのAI活用など生産現場のシステム形態が大きく変化している状況です。
そんな中、産業用PCを導入しても制御ではなく、データ集約や解析に利用している事例が増えてきているようです。
(3)分散制御システム(DCS)
DSCは分散制御システム(distributed control system)の略称で、主にプロセス制御の分野で使用されています。
複数の制御装置で構成され、それぞれの制御装置がネットワーク上で監視し合います。機器に異常が起きても停止が起こらない仕組みとなっていることが特徴です。
また0.5~1秒と制御の分野では比較的長い周期で入力信号を読み込み、演算して出力を行います。PLCが1ミリ秒(0.001秒)程度の制御周期だと考えると違いが良くわかります。
3.PLC活用事例
実際にPLCがどのような場面で使用されているか確認してみましょう。
(1)自動組立ロボット
赤外線センサーでワークを検出した時にロボットアーム用のシリンダーが動いたりと、多数の制御が組み合わさって構成されています。PLCといえば、このような制御方法をイメージすることが多いと思われます。
(2)データ収集装置
制御で使用しているセンサーデータのみならずその他のデータもPLCに取り込んで、そこから別の媒体に送信する方法です。複数のPLCのデータを一括管理するために統括PLCを用いる例もあります。
4.おすすめのPLC取り扱いメーカー4選
①三菱電機株式会社
【特徴】
日本最大手の総合電機メーカーの1つです。国内では三菱電機製のPLCのみで機器を設計して欲しいと仕様に盛り込む企業もあります。三菱電機が提供するタッチパネルGOTと組み合わせて使用することが多いです。
またGOT Mobileも組み合わせることでタブレットや遠隔地での監視・操作ができるようにもなります。
【所在地】
〒100-8310
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
②オムロン株式会社
【特徴】
三菱電機には劣りますが国内では多くのシェアを誇ります。比較的、回路編集が行いやすいことで有名です。設計段階の回路を作り込んでいく時に快適さを実感できます。
ただしオムロン製PLCは、動作中にプログラムの書き込み操作が出来ないところが不便な部分です。
【所在地】
〒600-8530
京都市下京区塩小路通堀川東入
③横河電機株式会社
【特徴】
制御関係で特に一歩先を行くメーカーです。AIアプリケーションに良く用いられるPythonへ対応した機器を既に発売しています。
また横河電機ではDCSも取り扱っており、横河電機製PLCの上位システムとしても利用することがあります。
【所在地】
〒180-8750
東京都武蔵野市中町2-9-32
④株式会社キーエンス
【特徴】
営業利益率が50%を越えており、技術力が非常に高くそれが売上に反映されています。
国内での利用頻度が高い三菱電機製とのリンクができるところが利点です。また、他社PLCとの圧倒的な処理速度の速さが特徴として挙げられます。
【所在地】
〒533-8555
大阪市東淀川区東中島1-3-14
5.PLC制御機器導入に関するご相談はFAプロダクツへ
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