ビジョンセンサとは?5分でわかる仕組みや利点、おすすめのメーカ
ビジョンセンサは、製造業で自動化などの効率化を考える際に、必ず検討をする機器の一つです。ロボットや検査装置などに内蔵されるビジョンセンサは、読み込んだ画像で検査や位置補正をすることができます。
この記事では、ビジョンセンサの特徴や仕組み、おすすめのメーカなど基本的なポイントをご紹介しています。導入するときの参考にしていただけたら幸いです。
もし、ビジョンセンサを画像処理に導入して、
- 省力化、省人化してコストダウンしたい
- 検査レベルを高めて品質価値を高めたい
というご希望がございましたら、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。
目次
1.ビジョンセンサとは何か
ビジョンセンサはカメラによって、ワークや部品の撮像を行い、それを検査や位置補正に活用するためのを機器です。
概要と原理について説明していきます。
(1)ビジョンセンサとは?
ビジョンセンサ(Vision sensor)とはその名の通り、ビジョンを使ったセンサのことです。一般的な光電センサとは違い、より高度な認識ができます。
ここで言う「ビジョン」には、カメラによる撮像からデータ認識まで含まれます。カメラによって捉えた画像を、アルゴリズムによって整理し、対象の状態や位置ずれなどの結果を演算、出力して機器の動作に活かせるのがビジョンセンサです。簡単にいうと、人間の目のような働きをすると考えることができます。
例えば私たちが、目の前にペットボトルが置いてあったとして、ペットボトルの中の水を飲みたい時にどういう動作をするか考えてみます。まず、ペットボトルの外形を認識して、そこに向かって手を伸ばします。次に、キャップの位置を確かめて、キャップを手で持って開けます。最後に、口の位置を確認して、自分の口に持っていき、水を飲みます。
このとき、私たちは無意識のうちに、ペットボトルの形状を認識して、手や口を持っていっています。また、ペットボトルが倒れていれば、それを認識して手で起こしますし、蓋が元々空いていれば、こぼさないようにそっと手で掴むでしょう。このような人間の認識能力の代用として、「目」のように扱うことが可能なのが、ビジョンセンサというわけです。
(2)ビジョンセンサの仕組み
ビジョンセンサの仕組みを説明します。ビジョンには2次元と3次元のものがあります。
2次元センサに関しては、撮像はカメラの仕組みと同じで、レンズを通して撮像した対象物をデータとして捉えます。
その後、カメラとは異なり、あらかじめティーチングしておいたデータと照らし合わせる処理が入ります。例えば、ティーチングしておいた対象に対して、撮像したワークが10mmずれていたとします。すると、ビジョンセンサは撮像画像内の対象物の特徴を捉えて「10mm ずれている」ということを判断します。その結果を出力することで、ワークがどの位置にあっても同じような動作を行って作業できるようにするわけです。
図にすると、次の通りです。
また、輝度の情報を判断するために用いることもあります。同じ箇所を判別したとき、輝度が極端に違っていれば、ついているはずの部品がついていないなどの判断が行えます。
3次元センサは、レーザを発することで、三角法などを使って、高さ方向の判断をします。例えば上方向から、レーザをいくつも出すと、レーザポインタの大きさや応答時間によって、高さ方向の検出ができます。3次元センサは、積み重なっているワークが今何段目なのかなどを判断するのに役立ちます。
下記のリンクでは、ビジョンセンサを使用して、ケーブルの組み付けを行うロボットの動作を見ることができます。
2.ビジョンセンサの利用法
ビジョンセンサの原理は前項で説明しましたが、実際に利用する利点と留意点を説明します。
(1)ビジョンセンサを使用する利点
ビジョンセンサを、実際の製造現場で使用する利点は様々ですが、例えば以下のような点が挙げられます。
①自動化の難しい工程の自動化が可能
自動化の難しい工程とは、取り扱うワークごとに、大きさや状態が毎回違うような工程のことです。
このような工程では、ハンドリングできるロボットを導入したとしても、毎回同じ動作をさせてしまっては、うまくいきません。そこで、ビジョンセンサを導入することによって、ワークに合わせた補正値を入力して、動作を行うことが可能になります。
②ワークの位置決めを省略
自動化の際のワークの位置決めは、多くの工程で見られる手法です。位置決めを行うことで、再現性を出し、毎回同じような動作をするロボットでも、作業を可能にします。
しかし、食品など柔らかいワークは、位置決めするのは大変です。その際、ビジョンセンサを使用することで、位置決めを行わなくとも、センサの演算ちに合わせて作業を行うことで、問題なく作業できます。
③煩雑な検査でも可能
人間が行うと大変な作業が簡単に可能です。例えば、無数の細かな部品の乗ったプリント板の検査などは、大変な集中力と注意力を必要とします。
このような作業でも、ワークを撮影し、事前に取得しておいたモデル画像と照らし合わせることで、正確で素早い検査が可能になります。
(2)ビジョンセンサを使用する際の留意点
ビジョンセンサには多くの利点もありますが、留意しなければならないこともあります。
①カメラの性能
カメラの性能は、しっかりと選定しなければいけません。人間の目では明らかに同じように見えても、機械のカメラは異なる判断をすることがしばしばあるからです。
現状、どんなワークにも対応するような万能なビジョンセンサが未だ開発されていません。そのため、せっかくビジョンセンサを導入しても、ワークを正確に判断できず、ロボットが誤動作をして、製品を破壊してしまったり、毎回アラーム停止して、以前より生産効率が下がるということもあります。きちんと事前のテストを重ねて、選定することが必要です。
②他設備との連携
ビジョンセンサは、それ単体では意味がなく、他の機械と組み合わせて初めて威力を発揮する製品です。なぜなら、ビジョンセンサはワークの状態をパラメータで吐き出すだけのものであって、その先の判断は、各装置に委ねられるからです。そういった意味で、使用している設備との連携が保証されているビジョンセンサを選定するようにしましょう。
メーカによっては、必要なデータ形式などが細かく決まっていることもあります。
3.ビジョンセンサにおすすめのメーカ
ビジョンセンサを導入する際のメーカやSIerはどのような会社があるのか紹介していきます。
(1)株式会社キーエンス
キーエンス社はFA分野では、あらゆる分野に精通しており、高い技術力で信頼できる1社です。ビジョンセンサも販売しています。
QRコードリーダの開発販売の会社ですが、画像処理という分野では同じなため高い技術力が期待できます。同社が展開しているCV-XシリーズやCV-5000シリーズは、2次元センサだけではなく、3次元センサとしての能力も兼ね備えており、ワークの状態にかかわらず、補正や検査が可能です。
(2)オムロン株式会社
オムロン株式会社は、FA業界では老舗で、多くのノウハウと経験を保有しています。
同じくカメラを使った外観検査装置でも、日本のトップシェアを持っているため、そのノウハウがビジョンセンサにも活かされています。
ビジョンセンサだけでなく、そのデータをどう活かすのかということにも高い知見を備えているので、今までビジョンセンサを使用したことがないユーザでも、コンサルのような形で提案してもらえるため、失敗がない選択といえます。
(3)株式会社安川電機
株式会社安川電機は産業用ロボットやモータなどを製造しているメーカです。
同社の特徴は、産業用ロボットメーカなため、ロボットで使うことを前提にしたビジョンセンサを販売していること。安川電機のロボットを使用しているのであれば、ロボットプログラムに組み込みやすいことが最大の利点と言えるでしょう。組み立てなどの自動化を検討している場合は、ロボットとセットで購入してしまうのも一つの手です。
4.立体センサにおすすめのロボットシステムインテグレータ
①株式会社FAプロダクツ
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【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
5.ビジョンセンサに関するご相談はFAプロダクツへ
ワンレベル上の自動化を目指す上で、必ず必要となるシステムがビジョンセンサです。ビジョンセンサをうまく活用すれば、生産性の向上が期待できるでしょう。
しかし、性能を十分に活かすためには、事前にビジョンセンサの種類や仕組みの理解が求められます。また導入後のシミュレーションをするのも、失敗しないポイントとなるでしょう。FAプロダクツでは、そうした装置導入のアドバイスを行っていますので、よければお気軽にご相談ください。
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