1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 画像処理に関する記事
  4. CMOSセンサの原理を図解!製造工程や評価方法、市場シェアも解説

FA業界の方へ耳寄りな情報を「おしえてJSS」by日本サポートシステム株式会社

お問い合わせ

関東最大級のロボット
システムインテグレーター
画像処理
設計から製造なら 日本サポートシステム株式会社

画像処理の必須マニュアルプレゼント
  1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 画像処理に関する記事
  4. CMOSセンサの原理を図解!製造工程や評価方法、市場シェアも解説
画像処理に関する記事

CMOSセンサの原理を図解!製造工程や評価方法、市場シェアも解説

CMOSセンサはスマートフォンの普及や自動運転技術の発達と共に需要が急増しています。CCDセンサと併せてこれらをイメージセンサと呼びます。

どちらにもメリットデメリットがありますが、既にCCDからCMOSへ需要が移っている状況です。今回は、そんなCMOSセンサについて原理や用途を紹介します。

また、CMOSセンサを利用した画像処理を導入して、

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 検査レベルを高めて品質価値を高めたい

というご希望がございましたら、お気軽に画処ラボまでお問い合わせください。ルール型画像処理からAIによる画像処理まで、ご希望に対して幅広い対応が可能です。

業界最大級の画像処理検証施設を開設!

「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

1.CMOSセンサの原理

(1)CMOSの由来

CMOSセンサは、CMOSを用いた固体撮像素子のことを指します。そもそもCMOSとは” Complementary Metal Oxide Semiconductor ”の略で、相補性金属酸化膜半導体を意味します。つまりCMOSという半導体を用いたセンサであるためCMOSセンサと呼ばれます。

(2)構造

トランジスタにはN型とP型があります。金属と半導体の間に薄い酸化膜が挟まれた構造をMOSと呼び、N型とP型のトランジスタを一つの半導体に備えたものをCMOSと呼びます。
CMOSの構造は、以下の図に示す通りです。

(3)特徴

①1画素毎に信号を増幅

CMOSは、各画素毎にフォトダイオードとCMOSトランジスタを使用したスイッチで構成されています。各フォトダイオードにはスイッチが付いており、スイッチを順に切り替えることで1画素毎に検出を行います。各画素毎に信号増幅を行うためノイズが乗りにくくなっています。

②安価な製造コスト

CMOSセンサは名前の通り半導体ですので、製造に既存の半導体装置を流用できることが特徴です。半導体製造装置は非常に効率化が進められており、CCDよりも安価に製造できます。

(4)製造および評価

CMOSは、一般的に次のように製造、および評価されます。

①製造方法

まずシリコンウエハを拡散炉の中に入れることでシリコン表面に酸化膜を形成します。この酸化膜は絶縁体の役割をします。

酸化膜の上から感光材料(フォトレジスト)を塗布します。回路パターンを描いた透明ガラス板(フォトマスク)を通して照射された紫外線は、回路パターン通りにフォトレジストに当てられます。

フォトマスクの回路パターンを転写されたシリコンウエハは、紫外線を照射していない部分のみフォトレジストが残っています。フォトレジストが残っていない部分の酸化膜を削り取り、周りのフォトレジストを洗浄除去します。

するとシリコン露出部分と酸化膜部分でフォトマスクで描いていた通りの回路パターンを描くことができます。表面処理を行ったあと、上記工程を何度も繰り返すことで基板が完成します。

②評価方法

CMOSセンサーを搭載したカメラで重要視される項目は感度、解像度、ノイズです。

色合いの確認にはマクベスチャート、解像度の確認には解像度チャートといった基準となるチャートを用いて正しく認識できているか撮影して評価します。

ノイズで一番影響が大きいのは光ショットノイズと呼ばれる信号量に依存するランダムノイズです。ランダムノイズ成分を評価するには、あらかじめ連続フレーム複数画像の平均ノイズ量を算出したあとに、元々の画像から固定パターンノイズ成分を差し引きます。

2.CMOSセンサの実用化

前章では、CMOSの基本的な部分を見ていきました。

CCDセンサと比較して安価に製造が可能なCMOSセンサは、今着々とシェア率を伸ばしています。しかし、実用化にいたるまでには、さまざまな困難がありました。

ここでCMOSセンサの実用化と題して、開発と当時あった問題点、それを乗り越えるために打ち出された解決策をいくつかピックアップします。加えて、現在の市場状況もご紹介します。

(1)開発と問題点

CMOSの原理考案は1960年代です。ただし高画素化するには回路パターンが細かすぎ、1990年代まで実用化は成されませんでした。

また受講素子やアンプの性能のばらつきがあり、各画素毎に性能が変わる問題がありました。その違いがノイズとなり画像が乱れたものとなってしまっていました。

(2)問題解決

CMOSの問題点は、しかしさまざまな技術開発によって解決されつつあります。ここで、いくつかご紹介しましょう。

①分割露光技術

高画素化を実現化するために分割露光技術(マルチパターニング技術)が生み出されました。密集度の低い回路パターンを複数回に渡って露光する(分割露光)ことで、最終的には細かい回路パターンが実現できます。

②SADP

その他に高画素化を行う方法としてはSADP(Self-Aligned Double Patterning)が挙げられます。

最初に露光装置でグリッド状(縦に並んだ櫛状の線)に露光していきます。得られたグリッドの周りに壁を作るイメージで、さらに製膜を行ったら、元々あったグリッドのみを洗浄。それによって、壁部分だけを残すことができます。1本の線(グリッド)を作成するとその前後の壁を利用できるため、2倍の密集率を持つ回路パターンを形成することが可能です。

③ノイズキャンセリング

画素ごとの性能のばらつき問題を解決するためには、差分測定が用いられました。画像撮影前に各画素のノイズのばらつきを記録しておき、撮影後にノイズ差分を計算することでノイズを除去する操作を行います。これをノイズキャンセリングと呼びます。

(3)現在の市場シェア

現在はCCDからCMOSへの移行が進んでいます。既に2004年には出荷台数が逆転している状況です。イギリスの市場調査会社OMDIAの調査によると、CMOS製品のシェアを広げているのがSONYで半分近くを占めています。また、その後ろを追いかけているのが韓国のサムスン電子で1/4近くのシェアです。

SONYがこれほどまでにシェアを広げているのは、CMOSセンサの量産化に初めて成功した企業だからです。センサの小型化と回路の精密化を両方維持するために、画素部と信号処理回路部をそれぞれ別々の2枚のシリコン基板に形成する技術を開発しました。この技術のおかげで、小さいながらも多機能なCMOSセンサの量産に成功しています。
また、SONYは2020年5月にAI処理機能を搭載したイメージセンサーも発表しており、高精度・高機能化を進めています。

対してサムスン電子は高画素品を生み出せる技術を持ち、こちらでシェアの獲得を進めています。

3.CMOSセンサの用途

CMOSセンサは、いくつかの課題がありましたが、現在はさまざまな技術が開発されたことで多くの場面で活用されています。実際にどのように用いられているのか、主なシーンをご紹介しましょう。

(1)産業ロボット

ロボットがワークをつかむために、以前はXYZでの座標認識が主でした。しかし、近年はCMOSセンサを用いてワークを認識することが増えてきています。この利点はある一定範囲内にワークがあればワークの位置が多少ずれていても、またワークの向きが少し曲がっていても正しく認識できます。

(2)スマートフォン

スマートフォンのカメラの性能は飛躍的に上がっています。また近年、スマートフォンに搭載されるレンズの数は2つ、3つと数が増えてきています。

CMOSセンサの利点として省電力や小型であることも挙げられます。普段から持ち歩くことの多いスマートフォンに最適の特徴です。

(3)自動運転車

CMOSセンサを用いたイメージセンサは車載用として使用されています。自動運転を行うには、カメラを初めとした画像認識を行い安全性を確保しなければなりません。

また、ドライブレコーダーなど通常車両にもカメラの積載が増えてきています。今後とも、CMOSセンサを用いた画像認識とAIを組み合わせる事例が増加していくことが考えられます。

4.CMOSセンサを利用した画像処理メーカおすすめ3選

CMOSセンサは、製品のクオリティを保つのに不可欠な画像処理において、とりわけ重要な部材となっています。最後に、CMOSセンサを利用した画像処理を行いたいときに相談したいおすすめのメーカを、3つご紹介します。

株式会社FAプロダクツ

【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。

【ポンチ絵とお見積りのサンプル】


テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。

また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。

業界最大級の画像処理検証施設を開設!

「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。

【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

キヤノンITソリューションズ株式会社

【特徴】
製造業や医療分野など幅広い画像処理システム構築をサポートしています。また、画像処理システムの構築に必要な部材やAIスマートカメラなどを取り揃えています。さらに、キヤノンならではの各種検査機器や印刷機器などのノウハウを活かした、最適なソリューションを提案しています。

【所在地】
東京都港区港南2-16-6 キヤノン Sタワー
TEL.03-6701-3300

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

【特徴】
音楽やゲームなど日常生活に馴染みのある企業のグループ会社です。マシンビジョンカメラや撮像素子の開発・販売をしており、スマートフォンで使用する撮像素子のシェアトップの企業です。

【所在地】
神奈川県厚木市旭町四丁目14番1号
問い合わせ窓口

5.CMOSセンサに関するご相談画処ラボまで

今や画像認識の世界では、必須の機器となっています。

そうした流れがあるためか、各社から優れたCMOSセンサが開発されています。自社工場に適したセンサを導入したいと考えているのであれば、専門のメーカに相談するのがおすすめです。

FAプロダクツの画処ラボでは、そうした装置導入のアドバイスを行っていますので、よければお気軽にご相談ください。

関東最大級のロボットシステムインテグレーター 画像処理の検証から装置化ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317