ロボット動作にセンサは不可欠!自動化の前に知っておきたい関係性
産業用ロボットとセンサは密接な関係がありますが、「具体的にどのような関係性があるのか」と深く知らない方もいるのではないでしょうか。
結論からいえば、産業用ロボットが正しく動作するためにはセンサの存在が必要不可欠です。センシング技術や他の駆動部にも関わってくるため、今一度センサの重要性を認識しておくことをおすすめします。
当記事では産業用ロボットとセンサの関係性やロボットに用いるセンサの種類、それぞれの将来性について解説します。
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目次
1.産業用ロボットとセンサの関係性とは
産業用ロボットは、センサによって得たデータによる制御や異常検知を行わなければ、正式かつ連続的に動作させるのは難しいです。それほど産業用ロボットにとってセンサは重要な機器といえます。まずは産業用ロボットの概要から、両者の関係性についてご紹介します。
(1)産業用ロボットの概要
産業用ロボットとは、主に製造現場にて人間が行うさまざまな作業を代行してくれるロボットです。
総務省や日本工業規格JISなどでは、「自動制御によるマニピュレーション機能または移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械」と規定されています。
主な産業用ロボットは次のとおりです。
- 垂直多関節ロボット:4つ以上の軸をもったアーム状ロボット
- 水平多関節ロボット:水平方向に柔軟に移動するロボット
- 直角座標ロボット:2つ以上の直行する軸をもった平面作業用のロボット
- パラレルリンクロボット:複数の軸を稼働させつつある1点を集中して制御するロボット
ロボットの用途には、製品の溶接や塗装、物品の組み立て、製品の搬送などがあります。そのほかの産業用ロボットを組み合わせれば、非常に高精度な動作をさせることも可能です。
しかし、こうした産業用ロボットに製造ラインや製品に合わせた動きをさせるには、「ここまで動く」「ここで止まる」「何秒後に再開する」などの複数の命令を組み込み、正確にコントロールしなければなりません。
そこでセンサを用いてさまざまな情報を収集することで、そのデータを基にした動きを制御し、想定した動作を行えるようになります。
(2)産業用ロボットとセンサ機器の関係
前述のとおり、産業用ロボットにはロボットの動きを制御したりモノを検知したりするための、さまざまなセンサが搭載されています。
具体例をいくつか見ていきましょう。
- マシンビジョン(画像処理)システムの製品検知用センサ
- アームロボットの動作範囲の指定用センサ
- 食品工場の洗浄システムの温度調整用センサ
センサで検知・収集した情報をコンピュータで処理、その後に産業用ロボットの動作を決定します。たとえばコンベアと連動しているセンサの場合、「流れてくる製品を検知しなかったらエラー音を出す」「粗悪品を検知したらその製品を排出する」などです。
2020年現在では「モノのインターネット」として、家電などのモノとインターネットをつなぐ「IoT」の技術を実現させるためにも、センサはかかせない機器となりました。
(3)産業用ロボットとセンシング技術
センシング技術とは、センサを通じて得たさまざまな情報を計測・数値化する技術の総称です。人間でいう「視覚」や「触覚」のイメージになります。
このセンシング技術によって読み取り可能な信号に変換した情報は、ソフトウェアに反映し処理を行います。その後に処理データを産業用ロボットへフィードバックすることで、処理どおりに動作するという流れです。
この際に、検知した電気信号にしたがってロボットを制御する機器を「アクチュエータ」と呼びます。アクチュエータとは電気や空気圧、油圧などエネルギーや電気信号を機械的な動きに変換する駆動装置です。センシングによって電子信号化した情報を、実際にロボットの駆動としてトランスするための非常に重要な機器になります。
ここまでをまとめると、産業用ロボットは次の流れで動作します。
- センサで情報を検知
- センシングで情報を数値化しソフトウェアで処理
- アクチュエータなどの機器を通してロボットへフィードバック
つまりセンシング技術による変換やアクチュエータの駆動に関係するセンサは、産業用ロボットにとって非常に重要な機器といえるでしょう。
2.産業用ロボットに用いられるセンサの種類と取り扱いメーカ
ここからは産業用ロボットによく用いられる代表的なセンサの種類や、取り扱いメーカについて解説していきます。
(1)産業用ロボットに必要なセンサ
産業用ロボットに必要不可欠なセンサは、「温度」「電気関係」「速度関係」を測定するものです。
①温度センサ
温度センサは、ロボット本体やその周辺の温度を測定するものです。気温を測るという意味もありますが、産業用ロボットで使用されるものは「機械熱」を確認するためのセンサになります。
産業用ロボットの駆動にかかわるモーターやアクチュエータなどの部品は常に熱を帯びます。この熱を検知することで、異常発熱の探知や安定稼働の確認が可能です。
温度センサを取り扱うメーカは主に次のとおりです。
- オムロン株式会社
- 三菱マテリアル株式会社
- 株式会社トーキン
②電気関係のセンサ
電気関係のセンサには、主に電流と電圧を測定するタイプがあります。
電流センサは、ロボットの回路に流れる電流の状態を確認するものです。正確な電流の測定・制御を行うことで、回路異常やモーター、アクチュエータの異常をただちに検知・対応ができます。
一方、電圧センサは、ロボットを動かすために不可欠な電圧の状態を確認するものです。電圧異常をいち早く検知することで、ロボットの故障や不具合をいち早くキャッチできます。
電気関係のセンサを取り扱うメーカは、主に次のとおりです。
- 旭化成エレクトロニクス株式会社
- 株式会社トーキン
- 株式会社キーエンス
③速度関係のセンサ
速度関係のセンサは、主に加速度センサとジャイロセンサが存在します。
加速度センサとは、モノを移動させる速さや重量、振動、衝撃を測定するタイプの検査機器です。加速度センサからこれらの情報を得ることで、産業用ロボットは自身の位置情報や故障の際の微弱な振動などをキャッチできます。
続いてジャイロセンサとは、別名角速度センサと呼ばれるもので、物体の回転や向きの変化を測定可能です。たとえばカーナビゲーションで「どこを曲がったのか」を検知したり、カメラの手振れを補正したりなどに利用されます。
速度関係のセンサの主なメーカは次のとおりです。
- 株式会社村田製作所
- 株式会社富士セラミックス
- 株式会社日野エンジニアリング
(2)そのほかの産業用ロボットに使用されるセンサ
必要不可欠なセンサ以外に、産業用ロボットによく使用されるセンサをご紹介します。
①モノの動き・位置を検知するセンサ
産業用ロボット本体や検査対象の動き・位置を計測するセンサです。主に加速度センサやジャイロセンサの役割ですが、超音波センサというソリューションも存在します。
超音波センサとは、発生させた超音波の反射や受信の強弱などを分析し、物体の有無やセンサからの距離を測るためのものです。検査対象物に触れることなく、形状や大きさを把握できます。ロボット自体というより、製品などのチェックを行うために必要なセンサといえます。
超音波センサの主なメーカは次のとおりです。
- 株式会社村田製作所
- オムロン株式会社
- 本多電子株式会社
②画像判別にかかわるセンサ
画像判別にかかわるセンサとは、カメラなどの画像情報の取り込みや処理をサポートするタイプの機器です。マシンビジョンシステムの一部として取り込まれるケースもあります。画像で判定するタイプのシステムにおいては、正確に製品判別のために不可欠なセンサです。
画像判別にかかわるセンサの主なメーカは次のとおりです。
- コグネックス
- 株式会社キーエンス
- オムロン株式会社
③外部環境センサ
外部環境センサは、産業用ロボットの環境にかかわるさまざまな要素を計測する機器です。産業用ロボットに使用されるタイプの一部をご紹介します。
- 圧力センサ:気体や液体の圧力を計測するセンサ
- 照度センサ:周囲の明るさなどの照度を計測するセンサ
- ガスセンサ:空気中のガス濃度を計測するセンサ
必要度合いは産業用ロボットを稼働させる環境や取り扱い製品によっても異なるので、自社の状況と照らし合わせながら必要なセンサを揃えていきましょう。キーエンスやオムロンなどの大手であれば、一通りの種類のセンサを網羅可能です。
3.ロボットセンサの将来性は?これからの産業用ロボットとセンサについて
産業用ロボットの市場の拡大や工場の自動化、AI・IoT分野の進化などの傾向を踏まえると、それに伴ってロボットセンサの需要も伸びると予想できます。
具体的な理由は次のとおりです。
- FA化のための産業用ロボットの需要が増えるから
- IoT分野や自動車分野などのセンサ市場も成長すると予想が出ているから
- マシンビジョンシステムでのセンシング技術にセンサは必要不可欠だから
- 音声認識や顔認識のためのセンサ需要が増えると推測されるから
さらに今後は、さまざまなセンサの性能を融合したマルチセンサの開発や、センサの省力化・小型化などが課題になるはずです。
2020年現在においては、ソニーがイメージセンサのシェアを伸ばしています。また、スマホやIoT分野の拡大が続いていることから、そこで活用されるセンサの開発ならびセンシング技術も進化を続けるはずです。
2021年にもセンサエキスポジャパンなど、センサ技術に関するイベントも企画中です。今後も産業用ロボットならび、センサ関係の将来性は有望といえるのではないでしょうか。
4.産業用ロボットの導入で困ったときのおすすめのメーカ・ロボットシステムインテグレータ4選
ここからは産業用ロボット導入やセンサの導入で困ったときにおすすめのメーカ・ロボットシステムインテグレータを4つご紹介します。
(1)株式会社FAプロダクツ
【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。
また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。
【ポンチ絵とお見積りのサンプル】
テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。
また、同社の「画処ラボ」では、画像処理を用いた外観検査装置の導入に特化し、ご相談を受け付けています。従来は目視での官能検査に頼らざるを得なかった工程の自動化をご検討の際などにご活用ください。
業界最大級の画像処理検証施設を開設!
「画処ラボ」ではルールベースやAIの画像処理を専門エンジニアが検証。ご相談から装置制作まで一貫対応します。
【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/
【営業品目】
- 産業用ロボット
- 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
- 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
- 治具の設計・製作
【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)
(2)ファナック株式会社
【特徴】
ファナック株式会社はFA事業、ロボマシン事業、IoTプラットフォーム事業の三本柱とする日本の電気機器メーカです。「世界の工場の稼働率向上」をコンセプトに、108ヵ国への進出、260以上の拠点設置を行っています。
産業用ロボットのラインナップも、スカラロボットからアーク溶接ロボット、大型ロボットとさまざまな形態に対応しています。
【所在地】
山梨県忍野村
TEL:0555-84-5555
https://www.fanuc.co.jp/
(3)株式会社安川電機
【特徴】
株式会社安川電機は1915年に創業した、メカトロニクス製品を製造するメーカです。日本で初めて全電気式産業用ロボット「モートマン」を発売するなど、産業用ロボットに関するノウハウを持っています。
アーク溶接を中心に、スポット溶接やハンドリング、組み立て、塗装などのさまざまな用途の産業用ロボットを取り扱っています。
【所在地】
福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2-1
TEL:093-645-8801
https://www.yaskawa.co.jp/
(4)川崎重工株式会社
【特徴】
川崎重工株式会社とは、船舶・車両・航空宇宙システム・エネルギー・モーターやエンジン・精密機械やロボットなどを幅広く手掛ける、日本最大の工業企業です。1969年に国産初の産業用ロボットの生産を開始した老舗でもあります。
50年以上の歴史で培った技術と経験から、顧客が持つ産業用ロボットに関するさまざまなニーズに答えることが可能です。
【所在地】
東京都港区海岸1丁目14番5号
TEL:078-991-1133
FAX:078-991-3186
https://www.khi.co.jp/
5.産業用ロボットやセンサの導入に関するご相談はFAプロダクツへ
産業用ロボットとセンサは、ロボットの動作や情報処理の部分で密接に関わっています。センサが悪ければセンシング技術やアクチュエータの駆動などで不具合が発生し、製造ラインの効率化・省力化も難しくなるでしょう。
もし産業用ロボットやセンサの導入でお悩みの場合は、ぜひFAプロダクツへお問い合わせください。製造ラインや製品に合わせた、最適なソリューションを提供いたします。
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