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生産設備に関する記事

溶接機の仕組みとは?溶接作業の概要や原理・導入の際の注意点を解説

ワーク(加工対象物)とワークを接合する溶接作業は、日本の製造現場では欠かせないものとなりました。

ただ中には「実はまだ溶接作業について詳しく知らない」「溶接機はどんな原理で動いているのか」などの知識が曖昧な方もいるのではないでしょうか。

当記事では溶接作業の概要や溶接機の種類、溶接機導入の際に注意すべきポイントについて解説します。

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1.溶接作業とは?概要や用語・保護具

溶接機について深く学ぶためにも、まずは溶接作業の概要や、溶接に関係する用語、必要な保護具などについて見ていきましょう。

(1)溶接作業の概要

溶接作業とは、金属を溶かしてから再度固めることによって、金属同士を接合する加工方法のことです。ネジやボルトで締めつけによって取り外しも自由な接合方法と異なり、溶融によって完全につなぐことができます。

溶接には母材となる金属を直接溶かして接合する方法と、母材とは別に用意した金属を溶かしてつなげる方法があります。簡単なイメージとして次の図をご覧ください。

金属を溶かして接合する溶接は「融接」です。融接とは別に、金属の接合部を摩擦や爆発などで熱を加え、圧力をかけて接合する「圧接」という溶接方法もあります。

(2)溶接関係で使われる用語

溶接作業の実務においては、普段の生活では耳にしない専門用語が多く登場します。

以下では溶接関係でよく使われる用語の意味をまとめました。

溶接関連用語 概要
シールドガス 金属と空気(酸素や窒素)を遮断するためのガス。溶接中の金属の酸化や窒化などを防ぐ。
スパッタ 溶接中に飛散した金属粒。母材につくと溶接品質の低下や溶接不完全の原因となる。
スラグ フラックスとアーク熱との反応や母線や心線から出る金属間化合物などからなる非金属物質。溶接金属に混ざると溶接欠陥の原因となる。
フラックス 被覆材のこと。溶接時に母材や溶加材の酸化物等を除去して溶融表面を保護し、金属同士をより接合しやすくする。
母材 溶接または切断される材料のこと。いわゆる実際に溶接で接合加工を施すワークを指す。
溶加材 溶接中に付加する母材以外の材料。フィラメタルとも呼ばれる。
溶接継手 接合した母材と母材の接合面のこと。
溶接トーチ 溶接電流やワイヤー、シールドガスの供給を行う器具。手動タイプと自動溶接機専用のものがある。
溶接棒 棒状の溶加材のこと。心線とも呼ぶ。

溶接を理解するには、まず上記の用語の意味を押さえておくといいでしょう。ほかの溶接用語の意味については、「一般社団法人 日本溶接協会」の公式サイトや出版書籍でも確認可能できます。

(3)溶接作業で必要な保護具

何千度もの高温や電気、鋭利な金属などを用いる溶接作業では、作業中にケガや死亡リスクを回避するための安全対策が必要不可欠です。身体を守る保護具は必ず準備しておきましょう。

①溶接面(遮光マスク)

溶接面(遮光マスク)とは、溶接時に発生する強烈な光や紫外線、母材のスパッタなどから顔面を保護するために使用する面です。頭に直接装着する「ヘルメット型」と、片手で持ちながら顔面を防御する「ハンドシールド型」が存在します。

アーク溶接時に発生する強い光は、視力低下や失明、肌のやけどなどの原因になります。

しかし、ベテラン作業者や熟練者のなかには「簡単な作業だから」と面をつけずに作業するケースも少なくありません。周囲の新人作業者が真似をする危険性があるため、そういった場合には適切な指導を行う必要があります。

②保護手袋

保護手袋とは、溶接時に発生する強い熱や母材のスパッタなどから手を保護するための分厚目の手袋です。一般的には革製のものが用いられます。またアークによる感電を防ぐために、電気抵抗が強い素材を使用しましょう。

自分の手元でトーチや母材を操作する溶接作業において、必須となる保護具の一つです。

③作業服

溶接作業で用いられる作業服は、防炎や難燃、耐熱など炎や熱に耐性を持った加工が施されているものを使用します。基本的には肌の露出がない長袖の服で、なかには自己消化機能や吸湿性がある作業服も見られます。

腕まくりや靴の裾上げなどで肌を露出したり防御部を薄くしたりなどの行為は、致命的なケガにつながるかもしれません。作業ルールの中で禁止しておきましょう。

④溶接用の安全靴

火花やスパッタが飛び交う溶接作業において、足元を守る安全靴も必要なアイテムになります。耐熱性に優れたものを選びましょう。

(4)溶接関係の資格

溶接作業の技能や管理面で一定のレベルを証明するための国家資格や民間資格、特別講習が存在します。主に次の資格です。

  • アーク溶接作業者
  • ガス溶接技能者
  • ボイラー溶接士
  • アルミニウム溶接技能者資格認証
  • 溶接管理技術者
  • 溶接作業指導者
  • そのほか日本溶接協会が認定している溶接技能者資格 など

作業員のレベルアップや安全な作業環境の確保・見直しのために、一定の作業員には必ず取得させておきましょう。

とくにガス溶接はガス溶接技能講習、アーク溶接はアーク溶接特別講習といったものを受けなければ、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が適用される可能性があります。

2.溶接機の種類やその原理について

溶接作業は主に「アーク溶接」と「ガス溶接」に分かれます。溶接機もそれぞれの作業に対応したものが開発・販売されているので、自社に必要なものを購入しましょう。以下より、溶接機の種類や原理について解説します。

(1)アーク溶接機

アーク溶接機は、アーク放電を熱源として溶接を行うアーク溶接用の機械です。現場においてもっとも使用されている溶接機になります。溶接中に達する温度は5,000~20,000度です。

アーク溶接では、空間的に離れた2つの電極に電圧をかけて空気の絶縁を破壊し、2つの電極の間で発生した電流と強い光・熱を利用し接合します。この原理で発生する光がアーク電流です。「スパーク現象」が原理的に近くなります。

アーク溶接の肝は金属と空気の接触を断つことです。窒素や酸素と金属を接触させずに反応を防がなければうまく溶接できません。遮断にはシールドガスやフラックスなどが一般的に使われます。

アーク溶接には非常に多くの種類が存在します。主なアーク溶接機は次のとおりです。

消耗電極式アーク溶接機 非消耗電極式アーク溶接機
MIG溶接 TIG溶接
MAG溶接 プラズマ溶接
セルフシールドアーク溶接
サブマージアーク溶接
被覆アーク溶接

それぞれ溶接の原理やメリット・デメリットが存在するため、自社の製造品に合ったものを選びましょう。

(2)ガス溶接機

ガス溶接機とは、ボンベによって充填されたアセチレンなどの可燃ガスを酸素と混合し、吹管内で燃焼させ、その光熱によって素材を溶融して接合するタイプのものです。

電気を使う必要がないため電源もいりません。また溶着材として溶接棒を使わず、母材そのものを溶融して接合します。アーク溶接より薄板溶接に向いている溶接方法です。

ただしデメリットとして、熱源の溶融温度が3,000度程度と低いため、溶接に時間がかかること、ひずみが大きいことが挙げられます。

ガスにはアセチレン・プロパン・エチレン・水素・都市ガスなどを用います。アセチレンが一般的です。

(3)レーザ溶接機

レーザ溶接機とは、溶接に用いる熱としてレーザ光を使用するタイプです。絞り込んだ光によって、アークよりも高密度のエネルギーを集中して溶接作業が行えます。局所の溶接、融点が異なる金属同士の接合も可能です。

レーザー光をコンピュータで制御することで、CAD/CAMと組み合わせられます。

3.溶接機を開発するメーカやそれぞれの主力商品

ここからは、溶接機を開発するメーカやそれぞれの主力商品についてご紹介します。溶接機導入をお考えであればぜひ参考にしてください。

(1)製造現場向けの溶接機

製造現場で使用する溶接機であれば、市場シェアの大部分を占める株式会社ダイヘンと株式会社パナソニックの2大メーカがおすすめです。

株式会社ダイヘン

【特徴】
株式会社ダイヘンとは変圧器や配電用機器、ワイヤーレス給電システム、産業用ロボットなどさまざまな産業用機械を手掛けるメーカです。

公式サイトでは、国内のアーク溶接機シェアは52%と発表されています。取扱製品も炭酸ガスアーク溶接からTIG、MIG、MAG、サブマージアークまであらゆる溶接機に対応可能です。

アーク溶接機の導入であれば、第一候補に挙げられるメーカといえるでしょう。

【製品情報】
・Welbee Inverter P350LⅡ・P500LⅡ(炭酸ガスアーク溶接・MIG・MIG溶接)
・Welbee Inverter T500P(TIG溶接)

【所在地】
大阪市淀川区田川2丁目1番11号
TEL:公式サイト記載の最寄りの営業所へ
https://www.daihen.co.jp/

パナソニック株式会社

【特徴】
パナソニック株式会社とは、家庭用から産業用まであらゆる機械的なソリューションを提供している大手メーカです。溶接機に関しても広く展開しており、さまざまな溶接機から周辺器具まで揃えています。

【製品情報】
・炭酸ガスアーク溶接・MAG溶接:350VR1シリーズ
・MIG溶接:Miniシリーズ
・TIG溶接:BP4シリーズ

【所在地】
大阪府門真市大字門真1006番地
06-6908-1121(大代表)
https://www.panasonic.com/jp/home.html

(2)家庭用の溶接機

家庭用の溶接機のおすすめメーカは、「ハイガー産業株式会社」、「育良精機株式会社」「スター電器製造株式会社」の3社です。それぞれの製品情報を見ていきましょう。

ハイガー産業株式会社(HAIGE)

【製品情報】
・HG-MMA-140D(MAG溶接機・インバーター溶接機100V/200V)
・YS-TIG200P(直流TIG溶接機・100V/200V兼用)
・YS-MIG100(MIG溶接機)

【所在地】
群馬県邑楽郡千代田町赤岩3072-3
TEL:0276-55-2275
FAX:0276-55-2276
https://haige.jp/

育良精機株式会社

【製品情報】
・スキルアークプロISK-SA200(MIG・MAG兼用可能・200V専用)
・イージーアークISK-SA090(ノンガス半自動溶接機・100V専用)
・ライトディグISK-Li160TIG(TIG溶接・100V)

【所在地】
茨城県つくば市寺具1395-1
TEL:029-869-1212
FAX:029-869-1083
http://www.ikuratools.com/index.html

スター電器製造株式会社(スズキッド)

【製品情報】
・SIM-60IMAX60(被覆アーク溶接機・100V専用)
・STG-200Dスタルゴン(TIG溶接機・100V200V兼用)
・SAY-Arcury120(MIG・MAG兼用・100V専用)

【所在地】
本社:東京都目黒区上目黒二丁目43番地18号
本社事務所:神奈川県藤沢市南藤沢17-15 三井住友海上藤沢ビル3F
TEL(事務所):0466-27-2666
FAX(事務所):0466-27-1055
https://suzukid.co.jp/

4.溶接機導入時の注意点

ここからは溶接機を実際に導入する際の注意点をまとめました。導入検討前に一度目を通してみてください。

(1)溶接機の選び方について

前述のとおり、溶接機にはさまざまな種類が存在し、それぞれにメリット・デメリットが存在します。選ぶ際は、自社で扱っている金属や加工規模によって、適切な溶接機を選ぶ必要があるでしょう。

例えば大規模な溶接現場にTIG溶接機やプラズマ溶接機を導入するより、MIG溶接やMAG溶接のような半自動溶接のほうがガンガン溶接できます。

また取り扱い金属が炭酸ガスと反応するタイプだと、炭酸ガスアーク溶接やMAG溶接は不向きです。ほかにも風の影響を受けやすい溶接方法だと、野外の作業には適さないなども考えられます。

事前にしっかりと吟味する、もしくは導入前にメーカやシステムインテグレータに相談するなどの対策を取ることをおすすめします。

(2)溶接機の安全面の対策について

溶接作業は非常に危険を伴う作業です。死亡事故も過去に何度も起きています。

とくにアーク溶接の場合は、熱によるケガだけでなく電気による感電死対策も考えなくてはなりません。アーク溶接中はアークによる電流が発生しているため、加工物にも電流が流れているのです。

実際に感電を含む次のような事故が起きています。

  • 鋼製スロープ製作中に溶接棒が横腹に接触し感電死
  • 資格取得に向けた電気溶接の練習中に感電死
  • タンク溶接中、タンク内の残存トルエン蒸気に着火して爆発 など

上記のような事故を防ぐためにも、次のような安全対策を取りましょう。

  • 溶接作業中の人物や加工物には絶対に触れない
  • 保護具が必ず着装する
  • 溶接機の電源をオンにしたまま人に近づかないまたは作業を中止しない
  • そのほかの危険作業を事前に抽出し安全マニュアル作成や安全教育を行う
  • 溶接作業の資格を取得してもらう など

(3)溶接機のレンタル事業について

「溶接作業が必要だけど、常に必要なわけではない」という場合は、溶接機のレンタル事業を利用しましょう。レンタルを利用することで次のメリットがあります。

  • 余計な機械を抱え込まずに済む
  • 常にメンテナンスが行き届いた溶接機を利用できる
  • 企業からさまざまなアドバイスを受けられる など

少しだけ利用したい、または緊急時の対応に困っているという場合は、レンタルの利用も検討してみてください。

溶接機のレンタルに対応している企業は次のとおりです。

  • コメリ株式会社(パワー)
  • 鈴木機工株式会社

5.溶接機導入やリプレースの相談があればFAプロダクツ

溶接機導入で相談したいことがあれば、前述の株式会社ダイヘンやパナソニック株式会社がおすすめです。家庭用の小さな溶接機の場合は、各メーカーへ問い合わせるのが一番効率的でしょう。

一方で、製造現場やその他コストを含めた総合的なご相談、あるいはリプレースに関する悩みの解決をご希望でしたら、FAプロダクツへぜひ一度お問い合わせください。

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