企業で活躍するロボット 注目の種類や導入業界・工程を紹介
昨今、産業用ロボットをはじめ、国内外で企業で活躍するロボットが注目を集めています。その規模は2035年には約10兆円規模に到達するといわれており、今後様々な企業や業界で活躍するロボットが続々と登場してくることが予想されます。
この記事では、そんな今注目の「企業で活躍するロボット」について、種類や業界をご紹介します。
また、産業用ロボットをラインに追加して、
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目次
1.ロボットとは
そもそもロボットとは、人の代わりにプログラムによって自動で作業を行ってくれる機械のことです。明確な定義はありませんが、今ではAIやIotなどを総称してロボットと呼びます。
経済産業省の「ロボット政策研究会 報告書」によると、ロボットのことを「センサ・駆動系・知能、制御系に技術要素を有する機械」と定義づけています。
2.ロボットを扱う企業とは
企業の中で人に代わりに作業を行ったり、分析・解析したりと、機械はいろんな業界で活躍しています。その中でも企業の業界ごとに扱うロボットの種類も異なります。主なロボットの種類としては、
- 産業用ロボット
- 家電ロボット
- 手術支援ロボット
- 医療支援ロボット
などがあげられます。
その中でも最も注目を集めているのが「産業用ロボット」です。
(1)産業用ロボットを扱う企業が特に注目を集めている
先にも述べたように、産業用ロボットは今非常に注目の業界です。産業用ロボットの市場だけでも2035年には現在の5倍になると予想されており、2011年から2016年にかけて毎年14%づつ、産業用ロボットの販売台数は伸びています。
日本だけではなく海外でもその需要は伸び続けており、日本・中国・アメリカ・韓国などが高い稼働台数を保持しており、中でも韓国のロボット化率(工場労働者1万人あたりのロボット稼働台数)はかなり進んでおります。
(2)需要が高まった背景
産業用ロボットの需要が高まった背景としては、その活動領域の拡大が理由です。従来の産業用ロボットを導入する企業の特徴は自動車や電気機械といった、大型機械の製造現場が中心でした。
なぜなら、産業用ロボットを導入するには、非常にコストが高く、またロボットが稼働するために必要なシステムの場所の確保のための大きな敷地が必要でした。そのため、ある程度資金力のある企業した導入できなかったのです。
しかし、近年では低価格化や小型化といった低コスト・低パフォーマンスで導入できるロボットの開発が進んだことや、人と一緒に協働できるロボットが開発されたことで、敷居が一気に低くなりました。今では大きな敷地を持っていない中小企業でも産業用ロボットの普及が進んでいます。
(3)この先の産業用ロボット企業の市場の未来予想
先にも述べたように、産業用ロボットの市場はこの先どんどん伸びていくことが予想されます。それに従い市場規模もさらに大きくなっていくでしょう。その理由のひとつにインターネットショッピングの需要拡大があげられます。
インターネットショッピングの需要が拡大すると、人の代わりに販売した製品や部品を輸送したり、梱包したりするロボットが必要になります。産業用ロボットを導入すると、人件費の削減や倉庫内で人が移動する手間が省けるため、一人当たりのコストパフォーマンスが上がります。
今後、人口が減少し、人手不足と比例してインターネットショッピングの需要が拡大していくと、おのずと産業用ロボットの需要も拡大し市場の規模も大きくなるでしょう。
3.最新のロボットを分野ごとの業界でご紹介
産業用ロボット以外にも様々な業界でロボットは普及して、進化し続けています。今後、ロボットの存在が私たちのもっと身近になることもそう遠くはないでしょう。では分野ごとに最新のロボットをご紹介します。
(1)製造
先にご紹介した産業用ロボットは大きくこの分野で活躍しています。製造の分野では特に中国が需要を伸ばしてきており、この先もさらに需要は伸びていくと予想されます。特に産業用ロボットの中でも「協働ロボット」が注目を集めています。
協働ロボットとは人と一緒に作業できるロボットのことです。従来では人と一緒にロボットが協働することは危険を伴っていましたが、技術の進化により出力が80W以下のロボットは人と一緒にいるスペースで協働できることが法律で決まりました。
最新の動向では日本の川崎重工が人共存型双腕スカラロボット「duAro」を開発したり、2018年6月にはABBと協働して協働ロボットのオペレーティングインターフェースを共同開発しています。
(2)物流
物流業界も産業用ロボットの活用・導入が活発に行われている分野です。amazonに代表される大型物流センターではすでにロボットの導入が進んでいます。
倉庫では棚全体を移動できる大型倉庫で利用される「(Goods-to-Person)」や、人と一緒に働くことができて、既存の倉庫をいじることなく導入できる「AMR(Autonomous Moblie Robot)」が導入されています。
・GTPタイプのロボット:Butler(Gray Orange社:インド)
・AMRタイプのロボット:OTTO(Clearpath Robotics社:カナダ)
(3)建築・土木
建築分野でもロボットの活用が本格的に始まっています。例をあげると、鹿島建設ではシリコンバレーに拠点をおき、完全自動化の建築機械の開発を目指しています。
大和ハウスは「耐火被覆吹付ロボット」を開発。2018年4月には実証実験も行っています。また、清水建設は「シミズスマートサイト」と根幹技術を進めており、鉄骨を溶接したり、資材を輸送したり、ボードを貼るロボットを公開しています。
参照:「耐火被覆吹付ロボット」によるロックウール・モルタル吹付作業
同じく竹中工務店や産業技術綜合研究所(産総研)なども建設用ロボットの開発に力をいれており、すでにそれらのロボットの一部は現場で活躍しています。
近い将来、人間は資材をロボットに渡したり、指示したりするだけで、あとはロボットが作業してくれることも可能で、今後幅広い現場で活躍が期待されます。
(4)医療
医療の分野・業界でも今後ロボットの普及がさらに進むと予想されます。2018年4月には内視鏡下手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の保険適用範囲が12種類に広がりましたが、同年の12月には「ダ・ヴィンチ」の特許が切れるため、世界中の国々でまた新しい手術支援ロボットの開発が始まっています。
(5)介護
日本では2018年4月に厚生労働省が「介護ロボット開発・普及推進室」を立ち上げ、国内の介護ロボットの普及に力を入れています。
この先、高齢化が進み少子化が懸念される日本では、介護の人手不足が予想されることから「介護ロボット」に対する期待や需要は大きいと予想されます。
トヨタと藤田保健衛生大が共同開発したリハビリ歩行支援ロボット「ウェルウォーク」は全国的で試験的に導入されています。
また2018年9月には高齢者の歩行機能の維持・向上を促進する衣服型ロボット「HAL」の開発が日本医療研究開発機構ロボット介護機器開発補助事業のひとつとして採択されるなど、開発に向けて着実に進んでいます。
(6)農業
農業の分野ではいわゆるスマート農業、農業ロボットが話題です。最近では遠隔操作ができるラジコンボートで除草なども話題になっています。2017年にはクボタが自動運転農機を発表したり、次の年にはヤンマーなども農業用ロボットの開発に着手しています。
除雪機のメーカーとして知られる和同産業は草刈りロボット「MR-300」を開発し、従来では不可能だった丈の高い草も刈ることが可能になりました。また中西金属工業の台車ロボット「アクビー」も農業用途のロボットとして話題を集めています。
(7)調理・飲食
意外かもしれませんが、調理・飲食業界でもロボットの開発は進んでいます。例えばがんこフードサービスはシャープ製の移動ロボットを活用した配膳ロボットを開発しました。
また配膳のみならず、アメリカの企業では丼などロボットが調理する技術の開発も進められています。ボストンでは「Spyce」と呼ばれるロボットが調理するレストランが開店しました。
配膳や顧客の管理のみならず、この先人間に変わって調理をするロボットを導入するお店も増えてくるかもれません。
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4.企業で活躍できるロボットの今後
産業用ロボットをはじめ、IotやAIの普及により、今後さらに企業にロボットの普及が予想されます。先述したとおり、産業用ロボット産業の市場規模はここ数年右肩あがりで成長し続けています。
またこうしたロボットの需要の拡大や様々な業界への普及に伴い経済産業省と日本ロボット工業会は「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSler)」を紹介するWebサイトを公開しています。※弊社も加盟しています。
またこれに準拠したテキスト「ロボットSlerスキル標準」も作成しており、ロボット関係者なら読んでおきたい必読のテキストとなっています。こうした背景もあり、企業で活躍するロボットを普及させる機運が高まってます。
5.産業用ロボット導入のご相談はFAプロダクツへ
企業で活躍する注目のロボットの種類や業界をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
この先、様々な分野でロボットが普及されていきます。それに伴い人件費の削減や、人の労働力をまた別の所に利用できたり、他の業務に力を入れたりできるようになります。
急速にロボット産業は伸びてきており、需要も高まっています。今後はより、人とロボットが協働で作業を進めたり、仕事を管理したりできる未来が訪れるでしょう。
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