ガス充填機とは?充填方式別や活用ポイント、おすすめ製品5選!
ガス充填機とは、袋内にガスを充満させ、袋内にある酸素を追い出す装置です。食品や工業、医療など多岐に渡る業界で活用されています。
ただ、ガス充填機にはさまざまな種類があるため、いざ導入しようにも、どれを選べば良いかわからない人もいるでしょう。
この記事では、ガス充填機の選び方から販売メーカの製品についてまとめました。また、導入のメリット・デメリットや生産性をあげるポイントも紹介します。
もし、ガス充填機のコンサルティングを受けて、
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目次
1.ガス充填機とは
(1) ガス充填とは
ガス充填とは、その文字のように、食品に使用される容器、袋、パック、ビン、また、薬包装、そしてLPGボンベのような容器に、ガスを充填することです。
ここでは、容器包装とボンベにガスを充填する方式を、参考としてご紹介しましょう。
➀ 容器包装へのガス充填
図1は、包装容器にガス充填する方式のイメージ図です。
容器内には空気が入っているため、空気を吸引して排出します。
空気を全て排出すると容器内は真空になるため、このまま容器を閉じれば、真空包装となります。
② LPGガスボンベへのガス充填
図2は、LPGガスをボンベに充填するイメージ図です。コンロ用のガスボンベも同じ要領です。
図2の上側は、半自動の充填方式で、ガス充填機にボンベをセットし、ガス充填を行います。
ボンベの容量は厳しく規制されていあるため、空になったボンベに充填する前にはわずかでもLPGガスが残っていないか残存量を測定し、充填後は規定量が入ったかどうか、充填前・充填後の重量から計算します。
図2の上側は、自動式の充填方式です。充填の手順・要領は、半自動と変わりはありません。
【関連動画】
LPガス充填業務合理化システム_3/4自動タイプRMAⅡ
引用:https://www.youtube.com/watch?v=IjL8HlrzEPw
ゼネラルパッカー 半自動呼吸式ガス充填機
引用:https://www.youtube.com/watch?v=tZgtAQaA3P8
02小型ガス充填包装機
引用:https://www.youtube.com/watch?v=E-nz1j9i3N4
(2) ガス充填機の充填方式
ガス充填包装とするには、空気を排出した後に、ガスを充填します。二酸化炭素CO2や窒素が封入ガスとして用いられます。容器の中身によって、充填ガスも変わります。
なお、ガス置換する際に、ガスの割合が、例えば95%を超えなければ、再度、再再度、排出・重点を繰り返します。ガスの割合は保存期間や内容物によって、異なります。
ガス充填機は充填方式の違いで3種類あり、その中から装置の特徴で絞ると選びやすくなります。
特徴 | |
ノズル方式 | ・安価で入手しやすい
・小ロット生産向け ・ガスの損失が少ない |
チャンバー方式 | ・複数を同時にガス充填が可能
・小~中ロット生産向け ・ガス充填率が高い |
ガスフラッシュ方式 | ・ピロー包装用
・大量生産向け |
ノズル方式はガス充填機の中で、安価で入手しやすくコンパクトな装置が多くあります。一つずつガス充填するため、小ロット生産向けの装置です。ガスは袋内のみに送り込むだけなので、ガスの損失が少ない方式です。
チャンバー方式は、複数を同時にガス充填できるモデルがあり、小〜中ロット生産向けの装置です。チャンバー内全体を脱気後にガスを充填するため、ガス充填率が高くて酸素濃度を低く抑えられます。
ガスフラッシュ方式は、ピロー包装向けの装置です。筒状の包装容器内にガスを吹き付けて充填します。充填の速度が早くて大型の装置が多いため、大量生産向けの方式です。
2.ガス充填機のメリット・デメリット
ここからはガス充填機を導入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかを以下の表にまとめましたのでご覧ください。
メリット | デメリット |
食品の保存期間延長 | 専用ガスボンベ等が別途必要 |
品質の向上 | 目的別にガスの種類変更が必要 |
それぞれを詳しく解説します。
(1)メリット
①食品の保存期間延長
ガスを充填することで、袋内の酸素量を減らして微生物やカビの繁殖を防ぐ効果があります。特に食品の鮮度保持や保存期間を延長できるので、食品ロスの対策になります。また管理コストを低減することも可能です。
②品質の向上
袋内の酸素量を減らすと、製品の品質が向上します。食品であれば風味の維持、工業製品であれば錆防止が期待できます。
③オプション追加で他装置を省略化する
ガス充填機には、オプション選択できる装置が多数あります。例えばガス充填機に印字装置を追加すれば、充填包装後に別の印字装置へ持ち運ぶ必要も無くなります。無駄な移動を省くことができ、作業効率アップが期待できます。
(2)デメリット
①専用ガスボンベ等が別途必要
ガス充填機は、別途ガスボンベや調整機が必要です。そのため、装置以外にもガスボンベ等の設置スペースを確保しなくてはなりません。装置導入後にガスボンベの設置スペースが無いと、ガス充填ができない可能性があります。
導入したい装置の他に何が必要で、どれくらいスペースが必要かをメーカに聞いておきましょう。
②目的別にガスの種類変更が必要
ガス充填する目的によって、ガスの種類を変更する必要があります。例として、食品に使用するガスの種類と効果を表にまとめましたのでご覧ください。
使用ガス | 効果 |
二酸化炭素(CO₂) | 微生物の繁殖を抑制 |
窒素(N₂) | 酸化防止、虫の発生防止 |
酸素((O₂) | 鮮度維持 |
アルコール | 殺菌 |
上記のようにガスによって効果が異なり、使用できるガスは機種ごとに決まっています。導入後にガスの種類を変更したい場合、別の装置を購入する必要がある可能性もあります。
一方で、ガスを組み合わせて使用する場合もあります。二酸化炭素+窒素+酸素を組み合わせて食品の風味を守りながら微生物繁殖を抑制することも可能ですが、保存期間も変化してきます。
ただし、ガスの組み合わせはコストがかかることが多く、メーカに相談しながら適切なガスの使用をおすすめします。
3.ガス充填機を使用する際のポイント
ガス充填機は、ガスボンベ内の圧力が高いため、通過するホースが劣化して破裂などが発生しやすくなります。
それらのトラブルを回避するため、ガス充填機のメンテナンスする期間をあらかじめ決めておき、メンテナンス時に新品に交換するなど対策を施しましょう。
ホースの交換時期は、実際に使用して点検ごとに劣化度を調査し、またガスメーカに実績を聞いて、交換周期を決定します。これらを実行することで、機械寿命の延長と生産計画の乱れを抑止できます。
4.ガス充填機の主要メーカと製品
ここでは、ガス充填機の製造・販売を主力としているメーカと製品をいくつか紹介します。
(1)キムラシール株式会社
【特徴】
国内外に400社以上の取引先がある包装機メーカです。伊丹にある工場に装置のショールームがあり、実物を見学することもできます。ガス充填機の置換率テストも実施して、最適な装置提案ができる企業です。
【所在地】
〒665-0022 兵庫県宝塚市野上6丁目9番7号
TEL:0797-77-7092
【製品】
キムラシール社では、ノズル方式の「ガス置換シール機(KSGF20E-15/25)」を取り扱っています。
①ガス置換シール機(KSGF20E-15/25)
キムラシール社のガス充填機には、以下3つの特徴があります。
- 扱いやすい
- 多彩なオプション
- AC100V電源
タッチパネルからさまざまな設定ができ、扱いやすさが最大のポイントです。PLCで制御しているため、タッチパネルから数値を入力するだけで簡単に設定変更できます。
またオプションも豊富で、カウンターや印字・プリントなどのオプションを選ぶことで最適な装置導入も可能です。
家庭用コンセントでも使用できる、AC100V仕様の装置です。
(2)シール栄登株式会社
【特徴】
食品・医療・工業・物流向けのさまざまな包装機を独自で開発・販売しているメーカです。シール栄登社の製品は、すべて国内の自社工場で組立しています。国内6箇所に拠点があるため、サポート面でも充実している企業です。
【所在地】
〒555-0012 大阪府大阪市西淀川区御幣島1-9-23
TEL:06-6474-1111
【製品】
シール栄登社では、チャンバー式方式とノズル方式を1種類ずつ紹介します。
- SKZ950G / 1100G(チャンバー方式)
- SEVG190(ノズル方式)
以下より詳しく解説します。
①SKZ950G / 1100G(チャンバー方式)
SKZ950G / 1100Gには以下3つの特徴があります。
- 衛生面に優れたステンレス仕様
- 効率的な作業テーブル
- 液物に対応
装置のほとんどがステンレス製となっており、衛生面や耐久性に優れています。
作業テーブルが2面あるので、ガス充填中に次の製品を準備できます。充填完了までの待ち時間に準備できるため、無駄な時間を削減した効率的な装置です。
テーブルが斜めに傾斜しているため、液物にも対応しています。
(参考:SKZ950G / 1100G(チャンバー方式)│シール栄登株式会社)
②SEVG190(ノズル方式)
引用:https://www.youtube.com/watch?v=2lewIx3nPMQ&t=1s
SEVG190には以下3つの特徴があります。
- スピードなどをデジタル表示
- 対象製品に応じたノズルカスタマイズ
- 3パターンの動作切り替え
スピードなどの設定値をデジタル表示しているため、細かな設定変更が可能です。
対象製品の大きさに合わせたノズルを取り付けられ、効率的なガス充填ができます。
動作パターンは、真空のみ・真空後ガス充填・同時の3種から選べるので、さまざまな製品に対応した機種です。
(3)株式会社 西原製作所
【特徴】
食品用包装機を中心に、医療・工業分野にも進出している包装機メーカです。創業から65年のノウハウがつぎ込まれた装置は、業界問わず定評があります。また最新技術の取り入れにも力を入れています。
【所在地】
〒733-0833 広島市西区商工センター8丁目8番17号
TEL:082-277-5363
【製品】
西原製作所社では、チャンバー方式とガスフラッシュ方式の2機種を紹介します。
- KSP-310(G)型型(チャンバー方式・オプション)
- ASP-800シリーズ(ガスフラッシュ方式・オプション)
以下より詳しく解説します。
①KSP-310(G)型(チャンバー方式・オプション)
KSP-310(G)型には以下3つの特徴があります。
- 卓上タイプでコンパクト
- AC100V電源
- ガス充填はオプション
装置サイズは、幅423mm・奥行625mm・高さ380mm(チャンバー閉)と卓上に置けるコンパクトサイズです。また家庭用電源のAC100V仕様なので、場所を選ばない特徴があります。
ガス充填モデルはオプションですが、卓上かつAC100V電源で使えるので店頭販売など少ロット生産や研究開発向けの装置です。
②ASP-800シリーズ(ガスフラッシュ方式・オプション)
ASP-800シリーズには以下3つの特徴があります。
- 衛生面に優れたステンレス仕様
- 自動計量やバケットコンベアと接続可
- ガスフラッシュはオプション
装置の主要部はすべてステンレス製で造られているので、衛生面や耐久性に優れています。
また他装置をつなげることもでき、自動計量やバケットコンベアと接続して自動化も可能です。
ガスフラッシュはオプションですが、10〜40袋/分の生産能力がある大量生産向けの装置です。
5.ガス充填機の導入に関するご相談は株式会社FAプロダクツへ
ガス充填機は、食品の保存期間延長などさまざまなメリットがありますが、本記事で紹介したように多様なメーカから販売されており、その特徴はさまざまです。
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