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生産設備に関する記事

画像寸法測定器の選び方や導入メリットを解説、測定器3機種を紹介

画像寸法測定器とは、カメラと画像処理システムを駆使して製品の精度を測定する装置です。通常のカメラ検査とは異なり、検査精度はμm(マイクロメートル〈1マイクロメートル=1/1000ミリメートル〉)単位で測定できます。おもに寸法を測定して製品の品質を確認する装置で、品質保証に関わる重要な役割を担っています。

活躍分野は自動車から半導体・医療機器など多様な分野で活躍しており、私たちの生活に直結している重要な装置のひとつです。

この記事では、画像寸法測定器の選び方から販売メーカの製品についてまとめました。また、導入のメリット・デメリットや生産性をあげるポイントも紹介します。

もし、画像寸法測定器のコンサルティングを受けて、

  • 省力化、省人化してコストダウンしたい
  • 生産性アップして売上を上げたい
  • 人的ミスを減らして品質価値を高めたい
  • どのメーカーの自動化設備を使えば効率的かわからない

という場合は、お気軽にFAプロダクツまでお問い合わせください。
関東最大級のロボットSIerとして、最適化のご提案をさせていただきます。

1.画像寸法測定器の選び方

(1) 画像寸法測定器とは

JIS B 7441の非接触座標測定機を対象物の形状を多点群の三次元座標値として取得できる非接触座標測定機と定義されています。
測定器は、イメージセンサ(CCD カメラ)、物体表面にパターン・テクスチャを投影方式、レーザ光照射する光学式センサ、その他の手法で非接触プロービングシステムを備えたものとしています。
画像から寸法を測定する方式は、具体的には述べられていませんが、その他の分類として構わないでしょう。

JISでは、寸法測定誤差は、JIS B 7440に従うものとしています。

(A) 寸法測定器のイメージ
図1では、画像寸法測定器のイメージ図を紹介しています。

別コラムで「画像測定機とは?選び方や生産性アップのコツ、おすすめ製品10選」で、画像測定器について紹介していますが、それは寸法測定もできますから、同じものと受け止めても良いかもしれません。

図1から、画像寸法測定器は、照明の当たったCCDカメラによってワークの画像を撮像し、画像処理装置へデータが伝送されます。
なお、ワークの向きなどは、ステージの微調整によって、正規の状態で撮像されます。
撮像された画像は、画像処理のアルゴリズムや特殊なソフトによって、寸法が測定され、出力されます。

(B) 寸法測定器の画僧処理例その1
図2では、画像処理で行われる二値化処理について、そのイメージを紹介しています。

二値化処理は、ワークの画像を白と黒に分けて寸法の取る箇所の座標を決めて、測定します。図2では、ビンに入った液面の高さを測定する方式で次のような方式で二値化します。

  • 容器の画像はカラー画像なので、二値化しやすいように、0~255のグレー色に変換します。
  • 二値化するには、しきい値を決め、しきい値の左右を、データ0と255に分けて二値化します。
  • 図2の左側の図は、しきい値が適当でないため、容器の線状が現れ二値化となっていません。
  • 図2の右側の図は、しきい値を変えて、容器のレベルが分かるように二値化されています。

(C) 寸法測定器の画僧処理例その2
図3では、ワークの測定する寸法の箇所を示しています。

幅のあるワークでは3Dの画像では、普通レンズで撮像すると、遠近からの光の具合が映り込んで、正しく二値化できません。
これを図の下側のように、テレセントリックレンズを使うことで、遠近からの光の影響をなくし、うまく二値化することができ、寸法測定が可能です。

(D) 画像寸法測定器の選定ポイント
このように、画像処理寸法測定では、カメラの解像度の他に、撮像方法、照明の方法などのハード的なものと、撮像した画像を処理するアルゴリズムや特殊処理のソフトが必要です。
これらのソフトは、画像寸法測定器のメーカーが独自に開発しています。

以下では、画像処理寸法測定器の動画を紹介します。

画像寸法測定機の動作

OpenCV(Python)簡易測定器(画面に寸法描写・二値化による自動測定)


画像寸法測定器の選び方は、「カメラ」「照明」「レンズ」の3つに絞ると選びやすくなります。それらを表にまとめましたので、ご覧ください。

ポイント
カメラ
  • 視野範囲と画素数
  • カラーorモノクロ
照明
  • 照射方法
レンズ
  • 視野
  • 焦点距離
  • ピント
  • 歪み

以下より詳しく解説します。

(2)カメラ

カメラのスペックで測定するサイズや精度が決まります。カメラのポイントでまず「視野範囲」では、撮影できる視野範囲で測定できるサイズが決まります。「画素数」では数値が大きいほど精度の良い測定が可能です。「カラーorモノクロ」では、測定する対象物の境界に色の変化がある場合でどちらが良いか決めます。

(3)照明

照明は、「照射方法」「色」で選ぶと良いでしょう。「照射方法」には正反射・拡散反射・透過の3種類から選択します。測定物の形状や、測定用途から選びましょう。

(4)レンズ

レンズは、視野の範囲と焦点の距離からピントまでの距離(ワークディスタンス)で選びましょう。高低差による撮像歪みにも注意が必要で、歪みの少ないテレセントリックレンズもあります。

2.画像寸法測定器のメリット・デメリット

ここからは画像寸法測定器を導入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかを以下の表にまとめましたのでご覧ください。

メリット デメリット
検査時間の短縮 価格が高額
ヒューマンエラーとバラつきの解消 オペレータのトレーニングが必要
対象物を傷つけない 計測したデータの保管

それぞれを詳しく解説します。

(1)メリット

①検査時間の短縮

画像寸法測定器のほとんどは、数秒で検査結果が表示されます。人が検査する時間より圧倒的に早く・正確に検査できます。

②ヒューマンエラーとバラつきの解消

ボタン1つで計測出来るので、ヒューマンエラーが無くなります。また検査自体に人が介入しないので、測定のバラつきが無くなります。

③対象物を傷つけない

非接触で計測するため、測定物を傷つけることなく検査が可能です。検査用に製品を増産する必要はなく、ロスを減らせます。

(2)デメリット

①価格が高額

画像処理システムや高性能カメラを搭載していることで、高額な装置が多くあります。必要な精度や機能を絞った簡素な画像寸法測定器もありますので、用途に合わせた装置導入の検討が必要です。

②オペレータのトレーニングが必要

ハイスペックな装置ほど、操作が難しい傾向にあるのが画像寸法測定器の特徴です。正しい測定結果を出すには、オペレータをしっかりトレーニングする必要があるでしょう。

③計測したデータの保管

計測した結果を保存する場合、データを保管するシステムが必要です。画像寸法測定器だけでなく、データを保存するツールも考慮して導入を検討する必要があります。

3.画像寸法測定器を用いて生産性を上げるポイント

画像寸法測定器を最大限生かし、生産性を上げるためのポイントを3つ紹介します。

  1. 操作マニュアルの作成
  2. 保存データのルールを整備
  3. CAD図面と比較する

詳しく解説していきます。

(1)操作マニュアルの作成

誰でも簡単に扱えるように、操作マニュアルを作成すると生産性の向上が見込めます。作成に時間を要しますが、一度作成してしまえば誰でも検査が可能となります。計測不要な箇所をマスクしたいなどを明確にすれば、ヒューマンエラーの防止になります。

(2)保存データのルールを整備

検査のデータを保存するルールを決めましょう。保存名などを一定のルールに基づいて保存すれば、見直しや比較したい場合にすぐにデータを発見できます。例えば一週間前と比較したい場合なら、日付をデータ名に入力しておくと発見しやすくなります。

(3)CAD図面と比較する

画像寸法測定器には、CAD図面のデータと比較できるものもあります。図面データをあらかじめ登録しておけば、装置が実測と図面データを比較してくれます。特に計測箇所が多い場合、ひとつひとつを確認するのは大変です。装置が自動で比較してくれるので生産性の向上に繋がります。

4.画像寸法測定器の主要メーカと製品

ここでは、画像寸法測定器の製造・販売を主力としているメーカと製品をいくつか紹介します。

(1)株式会社キーエンス

【特徴】
多種多様なFA機器を製造・販売しているメーカです。世界中に拠点があるため、どの国でも同じサービスを受けられます。サポートが充実しているので、導入後も安心できる企業です。

【所在地】
大阪市東淀川区東中島1-3-14
TEL:06-6379-1111
https://www.keyence.co.jp/

【製品】
卓上型で2機種を紹介します。

  • IM-8000シリーズ
  • LM-Xシリーズ

以下より詳しく解説します。

①IM-8000シリーズ

(引用:株式会社キーエンス/IM-8000シリーズ)

IM-8000シリーズには以下4つの特徴があります。

  1. 圧倒的な計測スピード:最大300ヵ所の測定を数秒で計測し、あっという間に結果が表示されます。
  2. 高解像:また2000万画素のCMOSを搭載し、微細なエッジも見逃しません。
  3. 全周測定:オプションで回転ユニットを取り付ければ、全周の全てを測定できます。
  4. 簡単操作:操作は「置く」「スタートを押す」この2ステップのみで、複雑な操作は不要です。

②LM-Xシリーズ

(引用:株式会社キーエンス/LM-Xシリーズ)

LM-Xシリーズには以下4つの特徴があります。

  1. 超高精度:測定精度±0.1μmという超高精度で測定が可能です。
  2. 圧倒的な計測ヵ所数:また最大5000ヵ所を一度に計測が可能で、所要時間を短縮できます。
  3. 簡単操作:操作はIM-8000シリーズ同様に「置く」「スタートを押す」この2ステップのみで、複雑な操作は不要です。

(2)株式会社 ミツトヨ

【特徴】
測定工具で有名な日本のメーカです。測定器に特化してさまざまな製品を開発している企業です。画像測定器も自社で開発しています。

【所在地】
神奈川県川崎市高津区坂戸1-20-1
TEL:044-813-8201

【製品】
ミツトヨ社では、「超高精度」と「大型ワーク」の2機種を紹介します。

①超高精度画像測定機 ULTRA QUICK VISION

(引用:株式会社ミツトヨ/超高精度画像測定機 ULTRA QUICK VISION)

超高精度画像測定機 ULTRA QUICK VISIONには、以下3つの特徴があります。

  1. 超高精度測定:表示単位「0.01μm」の超高分解能スケールを搭載しており、微細な変化を逃しません。
  2. 高スループット測定が可能:長年の計測技術を集約した画像処理システムと高速ステージでスループット計測が可能なモデルです。
  3. 画像オートフォーカス:自動で最適なピント調整をしてくれるため、常に信頼性の高い計測ができます。

②大型CNC画像測定機 QV ACCELシリーズ

(引用:株式会社ミツトヨ/大型CNC画像測定機 QV ACCELシリーズ)

大型CNC画像測定機 QV ACCELシリーズには以下3つの特徴があります。

  1. 大型にワーク対応:標準機で最大1000mm×1000mmの計測ができます。
  2. 特注対応も可能:特注機では最大1500mm×1750mmの範囲を計測できます。
  3. 大きくても高性能:0.1μmの分解能スケールを搭載しており、大きくても微細な計測が可能なモデルです。

(3)ユビキタス・テクノロジーズ株式会社

【特徴】
自社独自の画像処理技術を駆使した、検査装置に特化したメーカです。自動車や金属品の外観検査や紙の外観検査などさまざまな種類の装置を開発・販売しています。

【所在地】
神奈川県横浜市中区南仲通四丁目49番地 福久ビル7F
TEL:045-650-5688

【製品】
ユビキタス・テクノロジーズ社では小型の「TechVMS MK-Ⅱ」を取り扱っています。

①TechVMS MK-Ⅱ

(引用:ユビキタス・テクノロジーズ株式会社/TechVMS MK-Ⅱ)

TechVMS MK-Ⅱには以下3つの特徴があります。

  1. 超コンパクト:本体の総重量が5kg以下と軽量でコンパクトなのが最大の特徴です。
  2. 多彩なバリエーション:レンズ倍率によって4種のバリエーションにわかれます。必要な倍率と分解能から最適な装置選択が可能です。
  3. 多彩なオプション:ワークの形状や使い方によって合わせたオプション追加も可能で、好みにカスタマイズできる装置です。

5.画像寸法測定器の導入に関するご相談はFAプロダクツ

製品の品質要求はどんどん高くなっており、それら全ての要求に答えるのは人では不可能です。そこで画像寸法測定器を導入すれば、目視でわからないμmの誤差を判別できます。

また検査速度が人より早く、百か所以上の検査箇所を数秒で検査が可能です。検査時間の短縮や、ヒューマンエラーとバラつきの回避など、多くのメリットがあります。

画像寸法測定器の導入をお考えの人は、気軽にFAプロダクツへご相談ください。

【特徴】
FAプロダクツは年間200台もの実績がある関東最大級のロボットシステムインテグレーターです。一貫生産体制をとっており、設計から製造までをワンストップで対応。費用・時間にムダなく最適化を行うことができます。

また、お打ち合わせから原則1週間以内に「お見積りとポンチ絵」をご送付。

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テキストやお電話だけでは伝わりづらいゴールイメージを共有し、スピード感を持った対応を心がけています。

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【所在地】
茨城県土浦市卸町2丁目13-3
TEL.050-1743-0310(代表)
FAX.050-3156-2692(代表)
https://jss1.jp/

【営業品目】

  • 産業用ロボット
  • 生産設備合理化・省力化の設計及び製作
  • 基板電気チェッカーや貼合・折曲など
  • 治具の設計・製作

【実績】
NM社(電子部品の製造販売)、HS製作所(情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活の各システム製造販売)、TT社(ショッピングセンターなどリテール事業)、SM社(自動制御機器の製造・販売)、OR社(自動車安全システムの製造販売)

関東最大級のロボットシステムインテグレーター 生産設備の設計から製造ならお任せください

050-1743-0310 営業時間:平日9:00-18:00

つくば工場:茨城県土浦市卸町2-13-3、相模原工場:神奈川県相模原市中央区上溝1880番2 SIC3-317