ハイスピードカメラの主要メーカ3選!選び方や導入メリットも解説
ハイスピードカメラは、通常のカメラに比べて1秒間に数百枚以上撮影できる機能を持つカメラを指します。そして肉眼では見逃してしまうようなわずかな変化を撮影できるようになる装置です。
不具合解析やこれまで人の経験や勘で行ってきた装置の条件出しを容易にしてくれるため、注目を集めています。
しかし、ハイスピードカメラはさまざまなメーカから販売されており、何を選んだらいいのか悩ましいものです。そこでこの記事では、ハイスピードカメラを選ぶ時のポイントと主要メーカの取り扱い製品を紹介し、ハイスピードカメラで生産性を上げるポイントについて解説していきます。
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目次
1.ハイスピードカメラを選ぶときのチェックポイント
ハイスピードカメラを選ぶ際は、次に挙げる項目に注目して選びましょう。
(1)求められる画像の条件
最初にチェックしておきたいのは求められる画像の条件です。たとえばハイスピードカメラは撮影速度(fps)の性能に比例して価格も高くなる傾向にあります。そこで、次の求められる画像の3つの条件を整理することで、適切なハイスピードカメラを選ぶことにつながります。
- 撮影速度(fps)
- 解像度
- 色情報
撮影速度は、撮影対象の速さがポイントになります。撮影対象の速度から、1秒間に何枚撮影できれば対象の動きを捉えることができるかを目安にすることでオーバースペックになることを防げます。
解像度は、検出対象の大きさがポイントになります。精緻な画像が必要であれば高い解像度のものが選択肢にあがりますが、その分データ量が増えることになります。結果、撮影速度の低下や記録時間が短くなることを招いてしまうので、適切な解像度を見極める必要があります。
色情報は、求められる画像の必要条件に色が含まれているかがポイントになります。モノクロはカラーに比べてデータ量を節約でき、解像度も高く保てるので、どちらでもよいということであればモノクロを選ぶとよいでしょう。
(2)サイズ
次にチェックしておきたいのは、ハイスピードカメラのサイズです。このサイズによって、ハイスピードカメラの導入可否に影響が出てきます。
たとえば生産現場にハイスピードカメラを導入したい場合は、不具合解析などに使うことになるので後付けになります。このとき、複雑に入り組んだ機械・装置内に設置することになるため設置スペースが限られてしまいます。必要な機能を満たしたハイスピードカメラでも、撮影する際に設置できなければ目的を達成できないので確認しておく必要があります。
(3)メモリ容量
最後にチェックしておきたいのは、ハイスピードカメラのメモリ容量です。このメモリ容量によって、導入するハイスピードカメラの選択肢に影響が出てきます。
ハイスピードカメラで撮影された画像は、内部メモリに一時保存することになります。このとき、データ量が増えてしまうとメモリ容量をすぐに圧迫してしまい、撮影に支障をきたしてしまいます。
そのほか、メーカにもよりますが、小型タイプでは内部メモリに保存することで高い撮影速度と解像度を達成させることも可能ですので、確認しておく必要があります。
2.ハイスピードカメラの主要メーカと製品
ここでは、ハイスピードカメラを取り扱っている主要メーカと製品をご紹介します。
(1)シナノケンシ株式会社
シナノケンシ株式会社は、精密モータや搬送ロボットといった自動化分野の産業ソリューションで、ハイスピードカメラなどの開発・製造・販売を手がけている企業です。
主要商品としてプレクスロガーがあり、ハイスピードカメラで撮影した高速映像とアナログセンサから収集した波形データの同時記録を可能にしているのが特徴です。
①プレクスロガー
(引用:シナノケンシ株式会社 | ハイスピードカメラ/高速度カメラ | PLEXLOGGER)
プレクスロガーは、社内ニーズにあった「動きとアナログ信号を同期記録できるツールが欲しい」といった声から生まれた、オールインワンタイプのハイスピードカメラのシステムです。
映像だけではわからなかったアナログセンサから得られる情報を同期記録できるため、動作検証・評価・不具合解析といった作業効率が劇的に向上するのが特徴です。最大100,000fps、最大解像度1,280 × 1,024pxの高速撮影が可能で、外部センサや設備・装置を制御するアナログ出力信号にも対応しています。
【所在地】
▼本社
長野県上田市上丸子1078
Tel:0268-41-1800
Fax : 0268-43-0010
▼お問合せ営業窓口(システム機器ビジネスユニット)
Tel:0268-41-1840
Fax : 0268-42-2923
ハイスピードカメラ プレクスロガー専用サイト:https://plextor.jp/plexlogger/
お問合せフォーム:https://plextor.jp/plexlogger/support/form.php
Webサイト:https://jp.aspina-group.com/ja/
(2)株式会社松電舎
株式会社松電舎は、「視る」をコンセプトにしたマイクロスコープやハイスピードカメラなどの光学機器の企画・製造・販売を手がけている企業です。
主な商品として低価格/高機能のハイスピードカメラがあり、利用目的に合わせた撮像を可能にしているのが特徴です。2次元運動解析ソフトウェア、長時間レコーダ、その他オプションセットも取り揃えています。
①低価格ハイスピードカメラ
▼CHU30-C-RS / CHU30-B-RS
(引用:株式会社松電舎 | 低価格ハイスピードカメラ | CHU30-C-RS/CHU30-B-RS)
CHU30は、大きさが29×29×42.6のコンパクトサイズのハイスピードカメラです。
インターフェースにUSB3.0を採用。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、低価格ながら640×480pxの解像度で800fps、640×360pxの解像度で1,000fpsの高速撮影が可能なのが特徴です。
▼CHU135-C-RS / CHU135-B-RS
(引用:株式会社松電舎 | 低価格ハイスピードカメラ | CHU135-C-RS/CHU135-B-RS)
CHU135は、大きさが29×29×42.6のコンパクトサイズのハイスピードカメラです。
同じくインターフェースにUSB3.0を採用。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、低価格ながら1,280×1,024pxの解像度で200fps、224×224pxの解像度で2,300fpsの高速撮影が可能なのが特徴です。
②高機能ハイスピードカメラ
▼CHU130EX
(引用:株式会社松電舎 | 高機能ハイスピードカメラ | CHU130EX)
CHU130EXは、大きさが44×44×81.5のハイスピードカメラです。
こちらもインターフェースにUSB3.0を採用。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、記録方法として内蔵2GBのメモリを使用した記録と高速シリアルバスを使ったDMA転送の2通りの使い方ができるのが特徴です。1,280×1,024pxの解像度で200fps、112×80pxの解像度で4,000fpsの高速撮影ができます。
▼CHU530EX
(引用:株式会社松電舎 | 高機能ハイスピードカメラ | CHU530EX)
CHU530EXは、大きさが44×44×81.5のハイスピードカメラです。
インターフェースにUSB3.0を採用。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、記録方法として内蔵2GBのメモリを使用した記録と高速シリアルバスを使ったDMA転送の2通りの使い方ができるのが特徴です。2,592×2,048pxの解像度で100fps、320×20pxの解像度で7,500fpsの高速撮影ができます。
【所在地】
▼本社
大阪市北区万歳町4-12 浪速ビル東館7F
Tel:06-6364-3000
Fax : 06-6364-3311
お問合せフォーム:https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/contact/
お問合せフリーダイヤル:0120-629-250
Webサイト:https://www.shodensha-inc.co.jp/ja/
(3)カトウ光研株式会社
カトウ光研株式会社は、可視化計測のエキスパートとして可視化計測用の製品開発・製造・販売を手がけている企業です。
主な取り扱い商品としてハイスピードカメラの「kシリーズ」があり、高解像度フラグシップモデルの「k9」では1,920×1,080pxの解像度で2,000fps、1,920×24pxの解像度で52,000fpsの高速撮影が可能なのが特徴です。ハイスピードカメラの他にも様々な可視化システムを用意しており、生産現場のニーズに合わせた提案をしています。
その中の一例として、微粒子可視化システムを利用した局所排気や集塵機の性能評価や異物混入経路の解明などが挙げられます。
①kシリーズ
▼k8-USB
(引用:カトウ光研株式会社 | 小型高解像撮影ハイスピードカメラ | k8-USB)
k8-USBは、大きさが29×29×81.5のコンパクトサイズのハイスピードカメラです。
インターフェースにUSB3.0を採用。白黒、カラー両方のラインナップを揃え、内蔵メモリを利用すれば640×480pxの解像度で1,000fpsの高速撮影が可能なのが特徴です。PIV(粒子画像計測法)の高画素撮影用のカメラとして主に用いられています。
▼k6
(引用:カトウ光研株式会社 | 小型高解像撮影ハイスピードカメラ | k6)
k6は、大きさが82×110×185のハイスピードカメラです。
インターフェースにUSB3.0を採用。1280×1028pxの解像度で2,000fpsの高速撮影が可能なのが特徴です。PIV(粒子画像計測法)の高精度解析用のカメラとして主に用いられています。
▼k9
(引用:カトウ光研株式会社 | 小型高解像撮影ハイスピードカメラ | k9)
k9は、大きさが185×250×300のハイスピードカメラです。
インターフェースにUSB3.0を採用。1,920×1,080pxの解像度で2,000fpsの高速撮影が可能なのが特徴です。PIV(粒子画像計測法)の高精度解析用のカメラとして主に用いられています。
【所在地】
▼本社
神奈川県伊勢原市石田737-2
Tel:0463-91-1281
Fax : 0463-91-1291
お問合せフォーム:https://kk-co.jp/contact/
Webサイト:https://kk-co.jp/
3.ハイスピードカメラの導入メリット・デメリット
ハイスピードカメラを利用する際は、導入によるメリット・デメリットもあわせておさえておきましょう。
(1)メリット
①信頼性を上げることができる
ハイスピードカメラを導入すると、人による見落としをなくし、わずかな変化を撮り逃がさないことで不具合解析の作業効率を上げることができます。その結果、原因調査のリードタイムを減らすことで、製品品質をより精度高く保証できるようになり、信頼性を上げることができます。
②生産性を上げることができる
不具合解析の他にも、生産設備の条件出しにもハイスピードカメラは活躍します。たとえばパーツフィーダ上のバネといった小物などの搬送系や、潤滑剤塗布などの工程系など、勘と経験に頼ってきた箇所の動きを可視化することができます。可視化された動きに合わせて各種センサから得られたデータを組み合わせることで、精度の高い調整を行うことが可能になり、生産性を上げることができます。
(2)デメリット
①初期費用がかかる
ハイスピードカメラは他の産業用カメラに比べて高い撮影速度(fps)を持つカメラです。その機能を十全に生かそうとすると、高性能の解析用PCや解析ソフトウェアといった周辺機器が別途必要になるため、初期費用がかかります。
②導入検討に時間がかかる
ハイスピードカメラを導入するときは、現場でスムーズに使えるように機材の条件出しから解析システムの使い方といった様々なことを検討・検証しなければいけません。そのため、多くの時間が必要になります。
4.ハイスピードカメラを用いて生産性を上げるポイント
ハイスピードカメラは肉眼では捉えられないわずかな変化を可視化できますが、付属機能を活用することで更に作業効率を上げることも可能です。たとえばトリガー記録機能を持つものを利用することで無人稼働させることができ、不具合発生の前後を確実に捉えることができます。
他にもアナログセンサーからのデータを同期記録できる機能を持つものを利用することで、より詳細な不具合解析などを行うことができます。こうした付属機能にも注目して活用方法を考えることで、より生産性を上げることが可能になります。
5.ハイスピードカメラ導入に関するご相談はFAプロダクツへ
ハイスピードカメラは、肉眼では見逃してしまうような変化を撮影できるようになる便利な装置ですが、撮影対象に適した組み合わせのものを選択しなければ、適切な解析結果を得ることができません。もし、ハイスピードカメラの導入にお困りでしたら、ぜひFAプロダクツまでお問い合わせください。
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